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REPORT

2018.10.21

GARNiDELiA「stellacage Live House Tour 2018 “glow”」最終公演レポート!

GARNiDELiA「stellacage Live House Tour 2018 “glow”」最終公演レポート!

メイリア(ボーカル)とtoku(コンポーザー)による音楽ユニット・GARNiDELiAのライブツアー“stellacage Live House Tour 2018 “glow””の最終公演が、9月29日に東京・Zepp DiverCityで開催された。この夏に埼玉、茨木、千葉、長野、京都、兵庫、香川、広島、岩手、秋田のライブハウスを巡り、公演数としては過去最多の11公演となった今回のツアー。その締め括りとして、また、彼らが近年力を入れているダンスの要素を採り入れたショウの現時点での到達点として、圧巻のパフォーマンスを見せてくれた。

壮大かつダンサブルなSEと共にスタートしたこの日のライブ。ステージの幕が上がると、舞台中央のひと際高いステップにメイリア、その両サイドにキーボードのtokuを含む6名の楽器隊(tokuの他にギターが2人、ベース、ドラムス、バイオリンという構成)、さらにステージ前面に置かれた4つの台それぞれにダンサーがひとりずつスタンバイ。天井からは星形のオブジェが吊り下げられており、彼らが楽曲のモチーフとしてよく扱う宇宙や星空を思わせる光景が広がる。豪華な見栄えのステージに客席からどよめきが上がると、メイリアが「Hysteric Bullet」の頭サビの部分を完全アカペラで一節一節噛み締めるように歌い上げ、観客を一気に楽曲の世界へと引き込む。そしてバンドの演奏、ダンサーのパフォーマンス、レーザー演出が加わって、煌びやかなステージが開幕。2番からはメイリアもステップを降りてダンサーとシンクロした踊りを披露し、同曲の「踊っちゃってみた」動画と同じ5人組でのフォーメーションが再現される。

歌唱後、メイリアが「みんな、調子はどーお?」と聞いて大歓声を引き出すと、続けてトラップ要素の強いダンス特化型のEDMナンバー「Poppin’Trip」、アシッド・ハウス系のウネウネしたシンセ音が耳を惹く「Diamond」を畳みかけ、さらに「最初から飛ばしていくよ!」(メイリア)と人気のシングル曲「ambiguous」でお客さんと一緒に大合唱。ラストの“想いは きっと ひとつ”という歌詞の部分では、メイリアもファンも人差し指を高く掲げて、想いをひとつにする。

この日最初のMCパートでメイリアは「2018年最後のワンマンということですから、今年の感謝の思いを込めて、最後まで全力でお送りしたいと思います」と力強く語り、ロッキッシュな「Burning Soul」、ふたたびダンサーを迎えて切れのあるパフォーマンスで魅せた「Error」と熱いナンバーを連発する。その余熱を冷ますように、インディー時代からの代表曲「ARiA」の流麗なイントロが流れ出し、フロアからは歓声が。ステージ後方の舞台装置が煌めいて星くずの道を紡ぎ出すと、メイリアはその星空に向けて溢れんばかりの気持ちををぶつけるようにエモーショナルな美声を響かせる。さらに同じくインディー時代の楽曲「Harmony」へと繋げ、激しく躍動するギターサウンドと共に渾身の歌声を届ける彼女。楽曲の背景にある感情や情景をドラマティックに浮き上がらせる卓越した表現力で、ボーカリストとしての力量を存分に見せつける。

客席から惜しみない拍手が贈られるなか、今度は照明が落ちて真っ暗闇に。そしてステージ上のメイリアとダンサーにひとりずつスポットが当てられ、タイトなダンストラックに合わせてしなやかな動きでパフォーマンス。彼女たちの動きに合わせてレーザーが照射され、まるで光を操っているかの如き演出も見事だ。その後にステージが明るくなると、そこにはゲスト・プレイヤーとして招かれたカルメラの小林洋介(トランペット)、辻本美博(アルト・サックス/クラリネット)、たなせゆうや(トロンボーン)の姿が。ここで以前に彼らとのコラボで制作されたジャジーな楽曲「NEON NIGHT」が、ライブ初共演で披露される。ステージにはいつの間にかミラーボールも設置され、ダンサーもイスを使ったセクシーなダンスを展開。2番ではメイリアも台上に寝そべって色香たっぷりの動きでお客さんを魅了する。そこからスウィンギーなナンバー「Love Swing」へと雪崩れ込み、ハットを被ったダンサーやピンク色の照明が妖艶なムードを演出。多面的な魅力を持つGARNiDELiAの艶やかさが打ち出されたパートだった。

そしてメイリアとtokuは一旦退場。ダンサー4人それぞれのソロ・パフォーマンスと楽器隊による白熱のインタープレイが会場の熱気を上昇させると、着物をアレンジしたような衣装にお色直ししたメイリアとtokuが再登場し、ここでリリースしたばかりのダンス・ベスト・アルバム『響喜乱舞』より表題曲の「響喜乱舞」をライブ初披露。ダンサー4人を従えて、「踊っちゃってみた」動画でもお馴染みの扇子を使ったパフォーマンスもバッチリと決めてみせ、サビではお客さんも「ソレソレソレソレ!」といったお祭りの掛け声風のコールを入れて、まさに狂喜乱舞な様子に。オリエンタルな音色とトラップ風のビートを融合させたサウンド、雅やかかつ斬新な衣装、狂乱状態のフロア――そこに広がる景色は、SF映画に出てくる近未来的なオリエンタル感にも近しく、GARNiDELiAのライブでしか生まれえないものだったように思う。

さらに二胡の哀感漂う響きが印象的な「桃源恋歌」を立て続け、次の「オオカミ少女」ではメイリアとダンサーが再び扇子を用いて優雅に舞い踊る。続くMCでメイリアはクルッと回って新しい衣装をアピール。さらに客席からの「tokuさん回ってー!」というリクエストにtokuもその場で回転してお客さんは大喜び。その反響を受けてメイリアも「tokuさん回っただけだよ? 愛されてるねー」と笑みをこぼす。そしてライブは早くも後半戦に突入。「うちらの後半戦はヤバいんだから、わかってる?」(メイリア)とお客さんに発破をかけ、その宣言通り「grilletto」「SPEED STAR」「BLAZING」とアッパーなシングル曲を連続で畳みかける。「BLAZING」ではtokuもショルダーキーボードを持ってステージ前面へ。ラスサビの“いつだって迷路みたいな時代 答えなんか無くて 手探りで 迷ってつまづいて こうして僕ら生きてく”というフレーズでメイリアとtokuが背中合わせになり、二人して右手を突き上げたシーンは、彼らがGARNiDELiAとして生きていく決意表明のようにも映った。

そこから休む暇なく「約束-Promise code-」を歌い、ファンに向けて“1人では届かない世界を見に行こう”という言葉を届けるメイリア。ギター2本のフルバンド編成による分厚いサウンドと拮抗しつつ、歌詞に込められたメッセージを明瞭かつ真っ直ぐお客さんに届ける彼女の歌声には、やはり唯一無二の存在感がある。そして彼女は「これで最後の曲です!」と伝え、「踊っちゃってみた」動画をきっかけに中国をはじめとする世界で愛されるようになった楽曲「極楽浄土」へ。オリエンタル感を持ったシンプルかつノリやすいサウンドにお客さんも踊れや歌えやの大騒ぎとなり、熱狂のなかライブ本編は終了した。

盛大なアンコールに応えて再びステージに上がった彼らは、まず「踊っちゃってみた」動画の始まりの楽曲でもあるメイリアのソロ名義のナンバー「Girls」を、アルバム『響喜乱舞』にも収められたGARNiDELiA版のアレンジで披露。「Girls」は今回のツアーのアンコールで必ず披露され、公演ごとにtokuが新たにアレンジを調整していったもので、『響喜乱舞』に収録されたのはいわば今回のツアーを経て完成したバージョンでもある。よりファンキーに生まれ変わったサウンドと、エフェクトを加えてサイバー感を増したメイリアの歌声、ダンサーを交えた見た目にもクールなパフォーマンスは、今の彼女たちの魅力が凝縮したものと言えそうだ。

続くMCで「あんなにいっぱい踊って歌ったのに、まだ欲しがるんだね?」と笑うメイリア。ここでカルメラの3人をふたたびステージに迎え入れ、今やGARNiDELiAのライブの定番曲となっているポップで明るいナンバー「アイコトバ」を披露する。生のホーンが入ることでより華やかになった印象だ。そして曲の途中で突然演奏がストップ。今回のツアーのアンコールでは、毎公演ごとにご当地の美味しい食べ物をいただくコーナーを設けていたそうだが、この日は東京でのファイナル公演ということで、スペシャルな発表を行うことに。ドラムロールに続いて後方のモニターに表示されたのは、来年に行われるアジアツアー「GARNiDELiA stellacage Asia Tour 2019 “響喜乱舞”」のインフォメーション。3月21日(木・祝)の東京・マイナビBLITZ赤坂を皮切りに、香港、台湾、シンガポールなどを巡るGARNiDELiA史上最大規模のツアーになるとのことだ。

そしてライブに戻り、「アイコトバ」の続きでお客さんと一緒にタオルを振って一体感を作り出すと、再びMCへ。メイリアは、今年の日本では災害などの発生が多かったなか、無事にツアーを終えられたことを受けて「今回のツアーを通して、私たちの仕事は何一つ当たり前のことはない」「ひとつひとつのライブは奇跡の連続でできてることを感じました」「だからこそ、こうして会いに来てくれるみんなが本当に愛おしくて、大好きだなと感じるツアーでした」と感謝の気持ちを語る。続けて「ラストはうちらのテーマ曲をやりたいんだけど、みんな全部出し切る準備はできてる?」と煽って、この日のラスト・ナンバー「G.R.N.D.」を披露。EDM流儀のタイトなビートにホーンが加わってクールさを増したサウンドに「革命を~♪」という歌声がフィットする様は、ここが到達点なのではなく、あくまで経過点のひとつであり、ここからが革命の始まりなのだと宣言するかのようだ。

終演後、ステージのモニターには、今回のツアーで回った10都市の公演のバックステージの様子や、会場に訪れたファンの映像や写真などで構成されたスペシャル・ムービーが上映。最後にはメイリアとtokuそれぞれの手書きによる感謝のメッセージが映し出されて本公演は終了した。歌や演奏、ダンスなどのパフォーマンスはもちろん、舞台装置や照明などのステージ演出、音響面の機材や設備、サプライズなどの仕掛け、どれをとっても彼らのこだわりとファンに対する想いが伝わってくる、まさに「glow(輝き)」に満ちたライブだったように思う。

Text By 北野 創
Photography By Viola Kam (V’z Twinkle)

GARNiDELiAライブツアー“stellacage Live House Tour 2018 “glow””
9月29日(土)【東京】Zepp DiverCity

<セットリスト>
M1. Hysteric Bullet
M2. Poppin’Trip -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-
M3. Diamond
M4. ambiguous
M5. Burning Soul
M6. Error
M7. ARiA
M8. Harmony
M9. NEON NIGHT
M10. Love Swing
M11. 響喜乱舞
M12. 桃源恋歌
M13. オオカミ少女
M14. grilletto
M15. SPEED STAR
M16. BLAZING
M17. 約束-Promise code-
M18. 極楽浄土

EN1. Girls
EN2. アイコトバ
EN3. G.R.N.D.


●リリース情報
『響喜乱舞』(きょうきらんぶ)
発売中

【初回生産限定盤(CD+フォトブック)】※三方背仕様
品番:VVCL-1296~7
価格:¥3,000(税込)
※フォトブック:メイリアが踊っちゃってみたシリーズの衣装を着用した、完全撮り下ろしのフォトブック

【通常盤(CD)】
品番:VVCL-1298
価格:¥2,500(税込)

<CD>
1.響喜乱舞
2.アブラカダブラ ~avra K’Davarah~
3.紅葉愛唄
4.Girls
5.Love Swing
6.Lamb.
7.PiNKCAT
8.Hysteric Bullet
9.桃源恋歌
10.極楽浄土

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