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2016.04.20

LiSA『LUCKY Hi FiVE!』レビュー

LiSA『LUCKY Hi FiVE!』レビュー

LiSAの今を伝えるストレートなサウンドが高まる!デビュー5周年を記念する7曲入りのミニアルバム。

2011年4月20日のミニアルバム『Letters to U』にてデビューを飾ったLiSA。その5年後となる2016年4月20日にリリースされた2ndミニアルバムが『LUCKY Hi FiVE!』。全曲が書き下ろしの新曲でミニアルバムながら7曲入りというヴォリューム感。届けたい想いをあふれんばかりに詰めこんだ、今のLiSAの姿をそのままに映す作品となっている。

「Hi FiVE!」

「ハイタッチ」を意味する「High FiVE!」をもじった「Hi FiVE!」は、LiSAからの親しみがこもった声のハイタッチのようなナンバー。『Letters to U』収録の「妄想コントローラー」からLiSAの作品に関わり、その成長を見守ってきたUNISON SQUARE GARDENの田淵智也の作曲によるストレートなロックが彼女の新たな一歩を刻む。

そのシンプルなメロディが華やかに炸裂するハイレゾ。LiSAの原点「Believe in myself」が差しこまれるイントロが終わるやいなや、一瞬にしてライヴハウスのような臨場感漂う世界へと引きこむ。昂揚がコーラスと共に駆け抜ける、ポップに弾むサウンドはまさにLiSAの真骨頂。クリアな音質とスピード感でたたみかけるように展開を続け、輝く今を描き出す。その勢いを映すドラムの瞬発力が、高まりを伝えるベースの躍動が、その衝動を表わすギターの鮮やかさが一体となり、“極上の交響ハートビート”を打ち鳴らす。

ヴォーカルはよく伸びる高域が美しく、言葉ひとつひとつを彩るニュアンスのヴァリエーションも豊か。自信に満ちた歌声には巧みなコード進行を軽快に乗りこなす余裕すら感じられる。それは自身を信じて歩み続けてきた年月と、歌を通してつながった仲間たちとの信頼がもたらしたもの。歌うことがうれしくてうれしくて仕方がない、そんな表情が伝わってくる。力強くもなおみずみずしく、LiSAの魅力がさらに際立つ。

「Psychedelic Drive」

LiSAの今の気持ちを伝える「Hi FiVE!」から一転、LiSAの“BLACK”サイドはダークな方向へとシフト。作曲は、「拝啓、いつかの君へ」が宮藤官九郎脚本のドラマ『ゆとりですがなにか』の主題歌にも起用され、話題を呼んでいるインディーズ・バンド、感覚ピエロの横山直弘で、LiSAとは初の組み合わせとなる。「Rising Hope」のアレンジでもおなじみ、PENGUIN RESEARCHの堀江晶太が楽曲にさらに手を加え、チューンアップを施したダイナミックなロックはLiSAの新境地だ。

エンジンの始動音でスタートするイントロから心の回転数がレッドゾーンへと気持ちが高ぶる解像感。リズムギターは闇を切り裂くヘッドライトの鋭さを、フィードバックに溶け込むリードギターは夜のドライヴの開放感を照らし出す。キツく絞ったドラムと重いベースによるグルーヴが行き先不明の疾走を続け、中盤にはフックの効いたダンスロックへとギアチェンジ。躍動的なサウンドがシネマティックなイメージを加速させる。

“誰が純情? 覚悟しててよ”
“ねぇ、ダーリン ねぇ、どんなアタシも愛してね”

危険な恋の誘惑者たる歌声は低域の露出度が高く、まくし立てるその口元からは舌先が見え隠れする妖艶でワイルドなスタイルで聴き手を翻弄。感情がドリフトを続ける“キライキライキライ”がドラムと共に飛び跳ね、一瞬スピンしそうになりながらも持ちこたえ、数えきれなくなるほど“キライ”を連呼させる大好きなあなたへと再びハンドルを切り返す、その機微を表わす絶妙なヴォーカル・テクニックも素晴らしい。

LiSAのシングル「BRiGHT FLiGHT」の野間康介(agehasprings)による明るさに満ちた「ラブリーデイ」、配信シングル「ID」のアレンジを手がけた、LiSAが敬愛するPay money To my Painのギタリスト、PABLOが繰り出すナンバー「She」、「リスキー」「ギフトギフト」でもおなじみ小南泰葉のサウンドで戯れる「halo-halo」、Ryota KawamuraとBECCAが共作した歯切れの良いロック「Get free」と、ポップからヘヴィーなサウンドまで軽々と歌は飛び越える。ラストの「終わらない冒険」では、“新しいスタートラインに立って”また歩き出すLiSAの姿が見える。

5年の成長が歌にも音にも表われている今作には、まだまだみんなと遊び足りないというLiSAの気持ちが伝わってくる。それはこれからに向けてのLiSAからの挨拶であり、沸き立つ情熱を示した挑戦状でもあるようだ。デビュー作『Letters to U』もハイレゾ化されているので併せて聴いてみてほしい。

LiSA
LUCKY Hi FiVE!

Aniplex Inc.
2016.04.20

FLAC 96kHz/24bit

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e-onkyo music
mora

収録曲

 1.ラブリーデイ
   作詞:LiSA、古屋 真 作曲:野間康介(agehasprings) 編曲:堀江晶太

 2.Hi FiVE!
   作詞:LiSA、田淵智也 作曲:田淵智也 編曲:akkin

 3.Psychedelic Drive
   作詞:LiSA 作曲:横山直弘(from 感覚ピエロ) 編曲:堀江晶太

 4.She
   作詞:LiSA 作曲・編曲:PABLO a.k.a. WTF!?

 5.halo-halo(NHKワールドTV「J-MELO」2016年4月~エンディングテーマ)
   作詞:LiSA 作曲:小南泰葉 編曲:江口 亮

 6.Get free
   作詞:LiSA、古屋 真 作曲:Ryota Kawamura、Rebecca Hollcraft 編曲:akkin、RIO

 7.終わらない冒険
   作詞:LiSA 作曲:高橋浩一郎 編曲:akkin

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