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REPORT

2017.08.06

全力のステージは、予定外の“奇跡”への架け橋。 i☆Ris結成5周年記念Liveレポート

小休憩を挟んでからは、後半・ライブパート。OPのSEに合わせて照明に照らされながら幕が上がると、虹のライトがステージ奥から客席を照らして「§Rainbow」からライブスタート。ツアーでは東京公演のみで歌われたこの曲は、Bメロやサビでのハーモニーを中心によりブラッシュアップされて披露されていた。また、間奏明け3-Bメロでのソロパートでは、芹澤が「6年目も、やるしかないじゃん!」と歌詞をアレンジ。その決意を表してからのフェイクも、メロディラインをただなぞるだけでない伸びやかなものになっていた。


続く「徒太陽」は、猛暑日の東京にピッタリの1曲に。とにかく派手に動きまくるこの曲では、イントロでの舞台奥での山北の開脚ジャンプの高さが映える。また、2サビ明け間奏で馬跳びを決めた若井は、そのまま「もっと、盛り上がってこー!」とシャウト。そこから澁谷・山北が順に深みのある歌声を3-Bメロで聴かせれば、再び盛り上がるラスサビでは勢いとハーモニーの美しさを両立。それは、カンカン照りの太陽光から生じるプリズムのような美しい多重さだった。



続けてのMC中には、舞台上で若井が傘を発見。武道館ぶりのステージ上の傘……とくれば、「YuRuYuRuハッピーデイズ」の始まりだ。こちらは各メンバーの個性を前半で、チームワークの良さを後半で感じることができた曲。久保田のかわいさ全振りの歌声はこの楽曲に流れるバカップルっぽさと実によく結びつくし、茜屋が表情含めて歌声と合わせて視覚でも楽曲を表現していくさまも素晴らしい。そんな傘の季節を抜けたら、こちらも夏ソング「真夏の花火と秘密基地」。実はこの曲、リリースから約1年を経たこの日が満を持しての初披露。イントロのダンスにはぽんぽんと跳ねるかわいらしさもあるが、その時期や楽曲の主題に合わせるかのように、1-Aメロではソロを執る茜屋を囲む5人が盆踊りを、2-Aメロでは芹澤を囲んで5人がフォークダンスをするような振付が織り込まれる。その芹澤のダンスが、この曲のサビでは大きく映えて見えた印象。また、ここまで4曲でこの日のサビ等でのロングトーンが非常にきれいに仕上がっていたようにも感じられた。
その歌詞中の“夢”繋がりか、続いたのは「ユメノツバサ」。原曲・フルサイズVerではこちらも久方ぶりの披露となった曲では、ギアの変わった芹澤の全力具合が止まらない。また、翼を模した細かい羽ばたきのようなイントロ・間奏でのダンスは、山北・茜屋が非常に細やかに見せてくれた。

レア曲・初披露曲を2曲続けてから、いよいよライブパートもラストスパート。「次はお人形になってください」との山北の言葉に続いて、鳴り響き始めるオルゴールの音色。キラーチューン「幻想曲WONDERLAND」の始まりだ。曲振り前に「動け脚、動けー!」と冗談めかしていた姿はどこへやら、彼女のセリフで幕を開けたこの曲では冒頭からニッコニコ。重厚なハモをはじめ歌声の響きも非常によく、終盤の若井のフェイクも伸びやかだった。そして曲ラストには、久保田が「5年前の7月7日、この6人で結成できて、本当に幸せです。これからも、ちょっとおバカで個性的なi☆Risをよろしくお願いします!」とストレートなセリフで改めてファンへその想いを投げかけていた。

そして本編ラストはまたレア曲。デイリーヤマザキとのコラボキャンペーンで配信されていた「Daily Berry!!」を武道館ぶりに披露。曲明けに「『Daily Berry!!』衣装でこの曲を歌ったのは初めて!(澁谷)」と明かされたこの曲も、先ほどから続けて冒頭から美しく響くハーモニーが特徴な楽曲だ。パフォーマンスに目を向ければ、ボーカルを執るメンバー以外はストーリーを演じるように展開。そのなかでは、2-Aメロで前方にいた茜屋がダンスの合間に明確にレス。彼女もこの曲を楽しんでいることをうかがい知ることができた。落ちサビでは下から虹のグラデーションがステージを照らし、後半は奥から観客に向かってその光が照らす。ラスサビ前には「みんなー! これからもよろしくねー!!」と若井がシャウト。そのラスサビに入ってからは、さり気なく次々とレスでファンを魅了していく芹澤のすごさを改めて感じさせられた。最後はラララに合わせてワイパー。若井も「みんなー、大好きだよー!!」と改めてシャウト。こうして結成5周年記念ならではの楽曲を味わえたところで、本編は幕を下ろす。

その後、客席から恒例の「アーイーリス!」のコールがしばし会場に鳴り響くと、「Everybody Let’s Go!」のイントロが流れ、ステージに山北・茜屋・澁谷が登場。はて、残りの3人は……と会場を見回すと、なんと客席内通路に! ステージ上の3人は客席全体に向けてパフォーマンスを展開し、客席側の3人はまわりのファンと思いっきり楽しみまくる。1コーラス目が終わるとその布陣は逆転。特にまわりのファンとともに“打って”楽しみまくっていた山北の姿が印象に残った。
と、全員がステージに戻ってからのラスサビ中に、突然澁谷が袖に消える。そのあとを山北が追うと、ふたりが押してきたのはケーキの乗ったワゴン。前日が誕生日だった彼女のバースデーサプライズの炸裂だ。
曲明けも「すっかり忘れてたわ(笑)」と笑顔の茜屋。と、「ワゴンの中を見てください」との指示が。そこにはなんと、おそろいのi☆Ris5周年ケーキが! ファンによる「HAPPY BIRTHDAY」がi☆Risに向けて大合唱されると、この日ばかりは「センターは譲るわ(芹澤)」と、茜屋をセンターに記念撮影。茜屋は「覚悟を決めて、前進したい」と23歳の抱負を語っていた。

そしてここでi☆Risから重大発表! デビュー5周年を記念した“i☆Ris 5th Anniversary Live”の開催が決定! 今回は初の2Days開催となり、その2日目はちょうどデビュー当日。平日ではあるが、ぜひ記念すべき2Daysを彼女たちと過ごしたいものだ。

告知も終わり、そのままイベント終了の流れに。が、芹澤がここで「もう1曲歌いたいよねぇ……?」と突然発言。スタッフからもOKサインが出て、ステージ上で6人がマジ会議。この姿も、思えばファンにとってはとてもレアなものだったのではないだろうか。
そして「i☆Ris史上初めて!(若井)」の予定なしアンコール曲は、茜屋の先導で始まった「Shinig Star」。イントロで芹澤が、その表情にもう1曲歌えることへのこの上ないうれしさを全開に乗せたかと思えば、1-Aメロでは澁谷も満面の笑み。このエモい空間を、ステージ上で思い切り楽しみ尽くしているからこそ見せられる表情だ。また2-Bメロの歌詞「きっとエンディングは 神様にもわからないストーリー」がこのアンコールと結びつくというミラクルも起きる。
ダンスのクオリティ自体は、細部の細部まで観れば準備不足な面もあっただろう。しかしリハ無しで、予定にない曲でこのクオリティを出せるのが今の6人の地力。これが5年間の成長だ。そしてこのときの「Shining Star」が、“結成5周年”が凝縮された1曲だ。
こうして、これまでの軌跡とこれからへの期待を詰め込んだような1曲を披露し終わった6人は、恒例の「らぶちゅっちゅ♪」の挨拶とともに、予測不能だったライブイベントに幕を下ろしたのだった。

前半・後半で趣の異なるライブイベントではあったが、その両方には“全力”という点が共通していたように思う。それは彼女たちが5年間ブレることなく声優もアイドルも両立させようとぶつかり続けたこと、そして近年では舞台やソロシンガーにDJと活動の幅を広げようと取り組み続ける姿を凝縮したかのようでもあった。そんな全力で挑み続ける彼女たちの、次なる大舞台はデビュー5周年を記念したライブ。「Color」からの丸5年の軌跡と成長とがどのような形で体現されるのか、今から楽しみで仕方がない。

Text by 須永兼次

i☆Ris結成5周年記念Live~5 years old! Everyone comes together☆~
2017.07.17@かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール
i☆Ris 真夏の大運動会!!

●Live
M1.§Rainbow
M2.徒太陽
M3.YuRuYuRuハッピーデイズ
M4.真夏の花火と秘密基地
M5.ユメノツバサ
M6.幻想曲WONDERLAND
M7.Daily Berry!!

EN1.Everybody Let’s Go!

W-EN.Shining Star


●ライブ情報
『i☆Ris 5th Anniversary Live』(仮)
11月6日(月)・7日(火)
開場/開演:18:00/19:00(両日)
会場:府中の森芸術劇場 どりーむホール

チケット代金:全席指定 6,800円(税込)

久保田未夢イベント(仮)
9月3日(日)東京・恵比寿 ザ・ガーデンルーム
開場/開演:14:15/15:00
開場/開演:18:15/19:00

チケット代金:全席指定 4,320円(税込) 入場時別途ドリンク代500円

チケット詳細はオフィシャルサイトをチェック!

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