2017年の思い出と、次なる飛躍への想いを込めて。Pyxis2ndアルバム『Pop-up Dream』リリース記念インタビュー

自身初のアニメ主題歌の担当や、アニサマをはじめとする各種フェス・イベントへの出演を果たした2017年は、声優・豊田萌絵と伊藤美来によるユニット・Pyxisにとって飛躍の1年となった。その1年を締めくくるのが、12月20日にリリースされた彼女たちの2ndアルバム『Pop-up Dream』。既発シングルの収録曲4曲に加え、パブリック・イメージに沿ったキュートな楽曲から、そこからは意外さもある大人びた曲、さらにはそれぞれをフィーチャーした楽曲なと新曲6曲を収録している。本稿では、2017年の自身の活動を振り返りつつ、そのニュー・アルバムの新曲に込めた想いや狙いに迫る。

――アルバムのお話をお伺いする前に今年のおふたりの活動を振り返らせていただきたいのですが、シングルリリースにライブ・イベント出演にと、盛りだくさんな1年となりましたね。

伊藤美来 そうですね。1stシングルの「FLAWLESS」では初めてアニメのタイアップもつけていただいて。アニソンは最初からふたりで「いつかできたらいいね」と言っていたので、すごくうれしかったです。

豊田萌絵 自分たちの声がED映像に乗って聴こえてくるっていうのが、いちばんうれしさを感じる瞬間で。アニメもリアルタイムで観て、ドキドキしながら待っていました。

――その「FLAWLESS」を引っさげる形で、今年はアニサマにも出演されました。

伊藤 センターステージにリフターで、背中合わせで上がっての登場だったんですけど、ふたりともすごく緊張してて、ステージ下ではふたりぶるぶる震えてて(笑)。「やー! どうしよー!」ってめっちゃハグしてました。

豊田 「とりあえず人の体温がほしい」みたいな状況だったんです(笑)。

伊藤 それで私が客席のほうを、萌絵さんがメインステージのほうを向いて上がってきたんですけど、上がった瞬間ピンクと水色のサイリウムがバーッとあったのも、すごくうれしくて。私たちのことを知らない人もたくさんいたと思うんですけど、それでも優しく迎え入れてくれているような光景を見れて一気に安心して、リラックスしてパフォーマンスできました。

豊田 上がってきたとき、お互い見てる景色が違うっていうのも面白いなと思いましたね。で、そのあとすぐにふたりで向き合うフリのところで、初めて一緒の景色を観たときが、いちばん鳥肌が立ちましたね。ただ、うしろを向いてる間もみくが観ている景色側のオーラを背中越しに感じていて。しかも背中合わせなので、若干お互いの震えとかも感じていたと思います(笑)。

――そのほか、今年の1月には2ndワンマン・ライブも開催されました。メジャー・デビュー後初のワンマンは、それまでとの違いを感じた部分はありましたか?

豊田 オリジナル曲ができたり「いろんな協力してくださる方のためにも頑張ろう」という気持ちが生まれたりはしましたけど、元々のコンセプトの「ふたりで楽しくパーティーのように」というのはそのままで。メジャー・デビューしてからも遊び心を忘れずにやっているので、意識的にはそこまで大きく変わってないですね。

伊藤 ただ、ファンの方からの熱量がよりすごくなっているのは感じます。ライブ以外にも、距離の近いイベントでのお話とかお手紙とかで生の声を聞くと、「アルバムのあの曲がすごくいい!」みたいな感想をいただけたりもしますし、「友達も連れて一緒にライブ行くよー!」とか、ファンの人が「Pyxisを広めたい」って思ってくれてる、っていうのがうれしいです。

――そんな2017年の締めくくりに、2ndアルバム『Pop-up Dream』がリリースになりました。5月の結成2周年イベントではおふたりとも3年目の野望に“アルバム”を挙げられていましたが。

豊田 でもまさか、年内に出せるとは思ってませんでした。今年だけでもシングルも2枚出せていたので、驚きがまずいちばんでしたね。今回のアルバムのコンセプトは「ベストフレンド・ガールフレンド」なんですけど、私たちの今までの活動や雰囲気を見てスタッフさんたちがそう決めてくれたんだなと思うと、すごくうれしいです。

伊藤 この1年でたくさんリリースさせてもらったりイベントに出させてもらったりして、ふたりの絆みたいなものもどんどん深くなっていった気がするので、それを踏まえてこのコンセプトでアルバムを出せることはうれしいですね。

豊田 しかも全体を通して「私たちにしか歌えない曲」しか入ってないんですよ。なので“Pyxisにしかできない”っていうものを確立できた1枚になったと思います。

――今回のアルバムに、おふたりの意見が反映された部分はどのようなところなんでしょうか?

豊田 私は結構考えるのが好きなのでいつも意見を出させてもらってるんですけど、今回はちょうど「Pop-up Dream」の私のレコーディングのあとにスタッフがその場で「Pop-up Dream」のMVの打ち合わせをしていたので、たまたま参加できて。で、「コンセプトが“ガールフレンド”だったら、もうデートしちゃえばいいんじゃないですか?」って言ったら、そのまま本当に、デートするMVになったんですよ(笑)。

伊藤 今回はデートシーンとリップシンクのシーンのふたつから構成されるMVになってるんですけど、デートのほうは本当に台本もなくて、ふたりで撮影する場所に行って普通に遊んでるだけなんですよ。なので、ふたりの距離感が縮まったベストフレンド感の出たMVになっていると思います。

豊田 我々もずっと自撮りでムービーとか写真を回していたので、いい意味でMV撮影感がなくリラックスして撮れました。

――その「Pop-up Dream」、楽曲自体はテンポは速いながらも爽やかな印象のもので。

伊藤 キャッチーですごく覚えやすいし、王道感と疾走感もある私たちらしい曲だなと思いました。

豊田 それに、アウトロやDメロがなかったりとすごくシンプルな構成なので、すごく頭に残りました。今の時代、珍しい構成じゃないですか? でもごちゃごちゃしてないからこそ覚えやすい、キャッチーさがあるなって思ったんですよね。

――歌詞からは、この曲が新しいPyxisのテーマ曲になるようなイメージを受けました。

伊藤 そうですね。私たちが今まで見てきた、ステージから観た景色や練習した風景とか、萌絵さんとの思い出みたいなものが蘇ってくる感じはあります。特にサビの最後の「泣けるほど 宝石みたいに光る海」というフレーズは、私たちがステージ上で観ているお客さんのサイリウムや、キラキラした目を思い出して感動しちゃいますね。

豊田 私たちも実際にインタビューとかで「海みたいだよね!」みたいなことを言っていたので、「私たちの発言を汲んで、歌詞に入れてくれてる!」って思いました。しかもその“宝石”という言葉はユニット名にもちなんでくださっているので、本当に細かいところまで考えてくださったんだなぁ、って思います。

――先ほどお話されたアニサマでのステージからの光景は、まさにこんな感じ。

豊田 そうですね。立った瞬間みたいな感じで。

伊藤 レコーディングのときもその風景を思い出しながら歌ったりしましたし、曲を聴いたときからキラキラ感とか私たちらしさを感じたので、一つひとつの言葉を大事に歌いました。

豊田 それと、「夢に向かって」とか明るいことを歌いたい曲でもあるので、私もキラキラ感を大事にしました。

――そのほかにも、今回のアルバムにも多彩な楽曲が収録されています。まず「Sweat&Tears」は、トロピカルな感じの1曲で。

豊田 そうですね。我々も「タオル曲にしたいね」なんて言ってるくらい“はじけるパッション”みたいなノリノリの曲です。お客さんにもライブで一緒に跳んだりタオル回したりしてもらえたら、すごく盛り上がれそうだなって思います。

伊藤 落ちサビの前には、コール・アンド・レスポンスの部分もあるもんね。

――おふたりも、レコーディングから楽しんで歌われた?

豊田 私、今までのレコーディングのなかでいちばん楽しかったです。リズムの持ってるキラキラ感がすごく好きで、常に口角上がりながら歌ってました。

伊藤 私もステージ上で楽しんでるのをイメージしながら歌いました。それと、歌詞が萌絵さんと私のことを歌っているようなものなので、自分が持ってる「ありがとう」っていう気持ちも胸に置きながら歌いましたね。

――ただ、続く「Pinkie×Answer」でその雰囲気がガラリと大人びたものに変わります。

豊田 作詞作曲の方々が大人っぽい「ミライSniper」を書いてくださったコンビなんですけど、それ自体が私たちお気に入りの曲なので、最初に聴いたときは「こういう曲調をまた歌える」っていううれしさがありました。それに、だからこそそこからまたちょっと成長した私たちを見せられるポイントにもなるのかな、って思います。

伊藤 私も「大人っぽい曲、歌いたいね」とインタビューとかでも言っていたので、「Pyxis、こんなのもできるんだぞ!」っていうのを、見せてやろうと思いました。でもリズムが難しい曲で、特にDメロの「倒れ込んで“眠れたのならば”」っていうラテン系の三連符のリズムの部分が、私のソロパートなんですよ。最初「ここ私か」って思ったんですけど(笑)、その分気合いも入りましたし、リズム感も大事にしながら気持ちも入れ込みたかったので何回も録らせてもらいました。

――そして今回は、おふたりのフィーチャリング曲も1曲ずつ収録されています。まずは豊田さんの「Call Me もえし」ですが、最初聴いたときの印象はいかがでした?

豊田 いやぁ、クレイジーだなぁって思いました(笑)。基本的には、ものも人もクレイジーなものは大好きなんですけど。それに、自分の名前が入った誰にもカバーできない“専用曲”ができたことはすごくうれしいなって思います。

――サウンドや歌詞でお気に入りのポイントはありましたか?

豊田 すっごい中毒性の高いメロディと歌詞で、2回聴いてほぼメロディを覚えちゃいました。それと、曲の中のセリフの表情が結構コロコロ変わるところとか、「寂しいのは耐えられない」みたいなフレーズがすごく私の性格みたいだったので、最初は“豊田萌絵と一緒に住んだらソング”だと思ってたんです。でも実はこの曲、“もえし”っていう名前の猫の曲だとあとから聞きまして(笑)。よくよく考えたら気付けるポイントはいっぱいあるんですけど、そういうダブルミーニング的な意味でも楽しめる面白い曲だなって思いました。

伊藤 あと、この曲のコーラスとして、実はちょっと友情出演させてもらってるんですよ。

豊田 そうなんです。Bメロのうしろに重なってる三声のコーラスとか、曲の最初の「もえしー!」は、みくの声で。

伊藤 私も聴いたときかわいい曲だなと思いましたし、「もう萌絵ファンを殺しにかかってるな、この曲は」と。

――思いました。

伊藤 思いましたよね?もうキャーキャーモノですよ!

――そしてもう1曲が、伊藤さんフィーチャリングの「初めて塾をサボった日~みくと原宿とクレープと~」です。

伊藤 私のなかで、この曲の主人公の子のイメージは受験を控えた中学3年生の優等生な子なんです。なので私も中学生の気分に戻ってといいますか、今までいろいろ学んできたテクニックとかをとりあえずなくして、幼さとかまっすぐさ、純粋さみたいなものを出せるように歌いました。なかでもサビの最後にかわいらしく「あのね あのね あのね」って続くところはすごくポイントになるなと思ったので、頑張りました。

豊田 この曲は先ほどとは逆に、私もサビ前の「Sweet×5 Honey」のところと、間奏のラララで歌ってるところにコーラスで参加しているんですよ。曲的には、冒頭から冒険が始まる感がメロディにすごくあるし、同じ言葉を繰り返すっていう天丼芸が「あ、かわいい」って思いました。それがサビの最後に来るっていうのも、すごく効果的ですよね。しかもいちばん最後の「あのね あのね あのね」のあとには、歌詞に「…………」っていう声に出さない部分があって。

伊藤 「そのあと何言いたいんだろう?」っていうのを想像してもらえたらいいなと思います。でも、ライブではどうなるんでしょう? 萌絵さんがファンを殺しに行くんだったら、私はそれをすくい上げてあげようかなって思ってるんですけど。

豊田 屍に命を与えるんだ(笑)。

伊藤 そう。中学生の尊さみたいなものをばらまいて(笑)。

――そしてアルバムラスト曲「Next Flowers」も新曲ですが、大人っぽく歌われている印象があります。

豊田 そうですね。イントロから「あぁ、もう俊龍さんだぁ」と思ったんですけど(笑)、歌詞とかからその勢いの中に切なさとか、“儚いけど美しい”みたいな10代・20代の女の子の青春がすごく詰め込まれていたので、すごく明るく元気に歌うというよりは儚さを表現したいなと思ったんですよ。なので、なるべく抑えた中にもきれいさが出せるように心がけて歌いました。

伊藤 私のレコーディングは萌絵さんのあとだったので、その歌声を聴いたあとにいろいろ考えて乗っかっていくような感じにはなったんですけど、「やっぱりPyxisはかわいくありたいしキラキラしていたいけど、それだけじゃなくて必死で熱い部分もあるんだぞ」っていうのを歌声で表現できたらいいなと思って歌いました。歌詞を読むと、私たちの出会いのことや萌絵さんがかけてくれた言葉とかも思い出したりするので、我々からしても本当に感動するような、涙が出てくるような曲になっています。

――そんなアルバムのリリース後には、2月3日にディファ有明で3rdワンマン・ライブを開催されます。

伊藤 ただ、セットリストもこれから決めるぐらい、まだ具体的なことはまだ何も決まってないんですよ。

豊田 でもきっと、アルバム曲はやるかな?……っていう感じです。

――いま、今度のワンマンでやりたいことはありますか?

豊田 そうですね……節分なので、豆まき?

伊藤 怒られるわぁ、絶対(笑)。

――サインボールではなく。

豊田 出禁になりそう(笑)。「掃除しづらいわ!」って。

伊藤 じゃあ私たち、鬼の姿で出てくる?

豊田 みんなに豆投げられちゃうよ(笑)。

伊藤 で、鬼の衣装で歌うとか(笑)。

――かわいらしい感じの、鬼っぽい衣装で。

伊藤 でも、遊び心は入れたいですね。

豊田 前回のライブではソロ曲を乗っ取り合ったりとかもしたんですけど、今回はフィーチャリング曲でお互いコーラスとはいえ参加しているので、何かしら面白い演出はできるんじゃないかなって思っています。 毎回“Party”とは題しているので、今回もそういうパーティー感がずーっとあるステージにしたいですね。

――では最後に、今後の活動への意気込みを改めてひと言ずつお願いします。

豊田その目標は継続しつつ、アルバムの最後にあるように、次の花を咲かせるような何か素敵なことが、Pyxisでできたらいいなと思ってます。

伊藤 いま萌絵さんが言ったとおり、私もいろんな人に知ってもらえるように今後も頑張っていきたいです。それとやっぱりPyxisの強みは仲がいいことと個性が強いことだと思っているので、「ふたりが一緒にパフォーマンスをすると、こんなに面白いものができるんだよ!」っていうのをどんどんアピールして、「このふたりに会いに行くと楽しいよね」と思ってもらえるようにこれからも仲良く頑張っていこうと思います。

Interview&Text By 須永兼次


●リリース情報
セカンドアルバム
『Pop-up Dream』
12月20日発売

【初回限定盤(CD+Blu-ray)】

品番:TECI-1574
価格:¥4,000+税

【通常盤(CD)】

品番:TECI-1575
価格:¥3,000+税

<CD>
1.Pop-up Dream
2.FLAWLESS
3.Sweat&Tears
4.Pinkie×Answer
5.ダイスキ×じゃない
6.Call Me もえし
7.初めて塾をサボった日~みくと原宿とクレープと~
8.残像
9.ミライSniper
10.Next Flowers

<Blu-ray>
1.「Pop-up Dream」ミュージックビデオ
2.「初恋の棘」ミュージックビデオ
3.「FLAWLESS」ミュージックビデオ

●ライブ情報
Pyxis 3rdライブ
2018年2月3日(土)
ディファ有明

関連リンク

この記事に関するキーワード

この記事を書いた人