5年間の想いと経験を携えて、さらなる未来へGO! “i☆Ris 5th Anniversary Live~GO~” 2日目レポート

11月6日・7日、府中の森芸術劇場 どりーむホール“i☆Ris 5th Anniversary Live~GO~”が開催。デビュー5周年の前日と当日を飾る節目のライブは、それぞれコンセプトは違えどともにこれ以上ないアグレッシブなもので、5年が経っても変わらない常に全力で立ち向かう姿勢と、5年の間に積み上げられた技術と想いとがクロスオーバーしたものとなった。本稿では、そのうち2日目の模様をお届けする。

全力で取り組んだ5年間を、“今の全力”で!

まず開演前、諸注意の生ナレーションを若井友希・久保田未夢・澁谷梓希の3人が担当。前日に担当した山北早紀・芹澤 優・茜屋日海夏にかわっての担当で、ライブ直前にも関わらずそれぞれのらしさを出した楽しいナレーションで、ライブへのワクワクを高めてくれる。

まずOPSEを経て場内に流れ出したのは、ちょうど5年前、2012年11月7日に発売されたi☆Risのデビュー曲「Color」のイントロだ。その刹那、一瞬にして沸き返る観客。そしてステージ奥の階段上に6人が横一線に並んで登場。澁谷の「5周年ー!」との雄叫びから頭サビが、記念すべきデビュー5周年のステージが始まる。A・Bメロのパートを歌い終えたペアから順にメインステージに降りてくる演出は、彼女たちの歌声が順々に世に届くさまのメタファーのような演出だ。2サビ明けには茜屋の「みんなー! 5歳になりましたー!」とのシャウトを皮切りに、6人のカラーのコールとともに次々と各メンバーがセンターを取るこの曲の醍醐味のパートで、6色がステージに躍動する。

続けて、早くも「§Rainbow」が投入されたことに、会場には驚きと歓喜の歓声が。もちろん積極的に煽っていくのは、この曲でフォーカスの当たる芹澤。1-Aメロから早速レスをガンガン飛ばしていくし、恒例となったBメロでの自身の名が呼ばれるコールを浴びて気持ちよさそう。加えて大サビ前のフェイクには、笑顔で「みんなありがとー!」と感謝の言葉も織り交ぜてみせる。そしてこの曲、サビの終盤に存在する背中を見せるポーズで、衣装の背中に自らのイニシャルを背負っていることが判明する。この日の衣装も前日に続き澁谷プロデュースのもので、そのイニシャルの周辺のV字の襟は、“5周年”というテーマから英数字の5をイメージしたものだ。

そして普段と違う曲ラストのフォーメーションから、そのまま「Make it!」に突入。茜屋の「まだまだノンストップでいきますよー!」との煽りから、i☆Risの無敵な1曲が始まった。数多のステージで披露されてきたであろうこの曲も、当然ただルーティンをなぞるだけにとどまらない。明確な“遊び”が見えたのは、2-Aメロでの澁谷。茜屋とじゃれ合ったかと思うと若井とのペアのシーンでは笑顔でハグを見せる。そのほかにも、決めどころのサビのジャンプは全員の高さが増しているようにも感じられたし、落ちサビのソロ直前の茜屋のターンの決まり具合も実に鋭い。このライブへの、ひいてはこの曲への気合いの度合いを伺えた瞬間だった。

早くもライブのド鉄板曲を3曲並べてからの改めての自己紹介では、「デビュー当時を思い出して、初々しい気持ちで」とのフリから山北が、初めて観るレベルの(コミカルにデフォルメされた)ブリッ子で挨拶。から、「歳をとるのも意外と楽しいので悪いもんじゃないなぁ」と素に戻ってひと言語る。また、同様に5年前のようなテンションで挨拶を始めた澁谷は、少々照れながら「あったんだよ、こういう時代」と冗談めかしながら、この5年での成長を象徴するものとして、改めて衣装を紹介。前述の衣装のイニシャルは、“Y”が重複する芹澤・若井について芹澤は“Y”、若井は“y”に分けたというこだわりぶりも明かしていた。ちなみにこの流れは基本的に全員に受け継がれていったのだが、そのなかで芹澤は「私は断然今のセリコのほうが好き」と断言。「今の最高のセリコを見せます!」と頼もしい意気込みを続けてくれた。

続いては、茜屋の「私の大好きなこの曲」との曲振りからまたもキラーチューンである「ドリームパレード」へ。サビラストの片足立ちはブレず、その後のジャンプも高い打点で揃うなど全員の基礎力の高さをうかがわせるなか、CD収録時以上にキュートな表情の出る1サビ前の久保田の歌声など、プラス方向への変質も見られる1曲に。
そのまま「徒太陽」に突入した6人。一向に手綱を緩めないその姿には、デビューの頃から変わらぬ全力感があり、後奏での山北のジャンプも疲れを感じさせない打点の高いものだ。そんななかで特に印象深かったのが、茜屋の歌声の変貌ぶり。遊ぶ系統の楽曲以外ではおおむねまっすぐ飛んでくるイメージの彼女の歌声は、楽曲の起伏に沿う形でほどよくざらつき、心に引っかかる。彼女のボーカルの表現幅の、さらなる広がりを強く感じたポイントだった。

続く「ブライトファンタジー」では、フォーメーション内における久保田のフリの大きさから彼女がこの時感じていた“楽しさ”が伝わってくる。翻って6人全体を見ると、2サビ明けの間奏のダンスに彼女たちのテクが詰め込まれているよう。3対3に分かれて1拍ずつ交互になる動きや、カニ歩きのようにチョコチョコ移動しつつも崩れないフォーメーション。これが当たり前になっていことこそが、彼女たちの凄さなのだ。
さらに続いた「Re:Call」では、スポットライトをぱっと浴びたときの芹澤の曲への没入具合にハッとさせられる。凛とした山北の歌声も、この曲での会場の空気を改めて締める。また、Dメロの澁谷の歌声は今の彼女ならではの荒くトゲあるもの。それは、この曲のサウンド感にはベストマッチなものだ。

ここまで7曲、すべてがシングル表題曲。「今日ずっとこんなんですから覚悟しといてくださいね!」と若井が場を沸かせると、続いてはリリースから1年半を経てようやく初披露となった「trust」へ。ステージ奥の円形のスクリーンに銀河のようなVJを映しながら披露されたこの曲では、ダンスもさることながら若井の伸びやかな頭サビをはじめ、その歌声の力を改めて強く感じるものに。特に追いかけのふんだんに盛り込まれたBメロからはその想いが波状攻撃のようにビンビン伝わり、ラストは全員での美しいハーモニーが生で劇場に響き、曲を終えた。

曲明け「i☆Risは、生歌もいいですからね。歌を聴かせるっていうのが(茜屋)」「生歌で頑張ってるからね(若井)」と語ったところで、続いてはその歌声映えるバラード曲「イチズ」へ。2コーラス目に入ったところで、ステージ奥の階段上にメンバーがバラけて座って歌唱する姿は、会場全体に歌声を広げようとするかのような布陣。曲前のMCで語ったように、歌の力を聴かせていく。
そのまま、マイナーコードながらも速くて強い楽曲「Shining Star」へ。毎度のことなのだが、この曲のイントロでの芹澤の全力全開さにまず目を奪われる。それもただ激しく荒ぶるだけでなく、気合いの伝わるものなのだ。また、3-Bメロで笑顔でソロを執る久保田に、すかさず『プリパラ』の南 みれぃの決めポーズを織り込むスキのない芹澤、それを経て今度はまっすぐど真ん中な歌声を響かせる茜屋。この連携から得も言われぬ最強のチーム感を感じた。一方で、1-Aメロをセンターでたっぷりめに歌う澁谷が、楽曲に良いメリハリを作ってもいた。

一瞬の間が空いたのち、明るくも美麗なハーモニーから「Daily Berry!!」がスタート。キュートなこの曲において、直前とはガラリと歌声の方向性を変えられる山北の魅力が改めて際立つ。また、久方ぶりの明るい楽曲となったこともあり、メンバーからファンへのレス祭りに。加えて階段も、振付やフォーメーションにうまく織り込んでいた。そして落ちサビ、茜屋のソロ「ぐるぐると回る」との歌詞に合わせて、モニターまわりのLEDにパープルの光がぐるぐる周回。細かいながらも、ニクい演出ポイント。その茜屋、この日は全体を通してそうだったのだが、とりわけこの曲ではいつも以上に客席に向けてせり出し、笑顔で手を振っていた。
その楽しい雰囲気を引き継いで始まったのが「Ready Smile!!」。なかでもそのボディアクションから楽しさがあふれて止まらなかったのが芹澤のパフォーマンス。自然とワクワクが伝わるところが、彼女らしい。同じく楽しそうに、前曲に続いてスキあらばレスを飛ばしまくる久保田の姿も目立つ。

またも4曲連続で披露したところで、このブロックを振り返る6人。そのなかでは、最新アルバムでの「Daily Berry!!」の音源化、そしてライブでの披露を素直に喜ぶ若井の姿も。
続いてはその最新アルバムから、この2日間が初披露となったリード曲「WONDERFUL PALETTE」の披露で、ライブは徐々にクライマックスへと近づいていく。イントロでは一音あたりひとりずつがスポットで抜かれ、全員がさーっと光でさらわれ、希望しか感じさせないリードギターの音色とともにジャンプ! 冒頭10秒あまりで表現された世界は、あまりに「WONDERFUL PALETTE」そのものすぎる。そのジャンプの高さが、またサウンドとともにパッと会場の空気を明るくした。この曲もまたテクニカルな部分が多く、1-Aメロではふたり重ねた手を軸に周回するなどこれまで以上のコンビネーション力を試されたり、サビの終盤片足ずつしか着地しないパートでは対空させながら足首を返したりといった、極めてレベルの高いパフォーマンスをさも当然のようにこなしてくるから恐ろしい。これもまた、彼女たちが5年で培った力の象徴なのだろうか。
盛り上がりそのままに、頭サビからコール賑やかな「ミラクル☆パラダイス」に。2-Aメロのソロでは、澁谷がこの日にちなんで「i☆Ris5周年ありがとうございまーす!」と堂々と織り込む。その澁谷、芹澤と3-Bメロのボーカルを執らない場面で手を振りあってはしゃぎあう場面も。

さらに続けて流れ始めたイントロは「Realize」。若井の「i☆Ris、5周年でまだまだ止まらないからねー!」との宣言から、楽曲が始まる。1-Bメロでスポットライトを浴びるふたりの、特に山北の決まりぶりはこの曲の見せ場のひとつであり、この日もビシッとかっこよく決まっていた。

一瞬の給水の間を経て、そのまま6人が取ったフォーメーションは「Goin’on」のもの。温かく優しいナンバーで、駆け抜けてきたここ3曲をまとめるかのような構成だ。この曲もボーカルの映える場面が数多く、2-Aメロでの若井のフェイクを含めた感情のこもった柔らかく優しい歌声は、この曲の温かみをさらに増幅させる。加えて先ほど触れた芹澤・澁谷のペアが、Dメロでボーカルでのナイスコンビネーションを見せてくれた点は、聴き逃したくないポイントだ。

曲明け、若井の「気づいた?シングル全曲やっとるんよ」の言葉にざわめく場内。メンバーは、口々にシングルに紐付いたリリイベやステージの思い出を発する。そして「あれ歌ってないよね」と続ける若井に「そう!」と久保田が答える。その曲を「やっぱりこの曲は特別。i☆Risのための歌だなって思うので」山北が語ると、「改めてこのタイミングでね、美しく締めましょう」と語り、本編ラストナンバー「幻想曲WONDERLAND」が始まる。

久保田の冒頭のセリフはこの4年間でワクワクボイスへと変化を遂げたが、そうさせたのはそれに続いてどこでも返ってくる、ファンからの大きな会場に合わせたコールに違いない。久保田のほか、曲振りを行った山北にも柔らかくも巧みなバレエステップなど見どころ満載のこの曲。4年経って、彼女のステップはさらに深みと柔らかさを増していた。それにしても、デビュー曲で始めて自分たちのためのシングル曲で締めくくるというのは「デビュー5周年当日」のライブとして至上の構成だし、ラスサビの歌詞もi☆Risの大事な場面には沁みる。そして最後に、セリフパートで久保田は「どうだ、5年で成長したi☆Ris、すごいだろー!」と堂々と言い放つ。その姿と表情に、思わずグッとくるものがあったのは、筆者だけではないはず。そうしたある種の感慨深さも抱かせながら、ライブ本編は幕を下ろした。

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