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2018.05.07

初のホール公演に2,000人が集結!GARNiDELiAワンマン・ツアー“GARNiDELiA stellacage Tour 2018~G.R.N.D.~”東京公演レポート

初のホール公演に2,000人が集結!GARNiDELiAワンマン・ツアー“GARNiDELiA stellacage Tour 2018~G.R.N.D.~”東京公演レポート

GARNiDELiAのワンマン・ツアー“GARNiDELiA stellacage Tour 2018~G.R.N.D.~”の東京公演が、4月29日に中野サンプラザホールにて開催された。最新アルバム『G.R.N.D.』を引っ提げて行われたツアー。彼らの単独ライブでは初となるホール会場で実施された今回の公演。会場の規模のみならず、あらゆる面においてスケールアップしたステージで、約2,000人のファンを熱狂させた。

この日のライブは『G.R.N.D.』の中でもひと際アッパーなダンスチューン「Poppin’Trip」からスタート。クラップ音の幕開けからトラップ系のビートにウーハースピーカーから吐き出される重低音が加わり、会場は瞬く間に大音響のダンスフロアへと変貌。ステージの前面を覆う透過型スクリーンにはGARNiDELiAのロゴなどが投影され、その向こう側でパフォーマンスするメイリアやダンサーのシルエットが期待を高めていく。そしてメイリアの力強い歌声が響き渡り、幕が上がると、彼女を含む総勢8名からなるパフォーマーたちが登場。横一列に並んでのダンスはまさに壮観のひと言だ。のっけから熱狂的な歓声が巻き起こるなか、現時点での最新シングル「Error」のイントロが流れ出して、客席はさらにヒートアップ。いわゆるEDM的なサウンドに振り切った攻めのナンバーを序盤から立て続けに投入することで、いまのガルニデのモードを提示してみせる。

ステージは上下2段組みで、下段はダンスパフォーマンスをしっかりと展開できるよう広々としたスペースが取られており、上段にはtoku(キーボード)を筆頭に、ギターが二人、ベース、ドラムス、バイオリンという編成のバンドメンバーが陣取る。MCでメイリアが「初のホール公演!満員だよ、ありがとう!」「みんな自分らしく感じるままに、最後まで愛だけは絶対に忘れずに、最高の一日にしていきましょう!」と語って会場の一体感をさらに高めたあとは、どこかブルージーな雰囲気を湛えた「Gravity」、焦燥感を煽るサウンドとメイリアの艶めいた動作が交差する「Jesus」とロッキッシュな楽曲を連打。続く「Special Girl」では4人の女性ダンサーと共にステージを目いっぱい使ったフォーメーションでも魅せ、「BAD BOY」ではハーフテンポでゆったりとノセつつ、サビで地鳴りのようなベースドロップを投下して、メリハリの効いたステージを作っていく。

ホーンの華やかな響きと共に始まった「Love Swing」では、バンドメンバーもアコースティックギターやアップライトベースに持ち替えてジャジーな編成に。メイリアも男性ダンサーとペアになってジャズダンス的な動きでシックに迫り、歌唱面でも熱っぽいフェイクを取り入れていつも以上に大人っぽく聴かせる。このあたりはもともとジャズボーカルの経験もある彼女らしい部分だ。続くアーバンメロウなフューチャーポップ「After glow」でもLEDスクリーンに日常の景色を映し出す演出などが施され、2曲続けてアダルトな魅力が打ち出されていたように思う。

ダンサーたちがソロダンスで魅せたダンスセクションを挿み、今度は華美な和テイストの衣装にお色直ししたメイリアがステージ上段に登場。サビの部分でメイリアが「もっと!」とジャンプを煽った「約束 -Promise code-」、そこからシームレスにドラムソロへと雪崩れ込み、サビで合唱も起こった「オオカミ少女」と熱量の高いアップを容赦なく叩き込んでいく。同曲のラストでメイリアとダンサーが艶やかなポージングを決めたかと思えば、その姿勢を崩すことなく次曲「桃源恋歌」へと移行。二胡のオリエンタルな旋律と天女の様な出で立ちをした女性ダンサーたちが中華ムードを盛り上げ、サビの<ウォー・アイ・ニー>はみんなで大合唱。さらに鉄板曲「極楽浄土」へと繋ぐと、そこから「紅葉愛唄」の番傘を使った雅なパフォーマンスで和の情緒溢れる舞台を作り上げていく。

ここで再度メイリアが退場し、バンド演奏のコーナーへ。メンバーがそれぞれソロを回しながら壮大なインスト曲を奏で、最後はステージ下段に降りてきたtokuがキーボードソロを披露。そして今度は『G.R.N.D.』の衣装に着替えたメイリアがステージに表れ、「今回のアルバムは自分たちのルーツになってるものを散りばめたくて、私たちが今までやってきたことを全部詰め込もうと思って制作に挑んだんですけども、自分たちのルーツと言えば、インディーズ時代も今の私たちを作っている一部なんじゃないかと思っています」と語り、客席からはどよめきにも似た歓声が上がる。そしてtokuのしっとりとしたピアノソロに導かれて歌われたのは「SPiCa」。tokuがボカロP時代に作り上げた代表作で、ガルニデがインディーズ時代に初めて発表した作品『ONE』にも収録されたナンバーだ。天井のミラーボールにレーザー光線が照射されて光が星のように降り注ぐなか、メイリアのしなやかかつエモーショナルな美声が会場を優しく満たしていく。1番のサビラスト、<スピカ>という言葉の絶唱と共にバンドの演奏も加わり、ドラマティックに展開していくこの日の「SPiCa」は、彼らの原点と同時に、この先の未来も照らし出すような名演だった。

さらに「ORiON」では星の流れる夜空から遥か宇宙へと誘うような映像演出が雄大な景色を生み、メイリアもその全てを包み込むようなロングトーンで応える。歌唱後、「もしtokuが「SPiCa」をネットに投稿してなかったら、私たちは今このステージに立ってなかったかもしれないし、GARNiDELiAも生まれてなかったかもしれないということで、私はすべてのことに意味があるんだなって日々思いながら生活してます。みんなも毎日を大切に生きてほしいなと思います」としみじみ語るメイリア。だが、そんなしっとりモードを吹き飛ばすかのように、彼女はここで突然ライブが後半戦に入ったことを宣言し、お客さんとコール&レスポンスを楽しんだあとに、怒涛のラストスパートに突入する。会場が揺れるほどの興奮を生んだ「SPEED STAR」、レーザー光線とシンクロしたアクションでも魅了した「grilletto」、女性ダンサー4人と共にステージ前方に設置した台に上がって盛り上げた「Hysteric Bullet」と、人気のシングル曲と『G.R.N.D.』からの最新ナンバーを織り交ぜながら惜しみなく披露。そしてメジャーデビュー曲でもある「ambiguous」では入りから観客も大合唱。メイリアはステージ上段に上がり、バンドメンバーたちと肩を組んだり背中合わせになったりしながら、メンバーやファンとの結束を楽しむように歌を紡いでいく。最後は「この曲をやらないと終われないよね!?」と檄を飛ばして、アルバム表題曲でもあるダンストラック「G.R.N.D.」で締め括り。メイリアとtoku、バンドメンバー、8人のダンサー、さらに音楽、ダンス、映像、照明ほか、あらゆる演出が一体となったステージは、彼らが目指すエンターテイメントがどのようなものなのかを指し示すような内容だったように思う。

アンコールの1曲目「アイコトバ」では、メイリアとtokuの二人が客席まで飛び出し、ファンとハイタッチを交わしながらパフォーマンスを行うというサプライズも。その後のMCで「人生何が起こるかわからないし、私がいつまで歌を続けていけるかもわからないけど、でも私は音楽を続けて行く限り、GARNiDELiAのメイリアでいたいと思ってます。それはtokuもきっと一緒だよね? 今日は楽しかった?」というメイリアの問いかけに、「最高だろ?」と返すtoku。続けてメイリアは「tokuも私もガルニデに人生賭けてるから、これからもみんなといろんな景色を一緒に見に行きたいし、まだまだでっかい夢を掴みに行きたいと思ってます!」と力強く宣言。「〈絶対〉とか〈ずっと〉って言うのは本当は怖いんだけど、大好きなみんなだからあえて言わせてください。絶対みんなで夢をかなえようね! そしてこれからもずっとみんなで一緒に歩いていこうね!」との言葉に、オーディエンスも雄叫びのような歓声で応じる。そして彼女がこの日最後の曲として届けたのは、『G.R.N.D.』でもラストに置かれていたバラード「最後の恋」。<「絶対」なんてないと 閉じた 私の心に 差し込んだキミの光>という歌詞が、いつも以上に大きな意味を持って心に差し込んでくる。メイリアのGARNiDELiAでの活動に対する思いと、それを支えてくれるファンへの気持ちが重なり合い、深く、感動的な余韻を残して、この日のライブは幕を閉じた。

GARNiDELiAのライブと言えば、以前からダンサーもメンバーに加えて、音楽を奏でるだけではない多角的な魅力のあるステージ作りに挑んできたことで知られるが、今回は初のホール公演ということもあってかダンサーも過去最高の人数を招集。クラブミュージックの要素が強まった『G.R.N.D.』という作品のリリースツアーという要素も相まって、音楽面はもちろんダンスなどのパフォーマンス面でも見どころの多い公演となっていた。近年、日本の音楽シーンでも三浦大知やw-inds.といった、歌とダンスの両軸に力を入れているアクトが注目を集めていることから、GARNiDELiAも今後そういった文脈で「発見」される可能性も大いにありそうだ。

Text By 北野 創
Photography By 山本哲也

GARNiDELiA stellacage Tour 2018~G.R.N.D.~ 東京公演
2018年4月29日(日)東京・中野サンプラザホール

<セットリスト>
1. Poppin’Trip -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-
2. Error
3. Real
4. Gravity
5. jesus
6. Special Girl
7. BAD BOY -GARNiDELiA vs HEAVYGRINDER-
8. Love Swing
9. After glow
10. 約束 -Promise code-
11. オオカミ少女
12. 桃源恋歌~極楽浄土
13. 紅葉愛唄
14. SPiCa
15. ORiON
16. SPEED STAR
17. grilletto
18. Hysteric Bullet
19. ambiguous
20. G.R.N.D.
EN1. アイコトバ
EN2. 最後の恋

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