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2018.04.08

この場に立ち会えた者はみんな、不幸じゃない!『魔法少女サイト』“Magical festa.~きっと来たら不幸になる~”レポート

この場に立ち会えた者はみんな、不幸じゃない!『魔法少女サイト』“Magical festa.~きっと来たら不幸になる~”レポート

3月18日に多摩永山情報教育センター 多目的ホールにて、TVアニメ『魔法少女サイト』の放送に先駆けてのイベント“Magical festa.~きっと来たら不幸になる~”が開催。メインキャスト5人と原作者・佐藤健太郎にOP/EDアーティストを迎えて、第1話の先行上映をはじめトークにライブにと盛りだくさんのイベントとなった。本稿ではそのうち、夜の部の模様をお届けする。

まずは司会を務めた鷲崎 健の呼び込みで、大野柚布子(朝霧 彩役)、茜屋日海夏(奴村露乃役)、鈴木愛奈(潮井梨ナ役)、芹澤 優(穴沢虹海役)、山崎はるか(雫芽さりな役)の5名が登壇。それぞれ担当キャラクターになぞらえた衣装を身にまとっての参加だ。続けて鷲崎が、今日の意気込みをひと言いいたいキャストを募ろうとしたところ、客席からの無茶振りで山崎が挨拶することに。その山崎、「初イベントですからね、張り切って!気合い入ってますよ」と述べ、さらに「大野ちゃんが特に入ってるからね」と大野へキラーパス。慌てた大野、「がんばりましゅよー」と若干噛み気味で意気込みをあらわにする。

まずは“魔法少女サイト検索”のコーナーで、『魔法少女サイト』という作品自体や各キャラクターを極力ネタバレを抑えた形で紹介。学校ではクラスメイトにいじめられ、家では兄からの虐待に耐える中学2年生の朝霧 彩が、不思議なウェブサイト“魔法少女サイト”に出会い、魔法の力を秘めたステッキを手に入れ、同じくステッキを持つクラスメートの奴村露乃や他の魔法少女とともに、熾烈な運命に巻き込まれてしまう……と鷲崎からあらすじが紹介されていくなか、5人全員が泣く(泣きマネ)。その作品への印象を「悲しいお話だなぁ、と思いました(大野)」「こういうダークファンタジーみたいな世界観が大好き(鈴木)」「ダークなシーンが多いからこそ、友情や愛情を感じるシーンが際立つ(芹澤)」とそれぞれ語っていた。
続いて茜屋演じる奴村露乃について、茜屋から「いちばん初めに彩と出会うんですけど、悲しい過去から自分の目的のためにメリットになるようにしか人と関わらない子」と説明。物語が進むにつれて振り幅の出るキャラクターであり、演じてみての感想を「演じたことのないタイプだけど、原作等を読んで根っこの部分を知っていくと、意外とそうでもなかった」と語るが、「心を開いていくまでの段階に色を付けていくのが難しかった」とも続けていた。この点は、視聴者側にとっても要注目のポイントになりそうだ。また、山崎演じる雫芽さりなについては、ネタバレ防止のため伏せられた情報が多かったものの、「クラスでボス的な、ガキ大将の女の子版で。友達が大好きだけど、ウジウジしてたり声の小さい子は生理的に無理、な女の子」と紹介。彼女のストーリーへの絡み方にも注目してほしい。
また、“キャラソン”の項目では、大野と茜屋が歌うそれぞれのキャラソンのMVが上映。大野が歌う「赤イ涙の先」は、少々オリエンタルなメロディを持つデジタルチューンで、大野自身はこの曲について「切ない曲です。MVでの衣装は今着ているものと別の衣装になっていて。それが茜屋さんとお揃いなんです」と魅力をアピール。また、茜屋が歌う「believe again」は、「ひとりでMVを撮るのもバックダンサーがいるのも、発煙筒を持って踊るのも初めて。ダンスも普段自分がやるものと違っていて、初めてのことだらけでめっちゃ楽しかったです」とMVやダンスにフォーカスを当てて語っていた。

そして、“原作者・佐藤健太郎から見たキャストへの想い”との項目で、佐藤自身が登壇。それぞれのキャストにひと言ずつコメントを寄せていく。特に印象深かったのが、大野への「あ……彩だ……」とのコメント。「100人以上のオーディションで大野さんの声を聞いて、『この人が彩だな』と思った。なので、決まったときは嬉しかったです」と語る。実はそれを本人の前で明かしたのは、「プレッシャーになるかな」との配慮もあって、この瞬間が初めてだったとのこと。また、トークの中で鈴木や山崎にとっては初めて演じるタイプのキャラクターであることもそれぞれ言及。特に山崎は「こんなに汚い言葉のキャラは初めて」と、その新境地への期待を高めてくれた。

と、そんななか、魔法少女サイトの管理人・漆(なな)(CV:中尾隆聖)の声が会場に響き、炭酸ガスとともにステージセットには矢が1本刺さる。そしてそこについていた手紙で、観客へ「“#魔法少女サイト”を使って大量のツイートをしろ」と要求。「早くしないと巨大な風船を爆発させちゃうからね」と漆のナレーションに続いて、風船が登場し膨らみ始める。そのツイートがメインスクリーンを埋め尽くすが、やはり日曜の夜。人気TV番組の放送等もあってか、目標達成はならず残念ながら風船は爆発してしまった。

そしていよいよ、第1話の先行上映へ。OPとED映像なしの本編のみの上映となったが、いきなりのシビアな展開続きで目が離せない内容。現地に来られなかった方も、本編の出来栄えに期待していたほしい。

上映に続いては、“魔法少女サイト持ち込みプレゼン大会”。再び漆の指示で、キャスト5人がキャラクター5人全員に愛称をつけて順に発表することに。大野が名前呼びの彩以外ほぼ全員“名字+さん”(虹海のみ“にじみんさん”)というなかなかのツワモノぶりを見せつけるなか、茜屋が露乃を「よくこう聞こえる」と“やすむらさん”と書けば、後にオープンされた芹澤の“とにかく真顔の奴村さん”と奇跡的なシンクロが誕生。ちなみにこれを含めてパンチの効いた愛称揃いだった芹澤、「ボケ倒したほうがいいかな」と空気を読んでの回答だったと明かしていた。
また、もう1コーナー“サイト管理人を倒せ!サイト管理人危機一髪ゲーム”では、作品名にちなんだ賞品・魔法瓶をかけて、サイト管理人・弐を模した人形の入った大型の黒ひげ危機一髪を敢行。開始前に弐を演じるのが悠木 碧と明かされ場内がざわめくなか、各出演者が順調に剣を刺していくが、5人目の茜屋の番で残念ながら飛び出す管理人・弐。罰ゲームとしてサイト管理人・漆のモノマネをすることになったが、鷲崎からの「中尾が今までやったキャラクターならOKです」との声を受けて、国民的某バイキンキャラのモノマネを披露。喝采を浴びて幕を下ろしたのだった。

ここで、バーチャルYouTuber・キズナアイがサイト管理人・捌(はち)役で声優として出演する情報をはじめ、作品に関する告知が挟まれ、ライブコーナーへ。まずは茜屋の「believe again」からライブスタート。身体で細かくリズムを刻みながら、クールなキャラらしいスーッと抜けるような歌声を披露。奥底に潜む感情も感じさせながら、ビブラートを抑えた歌唱に徹しているのも、露乃としてのひとつの表現なのであろう。一方ダンスははっきりとした楽曲のリズムに合わせてパキパキと踊られるもの。サビでそのフリに一気に激しさが増す点は、トークの内容を踏まえると今後のストーリーに絡んでくるのでは?とも推測させてくれる。

続く大野の「赤イ涙の先」も、か細い歌声でうたわれたナンバーに。Bメロで微笑みも交えながらも、やはりもっとも強く感じられる歌声成分は彩らしい儚さ。佐藤が「あ……彩だ……」と感じたというのも納得のハマり方で、少しあどけなさのある振付も、その歌声と相まって愛おしさを感じさせる。またダンスには、1話を観ればわかる“彩ならでは”のポイントも含まれており、MVで何度も味わえる日がより楽しみになった。

そしてここからは主題歌2曲。まずは山崎によるEDテーマ「ゼンゼントモダチ」だ。衣装を替え、アーティスト・山崎はるかとしてステージに立った彼女は、芯を持ちながらも弱めに入る曲冒頭からサビに向けて徐々にそこに力強さを付加していき、ソロアーティストとしてデビューするのにふさわしいボーカルワークの巧みさをみせる。ダンスも力強さとキレとをともに持ったもので、キャラクターではない“山崎はるか”としての像を見せるステージに。また、Dメロでは自らの手で歌いながら観客を力強く煽り、場内のボルテージを高めていった。
ラストを飾ったのは、OPテーマ「Changing point」を歌唱するi☆Ris。茜屋・芹澤も含め、6人がこの曲用の新衣装で登場する。今回もメンバー・澁谷梓希がデザインした衣装はメンバーごとに微妙に異なるものとなっており、それぞれの個性をあふれさせる今の6人にはピッタリだ。パフォーマンスの面では、疾走感のあるシリアスなデジタルチューンに合わせて、バッキバキに力強くもスピード感あふれるダンスを披露。フォーメーションの移り変わりの激しさも、彼女たちのナンバーの中で随一のものだ。歌声の面でもソロでもユニゾンでも全員が力強く精度の高い歌声を聴かせていたが、特に印象深かったのが大サビ前の茜屋のソロ。ただ単に強いだけでなく魂こもった歌声は、1フレーズながらも心を揺さぶる力を持つものだった。


最後に、全キャストも再登壇してそれぞれからコメントが。EDを歌唱した山崎は、実はこの日がアーティストとしての初ライブ。「どうだったですか?」とまずは観客の反応をうかがい、称賛の歓声が返ると安堵していた。そして最後に大野が「今はみんな一丸となって、魂込めて作品を作ってます。原作を知ってる方もこれからの方も、『魔法少女サイト』を応援してくださるとうれしいです!」とまとめ、最後に漆のキーとなるセリフにちなんだ「不幸だねー(出演者)」「不幸じゃない!(観客)」のコール・アンド・レスポンスで、イベントは幕を下ろした。

……かと思いきや、またもサプライズ!虹海のキャラソン「…私だけ見てて♡」のMVが上映される。楽曲自体は驚くことに、キャラクターのイラストやジャケットとはまるで雰囲気の違う重くて速いヘヴィ・ロック。1コーラス目中盤まで流されたこの曲は、4月20日にリリースされることが早くも決定。3話のEDテーマとしてオンエアされるとのことで、本編はもちろん楽曲面も注目してほしい。

“ハラハラドキドキ”という形容から数十倍はシビアであろうストーリーが展開されていく『魔法少女サイト』。それゆえ観るものを惹き込む力の強く持ったこの作品に、この春出会える私たちは、きっと「不幸じゃない!」。

Text by 須永兼次

“TVアニメ「魔法少女サイト」放送直前イベント Magical festa.~きっと来たら不幸になる~”
2018年3月18日(日)<夜の部>開場 18:00/開演 18:30
会場:多摩永山情報教育センター 多目的ホール

※写真は昼公演のものです。


●作品情報
TVアニメ『魔法少女サイト』

MBS 4月6日より毎週金曜 26:25〜
TBS 4月6日より毎週金曜 25:55〜
BS-TBS 4月7日より毎週土曜 24:30〜
SBS 4月17日より毎週火曜 25:58〜
ATV 4月23日より毎週月曜 25:28〜
AT-X 4月11日より毎週水曜 22:30〜
※リピート放送:毎週金曜14:30〜/毎週火曜6:30〜
※放送日時は変更になる可能性がございます。

Amazonプライム・ビデオにて日本・海外独占配信決定!

【キャスト】
朝霧 彩:大野柚布子
奴村露乃:茜屋日海夏
潮井梨ナ:鈴木愛奈
穴沢虹海:芹澤 優
雫芽さりな:山崎はるか
朝霧 要:岡本信彦
美炭貴一郎:鈴木達央
直戸圭介:安里勇哉

【スタッフ】
原作:佐藤健太郎『魔法少女サイト』
(秋田書店「週刊少年チャンピオン」連載)
監督:松林唯人
シリーズ構成:伊神貴世
キャラクターデザイン:渋谷 秀
音楽:井内啓二
アニメーション制作:production doA

OPテーマ:i☆Ris
EDテーマ:山崎はるか

(C)佐藤健太郎(秋田書店)/「魔法少女サイト」製作委員会

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