【歌って解決!千菅春香のカラオケ相談室】第4回 相談者:檜山修之さま

680-230

今回のゲストは声優・檜山修之さん!
『勇者王ガオガイガー』獅子王凱役など、多数の代表作を持つ言わずと知れた超ベテラン声優であり、千菅さんにとっては声優としての大先輩。そして、『SHIROBAKO』『甘城ブリリアントパーク』などで共演されて飲み会で仲よく飲んだ飲みの大先輩でもあります。良き先達として普段はお悩みを相談される立場な檜山さんですが、そんな檜山さんから果たしてどんなお悩みが飛び出すんでしょうか?

sp-1603072000-c014

――(ドリンクメニューを見ながら)ドリンクは何を頼まれますか?

檜山修之 へー、いろいろあるんだ……飲んでもいい?

――(笑)前回はハニートースト頼んでましたし大丈夫ですよ!

千菅春香 じゃあ私はハイボールで!

――ではまずは乾杯から!

檜山&千菅 かんぱーい!

sp-1603072000-c001sp-1603072000-c002

――おふたりが最初にお会いしたのはいつ頃ですか?

千菅 初めてお会いしたのは2014年の『M3~ソノ黒キ鋼~』のときでしたね。この年『甘城ブリリアントパーク』とか『SHIROBAKO』とかでご一緒する機会が多くて。『M3』のとき隣同士で座ることがあって、今でも覚えてます。

檜山 隣のときあったねー。

千菅 そのときはアフレコでめちゃくちゃ緊張していて、今でも緊張するんですけど、檜山さんから話しかけてくださって、緊張をほぐそうとしてくれたんだなと思い、本当に優しい方なんだなと感じました。

――檜山さんは、最初に会った頃の千菅さんの印象ってどんなでしたか?

檜山 初々しいなと思いました。というのも『M3』ではオペレーターの役だったんだよね。あれって初準レギュラー?

千菅 同じクールに初レギュラーをやっていて、それと同時に初準レギュラーという感じだったので……すごく緊張しました。

sp-1603072000-c008

檜山 横で見ていたときは、正直言えば苦戦してるなと(笑)。実際オペレーター役って、出てくる専門用語なんて正直言って我々もよくわかってないわけですよ(笑)。それをさもわかっていて、言い慣れているようにしないといけないので難しい役なんですね。

千菅 そのときは本当に出来ない! って感じで毎週が過ぎていてその作品が終わってしまうという悲しい結末だったんですけど、そのあとも立て続けにいろんな作品でお会いしてどれも苦しんでいました(笑)。それ以降、『SHIROBAKO』とかで飲み会でご一緒するようになったんですよね。

――飲み会ではどんなことをお話してるんですか?

檜山 なんですかね、僕は個人的にはそんな気は一切ないんですけど……おそらく説教してるんでしょうね(笑)。

千菅 説教というか、私も檜山さんにそのとき悩んでたこととか言ってしまうという、檜山さんの雰囲気があって……。私も飲み会なのでそんな細かいこととかは覚えていないんですけど。

檜山 なんだよ覚えてないのかよ!(笑)じゃあお前に真面目に答えるのやめるわ! 最初の30分ぐらいはちゃんと話してあとは適当に答える(笑)。

sp-1603072000-c005

千菅 (笑)細かいところは覚えてないってことです! 檜山さんからいただいた言葉の中にすごく「あ、そうか」と思うところがいくつもあって。檜山さんがどう思ってそう言ったのかはわからないんですけど、自分のきっかけになる言葉がたくさんあって、それで次の週の収録に向かっていくという感じで、その言葉たちとかは今でも思い出すことが多いです。

――実際タメになる話をしてくれる先輩というのは貴重ですね。

檜山 ちょっとキャリアがあるもので、えらそうなことを言わせてもらうならばこれぐらいの年代がハマる課題って大体一緒なんですよ。『SHIROBAKO』も若い同じような年頃のメンバーだったので、基本的に個人個人の捉え方とか個性とかで悩んでることは表現方法は違っても近いと思うんです。

千菅 今の自分しかわからないからどんどん視野が狭くなっていくところに、檜山さんが「こうしろ」とか「ここがダメだ」って言い方はしないんですけど、フラットな言い方で気づかせてくれる印象がすごくあります。

檜山 結局我々の仕事って台本に帰るしかないんですよ。台本にすべてが要約されてるわけだから、前後の流れを理解して自分のセリフを理解して発する。自分のセリフを追っかけるのに一生懸命になって前後を忘れてるよ、っていうのをつねに言ってるだけです……ってなんで真面目な話してるんだ?(笑)

千菅 今改めて整理されたものを聞くとなるほどという感じです。飲み会のときにこんがらがっててよくわかんない状況になってるところに、パッと発する檜山さんの言葉のチョイスがものすごいんですよ。

檜山 現場にいたら一ヵ所ぐらいなんとなく気になるシーンってあるんですよね。聴いてて「あ、ここがいちばん今回の肝だな」ってところがあるので、そこを言ってるだけです。基本的なフォーマットは今言ったことで、「主にここのシーンのことを聞かれたら答えてやろう、おそらくわかりやすいだろうなー」っていうのがありまして。『SHIROBAKO』はラッキーなことにセリフが少なく人のセリフを聞いてる時間が長かったもので。たまに自分が当番のときに聴かれたら「そんな余裕ねーよ!」って言うんですけど(笑)。

sp-1603072000-c006

千菅 檜山さんがやられていたキャラクターが長ゼリフで見開き4ページぐらいにわたって喋るときがあって、そのときの迫力がものすごくて、そういうときは現場で背中を見ていろんなものを感じるという。現場と飲み会どっちもすごくいろんなことを感じさせていただいてたって気がしますね。

――いいですね、勉強会というと大げさですが役者同士のコミュニケーションと言いますか。

檜山 基本的には楽しい酒ではありますよ。『SHIROBAKO』は愉快なメンバーだったので、楽しい会でしたね。

千菅 飲み会が今の飲む私の基盤を作ってくれたというと言い方が変ですが、そういうところが『SHIROBAKO』の飲み会ではありましたね。人見知りなところもあるので飲んだら何かできるかもって飲み始めたのがきっかけなので。

檜山 僕も古いタイプの人間なのかもしれませんけど、飲みじゃなくても現場を離れたあとの役者同士の会話って結構大事なんですよね。例えば僕が現場で何か思ったとしても、そこでアドバイスするのは越権行為なんですよ。だって作品は監督が作るものだし、音響監督もいて、そこで同列の役者が何か言うと道筋がゴチャつきますから。

――船頭多くして……になりますからね。

檜山 そこで感じたアドバイスは現場を離れたあとにできることなので、仕事後の飲み会は大事だよねと思ったりしています。

千菅 それでひとつの流れになってますよね。アフレコ中というのはコミュニケーションするためにその場にいるわけじゃないけど、飲み会で存分にコミュニケーションをとって、翌週に向かう。それでアフレコ現場では一週間そこに向けて緊張して、そのあとヘトヘトの状態で飲むので酔いが回るんですが(笑)。

sp-1603072000-c013

檜山 ナニソレ言い訳?

千菅 酔っぱらった言い訳です!(笑)でもそこで感じたことが今にもすごい残っています。

――一方現場では檜山さんの背中を見てというお話がありましたが、『SHIROBAKO』ではベテランと新人とでごちゃ混ぜでやるという感じだったんですか?

檜山 人数は多かったですね。超ベテランってわけでもないですけど、僕含め高木 渉、岩田光央、松風雅也と。

千菅 不思議な空間でしたね。

檜山 単におじさんの役をおじさんがやってるということで、そもそもおじさんの多いアニメでしたからね。最近はおじさんが出る役も少ないですから。

――またそれが話題になるというのも珍しいですよね。

檜山 面白かったよね。“アニメ業界をアニメで描く”っていいのかこれって(笑)。最初はそれなりに毒もあったので、俺たちはいいけど、新人の子たちこれが最初で最後の仕事かもしれんぞ、大丈夫か(笑)? って思ってましたけど、好評のうちに終わってよかったです。

sp-1603072000-c007

千菅 最初全然そういう雰囲気もよくわからず、いただいた台本を「へーっ」と思って受け取ってやるって感じだったので、あとになって見るとほかの作品の色味とか周りの反響とか今年になってから思うんですけど、そのときは毎週台本と映像だけ、それ以外のことには気が回らないみたいな。

檜山 逆にそれがよかったかもしれないですけどね。変に構えなくて。

――「業界背負って!」みたいなのがなくて。

千菅 今の記憶を持ってやったらもう気負って無理だと思います!

檜山 いちばん難しい役だったからな。“売れない声優役”をまだ新人声優の子がやるっていうのは難しいよね。

千菅 声優として成長していくってことが序盤からわかっていたので、「声優として成長していくって……何?」みたいな(笑)。「私はこの程度の人間ですが?」みたいな気持ちがありました。最後、私結構苦しかった思い出がありましたね、早く終わってぐらいに思ってました。

――実際には評判も評判と言いますか、すごく好評でしたね。特に千菅さんはほぼ大トリの当番という感じで。

千菅 それもまた、1クール目はなにもなかったんですが2クール目は「なんか評判らしいよ」ってなったのがわかるじゃないですか。それが私は結構厳しくて。でももう嫌だって思ってから無理やり飲み会に行くというのが思い出です。私も数作目の出演だったのでそのときはわからなかったんですけど、先輩方がたくさんいらっしゃって仕事ぶりを見せてくださって自分たちがやってることも見てる、同じ空間にいるってアフレコ現場はなかなか少なくて、すごく貴重な体験だったんじゃないかと思います。

sp-1603072000-c003

お悩み相談スタート!

千菅 そんな檜山さんのお悩みとはなんでしょうか?

檜山 来る役が若い役が多いんだけどね……どうしよう?

千菅 (笑)それはどうしたらいいんですか?

檜山 俺の後輩たちのほうが年上の役やってるから、俺敬語使ってるんだよ台本上とはいえ。別にいいんだけど、たまに「なんか理不尽だな……」と思う。

千菅 でも逆に檜山さんが白髪で枯れた役とか想像つかないですね。

檜山 『SHIROBAKO』の木下(誠一)がちょっと年配だなって思うんだけど、あれも稚気溢れる中年という感じだったし、俺いまだに中坊役やってるからね。やっぱり深い人間性がないからかな?

千菅 (笑)いやそんなことないですよ! やっぱりイメージですよ。檜山さん年齢不詳な感じがあるので……。

檜山 声優人生設計において、俺が30ぐらいになったらナイスミドルをやってる予定だったの。

千菅 もう20年くらいたっちゃったんですね(笑)。

檜山 もう戦う役は『勇者王ガオガイガー』で終わると思ってた。むしろそこから増えていったから!(笑)

――それはもちろん、やっぱり当たり役はあとに残るんですね(笑)。

千菅 檜山さんは元気で好奇心旺盛なイメージがすごくあって、何の話しても何でも知ってるというのが檜山さんなんですよ。

檜山 雑学は好きだからね。浅いけど広い。

千菅 広すぎて深いんです! その貪欲な感じがエネルギッシュなイメージがあって枯れたイメージはまったくないですよね。

檜山 ここまで来たらとことんまでやってやろう、還暦になっても中坊やってやるって思ってる自分と、大人な役もやりたいなって思ってる自分がいる。

千菅 どうすればいいんですかね、しおれた檜山さん……。

檜山 年相応な役がやりたいだけで別にしおれてなくても老人じゃなくてもいいぞ?(笑)

千菅 エネルギッシュなナイスミドル、老人ってなかなかないですよね。

檜山 それこそ思い出すのは『ガオガイガー』で石井康嗣さんがやってた長官みたいなのがやりたい。現役を引退した長官ポジション。

sp-1603072000-c004

――今こそあのときできなかった長官ポジションをできる年になったというのは熱いですね。

檜山 そうなんですよ。そういうキャラクターが出る作品を作ってもらえばいいんだよな。

千菅 なるほど、作ってもらえばいいんですね、エネルギッシュな老人が出てくるアニメを。そのジャンルの先駆者になればたくさん役が来ますよ。

檜山 そればっかりでも困るけどな(笑)。

千菅 わかりました! そんな檜山さんに合うのは……

sp-1603072000-c010

これです!

sp-0000-c018

千菅 これは檜山さんと共演させていただいた『甘城ブリリアントパーク』のEDテーマなんですが、思い出深いあのときの記憶とともに、「フライングドッグさん、そして、アニメ制作会社さん! エネルギッシュなナイスミドルが出てくるアニメをお願いします!」という気持ちを込めて歌わせていただきます。

檜山 なるほど! ひとつお願いしますということで(笑)。

sp-1603072000-c011

 (本日も千菅さん大熱唱です♪)

sp-1603072000-c012

 

――熱唱終了――

 

千菅 『甘ブリ』も本当に勉強になった現場で、皆さんほんと人外役を達者にやられていて。

檜山 ああいう役もたしかに珍しいっちゃ珍しいからね。昔『クロマティ高校』ってアニメで、若本(規夫)さんがメカ沢(新一)っていうドラム缶みたいなロボット役をやってたんですよ。あれを観てああいう役もたしかに面白いなと思ったよ。そういうのもアニメーションの醍醐味のひとつだよな。『甘ブリ』の現場は特に三木眞一郎がひどかった(笑)。

千菅 私飲み会で泣いたのは『甘ブリ』だけです(笑)。三木さんがアドリブをバーってやったときに全然返せなくて、ふがいなさすぎて飲み会で泣いて。あれは一生忘れないですね。

檜山 彼も仕掛けますからね、もちろんいい意味で。

千菅 この曲を聴くとそのこと込みで思い出します(笑)。

sp-1603072000-c009

檜山 あれも『SHIROBAKO』じゃないけどメインは若い女の子で、周りは野郎共が固めてという感じでしたね。

千菅 そんな思い出を胸に、メーカーさんや制作会社さんにはまたいろんな年齢のキャスティングのアニメを作ってもらえるといいなと思います(笑)。

 

~相談を終えて~

<千菅さんのひと言>
取材という形ですが檜山さんといっぱい喋れてうれしかったです! 本当に明るくて優しい先輩で、今日も楽しく、お悩み相談なんですが、私も普段思い悩んでいたこととかが消えていきました(笑)。すごく懐かしく思いつつ、かなり好きな曲なのでアニメ・ソングとしてかわいくてちょっと切なさもあって、これぞアニソン! という感じで歌いました。久しぶりに『甘ブリ』を観返したくなりました。これを機に皆さんも観返してもらいつつ、大人の皆さん……お願いいたします!(笑)

<檜山さんのひと言>
番組の主旨としてはどうかわかりませんが、個人的に面白かったです(笑)。今回大人な役が来ないという悩みをお話したんですが、考えると俺が声優をめざした原点も声ならば老若男女生物無生物問わずできるというのがあったので、今も若い役をやれてるのも声優の醍醐味ではあるんですが……やっぱりもうちょっと広がるといいなという思いもあります(笑)。“力量を磨かないと幅広くできない”という意味で自分への戒めでもあるんですが、同時にもし機会がいただけるならどなたかよろしくお願いします!

  INTERVIEW & TEXT BY 大用尚宏(クリエンタ)
PHOTOGRAPHY BY Mao Yamamoto

 

 <本日の一曲>
「エレメンタリオで会いましょう!」
BRILLIANT4
sp-1603102000-j
フライングドッグ

 

<本日の相談者>
檜山修之さま
sp-1603072000-c016

ヒヤマノブユキ/1967年8月25日生まれ、広島県出身。1989年にOVE『かいけつゾロリ』のミイラ男役として声優デビュー。以降は、様々なアニメ、ゲーム、映画に出演している。

 

<今回取材にご協力いただいたお店>
パセラリゾーツ六本木店
★宴会に最適な限定コース¥3,500~
〒106-0032
東京都港区六本木5-16-3
TEL:0120-911-086/HPはこちら
sp-1602102000-shop01
sp-1602102000-shop03
sp-1602102000-shop02

 


●リリース情報
千菅春香 ニュー・シングル発売決定!

「愛の詩-words of love-」
4月27日発売
品番:VTCL-35225
価格:¥1,400+税
【収録曲】
01. 愛の詩-words of love-(TVアニメ「学戦都市アスタリスク」新エンディングテーマ)
 作詞:山田稔明 作曲・編曲:Rasmus Faber
02. Lonely Feather(TVアニメ「学戦都市アスタリスク」挿入歌)
 作詞・作曲・編曲:Rasmus Faber
03. 愛の太陽(TVアニメ「学戦都市アスタリスク」挿入歌)
 作詞:岩里祐穂 作曲・編曲:Rasmus Faber
04. Lonely Feather -a cappella version-(TVアニメ「学戦都市アスタリスク」挿入歌) 作詞・作曲・編曲:Rasmus Faber
※01~03のインスト楽曲も収録

関連リンク

この記事を書いた人