『ジョジョ』シリーズ主題歌の制作秘話に迫る!ベスト・アルバム『TVアニメ ジョジョの奇妙な冒険 THEME SONG BEST「Generation」』リリース記念、大森啓幸プロデューサーインタビュー

歴史的楽曲と並ぶあらたな主題歌を

――そんな『ジョジョ』の楽曲として大正解だった第1部OPテーマ「ジョジョ~その血の運命~」でしたが、続く第2部のOPテーマであるCodaさんの「BLOODY STREAM」の制作はいかがでしたか?

大森 1部のOPを全力で臨んだのですが、後先考えず全力投球してしまい、次の一手がなくなっていたんですよね。正直「しまった!2曲目どうしよう」と思いました(笑)。(中西氏を見て)あのときつらそうだった?(笑)。

中西 「その血の運命」より大変そうにしていましたよね。

大森 そういう事で「BLOODY STREAM」のほうが大変になってしまいました。「その血の運命」と同等以上のものを作るにはどうすればいいのかと。公平さんと肩を並べて熱くやってくれる人は誰だということで、悩んだ末に大森俊之さんにお願いしたいと考えてお願いしました。8年ぶりくらいに突然携帯を鳴らして、「ご無沙汰しています、大森です!あのときはお世話になりました!突然ですが一曲お願いします」と(笑)。『ジョジョ』のタイトル言う前にふたつ返事で「いいよ」と言ってくださったのがとってもうれしかったことを覚えています。

――第1部と2部でシンガーやクリエイターを変えることは事前に決めていたのですか?

大森 決めていました。劇伴と歌い手は変わるというのは自分の中では決めていて、そのとき3部もそのように進めたいと考えていたんですね。このプロジェクトを始めたときからは最低3、4年かけてまずは3部までやるんだ考えていてました。

――そんななか、「BLOODY STREAM」の制作は大森俊之さんとどのように進めたのですか?

大森 俊之さんには公平さんの曲を聴かせて、「エンディングはイエスですよ」と。「どうしたいの?」って言われて、「次はジョセフ・ジョースターみたいにしたいんですよ」って話をして。ジョセフって芯はまっすぐ熱血なんですけど、表立ってそういうキャラじゃないじゃない。ひょうひょうとして人を煙に巻いて間隙を縫うような、怪盗ルパン的な。なので音はオシャレでアシッド・ジャズ的なサウンドで、歌詞も“刹那を躱して”とか“奴らの間隙(すき)を突け”というストーリーにして。俊之さんのジャジーな感じが出てキャッチーな、噛めば噛むほど味が出るスルメ的な曲になったのが「BLOODY STREAM」ですね。

――そして歌唱を担当したCodaさんのクールな歌声も印象的でした。

大森 ちょっとやんちゃで斜に構えた人が欲しかったんですよね。そういうざっくりした話をしていたら、俊之さんがよくお世話になるマスタリングのエンジニアの人に「じゃあこの子どう?」って言われたのが小田和奏さんだったんですよね。ちょうどそのときNo Regret Lifeというバンドをやっていて、いきなり小田和奏の名前でアニメの楽曲を歌うのはどうかと本人も思われたので、じゃあこのアニメでは名前を変えてやりましょうという話になりCodaという名前が生まれました。せっかくだからしばらく本名は伏せておこうという話になったのですが、最後までほとんどバレなかったようです。こういう秘密があるって楽しいなぁと思いました。

――第1部、2部とそれぞれ異なるキャラクターのシンガーを迎えたわけですが、そこから2015年1月には第3部がスタートします。ここでのOPテーマは橋本 仁さんの「STAND PROUD」です。

大森 第1部、2部で方向性を決めていたので、次の方向性もイメージはついていました。第1部のトミーさんは力の初代、第2部のCodaさんは技の2代目というイメージでした。で、第3部は主人公が空条承太郎になるじゃないですか。僕は承太郎の男前なイメージが歌で現れればいいなとイメージしていたんです。男前で決めるときは決めるぜということで。また曲は激しくビートの効いたものでメタルにしようかと。

中西 イメージとしてはメガデスの「Holy Wars…The Punishment Due」でしたね。

大森 そうそう、あとアヴェンジド・セヴンフォールドの「Afterlife」かな。“Afterlife”って死後の世界って意味じゃないですか。死んでしまった人が天国か地獄かに行って、俺はここにいるべきじゃない、解放してほしいという曲で、そこがDIOに被ったんですよね。死ねない体になっていて、私の視点からはその不死から解放してあげたいと思っていたキャラクターだったんです。タイトルが「Holy Wars」というのも、ホリィさんか、なんか縁があるなと思いました(笑)。

――ツーバスの連打が承太郎のオラオララッシュと重なり、また仁さんの男前な歌唱と相まって、これまでとは異なる熱さのある曲になりましたね。

大森 (承太郎役の)小野大輔さんが橋本 仁さんのことを好きで、「STAND PROUD」が大好きなんですって言ってくれて、「あ、間違っていなかったな」って思いました。順調でした。ここまでは(笑)。

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