木幡真琴(CV:篠田みなみ) & 倉本千夏(CV:鈴木絵理) 「アニメ「ふらいんぐうぃっち」エンディング・テーマ 日常の魔法」レビュー

何気ない日常が素敵に思える魔法……陽だまりのような穏やかな雰囲気に和めるポップス。

横浜から青森県弘前市に引っ越してきた新米魔女、木幡真琴(こわた まこと)。親戚の倉本家に居候しながら魔女修行にいそしむ高校生・真琴の日常をほのぼのと描くTVアニメ『ふらいんぐうぃっち』。このEDテーマとなるのがメインキャラクターふたりが歌唱する「日常の魔法」。出羽良彰のNEW AGE系アコースティック・サウンドによる美しい劇伴とともに、非常に和めるふんわりとした音楽が、のんびりとした日常を、移りゆく季節を優しく彩っている。

「日常の魔法」

シャキシャキっと爽快なOPテーマ、miwaの「シャンランラン feat.96猫」とはいい意味で対照的な “陽だまり” のような緩やかなポップスが広がる。真琴と千夏の何気ない日々を描く只野菜摘のぬくもりのある歌詞と、「(K)NoW_NAME」に参加している睦月周平によるうららかな情景を写す穏やかなサウンドが心地好い。ヴォーカルは、TVアニメでは初の主演となる篠田みなみと、TVアニメ『ヘヴィーオブジェクト』のヒロイン“ミリンダ=ブランティーニ”、TVアニメ『あまんちゅ』では主人公“小日向 光”を演じている鈴木絵理

ハイレゾはバランスと質感を活かした音作りがそのままに伝わる。フルートやグロッケンシュピールの存在感も感じられるが、個々の楽器の突出した解像感ではなく、全体のアンサンブルとしてよりよくまとまるバランスで、音のなじみがよいサウンドとなっている。

また程よい低域と適度な音の張りは丸みを帯びたふくよかな音像を感じさせ、からりとしたCDよりもほんのりと湿度のある空気感。空間を広げ過ぎずふたりの日常が収まるサイズ感に留め、ヴォーカルとの距離を保ちながらも、サウンドの持つ温かみがさらに増した印象だ。

真琴の声はいっそうおおらかに、千夏は伸び伸びと高域がマイルドに、より柔らかく自然体といった姿で描かれている。真琴を想う千夏の “大切なひとだ” の無垢な歌声も澄み渡り、それぞれの声とコーラスが重なるパートやユニゾンは、お互いが寄り添うような親密さと一体感を感じる。音と声の優しさに癒される、非常にリラックスできる仕上がりとなっている。

「あしたもあした」

木幡真琴役の篠田みなみが歌う、60年代初頭のオールディーズといった風味のポップス・ナンバー……と書くと『魔法つかいプリキュア!』の前期EDテーマ「CURE UP↑RA♡PA☆PA!~ほほえみになる魔法~」とイメージが重なってしまうのだが、今、魔法界のトレンドはオールディーズなのだろうか。それともみんな『The Wrecking Crew』に感化されたのだろうか。いやむしろトニー・ハッチか……兎も角もノスタルジックなサウンドが、心地好い安らぎを与えてくれるナンバー。作曲は渡辺 翔、編曲はμ’s「愛してるばんざーい!」のアレンジを手がけた清水哲平

歯切れのいいリズムと引き締まったベースのグルーヴが活き活きとし、ふっくらと厚みを増したブラスと軽やかなピアノの音色も弾むように曲を盛り上げる。ウィンドチャイムなどの高音域も華やかに、オールディーズのマナーに則ったヴォーカルのディレイと共に、ドリーミーなポップスといったこのサウンドを演出。にぎやかな音に支えられるようにヴォーカルは真ん中に位置し、いっそうみずみずしく映る。

のんびりと一休み、ちょっと寄り道なひと時。日々積み重なる幸せを語る真琴の口元には微笑みが浮かんでいるかのような、明るく力みのない歌声。ふんわりとくつろいだ雰囲気で包みこむ、清々しいガールズポップに仕上がっている。

木幡真琴(CV:篠田みなみ) & 倉本千夏(CV:鈴木絵理)
アニメ「ふらいんぐうぃっち」エンディング・テーマ 日常の魔法

VAP
2016.04.27

FLAC・WAV 48kHz/24bit

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 収録曲

 1.日常の魔法
   歌:木幡真琴 (CV:篠田みなみ)& 倉本千夏 (CV:鈴木絵理)
   作詞: 只野菜摘 作曲: 睦月周平 編曲: 睦月周平、川田瑠夏

 2.あしたもあした
   歌: 木幡真琴 (CV:篠田みなみ)
   作詞・作曲: 渡辺 翔 編曲: 清水哲平

 3.日常の魔法 (instrumental)

 4.あしたもあした(instrumental)

©石塚千尋/講談社・「ふらいんぐうぃっち」製作委員会

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