The おそ松さんズ with 松野家6兄弟「大人÷6×子供×6」レビュー

2018.02.28

TVアニメ『おそ松さん』第2期第2クールのEDテーマは、高橋幸宏、鈴木慶一、大貫妙子、矢野顕子など、豪華アーティストが集結した“The おそ松さんズ”が担当。ゆるーく、ふんわりとしたボーカルと絶妙なサウンドが心地よい。

2017年10月より放送中のTVアニメ『おそ松さん』第2期。2018年1月から第2クールのEDテーマとなるのが、“The おそ松さんズ with 松野家6兄弟”の「大人÷6×子供×6」だ。第1クールEDテーマと同じく、今回も多くのアーティストが参加しているが、その豪華な顔ぶれを紹介する前に“The おそ松さんズ”の前身ユニットともいうべき“The おそ松くんズ”について触れておきたい。

“The おそ松くんズ”は野外音楽フェスティバル「ワールド・ハピネス」にて、2013年に一夜限りで編成されたスペシャル・ユニットのこと。高橋幸宏、小坂 忠、矢野顕子、奥田民生、鈴木慶一、大貫妙子、鈴木 茂、坂本龍一、細野晴臣、小林克也、伊武雅刀、小原 礼、佐橋佳幸、Dr.kyOn、小山田圭吾、ゴンドウトモヒコらが参加し、「花いちもんめ」(はっぴいえんど)や「ほうろう」(小坂 忠)、「ラーメン食べたい」(矢野顕子)、「TIBETAN DANCE」(坂本龍一)などの楽曲を、おそ松くんの大きなイラストをバックにステージで披露している。

ユニット名は、「ワールド・ハピネス」が2008年の初開催から2013年で6年目を迎えたこと、またキュレーターを務める高橋幸宏の誕生日が6月6日であることから、「6つ子」にかけて、“The おそ松くんズ”と名付けられたそうだ。もちろん、参加ミュージシャンたちが赤塚不二夫を敬愛していることは言うまでもないだろう(“THE BEATNIKS”=高橋幸宏と鈴木慶一、矢野顕子、大貫妙子は2017年、赤塚不二夫生誕80年企画「バカ田大学祭ライブ」にも出演している)。

そんな“The おそ松くんズ”のメンバーが今回のEDテーマのため、“The おそ松さんズ”としてまた集まっているのも、赤塚作品が結ぶ縁なのだろう。作詞は鈴木慶一、作曲とプロデュースは高橋幸宏。ボーカルには高橋幸宏、鈴木慶一、大貫妙子矢野顕子、奥田民生、柴咲コウ、重住ひろこ(SMOOTH ACE)、バンド・メンバーには小原 礼佐橋佳幸、Dr.kyOn、鈴木 茂、ゴンドウトモヒコが参加している。

1966年生まれのアーティスト27名が集まった第1クールEDテーマ、“ROOTS66 Party with 松野家6兄弟”「レッツゴー!ムッツゴー!~6色の虹~」の熱を帯びたソウルフルなロックの賑やかさから一転、リラックスしたムードに包まれるポップス「大人÷6×子供×6」。軽やかにリズムを刻みながら緩やかなテンポで奏でられるサウンドは、陽だまりのようにほんわかと温かく、キーボードやギターも柔らかな響きで、松野家の昼下がりのシーンなんかを思い浮かべてしまいそう。

メロディは一聴してすぐわかる、“幸宏節”。メイン・ボーカルやコーラスの多くを高橋幸宏が担当しており、その穏やかなタッチは彼の近年のアルバム「LIFE ANEW」(2013)にも通じるものがある。そして、そこに鈴木慶一の歌詞が加わるとなんとも不思議な雰囲気に。宙ぶらりんな存在をありのままに描き切るこの感じは、諦観というべきか、それとも達観というべきか。高橋幸宏のボーカルの心地よさと相まって、妙に素直に納得してしまう。

ハイレゾはミュージシャンたちの演奏の個性が伝わる解像感があり、特にドラムの鳴りが良い。音の定位や、各楽器のバランスに留意したていねいなミックスとなっており、それがごくごく自然な感じにまとまっているのがポイント。インスト・バージョンもちょっとだけボリュームを上げてスピーカーで聴いてみるとかなり気持ちいい。ボーカルは目の前にいるような存在感で、録音した各ボーカルを「配置した」というよりも、メインの高橋幸宏の側にほかボーカリストがすっとマイクに「入ってきた」ぐらいなリアルさがあり、それぞれの歌の癖までもが生々しく感じ取れる。

シングルは『おそ松さん』EDテーマ恒例の6つ子バージョンも収録。松野家6兄弟(CV. 櫻井孝宏、中村悠一、神谷浩史、福山 潤、小野大輔、入野自由)も、合いの手で参加している。合いの手の作詞は、『おそ松さん』第1期のEDテーマ『SIX SAME FACES ~今夜は最高!!!!!!~』「SIX SHAME FACES ~今夜も最高!!!!!!~」を手がけたTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDの松井洋平が担当。イントロや間奏、合間に入ってくるセリフが面白く、ボーカルの歌詞に対しての返し方(ツッコミ!?)に6つ子それぞれのキャラが強く表れている。

また「大人÷6×子供×6」の「MUTSUGODELIC Remix」も併せて収録。こちらもTECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUNDがリミックスを担当。アンビエント・ポップ/エレクトロニカの要素を交えたテクノポップな仕上がりで、シモンズ(電子ドラム)やベースのスラッピング、間奏のエレキギター(渡辺香津美を意識?)も印象的だ。オリジナル・バージョンのラストには一瞬、YMO「ライディーン」のイントロを思わせるフレーズが入っていることもあり、そんな遊び心に応えた愛情溢れるリミックスとなっている。
©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

The おそ松さんズ with 松野家6兄弟
大人÷6×子供×6

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2018.02.28

FLAC・WAV 96kHz/24bit
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©赤塚不二夫/おそ松さん製作委員会

 収録曲

   作詞:鈴木慶一 作曲:高橋幸宏 編曲:高橋幸宏 with The おそ松さんズ

 1.大人÷6×子供×6

 2.大人÷6×子供×6 おそ松ver.

 3.大人÷6×子供×6 カラ松ver.

 4.大人÷6×子供×6 チョロ松ver.

 5.大人÷6×子供×6 一松ver.

 6.大人÷6×子供×6 十四松ver.

 7.大人÷6×子供×6 トド松ver.

 8.大人÷6×子供×6 MUTSUGODELIC Remix
   remixed by TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND

 9.大人÷6×子供×6 instrumental

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