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REPORT

2016.11.20

堂々の20歳!鈴木このみの記念すべきバースデーライブ“鈴木このみ Birthday Live 2016~Cheers!!!~”レポート

堂々の20歳!鈴木このみの記念すべきバースデーライブ“鈴木このみ Birthday Live 2016~Cheers!!!~”レポート

2016年11月5日、「鈴木このみ Birthday Live 2016~Cheers!!!~」が幕張メッセイベントホールにて開催された。これは鈴木このみにとって今年20本目のライブであると同時に、記念すべき20歳の誕生日当日のステージでもある。この特別な日に行われた特別なライブの模様について、レポートをお届けしよう。

生まれてからちょうど20年目の節目に、幕張メッセの大舞台を踏むということは、本人を含めた多くの人にとって、きっと生涯忘れられない経験になるだろう。アリーナ最奥に設けられたメインステージと、そこから少しでも客席に近付けるように伸びた十字の張り出しステージからも、鈴木このみが今日いかにその歌を会場の隅々まで届けたいかという強い想いが伝わってくる。

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その想いは開幕1曲目「CHOIR JAIL」で即座に爆発し、会場全体を包み込んだ。鶴柄の赤い着物風衣装を纏って現れた鈴木このみは、これまで数々の舞台をともにしてきたバンドメンバーたちとともに初っ端からフルボリュームで歌い踊る。歌声はドラムのツーバスにも負けない圧を放ち、しかも心なしかCD音源よりも大人びて響いてくる。直感的に「今日のこのみんはヤバい!」と肌で感じた人はあの場に大勢いたはずだ。

「DAYS of DASH」ではイントロで即座にバズーカをぶっ放し、「「ごめんね」のシンデレラ」ではミドルテンポの上で踊るようにパワフルな歌声を弾ませ、わずか3曲で完全に会場の空気を支配してしまった。そして4曲目、すっかりライブの定番となった超絶ファンキーなキラーチューン「Nice to Me CHU!!!」で客席の熱気をピークまで引き上げる。ステージを駆け下り、客席から選んだ“今日のラッキーさん”とのやりとりを楽しそうにこなし、ライブの楽しさや醍醐味をこれでもかと味わわせてくれる。

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MCでは今日という日を迎える楽しさと緊張を繰り返し語り、「15才のデビューから今日までの5年間があっという間だった」と感慨深げ。気合い入りまくりの彼女は、「真聖輝のメタモルフォシス」、「世界は疵を抱きしめる」と激しめの曲を立て続けに披露するも、全くパフォーマンスにブレがない。各バンドメンバーの横に立ち、全身でリズムを取って歌う姿からは、仲間とこれまで積み重ねてきた信頼が溢れ出ていた。

今日までの20本のライブやリリースを振り返り、『ブブキ・ブランキ』『Re:ゼロから始める異世界生活』『アンジュ・ヴィエルジュ』と立て続けにアニメ主題歌を担当できたうれしさを語ったあと、さらなる新曲として来年1月から放映開始するアニメ『CHAOS;CHILD』主題歌「カオスシンドローム」を初披露。バリバリのEDMサウンドで展開するハードな楽曲は、一瞬で観客の心を掴んだ様子だった。

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新曲を歌い終わりこのみんが一旦舞台から退いた後、四つ打ちのダブステップが鳴り響き、入れ替わるようにふたりのダンサーがステージへと躍り出る。そのままダンスパートが繰り広げられる中、ステージ中央からグリーンのワンピースドレスへと衣装チェンジした主役がリフトアップされてくると、シームレスに「Don’t stop me now」がスタート。“子供のままじゃ いたくないの”という歌詞をなぞるこの日の歌声は、やはり音源よりもセクシーに聴こえる。その後のミドルバラード「miss blue」でも顕著だが、柔らかい歌声の中にも力強さや一本通った芯を感じられるのが、現在の鈴木このみというシンガーの特徴ではないかと思う。

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ダンサブルなナンバーが続いた後は、クールダウンするようにアコースティックコーナーへと移っていく。これまでのライブではピアノとギターという編成だったが、今回は特別にドラムとベースも参加してのフルメンバー。「元々自分の気持ちをうまく言えない性格だけど、東京に出てきてからスタッフや周りの人にとても助けられた。そんな人たちへの感謝の気持ちをこめて」と前置きし、「夢の続き(Acoustic ver.)」が披露される。歌声が引き立つ絶妙なアレンジで、そんなサウンドだからこそ“私は私を好きになる”というフレーズが心まで沁み入ってくるようだった。

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その後に展開した2曲は、個人的にもこの日のハイライトとして強烈なインパクトを放っていた。バンドメンバーが退いた後、ステージ上には4本のマイクスタンドが設置され、スタンバイしたのはタキシード姿の男性4名。始まったのはなんと男声4重奏と鈴木このみによるアカペラの「竜星鎮魂歌」。会場の残響までもを味方につけた歌声の応酬は陶酔感も抜群で、息を呑むのも忘れるほどの魅力をビシビシ叩きつけてくる。歌が終わり、浮世離れした心地よさに身も心も浸っていると、バンドメンバーがセットに戻り、コーラス隊との連携で荘厳極まりない「銀閃の風」のイントロがスタート。その瞬間、客席にいたほぼ全員がこの後体験することになる約5分のヤバさを予感し身震いしたことだろう。その予感は寸分違わず的中し、この日の「銀閃の風」は“すごい”とか“かっこいい”を通り越し、“神々しい”の域に達していた。この曲でなければ成立しえないこの演出は効果抜群で、サビでの迫力たるや、“音圧”というよりも“音の壁”が迫ってくる感覚だった。

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ここからライブは後半戦に突入。そう、これだけの体験をしておきながら、まだ半分しか経っていない。ライブのアイコンとして定着した感もある「AVENGE WORLD」と「This game」を立て続けに歌ったかと思えば、超絶テクニックのピアノとともに「Tears BREAKER with piano」をしっとりと歌い上げ、未音源化曲「MY SHINING RAY」ではピラミッド状のリフトに乗って高空から客席を包み込むような歌声が降り注ぐ。そしてスクリーンに今年の20本のライブを振り返る映像が流され、束の間のインターバルが終わると、またしでも舞台上で目を疑う光景が展開された。ステージを構成していたセットが丸ごと回転し、巨大なバースデーケーキが出現。その上に立つこのみんがエレキギターを引っ提げ、「Before too long」をハイテンションで歌い上げているではないか。

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チアリーダー風の衣装で、巨大ケーキの上に立ちギターを掻き鳴らす鈴木このみという構図は、文字にするだけでもいかに劇的な光景か理解してもらえるだろうか。さらに「約束の続き」では別のギターを持ち出し、リズムに体を揺らしながら弾く姿も見られたのは大きな収穫だった。昨年のバースデーライブから今日まで、彼女のギターは確実に上達している。次のライブではどうなっているのかを想像するだけでもワクワクが止まらない。

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ステージと客席が一丸となってのタオル曲「LLL:CONNECTION」を皮切りに、ライブは終盤へと向かっていく。「I say “Happy day!”」のアウトロで惜しげもなく衣装チェンジし、「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」ではギター“奈良ぱん”、ベース“アフロック”の両名とともにステージ上で大暴れ、そして本編最後の曲となる「Redo」での“鬼気迫る”という言葉が相応しいパフォーマンスをやりきった直後に、満面の笑顔で「ありがとっ!」と締めくくるのは本当にズルい。このステージの続きをもっと観たくなるのも当然だ。

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盛大なアンコールに応えて登場したこのみんは、「19才が自分にとっていちばん濃い1年間だった。歌に自分の全てをかけると決めてから、家族、友人、スタッフに支えられて今日までやってこれた。まだ自分に足りないことはたくさんあるけど、20才の初日をみんなと過ごせて本当に幸せ。これからも歌が大好きな気持ちをぶつけていきたい」と、歌うことへの変わらぬ姿勢を語り、念願だったカウントダウンライブの開催を発表。さらに年始にも新年イベントを用意していると明かし、ライブに貪欲な前向きさを見せてくれた。

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そして「人見知りと泣きむしを克服するために始めた歌がこんなに大きな存在になるとは思ってなかった」と振り返り、「Love is MY RAIL」を披露。するとここで、スタッフからこのみんへのサプライズが。スクリーンに映し出されたのは「鈴木このみ主演アニメーション制作決定」の文字と、一枚のイメージビジュアル。詳細は追って発表されるとのことだが、これにはさすがの20才も事態が掴めず呆然と立ち尽くしていた。

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アンコール2曲目は本日2度目となる「Nice to Me CHU!!!」の大盤振る舞い。メインステージには20人ものダンサーが登場し、このみんは2階席に設置されたトロッコに飛び乗り客席を横断していく。この日2人目の“ラッキーさん”とコールアンドレスポンスを繰り広げ、ソロ回しではバンドメンバーへの感謝を叫び、このまま大団円かと思われたその時、突如ギター“奈良ぱん”氏のMCにより、“今日の特別なラッキーさん”の点呼が入る。「本日ハタチになったそこのあなた!」と紹介されたこのみんに向けて、ハッピーバースデーの大合唱とともに誕生日ケーキが入場。さらに20人のダンサーが着ていたパーカーの背中には、一人一文字ずつで「KONOMI★HAPPYBIRTHDAY」の20文字が。このみんも「なにこれー!」と本気で驚きながらも喜びで満面の笑顔を見せる。最後にケーキのイチゴをつまみ食いしながら「もっと長く夢を追って輝けるようにがんばりたい、20歳も全力で駆け抜けます!」と感謝をのべ、この日の全曲目を締めくくった。

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ところが客席からのカーテンコールは全く止む様子がない。その声に応えて再登場したこのみんは、「自分のことを自信満々に好きだとは言えないけど、みんなが好きでいてくれる自分を好きでいようと思いました。たくさんの人への感謝を込めて歌います」と、アカペラの独唱で「あなたに」を熱唱。なんと最後のサビはマイクすらもオフにして完全に肉声だけで会場に歌声を響かせる。今日のライブで圧倒される瞬間は何度もあったが、最後の最後で足が震えるほど最大級の感動と興奮をもらってしまった。

いつもフルパワーで歌声を届け、ファンからもスタッフからもフルパワーで愛される鈴木このみ。傍から見る彼女は間違いなく幸せ者だし、そんな姿を見ているとこちらもまた幸せな気持ちなる。だからこそ、こんなにも多くの人がこぞって彼女を支え、応援したくなるのだろう。幸せの連鎖は、まだまだ続いていきそうだ。

Text by 市川太一(クリエンタ/学園祭学園)

“鈴木このみ Birthday Live 2016~Cheers!!!~”
2016年11月5日(土)@幕張メッセイベントホール
<SET LIST>
M1.CHOIR JAIL
M2.DAYS of DASH
M3.「ごめんね」のシンデレラ
M4.Nice to Me CHU!!!
M5.真聖輝のメタモルフォシス
M6.世界は疵を抱きしめる
M7.カオスシンドローム(新曲)
M8.Don’t stop me now
M9.miss blue
M10.夢の続き(Acoustic ver.)
M11.竜星鎮魂歌
M12.銀閃の風
M13.AVENGE WORLD
M14.This game
M15.Tears BREAKER with piano
M16.MY SHINING RAY
M17.Before too long
M18.「わたし」をくれたみんなへ
M19.約束の続き
M20.Fly to the stars
M21.LLL:CONNECTION
M22.I say “Happy day!”
M23.私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い
M24.Absolute soul
M25.Beat your Heart
M26.Redo
EN1.Love is MY RAIL
EN2.Nice to Me CHU!!!
EN3.あなたに


●リリース情報
鈴木このみ 12thSingle
「カオスシンドローム」
2017年2月22日発売

【アーティストジャケット版(CD+DVD)】
品番:ZMCZ-10966
価格:¥1,700+税

【描きおろしアニメイラストジャケット版(CD)】
品番:ZMCZ-10967
価格:¥1,200+税

<CD> ※収録曲共通
M-1 「カオスシンドローム」(TVアニメ『Chaos;child』EDテーマ)
歌:鈴⽊このみ 作詞・作曲:志倉千代丸 編曲:悠木真一
他、カップリング曲&インストを含む全4曲収録。

<DVD>
T-1 「カオスシンドローム」 Music Clip
T-2 「カオスシンドローム」 Music Clip Making

●作品情報
TVアニメ『CHAOS;CHILD』
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2017年1月放送開始

©2017 MAGES./KADOKAWA/CHAOS;CHILD 製作委員会

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