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INTERVIEW

2018.05.21

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information 最終回

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フジムラトヲル、石川智久、松井洋平からなるテクノユニット、TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND。『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供し、近年、アニソン・シーンにて大きな活躍を見せている。大ヒットを記録したTVアニメ『おそ松さん』のEDテーマ「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」の作詞・作曲・編曲を手がけたことでも知られている。

そんな彼らの連載『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』は、《お気に入り》《影響》など、彼らが受けた様々なインプットをアウトプット=《報告》するという内容だ。TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDはどのような活動をしているのか?メンバーは一体どんな人物なのか?……魅力的な楽曲を次々と生み出している彼らの実態が今明らかになる!?

アニソン・シーンの最先端で活躍しているTECHNOBOYSの初となる連載。
第17回はついに最終回。彼らの近況報告とTECHNOBOYSハイレゾ情報、石川智久の好きな女優の話や、松井洋平によるオススメのハイレゾ作品など、興味深い話題が満載!

■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』前回の連載はこちら
■『TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information』これまでの連載はこちら

Craft Report / TECHNOBOYSの活動報告

桜の季節、そしてゴールデンウィークも過ぎ、段々と梅雨の足音が聞こえてきそうな昨今、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

毎日の気温の変化に風邪をひきかけては治すを繰り返している、フジムラトヲルでございます。

さて、突然ですが皆さまにご報告が。
2016年11月から、約1年半に渡って連載を続けてまいりました「TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDのPulse Craft Information」ですが、今回をもちまして最終回となります。

TECHNOBOYSにとって初めての連載。
中々普段のインタビューなどでは話さない音楽のことや、パーソナルなこと、いろんなことを好き勝手につらつらと書くことができ、とても楽しかったです。

文章を書くにあたり改めてそのことについて調べたりしているうちに再発見・再認識することもあり、有意義な1年半でした。
お付き合いいただいた皆さま、本当にありがとうございました。

とはいえ、解散するわけでも、活動を休止するわけでもないので、またきっとリスアニ!WEBさんで、お会いできることでしょう!

さてさて、TECHNOBOYSの近況はと申しますと、発表されましたね。そう、『バカボン』です。
7月から放送開始のTVアニメ『深夜!天才バカボン』OP主題歌「BAKA-BONSOIR!」の作詞・作曲をTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDが担当することになりました!

いやはや『おそ松さん』に続き、赤塚作品に参加できるという光栄っぷりたるや、うれしいですね。
現在、鋭意制作中ですので、乞うご期待なのだ!

そんなこんなで今月のTECHNOBOYSハイレゾ情報は、赤塚先生繋がりで、TVアニメ『おそ松さん』1stシーズンED主題歌「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」でございます。

イヤミ feat.おそ松×カラ松×チョロ松×一松×十四松×トド松
(cv.鈴村健一、櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山 潤、小野大輔、入野自由)
「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」

この曲で、TECHNOBOYSという名に初めて触れた方も多いことかと思います。
その分、我々にとっても思い入れの深い曲になりました。

『おそ松くん』といえばイヤミ。そして名ギャグ「シェー!」というイメージだったので、この曲も「シェー!」という言葉を中心に作り上げられていきました。

『おそ松さん』では、完全にサブキャラ扱いになってしまいましたが、やはり「シェー!」のもつパワーは偉大であるとこの曲をもって証明されましたね。

音周りでいえば、当時のインタビューでも話しておりますが、各松バージョンでそれぞれのキャラに合わせてリズムマシン(RolandのTRシリーズ)を変えたりしておりますので、ハイレゾではその違いを存分に楽しんでいただけるではないでしょうか。

イヤミ feat.おそ松×カラ松×チョロ松×一松×十四松×トド松
(cv.鈴村健一、櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山 潤、小野大輔、入野自由)

「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」

avex pictures
2016.06.29

FLAC・WAV 96kHz/24bit

ハイレゾの購入はこちら

e-onkyo music
groovers
mora

©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

Favorite Pulse / TECHNOBOYSのお気に入り

TECHNOBOYSのメンバーが自分のお気に入りを紹介する〈Favorite Pulse〉。石川智久が担当です。

いよいよ最終回。最後はいちばん好きな女優。
私の大好きなヌードな女優「夏目雅子」(1957~1985)

小学何年生だったか忘れたが、夕刻たまたま友人宅でTVをつけると衝撃的なシンセサイザーサウンドと堺 正章の恐ろしいメークの画面に釘付けになった。
『西遊記』(日本テレビ)の再放送だ。

この体験は3つの爪痕を私の心に残す。
「ゴダイゴ」「ボーイズラブ(?)」、そして「夏目雅子」だ。

冒険小説『西遊記』は小学生も知っている「”ありがたい”お経」を求めて西へと旅する物語であるが、男である三蔵法師を女である夏目雅子が丸坊主(カツラ)で演じている驚愕と第1話にして山賊に襲われ、三蔵が肩をはだけさせられる演出、回を追うごとに増える孫悟空と三蔵のボーイズラブ的な演出に「なんなんだこの興奮は!」と小学生の私の心を抉った。

そんな夏目雅子のヌードは1977年、当時未公開ながらカネボウ化粧品CM「クッキーフェイス」で既に撮影されていた。今では写真集で見ることができる。

撮影当時、18歳の健康的な小麦色の若く美しい肢体でブレイクスルーを果たした彼女は、『西遊記』を含むいくつかの著名な作品に出演後、1980年に放送された松本清張原作の『ザ・商社』(NHKドラマ)ではその小ぶりながら美しい胸を露わにし、山崎 努に躙り寄る若きピアニストを演じている。

今のNHKドラマでは考えられない映像だが、この演技の評価から「なめたらいかんぜよ!」でおなじみの映画『鬼龍院花子の生涯』の美しさゆえに養父に犯されかけるという倒錯した官能シーンへと繋がることになる。

官能シーンは少なくなるが、映画よりもTVドラマの方が夏目雅子の魅力が光っていたように思う。
彼女の竹を割ったような性格、ボーイッシュだったり清楚だったり、様々な魅力が映像に収まっている。

私は子供ながらにこの方に恋をしていた。
未だその熱は冷めず、幻影を追いかけている。

Influence Information / TECHNOBOYSへの影響

TECHNOBOYSのメンバーが影響を受けた音楽からハイレゾリリースされている作品をご紹介。
今回、松井洋平がオススメするのは、中森明菜「禁区」(1983)

中森明菜『BEST AKINA メモワール』(「禁区」収録)

TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDがこれまで手がけてきたアニメ作品への楽曲提供の骨子のようなものがこの曲にある気がします。

アイドルとしての女性ボーカル、アナログシンセサイザーのサウンド、ヒューマンなグルーヴと打ち込みのリズムの共存、シンバルをほぼ使用しない(この曲は皆無ですね)etc……作曲はYMO散開直前の細野晴臣さんに作詞は松井洋平も作詞家として多大な影響を受けている売野雅勇さん、とあらゆる方面から現在のTECHNOBOYSがインフルエンスの集中砲火を浴びているような曲ですね。

使用機材も当時の楽器を多く使っている僕らにとって、最大の違いはマスターがアナログかデジタルか!ということなんですよ。

もちろん、レコーディング技術やそもそものトラック数も現在と当時では違うのですが、例えばこの曲を聴いた後で、完全に99パーセントアナログシンセ&リズムマシンでトラックを作ったTPGのシングル「Round&Round&Round」でシンセの音触りを聴き比べていただくのは面白いのではないかと。

SIMMONSのタムは寺田康彦さんや飯尾芳史さんという当時の音を作ってこられた方々からも勉強させていただき、扱いのニュアンスが近いことを感じていただけると思います!

僕は96kHz/24bit FLAC(MQAもあります)を聴きましたが、なんといっても明菜さんの声の低域のふくよかさが響いてきます。
ハイレゾの分離の良さによるストリングスのおいしさ(サビ後ろなんて特に!)、当時のベストアルバムでは少し抑えた感じに聴こえてしまっていたのが十分な音圧になったのも恩恵ではないでしょうか。

松井としては、手口(やりかた)・催眠(わな)・理性(こころ)……現在のアニソン・リリックの原型がこの時点で当たり前のように披露されている凄まじいセンスに驚嘆してしまいます!

というわけでTECHNOBOYSの連載も今回で最終回。
こうしていろんなことを文章にしていくと新しい発見があるものですね!
ご愛読ありがとうございました。
今後ともTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDをよろしくお願いいたします!

中森明菜
BEST AKINA メモワール

WM Japan
2014.08.06

FLAC・MQA Studio 96kHz/24bit

ハイレゾの購入はこちら

e-onkyo music
groovers
mora

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TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
トラックメーカー・フジムラトヲル(Ba/Syn/Vo)、作曲家・石川智久(Pf./Syn/Vo)、作詞家・松井洋平(Gt./Syn/Vo)からなるテクノユニット。現在まで2枚のオリジナル・アルバムをリリースしており、その活動範囲は海外にまで及ぶ。細野晴臣氏が音楽監修を務めた2007年の映画『EX MACHINA -APPLESEED SAGA-』をはじめとして、『ウィッチクラフトワークス』『トリニティセブン』『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』『紅殻のパンドラ』『プリズマ☆イリヤ ドライ!!』『賭ケグルイ』『魔法陣グルグル』など、数々のアニメ作品に劇伴や主題歌、キャラソン等の楽曲を提供。ユニットだけでなく、個人として作品に携わることも多い。宇都宮 隆氏、松岡英明氏、浅岡雄也氏ら、時代を創ったボーカリストとのコラボレーション・ナンバーや、TVアニメ『おそ松さん』のEDテーマ「SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~」など、制作したそれらの楽曲は大きな話題を呼んでいる。

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