1月13日に誕生日を迎えた黒崎真音のバースデーライブツアー、“MAON KUROSAKI Birthday Live Tour 2018 -prism- supported by dアニメストア”が1月14日の東京・マイナビBLITZ赤坂からスタート。20日には大阪、21日は名古屋にて開催された。今回の記事では新曲も披露され、誕生日翌日ということでサプライズもあった東京公演の模様をレポートする。
最初の曲、「VERTICAL HORIZON」のイントロが始まると会場から歓声があがる。だがステージに現れた黒崎真音はベールを被っていて、表情を見ることができない。ミステリアスな雰囲気でライブは始まった。
そして2曲目「Distrigger」ではベールを捨て、初めてまばゆいライトによって表情が照らし出された。観客も解放されたように一気にボルテージが上がる。そして続く「刹那の果実」ではスタンドマイクからハンドマイクに切り替え、「赤坂、行くよー!」と観客を煽っていく。
一気に歌い終えると、新年一発目のライブということで、まずは「あけましておめでとうございます!」とご挨拶。色とりどりのプリズムのような黒崎真音の音楽を楽しんでほしい、と今回のツアータイトル“Prism”になぞらえて短めのMCを締めた。
その後も「DEAD OR LIE」(原曲はTRUSTRICKとのコラボ)など盛り上がる曲が続いた後は、ぐっと大人っぽい「蘭」でまた違った色彩を見せる。するとここで新曲を初披露するという発表が! 「去年の秋ぐらいにこっそり作っていた」というその曲のタイトルは「Renka.」。黒崎真音が作詞、作曲は板倉孝徳で、編曲はこの日のバンマスを務めた宮崎京一によるバラードだ。
この後は一転して「Lisianthus.」で再加速。彼女がデビュー前から歌っていたという大切な曲だ。そして一旦ステージから姿を消すと、バンドによる演奏の間に衣装を早着替えを行い、旗がついたマイクスタンドを担いで戻ってきた。長いスカートから脚を見せる大胆な衣装になってモードチェンジといったところか。
後半戦に入ると「Candy☆evolution」を観客と共に歌い、「starry × ray」ではコールも入って燃え上がった。そして4年ぶりぐらいに歌ったという1stシングルのカップリング曲「ANSWER」という怒涛の展開を見せる。
さて、ここでちょっとクールダウンしてバンドメンバーの紹介が行われたのだが、ひと言ずつしゃべってもらおうということで、彼女から「黒崎真音の第一印象は?」という質問が出された。するとメンバーからは「近寄りがたい」「目を合わせてくれなかった」「(磁石の)N極とN極のようだった」と次から次へと人見知りエピソードが出てくる(笑)。もちろんその後で「今はしゃべれるようになった」というフォローはあって、こういう話をステージで話せること自体、今はメンバーと打ち解けている証拠であるわけなのだが。最後にバンマスの宮崎京一からは「真音ちゃんはセットリストを全部自分で考える。毎回、ライブでストーリーを作るのがすごいなと思った」という印象が語られた。この日のライブも1曲目から本人が構成を考えているようで、全体が一本の物語となっているわけだ。
13曲目の「X-encounter」からは早くもラストスパートに入り、「全部出し切ってね! 最高の一日にするよ!」と呼びかける。「UNDER/SHAFT」ではステージの左右で煽りまくり、「VANISHING POINT」でボルテージがさらに上がっていった。
そしてこの日のライブの物語は佳境に入る。“prism”というタイトルの今回のライブを作っていくうちに気付いたことを話したいという彼女は、「私はずっと太陽みたいな人に憧れていました」と語り始めた。いつも元気で笑顔で天真爛漫な太陽のような人に。アニメソングへの憧れも、それに近いものがあったそうだ。でも自分は太陽というよりも月に似ているのだという。月は太陽のように自らギラギラ輝くことはないけれど、いつも暗い夜を照らして、円く見えたりとんがって見えたりと形を変え、近く見えたり遠く見えたりすることもあって、時には名前まで変わる。そんな月に自らをなぞらえ、「みんなが夜、急に寂しくなった時に、大丈夫だよ、ここにいるよとみんなに寄り添う音楽をこれから作っていけたらいいなと思いました。私は私なりのカラーで、私なりに輝いてこれからも走って行こうと思うので、みんなこれからもついてきてね」と話すと、会場からは温かい拍手が起こった。
歌詞に“月”という言葉が出てくる「VERTICAL HORIZON」をこの日の1曲目に持ってきたのは、おそらくこのMCをするためだったのだろう。前述のように、黒崎真音のライブはまさに一本のストーリーなのだ。そして、「今日みんなでまいた“種”が、いつか幸せな色をした花になりますように、という気持ちを込めて次の曲をお届けしたいと思います」という言葉の後に歌ったのが、「種」という曲だった。
伸びやかな歌声が印象的だった「黎鳴-reimei-」の後では、歌っていて泣きそうになったというコメントも。そして、ライブ本編最後に歌ったのは「私の今の気持ちを全部詰め込んだ曲です」という「僕はこの世界に恋をしたから」。黒崎真音が自ら作詞したその歌詞は、「ありがとう ありがとう 歌うよ」というフレーズで終わったのだった。
アンコールを求める観客の“真音”コールに応えて、バンドメンバーと共に再登場した彼女は「楽園の翼」の冒頭の一節をアカペラで歌い始めた。そしてバンド演奏が始まると、観客と共に一気にヒートアップ! 続いて「BRIGHT FUTURE」、最後はステージの端から端まで全ての観客に手を振りながら「メモリーズ・ラスト」で締めくくった。
だがライブはまだ終わらない。ダブルアンコールの声を聴くと、もう一回ステージに姿を現した。すると、ここでバースデーケーキが運ばれてくるというサプライズがあった。彼女のことだからおそらくダブルアンコールまでは想定した構成だったと思われるが、さすがにスタッフによるこの粋な計らいは想定外だった模様。バンドメンバーが「ハッピーバースデー」を演奏すると、観客から大合唱が起きて誕生日を祝福した。本人は喜びつつも、「顔面ケーキするの?」と過剰なサービス精神を見せようとして止められていた(笑)。
この日のダブルアンコールの曲は「Wishful☆Garnet」だった。黒崎真音がまだデビューする前に作詞・作曲した曲で、後にI’veの中沢伴行が編曲してシングル「楽園の翼」のカップリングとして収録された。そんな極めて思い入れの強い曲が最後に選ばれたのだった。観客も振り付けがあって一緒に踊って楽しめる曲でもあり、最高の一体感でこの日のライブは終演を迎えた。「これからも歌で恩返しできるようにがんばります!」と誓うと、客席に投げキッスをしてステージを後にした。
この東京公演の翌週には大阪・名古屋での公演も行われたが、各公演とも全く異なるセットリスト。3公演を合わせてまたひとつの物語が浮かび上がってくるというツアーとなった。
Text By 金子光晴
“MAON KUROSAKI Birthday Live Tour 2018 -prism-
2018年1月14日(日)マイナビBLITZ赤坂
<セットリスト>
1 VERTICAL HORIZON
2 Distrigger
3 刹那の果実
4 Last Desire
5 DEAD OR LIE
6 【Dreamed wolf】
7 蘭
8 Renka.
9 Lisianthus.
10 Candy☆evolution
11 starry x ray
12 ANSWER
13 X-encounter
14 UNDER/SHAFT
15 VANISHING POINT
16 種
17 黎鳴-reimei-
18 僕はこの世界に恋をしたから
19 楽園の翼
20 BRIGHT FUTURE
21 メモリーズ・ラスト
22 Wishful☆Garnet
SHARE