いつか自信を持てる自分になりたい。渡部優衣1stアルバム「FUN FAN VOX」リリース記念インタビュー

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『アイドルマスター ミリオンライブ!』横山奈緒役や、『プリパラ』白玉みかん役などで活躍する声優・渡部優衣。彼女は6月8日発売のファーストアルバム『FUN FAN VOX』でアーティストとしてメジャー・デビューを果たす。7月23日にはファーストライブを控える彼女に、キャラクターとしての歌と自分自身の歌について、声優を目指した彼女のルーツになった経験、そしてもちろんアルバムに収録した楽曲や詞に込めた想いについて、たっぷりと語ってもらった。

きっかけは10年前に大阪で観たステージ

──アーティスト・デビューの話を最初に聞いたのはいつ頃ですか?

渡部優衣 去年の5月ぐらい、ちょうど1年前にお話をいただきました。

──かなり準備期間があったんですね。最初にデビューと聞いてどう思いましたか?

渡部 大丈夫かなぁ……と思いました(笑)。以前インディーズでCDを出した経験があるんですが、そのときにCDを1枚買っていただくということがどれだけ大変かが身にしみているので、改めて個人名義のCDを出すということで大丈夫かな、という気持ちと不安が大きかったし、今でもそれはあります。

──インディーズでCDを出されたのは声優デビューと同時期ですよね。その頃に比べたら渡部さん自身も、渡部さんを取り巻く環境もすごく変わったんじゃないでしょうか。

渡部 その頃に比べると私もいろいろな経験をさせていただいいて、たくさんの方と出会ってきたので、少しは変われてるんじゃないかと思います。だから昔から私のことを知っている人にも見てもらいたい気持ちもありますね。

──渡部さんが声優を目指したきっかけのひとつに水樹奈々さんへの憧れがあると思うんですが、最初から「声優であり、アーティストでもある」という形を目指していたんですか?

渡部 水樹奈々さんへの憧れはすごく大きかったんですけど、あんなふうには絶対なれないと思っていたんです。あまりにもすごすぎる方なので。最初は声優としてアニメに出てみたい、という気持ちがいちばん大きかったと思います。歌も歌ってはみたいけど、うーん、向いてないんじゃないかな……という感じでした。歌は好きだけど自信がなかったんです。

──先日、大阪のオリックス劇場であった“「アイドルマスター ミリオンライブ!」3rdライブツアー”大阪公演のMCで、この会場で観たあるアーティストのステージを見て声優の世界に憧れた、という言葉がありました。

渡部 あ、はい、水樹奈々さんです(笑)。その頃は厚生年金会館という名前だったんですが、自分が初めてアルバイトしたお金でチケットを買って観に行ったライブですごく大切な思い出だったんです。だから同じステージに自分が立てたことは本当にうれしくて、感慨深かったです。

──その当時は渡部さんが声優を目指すことに反対していたご両親も、“ミリオンライブ!”の大阪公演を観に来てくれたんですよね。

渡部 そうなんです。ライブが終わったあと、お父さんから「おつかれさま、よく頑張ったね」ってメッセージをもらったんですけど、最後に「当時声優になることに大反対していた父より」って書いてありました。でもお父さんも今はすごく喜んでくれてます。そのあとの幕張公演で日本武道館ライブが発表されたんですけど、お父さんも大阪からライブビューイングで観ていてくれたんですね。あとで電話がかかってきたんですけど、お父さんの世代の人にとってはやっぱり日本武道館って特別な場所みたいで、電話越しにお父さんが泣いてたんですよ。今はこんなに応援してくれてるんだなと、うれしくなりました。

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──渡部さんが目指すアーティスト像ってどんな感じですか?

渡部 今回はアルバムなので、いろんな渡部優衣を知ってもらいたいなと思っていて、いろんな曲を歌わせていただいてます。たぶん、私の歌といえば『ミリオンライブ!』や『プリパラ』での歌をイメージする方が多いと思うんですね。それとはちょっと違う、キャラクター・ソングとは違う私の色がちょくちょく入ったアルバムだと思うので、楽しんでもらえたらと思います。

──「Brightest story」とかは、初めて聴く人はびっくりしそうですね。

渡部 ニコニコ生放送で初公開したときは、「中の人誰?」「誰が声あててるの?」ってコメントがたくさん来て、わたしだよーってなりました(笑)。そういう意外性も楽しんでほしいですね。

──役柄を離れた自分の歌って、歌う感覚は違いますか?

渡部 違いますね、大変でした。キャラクター・ソングだと、自分が演じるキャラクターはステージでどう歌うんだろう、レコーディングだとどう歌うのかな、ということをイメージしながら歌うんですね。だから最初はキャラクターではない私自身で歌う感覚がわからなくて、「どうしたらいいんだろう?」「どう伝えたらいいんだろう?」と思いました。でも人間も、その時々によって演じているわけではないですけど、よそ行きの自分と、家にいる自分って違うじゃないですか。だからひとりの人間の中にもいろいろなキャラクター性があるんだなと思って、この曲では私自身の中のこういう一面を表現しようと考えるようになりました。それからは、わりとすんなり歌えるようになりました。全部が私なんだなって。

「面白い箱からいろんな私が登場!って感じです」

──『FUN FAN VOX』というアルバムタイトルはどのように生まれたんでしょうか。

渡部 私が決めました。去年にファンミーティング・イベントを“FUN FAN FESTIVAL 2015”というタイトルでやったんですね。ファンの人に楽しんでほしいという気持ちでつけた名前をそのまま持ってきました。最初は箱の「BOX」にしようと思ってたんですが、スタッフさんから「VOX」には声とかそういう意味もあるよって聞いて、ふたつの意味を掛けてみようかなと思いました。ファンの人が面白い箱を開けたらあらびっくり、いろんな私が登場って感じです(笑)。

──かっこいい、かわいいなどいろんな一面がありますが、たとえば渡部さんが素で歌う時、カラオケで歌ったりするときはどんな感じなんですか?

渡部 カラオケだと「Brightest story」の感じがいちばん近いかもしれません。でも普段歌うときも、曲調によって喉が勝手に変わります(笑)。

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──アルバム収録の各楽曲について伺っていきます。自分のなかで苦労した曲、新しいチャレンジをしたなと思う楽曲はありますか?

渡部 そうですね……「Brightest story」はやっぱり挑戦したんじゃないかと思います。事前に表題曲的な扱いになると聞いてもいたので。私が今まであまり歌ったことがないタイプの曲ですし、収録もこの曲が最初だったんです。この曲でアルバムの方向性とかが決まってくるぞと思っていたので、悩みながら時間をかけて収録させていただきました。

──悩んだり、難しさを感じたのはどういう部分でですか?

渡部 「Brightest story」はもちろん、どの曲にも自分が感じていることや、自分の一面が入っているので、それを素の自分で歌うことに照れくささがあったんだと思います。でもそのうちに私自身が感じていることを100%伝えたいという気持ちのほうが大きくなってきて、それからはかなり振り切って歌えたと思います。実はこういうことも思ってるんだよ?ということをちょこちょこ乗せて行ってます。

──そんな苦労した「Brightest story」、出来上がったものを聴いてどうでしたか?

渡部 やっぱり照れくさかったですけど、本当に素敵な曲になったと思います。応援してくれる皆さんと一緒に歌っていって、新しい景色が見られたらうれしいなと思いました。

──ライブで歌ってみたい曲はありますか?

渡部 「笑顔がイイネ☆」は収録しているとき、「合いの手考えたんですけどやってみていいですか?」って提案したんです。合いの手も自分で歌っているので、ライブではファンの人が一緒に合いの手を入れてくれたらきっと楽しいんじゃないかなと思ってます。あとは「Shine ! Shine !」「こ・こ・か・ら color」とかも、ファンの人と一緒に歌えたらきっとすごく楽しいだろうなと思います。

──詞の面で印象に残っている曲はありますか?

渡部 「秘密の呪文」はすごく明るくかわいい曲調なんですが、サビのあたりをレコーディングしたりしていると、うるっと来るような瞬間があったりしたんです。なんだか素直な気持ちになれる曲です。唯一泣きそうになった曲なので、何か自分の心に重なる詞だったんだと思います。

──「秘密の呪文」に登場する「僕」って、自分をイメージして歌ってるんでしょうか。

渡部 そうです、自分です。「君」はファンの人をイメージしてます。「Shine ! Shine !」もファンの人と一緒に盛り上がって、笑顔を探せたらいいなと思ってます。やっぱりどの曲も、私とファンの人たちが一緒に歩いてきた記憶が入ってますね。11曲もあっていろんな曲があるんですけど、そのことは共通していると思います。そういうこともあって、応援したり、励みになるような曲が多いかもしれません。

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