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2017.03.01

結城アイラ「ペールムーンがゆれてる」レビュー

結城アイラ「ペールムーンがゆれてる」レビュー

TVアニメ『ACCA13区監察課』のEDテーマ。結城アイラの優しい歌声と、高橋 諒が織りなす美しいメロディが静かに情景を描き出す。第8話の挿入歌「It’s my life」も収録。

2017年1月より放送されている、オノ・ナツメ原作によるTVアニメ『ACCA13区監察課』。魅力的なキャラクターたちが交錯する、ちょっと不思議な群像劇をスタイリッシュな映像で描くこの作品。ONE Ⅲ NOTESによるOPナンバー「Shadow and Truth」に続いてリリースされるのが、EDテーマとなる結城アイラの「ペールムーンがゆれてる」。

結城アイラは、『sola』OPテーマ「colorless wind」、『宇宙戦艦ヤマト2199』第一章EDテーマ「星が永遠を照らしてる」、『境界線上のホライゾンII』EDテーマ「悲しみは誰の願いでもない」、『ブレイク ブレイド』EDテーマ「愛しき抗いよ、導け光へ」など、数々の主題歌を歌唱しているが、近年はアニメ作品の楽曲やキャラクターソングなどを手がける作詞家としても活動しており、この「ペールムーンがゆれてる」では歌と作詞の両方を担当している。

作曲と編曲は、ONE Ⅲ NOTESのメンバーであり、今作の劇伴を手がけている作曲家・高橋 諒。今回は、スフィアの「My Only Place」(TVアニメ『装神少女まとい』EDテーマ。アルバム『ISM』に収録)を生み出した作詞家と作曲家の組み合わせでもある。

「ペールムーンがゆれてる」

主人公・ジーンの妹ロッタがバレエを踊る姿を描いた、村上 泉によるアート・アニメーションのような映像に、美しく重なるEDテーマ。目まぐるしく展開を続けるアッパーなOPテーマとは対照的に、情景を静かに映すように、アコースティック楽器の音色がゆっくりと奏でられている。

シンプルな線で構成されたミニマルな映像スタイルと同じく、サウンドは音数を抑えており、その分、空間やまたその余白といったものを感じさせる仕上がり。その中で、繰り返すピアノ、そのフレーズに絡むアコースティックギターの音色が繊細に響く。ピチカートやカスタネットのさりげないアクセントや、“自分にウソをついた”心の綻びが浮かび上がるさまをリヴァース音やリズムボックス、電子音でうっすらと表わしたパートなど、主旋律に音を自然になじませる、アレンジもきめ細やか。

惑いを経て、少しづつ相手へと近づいていく恋心を綴る歌声は、そっと微熱が帯びるようなニュアンスで、ひたむきな想いを問いかける可憐な様子が伝わってくる。流麗なストリングスが折り重なるラストでは、募る想いを追いかけるコーラスと、そばに近づく勇気を託すような、“ゆれてる”の言葉が優しく響く。

「It’s my life」

第8話「翼を広げた王女と友のつとめ」の挿入歌。牧歌的な雰囲気も漂うサウンドが新たな季節の始まりを告げ、未来へと向かう希望を明るく照らし出す。カップリング曲も結城アイラ&高橋 諒のコンビで、アコースティックギターをメインに楽曲を展開している。

穏やかなリズムで、でもしっかりと歩みを進め、パーカッションも気持ちを後押しするかのようにちょっぴり躍動的。エレクトリックピアノやウィンドチャイムの音色が柔らかく、また楽器が寄り添う温かい空気感も心地好い。さながらアコースティック・ライヴのような臨場感が感じられる。

アコースティックギターの奏でるメロディはみずみずしく、ここでは少しソウルフルな歌声と相まって、ジェームス・テイラーをバックにキャロル・キングが歌っているようなイメージを思い浮かべたりもして。自由に抑揚を泳がせる、なめらかでおおらかなヴォーカルが魅力的だ。

aira_yuuki_pale_moon_1結城アイラ
ペールムーンがゆれてる

Lantis
2017.03.01

FLAC・WAV 96kHz/24bit、WAV 96kHz/32bit

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©オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会

 収録曲

 1.ペールムーンがゆれてる
   作詞:結城アイラ 作曲・編曲:高橋 諒

 2.It’s my life
   作詞:結城アイラ 作曲・編曲:高橋 諒

 3.ペールムーンがゆれてる -off vocal-

 4.It’s my life -off vocal-

©オノ・ナツメ/SQUARE ENIX・ACCA製作委員会

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