『響け!ユーフォニアム』主題歌の先へ―― 2ndアルバム『Around the TRUE』リリース記念 TRUEインタビュー!

「創造するときの葛藤」を歌詞に

――他にも多彩なオリジナル曲が収録され、作曲陣もさまざまな方を起用されています。たとえば「RIPTIDE」は、神田ジョンさんのギタープレイヤーとしての色が曲作りにも非常によく表れていますね。

TURE こういう楽曲を作りたいと思っていたときに、当初はなかなか見つからなかったのですが、あるときに私の音楽プロデューサーの斎藤 滋さんに紹介されて、神田さんの曲を聴き、まさに作風がピッタリだったということでご指名でお願いしました。

――そうした楽曲コンセプトの時点で歌詞は書かれているんですか?

TURE イメージはありますが、具体的に書いてはいませんね。大まかなフレームは決めますが、楽曲はクリエイターの皆さんのお好きなように書いていただきました。私の歌詞のイメージで書いてもらうと、表現が狭まってしまう気がしていて、そういう作り方はしないんです。今回のアルバム曲以外でも楽曲をいただいた後、当初の自分のイメージしていたものとまったく違った歌詞を書くということもあります。『RIPTIDE』の歌詞に関していうと、「グレースケール」とセットかなと思っています。

――「グレースケール」がセットというのは?

TURE 「グレースケール」は私が作詞家としても歌手としても、何かを創造するときの葛藤を歌詞にしたいと思って書いた歌詞なんです。歌詞を書くときにありのままの私を出してしまえば簡単なのですが、それを言葉に変換しようとすると、どうしても「こう見られたい」とか、「こうあるべき」といった言葉ばかりが積み重なってしまうんですね。それを私は全部言葉のスケッチに描いているんですけど、描けば描くほど黒くなっていってしまって、描きたい本質がなくなってしまうということがよく起こるんです。それを何度も繰り返すことで、自分が見たい景色や紡ぎたい言葉がシャープになり、楽曲ができていくのですが、「グレースケール」はそうした葛藤をそのまま歌詞にしたものです。そんな葛藤をなぜ繰り返すことができるかというと、その先に希望があることを私は知っているからなんです。「RIPTIDE」はそんな葛藤している先の光を描ければなと思って書いた歌詞です。その先に答えを見つけられるし、その先を私自身が描けることも知っている。だからこそ、何度絶望してもやっぱり光に手を伸ばすことができるんです。たくさん涙を流したとしても、それがやがて海になり雲になり雨になり、そして花が咲くということを知っているからこそ、私は涙を流せる。そんな絶望の中でも希望を持てるような楽曲にしたいなと思って書きました。

――そうした葛藤を表現することは勇気のいることでしたか?

TURE 心をさらけ出すことは、アーティストとか物書きとしてすごく大切なことだと思いますし、それは怖いことだとは思いません。とくにステージに立って自己表現をするうえではすごく大切なことだなと、立てば立つほど気づきます。それに、さらけ出した私を受け容れてくれるお客さんがいて、私にとってはその循環がすごく楽しいものですし、喜びに変わることを知っているからこそ、さらけ出したいと思っています。「ヒカリ」という楽曲にはそんな思いを込めました。TRUEとしてデビューしてからライブに立たせてもらってお客さんのサイリュームを見ると、みんなの「届け」という思いがすごく乗っているのが分かるし、それが自分の進むべき道を照らしているような気がします。そんな「ありがとう」という気持ちを素直に書かせてもらったのが「ヒカリ」という曲ですね。全然違う曲を作ろうと思って制作をしているんですけど、やっぱり1本の線に繋がってしまうんですよね。聴いてくれる方によってはまったく違う印象を感じられるかもしれませんが、どれも本質は私でしかないんだなって、聴き返したときに思いますね。

――「海底のお城」のようなジャズの曲はこれまでに歌ったことは?

TURE ずっと以前にJazztronikというアーティストとコンピレーションアルバムを作ったことがあったのですが、TRUEとしてはもちろん初めてです。今回のアルバムコンセプトがあり、「Rainbow The Daydream」というリード曲があるからこそ、ジャズもありなんじゃないかなということで、(「Rainbow~」の作曲・編曲を担当した)EFFYさんにお願いをしました。楽曲にすごく引っ張ってもらって、最初は大人なラブソングを歌詞に書こうと思ったのですが全然書けなくて、今の私が見つめているものはそこではないんだなと思いました。私は眠る前に好きなキャラクターの声やCDを聴きながら眠りにつくことがあって、そのときは夢にまで出てくるんです(笑)。海のような空間に漂って眠りにつくときの感じを書けたら面白いんじゃないかなと思って、そのまま歌詞にしてみました。「迷子のように 愛の渦をさまよって 満たされたのは 君を知りたいわたし」というのが切なくて、「知りたい私が満たされた」だけで、知ることができたわけではない。そんな乙女な儚い歌詞を書けたらと思いました。

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