うたパス×リスアニ!「アニソン・コンピレーションch」第9回【声優・湯浅かえでと選ぶ「僕たちのTBS・MBSアニメソング」】

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 うたパス部門で随一のアニソン知識量を誇るぴょん太と元リスアニ!編集長の西原史顕、そして『ガンスリンガーストラトス』まぐま役、『アイドルクロニクル』MIU役などで活躍中の声優にしてアニソン系クラブイベント“リスアニ!ナイト”常連、湯浅かえでの3人がアニソンを語りまくる本企画。
第4弾となる今回は、TBS・MBSがこれまで放送してきたアニメに注目します。リスト化することで、改めて認識するビッグタイトルの連発。主に2000年以降の同局アニメの歴史を振り返りながら、そこから生まれた数々の名アニソンたちをピックアップ!!

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西原史顕 さて、今回のテーマはTBSとMBSのアニメソングです。東京だと6chですね。だいたい2000年くらいからの作品の主題歌をピックアップしてきました。

ぴょん太 6chだと以前までは週末の夕方アニメの印象が強かったですけど、2010年前後からは深夜のアニメも増えましたよね。

西原 そうですね、「アニメイズム」とか段積みでアニメを2本連続で放送するようになったりして、本数も増えきています。

湯浅かえで (手元のリストを見て)めっちゃ多いですね〜。しかも名作ばっかり!

ぴょん太 アニメは各局で放送されていますが、やっぱり6chは夜中にチャンネルを合わせることが多くなりました。深夜アニメの本数はTOKYO MXがダントツではありますが、TBS系列も見ごたえがあるというか。

西原 MBSには丸山博雄プロデューサーがいらっしゃいますからね。『機動戦士ガンダムSEED』以降、ほとんどのアニメ作品にクレジットされている方で、6chのアニメ文化を作ってきたような人物。第1回目のテーマだった「ノイタミナ」の(元)山本幸治プロデューサーといい、やはり局の人間の個性もチャンネルには表れるものなんですね。

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『エウレカ』に『マクロスF』……アニメ界の音楽革命

西原 というわけで、さっそく掘っていきましょう。『サクラ大戦』『ガンダムSEED』……2000年代以降の6chには名作ばかりが並んでいますが、ピックアップしたい曲などはありますか?

湯浅 やっぱりリスアニ!と言えば『鋼の錬金術師』なんじゃないですか?

西原 水島精二監督!

湯浅 “リスアニ!ナイト”では必ずと言っていいほど「リライト」をかけますよね。

西原 これは「俺の曲だ!」って言ってますから(笑)。2000年代前半〜中頃は、この『鋼の錬金術師』のようにひとつの作品にオープニング・テーマやエンディング・テーマが2〜4曲ずつあるのが当たり前で、1年単位で放送されるアニメが多かったですよね。

湯浅 そうか、『交響詩篇エウレカセブン』も1年アニメでした。高田梢枝さんの「秘密基地」は今でも聴いたら泣けてきます。レント〜ン。

ぴょん太 「sakura」も名曲ですよ。NIRGILISさんのマッシュアップですね。

西原 やっぱり『交響詩篇エウレカセブン』はアニメに本格的なクラブ・サウンドを持ち込んだ作品という印象があります。

湯浅 『エウレカ』は友だちから「音楽がすごくいいよ〜」って勧められて観始めたアニメなんですけど、ハマってしまって。「秘密基地」は野外イベントの“Re:animation”でよくかかりますよね。

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ぴょん太 “リアニ”は元々『エウレカ』好きのメンバーが集って始まった“GEKKO NIGHT”から発展したイベントですから。次の開催は11月1日でしたっけ?

西原 また中野でやるようですね。“リアニ”の「秘密基地」と言えばThe LASTTRACKのリミックス。いかに『エウレカ』の主題歌や劇伴がクラブ・サウンド志向だったかは、こうやって10年以上経っても同作品をリスペクトし続けているDJやオーガーナイザー、クリエイターがいることからもよくわかりますね。そもそも『エウレカ』は「ハシエンダ」や「セカンド・サマー・オブ・ラブ」って単語が平気で使われたり、各話のサブタイトルがテクノの曲名になっていたりと、UKのダンス・ミュージック・シーンを知る者には笑いが止まらない作品ですので。

ぴょん太 監督が京田知己さんで脚本が佐藤 大さん。どちらもこの作品で名を上げましたよね。『エウレカ』にはサブカルチャー的な魅力もあって、メディアにもよく取り上げられていたような気がします。

西原 ああ、2000年代中頃ですごく思い出すのが、『コードギアス 反逆のルルーシュ』の大ヒット。なぜか一般の週刊誌とかも「新しいヒーロー像のアニメが出現」と特集を組んでいたりして、谷口悟朗監督が持ち上げられていました。

湯浅 ルルーシュ! 「モザイクカケラ」とか、すごく好きです。

西原 SunSet Swishさんね。FLOWさんの曲だと第1期と第2期のどちらが好きですか?

湯浅 どちらかと言うと「COLORS」かなぁ。「WORLD END」も好きですけどね。

西原 もうひとつ、僕の中での2000年代中頃の思い出が『Fate/stay night』。最近、ufotableさんが凛ルートをTVアニメ化しましたが、こっちはセイバールートですね。ここで「disillusion」を歌ったタイナカサチさんがとにかくうまい! こんなに情感のあるシンガーって、今ならAimerさんくらいかな? 聴いたことない人にはぜひ聴いてほしい一曲です。

ぴょん太 皆さんは、『マクロスF』の楽曲だと何がお好きでしたか?

湯浅 全部好き! どうしよう〜。

西原 僕は「What’bout my star?」かな。第15話だったかな、アルトを挟んでランカとシェリルがこの曲を歌うシーンがあって。このときのふたりの表情やしぐさが妙に色っぽかったのを覚えています。そしてアルトくんの幸せものめ!(笑)。

湯浅 ザ・三角関係なシーンでしたよね(笑)。私はやっぱり「ダイアモンド クレバス」かな〜。最強の失恋ソング。

西原 ぴょん太さんは一曲選ぶとしたらどれになるんですか?

ぴょん太 自分で振った話題ですけども、難しいですね〜(苦笑)。自分は……「ライオン」ですね。May’nさんと中島愛さんがふたりで歌っている曲ですし、何より武道館ライブ(2008年11月)の思い出があるので。

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湯浅 ありましたね〜、武道館。私、あのチケット申し込んだけど取れなかったんですよ。

西原 たしか1万人のキャパに23万人が応募して話題になっていたかと。

ぴょん太 自分も最初の申し込みではチケットが取れなくて、追加の娘々サービスシートでなんとか潜り込めたんです。

湯浅 にゃんにゃん! あったあった(笑)。たしか追加の見切れ席でしたよね。

ぴょん太 それが意外に良い席だったんですよ。ステージの斜め後ろの席だったんですけど、目の前に花道があって、ほんとすぐ近くにまでアーティストさんが来てくれて。

西原 で、「ライオン」で盛り上がってしまったと。

ぴょん太 そうですね。完全なファン目線の話になっちゃいましたね(笑)。

西原 先日(8月26日)のMay’nさんの復帰ライブはご覧になりました?

ぴょん太 もちろんです(笑)。

西原 そこでも『マクロスF』の曲が歌われていましたよね。

湯浅 May’nさんのライブだと「ノーザンクロス」が大好きなんですよね。あの振り付けが最高にカッコイイんです〜。

西原 さて、2000年代末、ほかに取り上げたい作品はありますか?

湯浅 毎回毎回しつこいようですけど、やっぱり中川翔子さんの「RAY OF LIGHT」。しょこたんの初めての単独作詞曲で、亡きお父さんのことを歌ったというのがファン的にはザワっときました。

西原 『鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST』ですね。ちょうど物語も父と子の話になってきていて、クライマックスではそのお父さんが……。身内の死というものは、本当に切なくて誰もが共感できるファクターで、この曲は中川さん個人の思いと作中の主人公との思いがリンクした、非常に美しいアニメ・ソングだったと思います。

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6chのポニーキャニオン作品はひと味違う!?

西原 さあ、ここからは2010年代です。ここまでくるとごく最近の話になってきますが、いかがでしょう?

湯浅 作品の数がいっぱい!

ぴょん太 ここから一気に作品数が増えますね。6chが本格的に深夜アニメに進出していった経緯がわかってこれはこれで面白い。

湯浅 『STAR DRIVER 輝きのタクト』の9nine! アイドル好きとして9nineは以前から追いかけていたんですけど、佐武宇綺さんが声優をやられているじゃないですか。とある現場で彼女にお会いしたときに、「SHINING☆STAR」のCDを直接手渡してくださって。このときは幸せでしたね(笑)。

西原 この鼎談ではいつものことですけど、選曲の理由が個人的すぎ!(笑)。だったら僕はですね、azusaの「Check my soul」を推したいですね。彼女もまたタイナカサチと同じく生粋のシンガー・ソングライターなのですが、とても素直で素朴なメロディを書くタイプで、その純真さに胸を打たれてしまったアーティストでした。

ぴょん太 すごい高い評価ですね。『アマガミ』は観ていなかったので、今度チェックしてみようかな。

湯浅 『輪るピングドラム』は主題歌だけじゃなく、トリプルHの楽曲も配信されているんですね。

西原 これ、あのトリプルHのキャラクター・ソング・アルバムが配信されているってことかな? 『HHH』はすべてARBのカバー曲になっていて、アニメファンだけでなく往年のロックファンをもノックアウトした名盤ですよ。「Private Girl」「灰色の水曜日」あたりのアレンジは最高でした。

湯浅 バンク・シーンで「ROCK OVER JAPAN」が絶対流れるじゃないですか。あの演出は天才でしたよね。

ぴょん太 あのシーンは劇中で何度も繰り返されたので、「この曲はなんだ?」とARBを調べたアニメファンも多かったのではないでしょうか。

西原 そういえば先日、「花咲舞が黙ってない」っていう人気ドラマをたまたま観ていたのですが、そこに渋〜い専務役で石橋凌さんが出演されていました。ARBは、その石橋さんがボーカルを務めるロックンロールバンドです。それを3人の若い声優が歌ったギャップこそ、この楽曲の魅力なんですよね。

湯浅 意外性で言えば『キルミーベイベー』の曲も面白かったです。この曲、3月(8日)の“P’sLIVE02”で、めちゃくちゃ盛り上がったんですよ。すごかったですよね、あれ。

ぴょん太 会場全体がおかしくなっていましたよね(笑)。

湯浅 歌い手のふたりがトロッコに乗ってアリーナを回ったんですけど、お客さんもギャーってなって独特のダンスを踊って。

西原 「キルミーのベイベー!」を書いたEXPOは山口優さんと松前公高さんのユニットで、これもまた80年代の音楽をよく知るおじさんが歓喜するキャスティングですね。かのYMOも在籍していたアルファレコード所属で、日本のテクノの創世記を駆け抜けてきた方々です。

ぴょん太 松前公高さんはNHKの「おしりかじり虫」の音楽を担当されていますよね。

西原 「おしりかじり虫」のテーマ曲は子供が聴くと逆に気味悪がるんじゃないかというクレイジー・ポップ。「キルミーのベイベー!」もまた、親しみやすさと狂気の線引が非常にあいまいで……うん、とにかく変態です(笑)。

ぴょん太 花澤香菜さんの「happy endings」はいかがですか? そもそも花澤さんって、非常にたくさんのキャラソンを歌ってきていますし、ソロでも武道館でライブをやったりしているのに、いわゆるアニメ主題歌と言えるのはこの曲だけなんですよね。

西原 そうですね、ソロ活動ではタイアップをほとんどつけてませんものね、花澤さん。

ぴょん太 これは神前 暁さんが作曲をされていて。『物語』シリーズで印象づいた花澤&神前コンビの安定感はさすがだな、と。

西原 同じアニプレックスの作品だと、『ビビットレッド・オペレーション』も優秀な作品でしたよね。キャラソンのメンバーが佐倉綾音さん、村川梨衣さん、大坪由佳さん、内田 彩さん、内田真礼さん。当時はまだ売出し中の若手でしたけど、今となっては皆エース級です。

ぴょん太 2010年代に入って若手女性声優さんがものすごくたくさん増えて、キャラソンにも新人が大抜擢されるケースが多々見られるようになりましたけど、そんな彼女たちがどう成長していくのか見守る楽しみってありますね。

湯浅 それこそ“P’sLIVE02”でのりえしょんがすごかったな〜。普段はあんなキャラなのに、ステージ上ではすごくかわいくてアイドルだった。あ、そうそう、やのあんなちゃんの「Shape My Story」はどうですか?

西原 お、湯浅さんは毎回やのあんなさんと一緒に“リスアニ!ナイト”にいらっしゃいますものね。

湯浅 おしゃれでかわいいやのあんなちゃんが、あのkz(livetune)さんの曲を歌うという。素敵すぎる組み合わせでした。

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 西原 『ステラ女学院高等科C3部』はサバイバル・ゲームのアニメでしたけども、6chはそのあとも『さばげぶっ!』を放送していますよね。誰かミリタリー好きなプロデューサーでもいたのでしょうか(笑)。

ぴょん太 時代的には『C3』の少し前に『ガールズ&パンツァー』がありましたので、その影響も少しはあったんじゃないでしょうか。

西原 それにしても『キルミー』といい『C3』といい、当時のポニーキャニオンさんは実験的な作品を作られていますよね。

ぴょん太 『桜Trick』も面白かったですよ。「Won(*3*)Chu KissMe!」とか少し昭和の雰囲気が漂っていて、すごく作品とマッチしていて。

湯浅 すべてがゆったりしているというか、女の子のイチャイチャ感をふわっと描いた作品でしたよね。「Won(*3*)Chu KissMe!」は攻撃的なところがなくて、私も素敵な曲だなって思ってました。

西原 サバゲー、殺し屋ときて、今度はレズ・アニメ。ポニキャンさんの6ch作品はアグレッシブだな〜。

ぴょん太 さらにはツインテール・アニメというのもありますよ。内田真礼さんの「ギミー!レボリューション」もまた名曲ですよね。

西原 さすがは田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)さんという内容で。

湯浅 『俺、ツインテールになります。』! 私、出演していたんですよ、幼い子どもの役で。第1話で敵役のリーダーに捕まるというか、かわいがられる女の子の役だったんですけど、そもそもこのアニメは、ツインテールが好きすぎて、自分自身がツインテールの幼女に変身して悪の組織と戦うっていう設定なんです(笑)。しかも敵組織のメンバーもそれぞれ変態さんで、アフレコではそうした敵役をゲストの大御所声優さんが演じていらっしゃったんですけど、玄田(哲章)さんや速水 奨さんになんてことを言わせるんだ! って思わせるセリフがたくさんあって。

西原 湯浅さんが演じたあすかちゃんは最終話にも出ていましたよね。

湯浅 公式サイトで「ツインテール総選挙」というのがあって、第1話にチョロっと出てきたあすかちゃんが3位になったんですよ(笑)。さすが観ている方々もこの作品のノリをわかっているなという感じですね。幼女のツインテール最強説です。私、このアニメのエンディング・テーマがすごく好きなんですよ。90年代を髣髴とさせるサウンドで、エンディング映像も当時のバトルアニメのようになっていて。歌もストーリーも映像も演技も、すべてにおいて真剣にバカをやっていたのが『俺、ツインテールになります。』。すごく大好きな作品でした。

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振り返ることで感じるアニメ音楽の歴史

西原 さあ、ここまで300曲くらいのアニメ・ソングを通じてTBS・MBSの作品を振り返ってきましたが、どう総括……したらいいですかね?(笑)。

湯浅 改めて大ヒット作品がたくさんあった、でいいんじゃないでしょうか?

西原 なんか、速球を投げ込んでいるイメージですよね。2000年代前半は特に王道作品が多かったので、直球勝負で結果を出し続けているという印象。変化球は、それこそ今挙げてきたポニーキャニオンさんの作品くらいなんじゃないかな?

ぴょん太 いちおう『けいおん!』みたいな豪速球もありましたけどね。

西原 局のカラーとして、ソニーさんとフライングドッグさん、ポニーキャニオンさんの楽曲が主題歌になることが多いようですね。ランティスさんとキングさんの曲は予想以上に少なかった。

湯浅 最近の作品になると、曲タイトルを見ただけで作っているプロデューサーさんや歌い手の方々の顔が思い浮かぶので、まるで皆さんのお仕事年表を見ているかのような気分でした。

西原 そうですね。本当にたくさんのプロデューサーやクリエイター、アーティストが様々なタイプの楽曲を作り続けているからこそ、今のアニメ音楽界が形成されていることを強く感じますね。

Photography By 山本哲也 / Text By 西原史顕

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<プロフィール>

ゆあさかえで/2014年より声優として活動を開始。TVアニメ『ガンスリンガーストラトス』まぐま役、ゲーム『アイドルクロニクル』MIU役などを務める。また、ニコニコ生放送「ニンジャスレイヤー フロムネットテレビジヨン」ではMCを担当。アクロス エンタテインメント所属。

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