9月22日、声優・大橋彩香のバースデーイベント“はっしーバースデー2016”が、EX THEATER ROPPONGIにて開催。今年は、ライブ成分多めだった昨年のバースデーイベントとは趣を変え、“ホームパーティー”をコンセプトにした企画多めのイベントを構成。ファンとともに楽しい時間を過ごした。

動いて考えて、盛りだくさん中の盛りだくさんだった21歳

まずは「YES!!」のイントロとともに「はっしーバースデーへようこそー！」と登場した大橋。昨年に続きOPテーマのような形でこの曲を歌い出すと、たちまちフロアはピンクに染まる。そんな観客を前に、1サビ明けの間奏では笑顔でぴょんぴょん飛んでうれしそうな大橋だったが、ステップを踏みながらもブレない、安定の歌声を披露。さらにラスサビで、大橋が委ねたコールがファンから大音量で返ってくると、またもうれしさを爆発させ、最後まで満点の笑顔で歌いきったのだった。

曲明けには、昨年に引き続きMCを担当するサンキュータツオが登壇。今年のバースデーイベントはホームパーティーをコンセプトにしたもの、と説明する。セットに使われているねじり風船や、連なって吊られている円形の装飾も、手作りの飾りをイメージしたものだとか。加えて今回は“挑戦”もテーマに掲げ、“いろんな大橋彩香を観てもらう”ためのコーナーが数多く盛り込まれていることも明かされた。
まず手始めに、彼女が今回も制作に“挑戦”したグッズを紹介。この日のために数々のグッズが制作されたが、中でも手が込んでいたのがイベントTシャツ。背中には大橋の好物・ペペロンチーノの自己流レシピを記載し、前面にはその自作のペペロンチーノの写真がプリント。だがここで「見た目はいいけど味の保証は……」とこぼされた大橋の言葉は、今思えば後々に繋がる伏線だったのかも……？

ここでこの日のコンセプトに沿って、観客全員が入場時に配られたコーンヘッドを着用。すると会場のモニターには彼女のために用意されたケーキが映し出され、場内にはモーター音が鳴り響き……なんと、誕生日ケーキが天から登場！　小粋なサプライズで登場したケーキの、「22」のローソクに火をつけたら、まずはファンをバックに記念撮影。そして会場一体となって「Happy Birthday」を合唱（名前の部分は“はっしー”で統一）し、その火を大橋が吹き消す。と、不意に進行の隙を見てケーキのフルーツをつまみ食い！　うれしさ余っての、ちょっとお茶目な一面も見せてくれた。

続いて、こちらは毎年恒例のここ1年の振り返りトーク。用意されたゴージャスな椅子に座ると、ここ1年の彼女の主な活動がスクロール形式で画面に映し出される……のだが、これが非常に多い！大橋自身もその量に最初は驚いていたが、それを「それぐらい皆さんにお会いできたのは、うれしいです」としみじみ。ただ、それほどの忙しさのなかでも「最低でも6時間は寝るようにしてます」との自分ルールに、ほっとひと安心のファンも多かったのではないだろうか。

その中から印象深いトピックスが数点掘り下げられていくが、初めての2ヵ月連続のCDリリースとなった3rd＆4thシングルと『コメット・ルシファー』については、「難しかったぁ」とこぼしつつも、「自分にとって成長するステップになった、素敵な経験をさせていただけた」と振り返っていた。また、今年6月の1stワンマン・ライブについては、「はじめは不安もあったけど、楽しかったです！帰りたくないほど居心地がよくて……」と振り返る。「緊張しないの？」とのタツオの質問には「あります」と即答していたが、「ステージに上ってしまえば楽しいんですけど、袖から出るまではバンジージャンプを飛ぶ前みたいな感じなんです」と、ライブ直前のその心持ちを非常にわかりやすく伝えてくれた。

こうして駆け抜けた彼女の21歳の1年だったが、彼女自身は「働くことや新しいことに挑戦することは大好き」とのことで、充実の1年だった模様。ただ、のちに「今だけじゃなくて先の人生像も考えてる」と語ったように、彼女にとっては「考えるようになった年」でもあった1年だったようだ。そんな彼女の22歳の抱負は、「免許を取りたい（※昨年から継続）」「貯金をしたい」という身近な目標ふたつと、「活動していくなかで、皆さんと楽しさや驚きをさらに共有できる1年にできたら」との大きなものひとつに。

意外な一面も！？ はっしーの素が見えるチャレンジコーナー！

さて、ここからは企画コーナーへ。最初に行われた、数々のお題に大橋が挑戦していく“はっしーチャレンジ”では、まずは「元バスケ部だがやってる姿を見たことがない（タツオ）」大橋が、フリースローチャレンジ（5本中2本成功でご褒美ゲット）。ビブスに着替えた大橋は、自身のバスケ歴を「中1から中3までバスケ部だったけど、公式戦は引退試合で2分出ただけ」と申告。自信なさげではあったが、きれいなフォームですんなり2本連続成功！さらにおまけのもう1本も決めた大橋は、思わず笑顔全開でぴょんぴょん女の子ジャンプで喜びを表現した。ご褒美として与えられた“20秒間の自己PR”でもレイアップシュートを決め、「声優界の都市伝説（※タツオ談）」との評を、完全に覆してみせた。

続いては“はっしーの簡単クッキング”と題して、イベントグッズのエプロンを着用した大橋が、大好物のペペロンチーノをステージ上で調理。だが、調理中のトークで「レシピ見たことないです」「分量も計ったことない」との衝撃の発言が。そう、言われてみれば前述のイベントTシャツ、数字が記されていない……！「なんかヤバい」など不穏な言葉もこぼれる反面、会場にはニンニクのいい香りが漂い出す。
パスタが炒め上がり、九条ねぎと生ハムをトッピング（しながらつまみ食い）し、大橋流ペペロンチーノが完成。そしてそのペペロンチーノを、「何があっても『美味しい』って言ってください」との言葉を添えてタツオに提供。しかし口にしたタツオはなぜか苦笑。慌てる大橋を横目に「味がない！」と素直な感想を述べる。やはり自宅のキッチンとステージ上とでは、少々勝手が違うようだった。

続いてのコーナーは“はっしークエスチョン”。仲のいい声優3人から、お祝いコメントともにふたりの思い出にまつわるクイズが出題。2人正解でご褒美を獲得できる。1問目は『バンドリ！』で共演中の愛美からの「私がいちばん好きな、はっしーのパーツは？」。「脚かと思います」との予測から「太もも！」と答えるも、正解は「手首」。「シュッと細くなっている華奢な手首がたまらなく好き」なのだそうで、これには意外すぎて大橋も思わずびっくり。2人目は事務所の同期・田所あずさ。OPトークでも話題にのぼった田所宅に泊まりに行った際にお酒を飲んで彼女に甘えた一件に絡んだ出題で、しかも「そのときの寝言は？」という超難問。「寝てたから知らないよぉ」とこぼしながらも、「ふーたそ（※愛猫）に会いたいよぉ……？」との回答をひねり出す。が、正解は「おわだみえてない？」という謎の言葉で、またも不正解。
そしてラストは、ラジオ『あどりぶ』で共演中の巽 悠衣子。「へごちん（※大橋）をいちばん尊敬しているところは？」との出題に「あるんだぁ」とこぼすも、「いい意味で正直すぎる……素直なところ？」との答えは、正解！コメントの続きが流れるが、だんだんそれがこの場でしか成立しないような会話へと変わっていき……巽が舞台袖から登場！　ステージ上で喜びのハグを交わすふたり。結果クイズの戦績自体は1勝2敗だったが、巽の嘆願もありご褒美ゲット！　常日頃から欲しいと言っていたという自転車が、大橋に贈呈された。

文字通り“ファンの声に応えた”、リクエストライブ！

こうして企画コーナーは無事幕を下ろしたところで、“はっしーアワード2016”なるライブコーナーへ。事前に募集した歌唱曲のリクエストから、上位3曲が歌われていく。一度降壇していた大橋も、観客の「はっしー！」の声に合わせて、ライブ仕様の妖精のようなかわいらしい衣装で再登場。
まずは第3位「ABSOLUTE YELL」。アーティストスイッチが入った大橋は、伸びやかかつ爽やかな歌声を笑顔に乗せて届ける。それらの合力から生まれ来る強力すぎるパワーには、生で聴くたびに思わず何度でも魅了されてしまう。そして曲明けに紹介された「（1stワンマンライブで）はっしーが“もう1回歌いたくなっちゃうこの曲”をまた聴きたい！」などのリクエストコメントには、「うれしい！」と素直に喜びを表していた。

続いて第2位は「明日の風よ」。去年のバースデーイベントを締めくくった、彼女が必ず節目で歌う大切な曲は、ファンにとっても大事な曲になっていた。A・Bメロは凛としつつ、それを抜けたサビでは、先ほどとはまた違った種類の笑顔で、堂々と歌う。間奏では頭上でクラップを行い、会場全体を巻き込んでいった。また後奏では、「これからもこの曲を大切に歌っていきたいと思います。次はもっとステップアップをして、今年の目標をかなえた自分で歌えることを祈っています！」と決意も口にしていた。

そして第1位は、「ENERGY☆SMILE」。リクエストコメントにも「アーティスト・大橋彩香そのものだと思う」とあったように、やはり大橋彩香に似合うのは、スマイルだ。舞台両脇のお立ち台をうまく使いながら、観客と大橋が互いにパワーを笑顔で送り合う。この曲が1位を獲得したのも、彼女の活動の何かの象徴なのだろう。そして、企画コーナーのためかと思われたこの日のヘアスタイルが、ここで効いてくる。ポニーテール姿の大橋彩香のスマイルは、正義そのものだった。歌い終わった彼女自身も「皆さんに笑顔で元気を届けたいという想いを込めてアーティスト活動をしているので、それを象徴するこの曲が1位で、披露できてうれしいです！」と素直に語る。こうして披露された3曲を振り返り、改めて「曲の立ち位置関係ないランキングにも感謝だし、曲を愛してくれているファンの皆さんに感謝したいです」と気持ちを伝えていた。

さらにここで、来年2月からの全国ツアーの日程や会場の詳細が発表に。ツアータイトルに冠された“OVERSTEP!!”は「限界を超える」という意味合いで、まだまだ駆け抜けていくという彼女の意気込みの表れそのものだ。

最後に彼女から、この日のイベントを締めくくるメッセージが。
「この1年は、駆け抜けました！でも健康体で明るく駆け抜けられたのも、マネージャーさんやスタッフさん、そして何よりもファンの皆さんの応援が、自分の中でのENERGY担ってるなって思います。皆さんの支えあっての活動だなと思っているので、皆さんにも期待してもらっているものを、限界を超えた感じで皆さんにお返しできるように頑張っていきます。最高の誕生日です。ありがとうございました！」
その想いを受け止めたファンからの大歓声に包まれながら、フロアの隅から隅まで届くよう手を振りながら、大橋は降壇。イベントは幕を下ろした。

1stワンマンと全国ツアーとのちょうど中間点ということもあってか、大橋自身のパーソナルな魅力を届けることを中心に構成された今回のバースデーイベント。多彩なコーナーから様々な名場面も誕生したが、最終的にそのどれにおいても印象に残っているのは、やはり彼女の笑顔。何があろうとその輝きがあれば、ファンは限界を超え続ける彼女に、きっとどこまでもついていくはずだ。

Text by 須永兼次

“大橋彩香 バースデーイベント 〜はっしーバースデー2016〜”
2016年9月22日＠EX THEATER ROPPONGI
【SET LIST】
M1.YES!!
☆OPトーク～グッズ紹介～観客全員との記念撮影
☆大橋彩香 21歳振り返りトーク
☆はっしーチャレンジ2016
●フリースローチャレンジ
●はっしーの簡単クッキング
☆はっしークエスチョン2016
☆はっしーアワード2016
●第3位（M2）……ABSOLUTE YELL
●第2位（M3）……明日の風よ
●第1位（M4）……ENERGY☆SMILE

関連リンク

• 大橋彩香オフィシャルサイト