――1stアルバムまでの活動を振り返るとどんなことが思い出されますか?
錦織 私、「You are a star!」のPVですね!撮影したのが2月ですごく寒かったんですよ。生死に関わるくらい。
宇佐美 氷点下だったんですよ。
錦織 合成じゃなくて実際のイルミネーションの中で撮影しようということで遊園地に行ったんですけど、あまりにも寒すぎて半ギレしてましたね。「これ、死ぬんじゃないっ!?」って。スタッフさんが温かい飲み物を持ってきてくれるんですけど……。
宇佐美 持ってきたときにはもう冷たい、みたいな。
錦織 そんな環境下で私たちは半袖のチューブトップみたいな衣装で、このときは「もう殺してくれ!」と思いました。でも撮影自体は楽しかったのでPVを懐かしんで観てもらえればなと思っています、今では。
――それが最大につらい思い出ですか?
錦織 いーちゃんはほかにもありそう。
板山 私、あります
宇佐美 「恋色(♡思考回路)」でしょ?
板山 PVでクルーザーに乗ったんですけど私が船酔いになって、泣きながら「ダメですー」って。
宇佐美 波がない日って話だったので、クルーザーの上でダンスしてそれを。
深沢 ヘリコプターで上から撮って。
宇佐美 って予定だったんですけど、波がある時点で踊れないし、いーちゃんがそんなんだから撮影自体がなしになりました。いーちゃんがあんなに泣き叫ぶのは初めて見ました。
――寒かったり強風に遭ったり大変ですね。
錦織 結構「自然」にやられることが多いです。
宇佐美 「刹那ハレーション」のときは暑くて熱中症になりかけたし。でも、「刹那ハレーション」はデビュー曲で初のオリジナル曲なのでいい思い出です。いろんなミッションにチャレンジした結果もらえたんですけど。どれくらいやったかな?
深沢 すごくやった。あの頃は戦わないと前に進ませてもらえなかった。
宇佐美 でもそれも今思うと自分たちがチャンスをつかめてなかっただけで、「チャンスを与えてくださったんだな」って分かります。そのときは「なんでこんな苦しいことばっかりしなくちゃいけないんだろう」とか「戦う意味ある?」って自暴自棄になった時期もあったんですけど。「もう戦いたくないです」って。
錦織 言ったことあったよね。
――魔法少女物の主人公みたいですね。どうなったんですか?
深沢 怒られました。今なら「当たり前だな」って思いますけど、そのときは戦い過ぎちゃって「そんなに戦わなくちゃ私たちダメなのかな」って思ったんですよ。
宇佐美 でも、そのラストの戦いでゲットしたのが「刹那ハレーション」だったので、今、アルバムのリリイベ中に歌っていても初心を思い出せます。
――戦いの末のデビューだったんですね。
宇佐美 そのあとも何回か戦ってますけど(笑)。
深沢 でも、せっかくのオリジナル曲をいただいたのに「自分たちの曲になってない」みたいに言われて、悔しい思いもしたんですよね。
宇佐美 「カバー曲の方がいい」とか。
錦織 言われてた。
――それは何が原因だったんですか?
桧垣 でもあのときのダンスはへなちょこでした。かっこよくてガシガシ踊る系の振付だったのに、自分たちが曲に追いついていなくて。
板山 曲に踊らされてる感が。
錦織 わかる。ただ振付をもらってこなしてるだけ。
深沢 ただそれが悔しかったので、ファミレスで歌詞カードを広げて、主人公がどういうことでどういう物語で、っていう意思統一をメンバーでしたんです。そこで自信がついて自分たちの曲にできた感覚がありました。
錦織 ここの歌詞では笑顔で、こっちでは悔しそうな顔して、って細かく決めてました。
宇佐美 当時、一から自分たちの曲を作るってことをしたことがなかったんですよね。それまでは先輩が作り上げた曲をカバーしてたので。だから「刹那ハレーション」ではいろいろと勉強させてもらいました。あの時期は、「ミッションを受けなくなっても自分たちで目標を作って戦うって訓練だったのかな」って私たちは思っています。これからアニソン界で戦わないといけないのに。
――ルーチェは、曲ごとやメンバー間で表情が変化したり合わせたり、というの魅力だと思っているんですが、そういった意思統一の成果なんですね。
宇佐美 そうですね。細かく統一したり、すごく前の曲をまたやり直したり。「今は苦しそうな表情してるけどもうちょっと笑顔にしないとダメだよね」とか、そういう話し合いを結構してます。
桧垣 表情だけ抜いたライブ映像をもらって、「あ、自分はこんな表情してたんだ」って確認したり修正したりって。
深沢 イメージ統一はすごく大事だと思っています。
――振付と言えば、板山さんが担当するときはメンバーと話をするんですか?
板山 どういう振付をやりたいかは聞いています。やっぱりいちばん近くでルーチェを見てるので、ルーチェにしか出せないものを出したいって思っているので。
宇佐美 「Password」は、私が作詞して、いーちゃんが振付だったんですけど、歌詞を作る前のストーリーを詳しく送って「こういう世界観で作ってほしい」って伝えました。
――ストーリー?
宇佐美 「ある街にひとりの女の子がいました……」っていう物語を長い文章で作って、「これを元に歌詞を作るからそのつもりで考えててね」って。
深沢 えー、その文章ほしい。
桧垣 ねぇ。
錦織 ほしいんだけど。
宇佐美 じゃああとで(笑)。
――その文章を参考に?
板山 そのままいただきました
宇佐美 閉じ込めてる振りとかね。
SHARE