5月5日から公開となる映画『D5 5人の探偵』の制作発表が、3月17日アニメイト新宿店B2F イベントホールにて行われた。緑川光、小西克幸、浪川大輔、森久保祥太郎、岸尾だいすけ、川本淳市、GEN TAKAHASHI 監督といった豪華スタッフ・キャストが勢ぞろいしたイベントの模様をレポートする。
緑川 光、小西克幸、浪川大輔、森久保祥太郎、岸尾だいすけ。今や“レジェンド”と呼ばれるほどの実力派かつ人気の高い声優が集結し、制作した映画はなんと実写。ある劇場に収集された5人の探偵たちが、客席に座るひとりの男の死体を巡って犯人との攻防を繰り広げるシチュエーション・ミステリー映画であるこの『D5 5人の探偵』で、彼らは声優のイメージを覆すアクションシーンや会話劇での見事な芝居を見せている。今作の監督・脚本は「GOTH」「ポチの告白」などで国際的にも評価の高いGEN TAKAHASHI氏。監督はなぜ声優を起用して実写映画を撮ったのか。

「いちばん最初にこの企画を立てたプロデューサーから僕自身がオファーを受ける形で始まったんですが、これは企画だけで2年くらいかかっていますから。(声優の)皆さんとは一年以上前にお会いしていまして。僕は最初に皆さんにお会いしたときから、正しい意味で、声優と、いわゆる映画の俳優とを分けていない、という主旨を申し上げたんです。あくまでも映画の中で俳優として撮りたい。人気声優大集結というのは、実際その通りなんだけども、僕が映画監督としてのキャリアの中でやるからには、普通に映画として面白いものが撮れなければ意味がないだろう、と。その期待に、皆さんすごく応えてくれて。本当に、最高のキャスティングになっていると思います」(TAKAHASHI監督)
続けてキャストへ「出演が決まったときのお気持ちは」との質問が。

「僕は声優なので普段は声の仕事をメインでやらせていただいておりまして、舞台はやったことがあるんですが、映像のお仕事は全くやったことがなくこれは面白そうだ、と思って参加させていただきました」(小西)

「例えば声優が出たりすると、コメディなのかなとか声を使って何かをやるのかなというイメージがあったんですけど、脚本を読ませていただいたら本当にガチなヤツだ、という印象を受けたので“どうしよう”と。セリフを覚えられるかな、と思っていたんですが、セリフが特殊な役だったのですごく手こずりました。でもなかなか巡り会えない役だなという印象だったので、そういう役をやらせていただけるのは本当に役者冥利に尽きるなと」(浪川)

「最初は(オファーを受けて)“えぇっ!?”と思いましたね。特にほかの皆さんと比べて顔出しをする仕事をたくさんやっているわけではないので、お話をいただいこと自体はうれしいんですけど、さすがに無理でしょう、と思ったら、マネージャーは“それも含めてやっていただきたい”と。いろいろ聞いたらセリフも覚えなくて大丈夫ですよ、プラっと撮影現場に来ていただければって。さすがにそれは!と思って台本もきちんと読みましたし、フレーズでなるべく覚えられるように努力はしましたけど。僕的に、何年経っても新鮮な気持ちでいたいな、チャレンジ精神は失いたくないな、という意味でやらせてもらいました。今回やったことによって、普段やっているアニメの仕事にフィードバックする何かが掴めたらいいなというのもあったりするので。実際にやっぱり違う現場だからこそプラスになったことも過去たくさんあるので、そういった面も期待して参加させていただきました」(緑川)

「台本を読ませていただいて、もちろん劇中にはアクションもあったりするんですけど、基本は会話劇というか。この5人の探偵が、ああでもない、こうでもないと会話をどんどん交わして物語は進んでいくという作りだったので、いろんなタイプの映画がある中で会話とかしゃべるというのは我々普段いちばんやっていることですから、逆に映像でありながら声優としてのスキルもいちばん活かせる形で脚本があるのかな、という印象を受けまして。演じてみたい、と脚本を読ませていただいた時点で思いました」(森久保)

「実はこういう映画やドラマのオファーは何回かいただいていてその度にポシャっているので、今回もポシャるんでしょ?って(笑)。さっきも監督がおっしゃっていたように2年を掛けたプロジェクトで、2年経ってやっと撮影だったので、そのあいだも、もうないものだ、と思っていたら、急に“撮ります”と言われて“えっ!?”って」(岸尾)
さらに会見には探偵たちが集う劇場の支配人を演じた俳優の川本淳市も参加。自身の撮影がない時間にも撮影現場で視線用に演者の目の前に立つなど緑川たちのサポートもしてきた彼が、撮影現場の様子を語る場面も。

「最初は(自分)ひとりだけ違うんじゃないかと構えちゃっていたんです。監督にも“俺、大丈夫かな”という話をしていたくらいで。でもまぁ、現場は夢見心地でしたね。自分がどうなっちゃうのかと不安が湧き上がるくらいに、皆さん素晴らしくてですね。とても面白い現場でした。(撮影中は)僕がいちばん撮影現場にはいたと思うんですよ、皆さんはバラバラでしたから。それで見ていると、スタジオの外で聞いているだけでも目を閉じれば素晴らしい世界が……。声を聴いているだけで世界観が全部わかってくるというのはなかなかない経験で。撮影の都合上で対峙できないことも非常に多かったんですけど、聴いているだけでイメージできるから、本当にいい経験をしたな、と。会話劇なので相手がいたうえでのやりとりになるんですが、それがいらないくらいのイメージングがすごく出来ちゃうから」(川本)
本作の撮影は多忙な声優たちのスケジュールを縫っての撮影に。「制作が大変だった映画ほど名作になる」と言われるだけに、本作は稀代の名作になる、と豪語する監督の口から告げられたのは、この劇場を舞台にした密室会話劇の映画が48時間で撮影された、という驚きの事実だった。5人が揃った時間はたったの6時間!会話劇とは言え、9割は相手がいない中でひとりでの撮影に臨んでいたという。しかしこの劇中では現実の撮影がそんなふうに行われていたとはとても思えないほどの会話劇の完成度。それもこれも声優5人の演技力、表現力があってこそだ、と監督も話す。
「90分の映画だけど、撮影をしたのは合計48時間です。(これまでのキャリアの中でも)いちばん短いです。今回のようにアクションがあったり、緻密な会話劇があって、いろんなことがあって、それで1時間半の映画で48時間(で撮影)って、なぜそれが出来たかと言うと、声優の皆さんのスキルが凄いんですよ。皆さんのセリフ術というか、もう全然違う世界の、特別に訓練された技術に裏打ちされたうえでのキャラクター作りだから、声で雰囲気とか感情を乗せているんだけど、雰囲気ではない、確実に技術に裏打ちされたキャラクターというのが今回、僕自身にも刺激になって。凄く素晴らしかったです。彼らのおかげでサクサクと進んでいきました」(TAKAHASHI監督)
そんな声優たちが演じたキャラクター。緑川演じる叶井三樹夫は通称Mick。元FBI情報分析捜査官でアメリカ的感覚を持つ探偵。小西が演じた山崎耕平(通称Deka)は元要人警護のSP出身の銃の達人。浪川は日本の古武術や格闘技を極めた武術家探偵の矢作丈士(通称Joe)を演じ、森久保は国際的な財閥の息子で超お坊ちゃん探偵の根木屋圭介(通称Negi)を演じている。そして岸尾は世界で暗躍する天才ハッカーにして探偵の吉本清夏(通称Kiyoka)役。個性溢れる探偵たちだ。頭でっかちなまでの緻密な役作りはせずに現場で監督や共演者たちと呼吸を合わせながら自然体での役作りだった、と話す各メンバーだったが、アクションシーンの多い浪川は監督やスタッフの言葉を信じて、アクションに臨んだ、と言う。宛て書きに近いキャラクターだからこそ、彼らの魅力が存分に引き出されたという本作なので、実写で見られる彼らの芝居が楽しみになる。
「リアルに殺人事件をどう解決していくか。それぞれに武器があって、それぞれの感覚を持ってひとつのものに対峙していくというか、解決していくというのはすごくドキドキしますし、会話劇という、本当に言葉の数も多いんですね。その中でドラマであったり内容がどんどん膨らんで、まったく知らない5人が集まっているのに、気づくとひとつのチームになっているというのは本当に自然の流れで見ていて違和感もなく、相手がいないのにこんなに台詞って回るんだなっていう、その辺も注意して観てほしいです」(浪川)
「僕はもしかしたらこれ以降、(実写は)やらない可能性もありますから。そういう意味でも是非観ていただきたいな、と。さっき浪川くんが言ったみたいに、会話劇というのもあるし、その辺をクローズアップするならうちらは本業なので、ついつい映像がついているけど見入っちゃうんです。声だけでもそうなんですけど、特に森久保くんと浪川くんの絶妙なボケとツッコミなんかも、これはすごいなって思いますし、ほかの皆さんにしてもそこまでは動いているところも他では見られないので、なんだかんだで時間が過ぎるのが早いなと思いました。それも見どころのひとつだと思います」(緑川)
「今って、若手の声優さんって大人気じゃないですか。その子たちではなくこのオジサンたち5人を集めて、よく映画を作ってくれたな、ということに感謝しています。みんながいないところでいろいろとひとりでお芝居したり、ふたりでお芝居したものがどういう感じの映像になっているのか非常に楽しみですし、オジサン5人が集まってひとつの作品を作り上げたときにどんな映像になっているんだろうかというのが楽しみです。
自信を持ってお届けできると思っていますので、楽しみにしていただければ嬉しいです」(小西)
レジェンド男性声優5人によるシチュエーションミステリー映画『D5 5人の探偵』。公開に向けてイメージキャラでのクリアファイル、缶バッジ、アクリルキーホルダーなどのグッズ発売や原作小説の発売、コミックス展開や、今夏には撮影で使用した聖地・坂戸市文化会館にて出演声優5人が揃ってのプレミアム上映イベントの開催も決定。今後の展開も楽しみなこの映画の公開を心待ちにしたい。
Terxt By えびさわなち
映画『D5 5人の探偵』制作発表
3月17日(土)アニメイト新宿店B2F イベントホール
登壇者:緑川光、小西克幸、浪川大輔、森久保祥太郎、岸尾だいすけ、川本淳市、GEN TAKAHASHI 監督
●作品情報
映画『D5 5人の探偵』

5月5日から池袋HUMAXシネマズほか全国順次ロードショー
この依頼―何かが、おかしい。
5人のレジェンド声優、奇跡の競演!
予測不可能!超絶エンターテインメント・ミステリー!
監督/脚本 GEN TAKAHASHI
出演
緑川光/小西克幸/岸尾だいすけ/浪川大輔/森久保祥太郎
貴山侑哉/崔哲浩 川本淳市/水上竜士
<ストーリー>
ある劇場の舞台。
ステージ上には、絵画が飾られた簡素な壁、椅子などのチープな演劇のセットがある。
がらんとした客席の前方には、ソフト帽をかぶった観客が1人だけ座っている。
舞台上に5人の探偵が登場する。
そう、彼ら5人は、それぞれ調査を依頼された、互いに面識のない探偵たち。
1人だけ座っていたソフト帽の観客は、死体だった。舞台下には、怯えた様子の劇場支配人。今日、劇場に来たら、すでにこの死体が座っていたというのだ。
そして、舞台セットの絵画の裏に仕込まれたスピーカーから話しかける声は「マイスターQ」と名乗った。
客席の死体は、国際的なIT産業の創業者で若き富豪の八代誠一。
「マイスターQ」は「被害者・八代誠一の親友」で、「特殊な事情で素性は明かせないが八代を殺害した犯人を突き止めたい」と5人の探偵に捜査を依頼した経緯を語る。
各探偵にはすでに100万ドル(1億2千万円)の着手金が支払い済みだった。
犯人を特定できれば成功報酬として、さらに200万ドルが支払われるというが、条件は48時間以内の事件解決。
警察機関には極秘で進めること、事件に関しては一切口外しないことであった。
初めは牽制しあっていた5人の探偵だが、やがてプライドを賭けて犯人の割り出しに共闘するようになる。
だが、マイスターQからのこの依頼には、想像を絶するワナが仕掛けられていた…!
果たして5人の探偵=D5は、いかに犯人を突き止め、危機を乗り切るのか!
© チームD5/蓮都えるむ
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