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INTERVIEW

2017.05.13

【北川勝利・藤村鼓乃美 ボーダーズの“音の場” season2】~#12 新大久保篇~

ボーダー柄の服のコンビが、サイコロ片手に“ノー・ボーダー”の精神でナイスな音楽を聴き歩く――。
「ボーダーズの“音の場”season2」第12回となる今回の舞台は新大久保駅。前回(目黒篇)の話題の中で、藤村さんがトランペットに興味を持っていると聞いたボーダーズ一同は、ここぞとばかりに新大久保の管楽器専門店「山野楽器ウインドクルー」さんに取材のオファーを出しました。するとなんと快諾をいただき、ボーダーズ史上初の楽器店でのロケが実現! 専門スタッフの方のお話も交えて、その模様ををたっぷりとお届けします!

――ボーダーズ season2も今回で12回目ということで、連載開始から1年が経ってしまいました。

藤村鼓乃美 ほんとだ!だいたい月1でやってますからね。

北川勝利 へぇー、そうだったんだ。

藤村 そこはもっと感動しましょうよ(笑)。

――しかし1年やっても、山手線はまだ半分も周れていません。

北川 先は長いね……。

――そんな1周年のボーダーズ、今回は新大久保にやってきました。今回の目的は、前回の目黒編で話題に挙がった藤村さんの……。

藤村 「トランペットを見に行こう!」の回ですね。

――こんなに一点突破の回は、外ロケになってからは初じゃないですか。しかもちゃんと音楽に絡んでいるという。

藤村 今まで何してきたんだろう(笑)。

――新大久保の山野楽器ウインドクルーさんにご協力いただきまして、がっつりお話を聞いてきました。

北川 新大久保って他にもいろいろあっても良さそうなのにね。韓国料理とか、韓国料理とか……。

藤村 ばっかり!あと韓国コスメとか。

――韓流アイドルショップとか。とはいえ、どれも一時期に比べて数が減っていましたね。

藤村 私、おととい新大久保に来たんですよ。チーズタッカルビという料理を初めて食べました。鍋っぽいやつに、キムチっぽい味の何かが入っていて、チーズっぽい物が……。

――全ての情報がぼんやりしてますね(笑)。鍋料理なんですか?

藤村 なんなんでしょう?汁がめっちゃ入ってる訳でもなく……。

北川 鶏料理?

藤村 いえ、肉は感じませんでした。

北川 煮込み料理みたいな感じなのかな。

藤村 そんな感じでした。シメはチャーハンだよって言われたんですけど、最後にその鍋にご飯を入れてて「これはリゾットなのでは……」って思いました。

北川 炒めてないよね。

藤村 ジワー、ベチャーって感じでした。いや、おいしかったですよ。私の言い方が悪いだけで(笑)。

――そんな韓流のイメージも強い新大久保ですが、駅の周りには楽器店街があるんですよね。北川さんは完全に取材とは関係ない買い物をされていましたね。

北川 はい、ギターのエフェクターを。そんなに買うつもりはなかったんですけど、BOSSの「HYPER Metal」っていう、僕が普段絶対使わなさそうなエフェクターが山積みになっていて。

藤村 なんか急にいなくなったと思ったら、店員さんと喋ってるんですよ。よく見たらお財布を出して「買う気だ!」って(笑)。

北川 試しに買ってみました。「HYPER Metal」って名前がかっこよくない?

藤村 強そう。

北川 いつ使うかはちょっとわかんないけど……(笑)。

――北川さんが関わっている現場で、それを踏む機会があるんですかね。

北川 いやいや踏みますよ。繋いでなくても踏みます。気持ちが高まったときに踏み付けます(笑)。

藤村 使い方を間違ってませんか?(笑)。

――それでですね、今回の本来の目的はHYPER Metalではなく、「山野楽器ウインドクルー」さんで管楽器のレクチャーを受けることでした。

藤村 ウインドクルーさんは、FIRE HORNSのアツキさん(湯本淳希)にオススメしてもらいました。

北川 ちょっと見に行くだけじゃなくて、今回は正式な取材だったんだよね。

――お店のご協力をいただきまして、がっつりロケがしました。

藤村 本当にありがとうございます!いろいろとご説明していただきましたね。

北川 まず僕らは管楽器について何にも知らないので、「トランペットを見てもどれも一緒なんですけど……」という失礼なところからスタートして(笑)。

藤村 トランペット担当の西村さんがていねいに教えてくださって、とても勉強になりました。

北川 僕がトロンボーンを吹きたかったって話を前回したんですけど、そのことをすっかり忘れていて、店員さんに「トロンボーンをやっていたんですか?」と聞かれて、「やってはいないですけど、何でやろうとしてたことを知ってるんですか!?」ってびっくりしました(笑)。今日の取材にあたってバックナンバーを読んでくれていたんですよ。

藤村 トランペットを持たせていただいたんですけど、まず持ち方がわからなくて、そこから教えてもらいました。緊張しましたね。

――しかも持たされていたのが、かなり高価なモデルでしたからね。

藤村 そうなんですよ!エリック・ミヤシロさんのモデルで、写真を撮るときにもぎこちなくなってしまって。どの角度で持ったら良いのかも全然わからないし、でも貴重な経験をさせてもらいました。

――北川さんも持ってましたね。

北川 そうですね。僕は普通にトランペットを持ったことはあるし、それでTVにも出ましたからね。吹いてないけど。

藤村 おおっと(笑)。前回言ってましたね。

――西村さんにトランペットのお話を聞きつつ、藤村さんからのご希望がもうひとつあったんですよね。

藤村 ……ユーフォを持ってみたいです!と。


――藤村さんといえばユーフォニアムなイメージですよね。

藤村 『響け!ユーフォニアム』でユーフォ奏者の役をやらせていただいているので。

北川 なんとか先輩。

――中川先輩です。相変わらず覚える気ゼロですね(笑)。

藤村 実は1回だけ言ってくれたことがあるんですよ。でも覚えてるくせに言ってくれないツンデレさんなんです。

北川 違うよ、あのときは目の前で言われたからオウム返ししただけだよ(笑)。

藤村 いやーでも、ユーフォは重かったです。あんなに重いものかと思いました。

――身近にあるものでいうとどれくらいの重さでしたか?

藤村 ……掃除機?

北川 そこまで重くないんじゃないの?

藤村 あと掃除機のものによりますね(笑)。なんだろう、加湿機?

北川 加湿機だってそれぞれじゃないか(笑)。何キロあるのか聞けば良かった。持つことに緊張してるから、体感がすごく重たかったのかもね。

藤村 緊張が大きかったですね。

北川 しかもすごくお高いものだから、その重みがズッシリ来るんだよ。申し訳なさで3キロ、値段で5キロ、みたいな感じで上乗せされていって……。

藤村 結果100キロくらいありましたね(笑)。

北川 持ち方もわからないから余計に、慣れない赤ちゃんを抱く親戚の人みたいな緊張感があるよね。

――今調べたところ、ユーフォニアムは大体4.5キロくらいのようです。

藤村 4.5キロ!米だ米!

――お米の袋と同じくらいですね。それは確かに重いですよ。

藤村 それを持って、吹いて演奏してですから。しかも劇中ではマーチングもやってましたからね。

北川 転んだり落としたりしたらアウトじゃん。

藤村 いやー、やめてー!持つだけじゃなくて、実際に吹かせてももらいました。

――ちゃんと音が出ていましたね。

藤村 出てはいたんですけど、あれを出ていると言っていいのかどうか……。

北川 出てたよ。でもなんか、船が出港する感じだった。

藤村 「ブォ~」って、ほら貝みたいでしたね(笑)。

――西村さんのアドバイスがあってからは、途端に良い音が出るようになっていましたよ。

藤村 たしかに変わりました!でも後で北川さんが吹いてるのを聴いて、自分の音の粗さに気付かされました。

――北川さんはきれいに音が出ていましたが、ユーフォは初めて吹いたんですか?

北川 初めて。こういうふうに吹くんだよっていう例えとして「高い声を出す感じで」って言われて、声を出しながら吹いたら「本当に声は出さなくていいです」って言われた(笑)。

藤村 笑って吹けなくなりましたよ(笑)。でもあのアドバイスをもらってから音が安定しましたね。

北川 ちょっと触っただけだけど、あれを自由自在に吹くのは至難の業だよ。

藤村 やっぱり体作りから始めないといけないんだろうなって思いますね。

――『響け!ユーフォニアム』でも、最初は楽器を持たずに呼吸の訓練をしていましたよね。

藤村 やってましたね。あれが大事なんですね。

北川 吹奏楽の人たちにとっては当たり前のことなのかもしれないけど。でもたしかに思い出してみると、中学校の頃とか運動部と一緒に吹奏楽部も走ってたもんね。腹筋とかができてないと、ちゃんと音が出なさそう。

藤村 実際に吹いていて、息が全然足りない気がしました。

――低音の管楽器ほど息が多く必要と言われていますよね。

藤村 チューバがいちばんいると西村さんが仰ってました。トランペットは以前友達のものを吹かせてもらったことがあるんですけど、そのときは一応音は出ました。

――今日の取材でトランペット購入には前向きになれましたか?

藤村 まず音をちゃんと出せるようになるところからと思いまして、今日はトランペットの練習用マウスピースを買いましたよ!家で吹いても大丈夫そうな音量なので、これで唇を鍛えておきます。

北川 口の周りの筋肉を引っ張って鍛える道具もあるって言ってたね。

藤村 歯並びとか歯の隙間とかも大事になってくるらしくて、わざと隙間を作ったりする道具もあるんですって。

――レッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーが隙っ歯なのは、トランペットをやっていた影響もあると聞きました。

北川 そういう理由があるんだ。西村さんは、場合によっては歯の間に鉄板を詰めて自分で隙間を作る人もいるって言ってたね。……大変じゃない?(笑)。

藤村 大変ですよね(笑)。

北川 それですごくうまくなれるなら良いけど……。

藤村 でもたしかに「この歯並びにすると、ものすごく滑舌が良くなるよ」って言われたら、声優としてちょっと考えますね。

北川 じゃあ半年後くらいには隙っ歯になってるかもしれない。トランペットのために隙間を空けて、演技してるときもスースーいってるっていう(笑)。

藤村 まだマウスピースでしか練習してないのに……(笑)。

――ここからは西村さんから初心者の方向けのアドバイスも伺ってきたので、合わせてお楽しみください。


 

――本日はよろしくお願いいたします。これから楽器を始めるという方に向けて、楽器選びのコツをお伺いしたいのですが、楽器店員さんから見て、どういった基準で選ぶのが良いのでしょうか?

西村 お手頃な価格のものからプロの方が使うような楽器まであるので、まずはご予算ですね。あとはやりたい音楽のジャンルです。管楽器だと、例えば吹奏楽やオーケストラ、またはビッグバンドやジャズがありますね。大まかにではありますが、そのジャンルによって適した楽器が分かれています。そこから出したい音や好みで絞っていくのがよいと思います。

藤村 ジャンルによって楽器が変わるというのは、音質が違うんですか?

西村 そうですね。音の感じがちょっと変わります。吹奏楽であれば響きがある程度あって、他の音と混ざりやすい傾向の楽器を選ぶことが多いです。

藤村 個性があまり強くないものを選ぶんですね。

西村 逆にビッグバンドであれば、華やかでスピード感のある音のものを選んだりします。

藤村 じゃあ予算と、「何を吹きたいか」ということが決まっていれば選びやすいんですね。

西村 そうですね。ご覧いただいた通り、メーカーも種類も非常にたくさんあるので、絞り込むために1個ずつ試していたら迷ってしまいますから。

北川 予算の都合もあるだろうけど、高いのを買って「後戻りできない」というプレッシャーを自分に与えたりね。

藤村 それも大事かもしれない(笑)。

北川 「せっかく買ったからやんなきゃ」っていうね(笑)。

藤村 でもそれで続くんですかね?

北川 基本的に毎日練習しないと絶対うまくならないですもんね。

西村 吹奏楽部やサークルに入れば毎日練習することになりますが、久しぶりに楽器を始めてみようという社会人の方は、あえて高い楽器を買って真面目に頑張るというのはひとつの方法ですね。

藤村 人それぞれに相性とかってあるんですか?

西村 そうですね。マウスピースひとつとってもかなりたくさんの種類があって、形も重さも違いますし、カップと呼ばれる部分が浅いものや深いものがあるんですよ。

北川 初心者だとそれが自分に合ってるのか合ってないのか、良いのか悪いのかもわからないんですよ。とにかくなにか1個買って試してみないとわからないですよね。

西村 一般的な入門モデルというのはあるので、多くの方はそこから始められますね。

――「リスアニ!WEB」は主にアニメ音楽を好きな方が読まれる媒体なのですが、アニソンとして多く聴かれるような、華やかなポップスをやりたい方は、何を指針に楽器を選べば良いのでしょうか?

西村 どちらかといえば明るめで、楽器としても少し軽めのサウンドのものを選べば良いと思います。

北川 『響け!ユーフォニアム』でキャラクターが使っているモデルを使いたい人もいるよね。専門の方に絵を見てもらったら、大体どんなモデルなのかわかるものなんですか?

西村 そうですね。先程見ていただいた、作中のキャラ(高坂麗奈)が使っていたトランペットなんかは、パーツや色の組み合わせで「おそらくこれだろう」というのは分かります。全部同じように見えるかもしれませんが、ちょっとずつ形や仕様が違うんですよ。

藤村 よくファンの方から「○○モデルですよね」って言われたりするんですけど、私は全然見分けがつかなくて、わかる人はすごいなと思います。

北川 吹奏楽が好きでアニメを見ていて、「あのモデルだよね」ってわかったら同じのが欲しくなるよね。

――『けいおん!』の頃にギターやベースで同じ現象が起きていましたね。

北川 ギター、ベースはわかるけど、「ユーフォニアムが欲しい」ってすごいよね。弦楽器に比べるとハードルが高い気がする。

藤村 特にユーフォとかはひとりで吹いても寂しいというか、誰かと合わせたくなりますよ。家で吹けないし。

西村 ただ最近は、家で練習できるようにミュート(消音器)もあるんですよ。

藤村 ユーフォ用のものもあるんですね!イヤホンを繋ぐとホールで吹いているように聴こえるものもありますよね。前にトランペットで使わせてもらったんですけど、私がちゃんと音を出せないから効果をあまり実感できませんでした(笑)。

――本日はありがとうございました。最後に、お店からのお知らせなどがございましたらお願いします。

西村 山野楽器ウインドクルーでは、6月25日までグランドセールをやっています。新入生でこれから楽器を買うという吹奏楽部の方、サークルに入られる方、社会人になられて新しく楽器を始めようという方などに向けたセールになっています。実際に楽器をお試しいただけますし、木管のスタッフも金管のスタッフもおりますので、是非お気軽にお越しください!

(次ページへ続く)

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