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INTERVIEW

2017.03.01

TVアニメ『ALL OUT!!』EDテーマでユーミンの名曲をカバー!ダブルタイアップシングル「ノーサイド/ONE FOR YOU」リリース記念、瀧川ありさインタビュー!

TVアニメ『ALL OUT!!』EDテーマでユーミンの名曲をカバー!ダブルタイアップシングル「ノーサイド/ONE FOR YOU」リリース記念、瀧川ありさインタビュー!

1stアルバム『at film.』で、10代から今までの人生と音楽活動の集大成として、ひとつの小さな「.」を打った瀧川ありさが2017年最初に放ったのは、松任谷由実の「ノーサイド」カバーと、高校生の別れと出会いを応援する「ONE FOR YOU」をカップリングした両A面シングル。彼女が昔から敬愛し、憧れるユーミンの名曲にどう挑んだのか? そして「ONE FOR YOU」で切り拓いた新境地について、話を聞いた。

――ニューシングル「ノーサイド/ONE FOR YOU」は、瀧川ありさ初の両A面シングル、そして初のカバーナンバー収録!と、初めてづくしの1枚になりましたね。しかも初カバーが、あのユーミンこと松任谷由実さんの名曲中の名曲「ノーサイド」。ご本人がいちばん「まさか!?」と思ったんじゃないですか?

瀧川ありさ はい、寝耳に水でしたね(笑)。最初は「カバーをやってみないか?」と言われて「おっ!?」と思い、「どうしようかな?」というためらいもあったんですけど、曲が「ノーサイド」だと聞いた瞬間、「やります!!」と。

――即決!(笑)。ユーミンが好きだったから?

瀧川 もう大好きですね。子どもの頃から、ユーミンさんの曲には親しんでいたんですが、あらためて大好きになるきっかけが、それこそ、高校2~3年生の頃に親友にすすめられた「ノーサイド」だったんですよ! そこがウソみたいに運命的で。親友がラグビー部の男の子とずっと付き合っていて、彼女が「これは私のための曲だと思っているから、聴いてほしい」とCDをまとめて貸してくれたんです。そこで、あらためてガッツリとユーミンさんにはまりまして。当時はもうバンドで曲作りも始めていたので、ものすごく影響を受けました。

――「ノーサイド」は1984年にリリースされたアルバム『NO SIDE』収録のナンバー。松任谷由実さん自身も、瀧川さん世代にとっては同時代感覚が薄いアーティストではないかと思うんですが?

瀧川 むしろ、「みんななぜもっとユーミンさんを聴かないの?」と、不思議ですね、私は。もう良さを説明する次元じゃなくて、聴けばわかるというか……ユーミンさんの曲には年代問わず、毎回、引っかかるんです。車に乗っていてラジオで「中央フリーウェイ」がかかれば、「なんだこのドライブ最強曲は!」と小学生ながらに思っていましたし、春になれば「春よ、来い」が聴きたくなる。サウンドにも時代がちょっと前ということでの違和感、いい意味の新鮮さが同時にあって。とくに私が子どもだった90年代は、シンセを多用したピコピコ系が流行っていたから、リッチな生音で音数もシンプルなユーミンさんの楽曲は、自分が体験していなくても“懐かしさ”を感じて、とにかく染みるんです。

――メロディーも強いですしね。

瀧川 歌唱も誰も真似できない独特の魅力がありますよね。私の世代は、女性アーティストというと浜崎あゆみさんとか、歌い方にも強烈な個性のある曲が街でよく流れていたので、ユーミンさんの真っ直ぐで着飾らない歌声が、逆にグサッときて。ボーカルにかかっているリバーブの感じや、バックのサウンドのコーラス感も90年代サウンドとは明らかに違って、グッときたんです。それをキッカケに、山下達郎さん、はっぴいえんど、吉田美奈子さんを聴き出したんですよね。

――元祖シティポップスですね。

瀧川 そうそう、今、シーンがそこに戻ってる感じもありますよね。だから、私にとってユーミンさんの音楽は胎教だなって思うんです。母性というか。

――さらに、ユーミンさんの楽曲はどれも、歌詞から描かれている風景・情景が映像となって浮かび上がりますよね。サウンドだけじゃなく、そういう感覚も、映像を描きたいという瀧川さんが作る曲と、すごく親和性が高い。

瀧川 そうなんですよ。すごく客観的に情景を切り取りながらも、フレーズのひとつひとつに情感が込められているすごさ。「♪同じゼッケン 誰かがつけて また次のシーズンをかけてゆく~」のフレーズが私は大好きなんですけど、自分のなかにある俯瞰性にも近いですし、言葉がまったく古くない。ユーミンさんのような歌詞が書けるようになるのは、私の目標です。

――そんな、自分にとっての大切な曲を歌うことに、プレッシャーはありませんでした?

瀧川 それが……歌うまで気づきませんでした、曲の本当のすごさに。自分で歌ってみて、初めて「おやっ?」と。「ノーサイド」は名曲だし、私も大好きなので、もう自分のなかにユーミンさんの歌い方が染みついているんです。ゆったりした曲調も、本当に難しくて。どうしても自分の中のユーミンさん像、憧れと尊敬の念が強すぎて、寄り添ってしまいすぎたんですね。なので、ボーカルを録ってマスタリングまでやったんですけど……もう一度、歌い直しました。

――まさかのちゃぶ台返し。

瀧川 もはや技術的なことじゃないと思ったんです。カバーというのは、最終的には“愛情”。でも、上手く真似してこだわって「ドヤ!」となっては、“瀧川ありさの「ノーサイド」”にはならない。なので、一度ユーミンさんのことは忘れて、シンプルに楽曲自身に向き合い、時間が許す限り歌い込みました。ユーミンさんの「ノーサイド」は大人っぽく歌われているので、25歳の私が今歌う曲としても、学園スポーツアニメである『ALL OUT!!』の楽曲としても、ちょっと自分の時代を遡って、高校生くらいの若さを出したかった。なので、歌声にも無垢な感じを込めたかったんですが、最初のレコーディングは大人っぽく歌いすぎたので、録り直したという理由もありました。

――なるほど! でも『リスアニ!』での過去のインタビューを振り返ると、瀧川さんとスポ根アニメの結びつきって意外な感じがありますよね?

瀧川 え? そうですか!? じつは私、アニメの『エースをねらえ!』に憧れてテニス部に入ったりもしたんで(笑)、スポーツアニメにずっと憧れていたんですよ。いつかスポーツアニメに関わることができたらな、と思っていたから、『ALL OUT!!』で個人的な夢がかなって、すごくうれしいです。

――そんな「ノーサイド」は、1984年の全国高等学校ラグビーフットボール大会で伝説の一戦と呼ばれる決勝戦、天理高校対大分舞鶴高校の一戦がモデルだとか。今回、瀧川さんのMVも、その大分舞鶴高校のラグビー部が出演してくれたそうですね。

瀧川 そうなんです。私からも8ミリカメラで撮影したいと希望を出し、あのMVが実現しました。撮影は年明けだったんですけど、まさかの雨が降りまして。ぬかるみの中で本気で練習しているラグビー部員のみなさんが、とてもカッコいい。試合終了の合図とともに並ぶ彼らの後ろ姿の逞しさとオーラにも、鳥肌が立ちました。当時からいらっしゃった監督さんからもお話が聞けて。今の高校ラグビー部は芝生もキレイで設備も整っているところが多いそうなんですが、大分舞鶴高校はあえて84年と同じ、昔ながらの土のグラウンドで、どんな状況にも適応できるよう練習をしている。ハンデはあるけど、そこで精神を鍛えているというポリシーに、とても感動しました。

――そんな「ノーサイド」と、両A面となる曲が「ONE FOR YOU」。こちらも『進研ゼミ』の高校生講座とコラボレーションした、学生を応援する楽曲なんですけど……瀧川ありさらしくない歌詞で……!(笑)。

瀧川 ついに来たんですね、重い扉を開くときが(笑)。リリースも卒業時期なので、学生時代の別れと出会いの季節がテーマ。10代の自分は、友達との別れはとても寂しかっただけなんですけど、今振り返ると、その別れの日こそが自分の背中を押してくれている。この年齢になって感じられる別れの尊さを、今の若い子たちが等身大で、自分の日記のように読んでもらえる歌詞にしようと、高校生に共感してもらえる言葉、言い回しにしてるんです。ただし、今の瀧川ありさの歌として作り込んでしまうと、どうしても説教臭くなってしまう。いい意味で自分を前に出さず、シンプルな言い方で“その子たちの歌”として届く歌になるよう、心がけました。

――だから、タイトルも「ONE FOR YOU」=あなたのためのもの、だと。瀧川さんの楽曲は、心の内側に入り込むものが多いですけど、この曲は開放的ですごく眩しいです(笑)。

瀧川 そう、アレンジもあえてキラキラさせたんですよ(笑)。イントロのギターリフも高校生っぽくしようと思って、何パターンも試して選んで。「私が高校時代、軽音学部の部室で曲を作ったらきっとこうなるぞ!」というアレンジにしているので、高校生バンドにぜひ演奏してもらいたいですね。MVも海辺の山の上の学校で撮影したんですけど、主演の女の子も何人かの写真の中から、目の表情が豊かな彼女を私が選んだんですよ。キャスティング好きなので(笑)。私自身は、エスカレーター式の学校だったので中学・高校で受験を経験していないので、このMVにはちょっとした憧れも込めてます。

――そしてカップリングの「SUNDAY」も、春らしい爽やかで真っ直ぐな楽曲になりました。

瀧川 これは……去年の年末、今まで彼らの歌にたくさん支えられてきていたSMAPの楽曲を改めて聴きすぎちゃってて、その影響も大きいですね。「どんないいこと」とか「しようよ」とか「胸さわぎを頼むよ」とか、あのあたりの曲が本当に好きで、歌詞もすごくいいんですよね。そういう曲を書きたいなと思ったんです。当時のギラギラとした格好いいSMAPが、さりげない言葉でなにげない日常を歌うからいい。それを私もやりたくて、ある日曜日の風景をスパイスの利いた言葉で綴りながら、肩の力が抜けたサウンドで聴かせられたらいいなって。

――2017年の瀧川ありさは、ひと味違いますね。

瀧川 やっぱり、去年アルバム『at film.』で、今までの私に一区切りがついて、新しいことに挑戦したい気持ちが素直に芽生えてきてるからだと思うんですね。次のライブで、こういう曲があったらいいなとか、これからのことを考えながら曲を作るようになった。4月から5月にかけては、私ひとりで全国を回る「1st recital live tour 2017 “Spring Journey”」も決定しているので、このシングルとツアーで、私自身も、みなさんも、新しい瀧川ありさとの出会いを楽しんでいただけたらなって思います!

Interveiw&Text By 阿部美香


●リリース情報
瀧川ありさ 両A面シングル
「ノーサイド / ONE FOR YOU」
発売中

【アニメ盤(期間生産限定盤、CD+DVD)】
1703012000-003
品番:SECL-2117~2118
価格:¥1,500(税込)

<CD>
1.ノーサイド
2.ONE FOR YOU
3.SUNDAY
4.ノーサイド -TV size ver.-
5.ノーサイド -TV size ver.-(Instrumental)

<DVD>
1.「ノーサイド」Music Video

【通常盤(CD)】
1703012000-002

品番:SECL-2166
価格:¥1,300(税込)

<CD>
1.ノーサイド
2.ONE FOR YOU
3.SUNDAY
4.ノーサイド(Instrumental)
5.ONE FOR YOU(Instrumental)

●ライブ情報
瀧川ありさ 1st recital live tour 2017 “Spring Journey”

2017年4月6日(木) 静岡・LiveHouse浜松窓枠
開場 18:00/開演 18:30
2017年4月7日(金) 広島・Live Juke
開場 18:00/開演 18:30
2017年4月13日(木) 長野・ジャンクボックス
開場 18:00/開演 18:30
2017年4月14日(金) 新潟・ジョイヤミーヤ
開場 18:00/開演 18:30
2017年4月20日(木) 宮城・仙台darwin
開場 18:00/開演 18:30
2017年4月22日(土) 北海道・札幌くう
開場 17:00/開演 17:30
2017年4月27日(木) 兵庫・神戸VARIT
開場 18:00/開演 18:30
2017年4月28日(金) 京都・ミューズホール
開場 18:00/開演 18:30
2017年5月3日(水・祝) 神奈川・横浜O-SITE
開場 17:30/開演 18:00
2017年5月6日(土) 埼玉・西川口Hearts
開場 17:00/開演 17:30
2017年5月13日(土) 長崎・ohana café
開場 17:00/開演 17:30
2017年5月14日(日) 福岡・ROOMS
開場 17:00/開演 17:30 [問合せ]キョードー西日本:092-714-0159

料金:全公演 ¥3,000
※全公演別途ドリンク代必要
※整理番号付き
※6歳以上チケット必要
一般発売日:2月26日(日)~

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