TV『ゆるゆり』でメインキャラクターを演じた三上枝織、大坪由佳、津田美波、大久保瑠美によって結成された声優ユニット“七森中☆ごらく部”。彼女たちが歌った曲の数々をハイレゾ用にリマスタリング&ハイレゾ配信用に選曲したアルバムがこの『ゆるゆりハイレゾ♪みゅ~じっく[七森中☆さみっとスペシャル]』。
TVアニメ『ゆるゆり』、『ゆるゆり♪♪』のOPテーマ&EDテーマ「ゆりゆららららゆるゆり大事件」「マイペースでいきましょう」「いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪」「100%ちゅ~学生」や、TVアニメ『マイリトルポニー ~トモダチは魔法~』のOPテーマとなった「マジカル大☆大☆大冒険!」などなどたっぷり、ごらく部の楽しい雰囲気が4人の明るい歌声から伝わってくるアルバムだ。それぞれの曲の【からおけ】ヴァージョンも収録した全28曲。ハイレゾならあかりの声もくっきりですよ。
作曲は、関ジャニ∞「好きやねん、大阪。」、遊助「たんぽぽ」、SKE48「マンゴーNo.2」や、QWAI、ダウトの楽曲プロデュースを担当するイイジマケン。『ゆるゆり』OPテーマ「ゆりゆららららゆるゆり大事件」を始め『ゆるゆり』の楽曲に多数関わっているが、アニソンを手がけるのは実は初めて。アイドル作品のアレンジが得意なイイジマケンによる、ファンのツボを突いた構成と演出が見事なナンバーだ。
キラキラとした音がさっと広がるイントロからして、ハイレゾによる鮮度の高さが感じられる。CDでは声と音の距離が近く同一線上にあるようなイメージだが、ハイレゾは声が前に出つつも、高い解像感がサウンドにも明確にフォーカスを結んでいる。ヴォーカルを立てつつ、躍動感を増したサウンドも負けておらず、曲の勢いをいっそう高めている。キックは弾力感を増し、ギターは歯切れよく鳴り響く。それぞれの音の細かいアレンジもきちんと聴き取れる。
ヴォーカルの立ち位置もしっかりと把握でき、左からあかり、京子、結衣、ちなつの順に並んで歌っている姿が眼に浮かぶよう。情報量の多さが声の成分を充分に伝え、キャラクターの輪郭もしっかりと描写。途中に入る“行け!あかり” “え~” “てへへ” “おいっ!”なんてやりとりもアニメの雰囲気そのまま。ソロや2人のユニゾン、4人のハーモニー、それぞれの個性が重なる声のヴァリエーションを聴き比べるのも面白い。そして“ゆりゆららららゆるゆり大事件”のフレーズがひときわ鮮烈に響き渡っている。
ヴォーカルのUCOとギタリスト・吉見による宅録系デジタルパンクユニット“Funta”。さまざまなアニメやゲーム作品に楽曲を提供している彼らだが、『ゆるゆり』でも多くの曲を手がけている。なお“Funta3”も“Funta7”も名義が違うだけで“Funta”と同一の存在である。そんな彼らが得意とする高速BPMのキャッチィなサウンドがポップに映える『ゆるゆり』のEDテーマ。
“ハイ!ハイ!”の合いの手が“High! High!”に聴こえてくるぐらいにのっけからハイテンションなこのナンバー。ハイレゾではシンセサイザーの音色の鮮やかさやビートの厚みが伝わり、サウンドが一段とカラフルになったような印象。また解像感が楽曲のスピード感を強め、昂揚感をさらに促している。
そして「ゆるゆり」と言えばギター・ソロ。ここでも間奏でエッジの効いたギターの早弾きに、“イェイ!” “ワォ!” “ハイ!”とごらく部の合いの手が呼応するが、その歯切れのよさがひときわ痛快。トンがったサウンドとキュートな歌声、相反するような要素が絶妙なバランスで組み合わさる「ゆるゆり」ならではの相性が良さが抜群だ。
『おねがい♪マイメロディ 』『メイプルストーリー』などのアニメ作品に参加し、また鷲崎 健のアルバムにてアレンジャーとして深く携わる杉浦ラフィン誠一郎。80年代のポップ寄りなハードロックの流れを汲んだ、よくよく聴くと正統派なロックナンバーなのだが、4人の声が入ればもう混沌たるや「ゆるゆり」の世界。
ハイレゾではダイナミックなサウンドによるライヴ感が増しており、ざくざくとしたギターの荒さや細かく刻むスネアの跳ねる音が実にリアル。シンセの音も華やかに、ベースが繰り出すグルーヴも弾むよう。パワフルなバンド演奏に相まって元気な歌声が爆発。シングルのジャケットのような前のめりな勢いが伝わってくる。
中でも「パワフル」をいい意味で「やかましさ」に履き違えた京子のノリのよさが絶品。壮絶なギターソロに乗せて、無茶振りで周りの3人を混乱させる展開は、京子ならでは過ぎて可笑しい。まっしぐらに青春を駆け抜ける「ゆるゆり」ロックスタンダードここに極まる。
ハイレゾのマスタリングを務めた多田雄太はリリースの際、以下のようにコメントしている。
「今回のハイレゾ版では、少しだけ音圧感を弱めて、大きい音は大きく、小さい音はより小さくと、24bitのダイナミクスレンジの広さを生かした音作りになっています。
音色面では低音のビート感、高音のきらびやかさをバランスよく、そして長く聴いていても疲れないようなEQ処理をしています」
ダイナミクスレンジを生かすことはサウンドだけでなくヴォーカルにも影響を及ぼし、それぞれ声の個性や感情の起伏も繊細に表現される。また勢いも大小、強弱の変化を細かく描写している方がより強く感じられるもの。今回のハイレゾ・マスタリングはその点に留意しており、勢いやノリのよさをさらに増した仕上がりとなっている。
ヴォーカル入り14曲を単体で購入するのと、全28曲をアルバムとしてまとめて購入するのとではおよそ1曲分の差額しか発生しない。ヴォーカル入りを全曲購入と考えているのであれば、1曲分の金額を足してアルバムとして購入し、[からおけ]ヴァージョン14曲も一緒に入手するのもありだ。
七森中☆ごらく部
ゆるゆりハイレゾ♪みゅ~じっく[七森中☆さみっとスペシャル]
ポニーキャニオン
2015.01.21FLAC・WAV 48kHz/24bit
ハイレゾの購入はこちら
©2014 なもり/一迅社・七森中ごらく部
1.ゆりゆららららゆるゆり大事件
作詞:三弥 作曲:イイジマケン 編曲:イイジマケン ピエール
2.ゆるゆりI♥U
作詞・作曲・編曲:イイジマケン 村山シベリウス達彦
3.マイペースでいきましょう
作詞:Funta3 作曲・編曲:Funta7
4.ごらく部 愛と勇気と希望と友情のテーマ
作詞 イイジマケン・sae 作曲 イイジマケン 編曲:村山シベリウス達彦
5.レッツラブ~でいきましょう♪
作詞:Funta7 作曲:Funta3 編曲:Funta7
6.いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪
作詞・作曲:杉浦ラフィン誠一郎 編曲:Funta7
7.100%ちゅ~学生
作詞:イイジマケン・sae 作曲・編曲・サウンドプロデュース:イイジマケン
8.え~る♪
作詞・作曲:ヒザシ 編曲:Funta7
9.じゃんぷ!
作詞:sae 作曲・編曲・サウンドプロデュース:イイジマケン
10.ゴゴゴゴごらく部
作詞・作曲:ビートまりお 編曲:ARM
11.マジカル大☆大☆大冒険!
作詞:Funta3 作曲:白戸佑輔 編曲:Funta7
12.ハッピータイムは終わらない
作詞:Funta3 作曲・編曲:Funta7
13.MY SWEET MEMORY
作詞・作曲・編曲:村山シベリウス達彦 サウンドプロデュース:イイジマケン
14.Precious Friends
作詞:Funta7 作曲:Funta3 編曲:草野よしひろ
15.ゆりゆららららゆるゆり大事件[からおけ]
16.ゆるゆりI♥U[からおけ]
17.マイペースでいきましょう[からおけ]
18.ごらく部 愛と勇気と希望と友情のテーマ[からおけ]
19.レッツラブ~でいきましょう♪[からおけ]
20.いぇす!ゆゆゆ☆ゆるゆり♪♪[からおけ]
21.100%ちゅ~学生[からおけ]
22.え~る♪[からおけ]
23.じゃんぷ![からおけ]
24.ゴゴゴゴごらく部[からおけ]
25.マジカル大☆大☆大冒険![からおけ]
26.ハッピータイムは終わらない[からおけ]
27.MY SWEET MEMORY[からおけ]
28.Precious Friends[からおけ]
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