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REPORT

2017.11.21

5年間の想いと経験を携えて、さらなる未来へGO! “i☆Ris 5th Anniversary Live~GO~” 2日目レポート

次なる1年へと歩み始めた、6つでひとつのピース

アンコールを求める「アーイーリス!」のコールの響く客席を、優しく照らし続ける6色の光。しばしの時間ののちそれが消えると、逆光を背に「Fanfare」の頭サビで6人がステージに再登場。ここからは“デビュー5周年の祝福”というよりも、“光輝く6年目の幕開け”に目が向いたステージになっていたようだった。だからこそ、アッパーでダンスも激しいこの曲ながらも、まっすぐ飛んでくるボーカルが心を動かす1曲であるようにも感じられた。

そして曲明け、恒例の写真撮影に移ろうかというときに、場内に流れたのは「HAPPY BIRTHDAY」。客席からはi☆Risを祝福する大合唱が起こり、ステージ上にはケーキが登場。驚きつつも、最後は自らのハーモニーでそのサウンドと瞬間に彩りを添えていた。気づけば円形モニターにも、「5周年おめでとう!」の文字が。そのモニター前でいつもの並びで、デビュー当時によくしていた腕を前に伸ばしたポーズで写真を撮る6人。そのポーズをマネするファンを目にした茜屋からは、「i☆Risがいっぱい!“We Are i☆Ris!!”だね」とアルバムタイトルに、そして「§Rainbow」恒例のフレーズを引用した粋な言葉も飛び出した。

その祝福へのお返しのように、i☆Risからは2018年冬の15thシングルの発売と、来年4月からの4度目の全国ツアーの開催が発表! しかもそのシングルは『アイドルタイムプリパラ』のOPテーマとなることも合わせて告げられ、客席からは「おかえりー!」と声が上がっていた。
そんな6年目に向けての話題が出たところで、「友希さん!」とメンバーに振られた若井が、続いての曲「パズル」への思いを語る。実は以前のインタビューでも6人をパズルにたとえていた若井。「全員がピースみたいにバラバラだけど、ひとつも欠けてちゃi☆Risじゃなくて、全部重なってるからこそi☆Risっていうグループが成り立ってるなって思う」と語る。合わせて「i☆Risだけじゃなくて、みんな一人ひとりも大事なピースとしてここに集まってこそi☆Risっていう形ができてる」といったファンへの想いも込めた、大事なその曲へ。
6人横一列に並んだ曲頭から歩いて散らばる様子は、まさに今までの彼女たちを象徴するよう。それがただバラバラなのではなく、それでもピタリとハマッたまさにパズルであり繋がりを持っていることは、その歌声が証明してくれる。それは、若井も携わったという、各々のメンバーが歌う意味を考えられたパート割の的確さもあってのものだろう。

その若井は、2サビで涙。6人で立つステージでのその歌声の響きが、そして色とりどりに染まりながら6人を見つめるファンの視線が、彼女の感情を揺さぶったからだろうか。しかしそれでもDメロではそれをしっかり抑えて、自らの想いを歌声に乗せて届けていった。そんなこの曲のラスサビでは、ミラーボールから無数の光の筋が放たれる。それは、6つの色が重なったときにこれからも発せられる、希望のきらめきのようにも感じられた。

歌いきって、山北の「ありがとうございます」の言葉に続けて深い一礼をしたところで、最後にファンへメッセージ。「5周年は割とポジティブに」「エモいのはたまにでいい」との山北の振りから、「次回のシングルも、衣装のデザインしたい! 今後もi☆Risでいろいろ作っていきたい(澁谷)」「今日を振り返って『体力ついたなぁ』って思いました。よりいっそう体力をつけて、最強のわんわんおーこくのお姫様を目指すように(久保田)」と次々とひと言でまとめていく。
そのなかでも、やはり想いがあふれて言葉が次々重なったのが若井。「パズル」での涙の理由を、「誰も欠けずに続けてこれた奇跡を思って感動して」と語ると、「それぞれやりたいことを自由にやらせてもらえて。それも受け取ってくださる皆さんがいるからi☆Risは5年間やれてきています」と改めて感謝の言葉を述べ、「22歳、もっと自分を愛していけるように頑張ります」とまとめていた。続く茜屋も自らの担当パートへの共感と若井の曲を歌える喜びを語ると、「相変わらず負けず嫌いはだけど、私も自分を愛して頑張っていきたい」と続ける。そして芹澤は自分にしか興味がなかった5年前と、i☆Risを始めてi☆Risや歌って踊れることを本当に好きになれた、と比較。「本当に幸せな5年間で、それもみんなの、メンバーの、スタッフの、ファミリーのおかげ!」と語る。
ここで、最初に本当に“ひと言”でまとめた久保田・澁谷からの若干の抗議を経て、最後を飾るのは軽妙な山北のコメント。リハではキツく感じた今回のセットリストも、本番ではファンの盛り上がりのおかげで「いちばん若く踊れちゃう」と語る。そして滞っている自らのリプ返し等を引き合いに出し、「ちょっと不器用なだけで皆様のことは愛しておりますので」と語り、会場には笑顔を咲かせてくれた。その姿に、久保田も「さきさまがリーダーでほんとによかった」と改めて口にしていた。

その笑顔に囲まれたなか最後に歌うのは、「Happy New World☆」。先と上を見続ける彼女たちが、6年目を迎えるのには実にふさわしい1曲だ。その中において若井の1-Bメロのソロは、「パズル」後ならではの強い説得力を持っていたように思う。そしてライブ鉄板曲のこの曲で、最後に観客も巻き込んでもうひと盛り上がり起こし、最高の熱量のなか全20曲を披露しきったのだった。

最後に「もっともっと上のステージに私たちは行けると信じて活動していきますので、これからも一緒に明るい未来を目指してくれー!」と山北がシャウト。恒例「らぶちゅっちゅ♡」の挨拶でライブは締めくくられた。

シングル全曲を披露するということは、すなわちキャッチーなナンバーや激しい曲が必然的に多くなる。個々の活動も増えたなかで立ち向かうその命題は、自らに課した試練でもあったのだろう。それを6人は、見事に乗り越えた。
だがこの日を境に、i☆Risはまた新しい挑戦を始める。一回り大きくなっての『プリパラ』シリーズへのアーティストとしてのカムバックにツアーの開催といったグループの活動と、広がり続ける個人としての活動を、それぞれ質を向上させながら両立させる、という。
しかしその挑戦も、武道館からの約1年でグループに加えて個人の活動で各々の個性を確立させた彼女たちならば、きっと乗り越えてくれるはず。そうして虹色に輝く6人の夢は、これからももっともっと彼女たちを高みへと昇らせてくれることだろう。

Text by 須永兼次

“i☆Ris 5th Anniversary Live~GO~”2日目
2017.11.07@府中の森芸術劇場 どりーむホール
【SET LIST】
M1.Color
M2.§Rainbow
M3.Make it!
M4.ドリームパレード
M5.徒太陽
M6.ブライトファンタジー
M7.Re:Call
M8.trust
M9.イチズ
M10.Shining Star
M11.Daily Berry!!
M12.Ready Smile!!
M13.WONDERFUL PALETTE(新曲)
M14.ミラクル☆パラダイス
M15.Realize!
M16.Goin’on
M17.幻想曲WONDERLAND
EN1.Fanfare
EN2.パズル(新曲)
EN3.Happy New World☆

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