STAR☆ANIS「Signalize!/カレンダーガール(TV Size)(TVアニメ『アイカツ!』OP/EDテーマ)」レビュー

TVアニメ『アイカツ!』第1部OP&EDテーマのハイレゾはおだやかじゃない!!

『THE IDOLM@STER』『ラブライブ!』とともにテン年代アイドルアニメのあらたな潮流を切り開いた作品『アイカツ!』。『THE IDOLM@STER』と『ラブライブ!』のターゲットが大人層だったのに対して、小学生の女の子向けの作品として作られている『アイカツ!』であるが、放送開始直後から幅広い層からの支持を集め大人気作品となった。劇中で登場人物がステージで歌唱する楽曲はMONACAを中心としたアーティストたちが手がけており、クオリティの高い音楽の数々も『アイカツ!』人気の要因となっている。

劇中のキャラクターによる歌唱シーンでは、声優ではなく、でんぱ組.incを輩出した秋葉原ディアステージのアイドルユニット“STAR☆ANIS”がその歌を担っている。メンバーそれぞれが『アイカツ!』各キャラクターの歌唱を務め、劇中のユニットによってメンバーの編成もまた変化する。STAR☆ANISは、OPテーマ&EDテーマも担当しており、こちらも高い評価を受けている。

「Signalize!」

オルタナ・バンド、COALTAR OF THE DEEPERSのリーダー、NARASAKIによる作曲の第1部前期OPテーマ。NARASAKIは、TVアニメ『デッドマンズ・ワンダーランド』『UN-GO』や、劇場オリジナル作品『楽園追放 -Expelled From Paradise-』などの劇伴を担当。また上坂すみれの「パララックス・ビュー」(作詞は大槻ケンヂ)やももいろクローバーの楽曲なども手がけている。

編曲のSADESPER RECORDは、NARASAKIとWATCHMANによるユニット。TVアニメ『はなまる幼稚園』『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』の劇伴も務めている。WATCHMANは、MELT-BANANAにドラマーとして在籍していた大島昌樹のことで、WATCHMAN名義でレイ・ハラカミ、ススム・ヨコタなどでおなじみのSublime Recordsからアルバムをリリースしている。「Signalize!」は、SADESPER RECORDらしくテクノな要素を忍ばせたポップ・トラックに仕上がっている。

「明るく元気でわかりやすい」といった女児向けアニメOPテーマのイメージとはちょっと異なる雰囲気に驚かされるが、高度に複雑化した楽曲がチャートを席巻している現代において、きゃりーぱみゅぱみゅやSEKAI NO OWARIなどに親しんでいる彼女たちにとって、違和感はないのだろう。シリーズ最初のOPテーマ「Signalize!」は、『アイカツ!』という作品の持つポテンシャルの高さを示したナンバーとなった。

空間の奥行きを感じるハイレゾはステージが一回り大きくなったような印象だ。アタックが強いビートが抜け良く響き渡り、クールな質感のサウンドがダイナミックに広がる。音像はソリッドながらも全体的に浮遊感が漂う。音の響きへのこだわりを感じさせ、アレンジの意図する所が充分に理解できる。分離感がシンセサイザーの厚みを映し出し、シンバルや鐘の音色もひときわ鮮やか。ヴォーカルはそれぞれのキャラクターの個性を描き出し、その立ち位置も明瞭。夢に向かう真剣な眼差しが、しなやかで伸びのある歌の表情から伝わってくる。

「カレンダーガール」

「Signalize!」ととも第1話から第25話まで使用されたEDテーマ。『アイカツ!』の楽しさが溢れてくるような元気なサウンドが特徴。作曲・編曲は、“うー! にゃー!”でおなじみのTVアニメ『這いよれ!ニャル子さん』のOPテーマ「太陽曰く燃えよカオス」や、TVアニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ』のOPテーマ「Star!!」など数々のヒット曲を手がけているMONACAの田中秀和

ゆいかおりの「LUCKY DUCKY!!」でも披露していた巧みなエディットによるイントロから、音が弾ける鮮やかな解像度が感じられる。散りばめられた音があふれ飛び出してくる凝ったアレンジは、楽曲をいっそう華やかに演出する。グルーヴィなベースとキレの良いビートが躍動感を強め、さらに刺激的なサウンドが展開。

ヴォーカルも活き活きとしたトラック同様に明るい表情で、クリアなサウンドの中に元気な声がよく響く。にぎやかな雰囲気が伝わってくる“イエー” “フゥー”のコーラスも耳に心地好く、あわただしい日常を過ごすキャラクターのイメージに一歩近づいたSTAR☆ANISの歌声のキュートさもさらに魅力的だ。

惜しむらくは、フルサイズではなくTVサイズのみのリリースであること。もちろん、オープニングやエンディングの限られた時間の中で、クリエイターによる様々なアニソンの冒険的な試みが繰り広げられていることはたしか。作品の魅力が凝縮されているTVサイズには、TVサイズならではの面白さがある。

とはいえ、フルバージョンもやはりハイレゾで聴いてみたいところ。例えば「カレンダーガール」のサビ“何てコトない毎日が かけがえないの”と“何てコトない毎日が トクベツになる”この2つのフレーズが続けて流れる最後のパートは、『アイカツ!』の第50話につながる重要な部分。『アイカツ!』楽曲フルサイズのハイレゾ化が望まれる。

プリントSTAR☆ANIS
Signalize!/カレンダーガール(TV Size)(TVアニメ『アイカツ!』OP/EDテーマ)

SUNRISE MUSIC PUBLISHING
2014.10.01.

FLAC・WAV 48kHz/24bit

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 収録曲

 1.Signalize!(TV Size)
      歌:わか・ふうり・すなお・りすこ from STAR☆ANIS
   作詞:畑 亜貴 作曲:NARASAKI 編曲:SADESPER RECORD

 2.カレンダーガール(TV Size)
      歌:わか・ふうり・すなお from STAR☆ANIS
      作詞:こだまさおり 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)

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