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2016.03.22

「このマンガがすごい!」2014年オンナ編1位を獲得した人気コミックが原作!ミュージカル「さよならソルシエ」ゲネプロレポート!

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“魔法使い(ソルシエ)”と呼ばれた天才画商テオドルス・ファン・ゴッホと、その兄にして後世に“炎の画家”と呼ばれた画家フィンセント・ファン・ゴッホの数奇な運命を描いたミュージカル「さよならソルシエ」の公演が東京・Zeppブルーシアター六本木にて3月17日(木)~3月21日(月・祝)まで上演された。

物語は19世紀末の芸術の都、パリから始まる。テオドルスは、優れた観察眼と卓越した話術からパリでも腕利きの画商として名を馳せていた。これまで上流階級を相手に莫大な利益を上げてきた彼だったが、“本物の夜明け”というべき新たな芸術を見せつけるべく、画壇を牛耳る保守派に革命を起こそうとする。その熱い志に賛同する若き画家たちが続々と集まってくる中、テオドルスの元へ類まれな画才を持つ兄、フィンセントが現れる。

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本作は、穂積による同名漫画のミュージカル化作品。世界観を忠実に再現し、原作同様に史実とフィクションを織り交ぜながら物語は進んでいく一方で、ミュージカル要素を付与、さらにはオリジナルキャラクター(ポール・シニャック/吉田大輝、ポール・ゴーギャン/Kimeru)を登場させることで、「さよならソルシエ」という作品を大きく拡張することに成功している。

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全編とおして、抜群の歌唱力を持つキャストたちの熱演を、ステージ下手に置かれたピアノによる生伴奏が扶助し、まさに「2.5次元を超える2.5次元」といえるミュージカルに仕上がっている。中でも、テオドルスの苦悩や画壇との対立、あるいは必死に作品を描き続ける画家たちの姿を表現する激しいダンスと歌は、彼らの熱量がそのまま伝わるかのように観る者すべてを圧倒していく。

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初日直前のゲネプロ前には囲み取材が行われ、テオドルス・ファン・ゴッホ役の良知真次、フィンセント・ファン・ゴッホ役の平野 良、アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック役の土屋シオン、ジャン・サントロ役の合田雅吏、ジャン・ジェローム役の泉見洋平らが登壇した。

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今作の主演である良知は、「作品の世界観を作り出すにあたって、最初はストレートプレイの方がいんじゃないかという意見をいただきました。ですがミュージカルでやらせていただけるということで、2.5次元の “新たなジャンル”を目指し力を合わせてきました」と、広い視野で捉えた本作の可能性を語った。対する平野は「すべて(良知に)言っていただいたので、半分は僕のセリフとしてもらえたら(笑)」という茶目っ気たっぷりの答えに続けて、「映像もすごくて、加えてみんなが情熱的に作り上げた空間全体がお洒落です」と舞台上の空気感に言及した。次の土屋は、フィンセントのようなマイペースさを見せる平野に笑顔が止まらないながらも、「互いに無自覚だけど嫉妬し合っている。まるで“致死量に満たない毒”のように、それがどう広がっていくのかが見どころです」とコメント。その後、「(“致死量に満たない毒”という)おしゃれな言い回しをしました(笑)」と、自分の発言に自分で照れてみせた。そんな土屋を居並ぶキャストは苦笑しながらもいじってみせ、キャスト全体の仲の良さが彼を通して伝わってきた。

そんな若手陣を力強く支えるうちの一人、合田は、「作品としてはフィクションなんですけど、観ていくうちに『本当にこういうことがあったんじゃないのか』と錯覚してきます。最後はちょっとホロッとくるので、ぜひその世界観にみんなでハマッてもらえればと思います」と劇中でゴッホの生き様を追った彼ならではの思いを寄せた。テオドルスらと対立する本作随一の“悪役”を演じる泉見は、「ジェロームという役は自分の美学を守るために意地悪をしたり、ある意味焦りというか、若い芽を摘んでいくのですが。それがこの作品の中でアクセントになればいいなと思っています」と作品への愛を語りつつ、役柄とは正反対の優しい笑みを浮かべた。

最後に良知からファンに向けて、「僕はすごくクールになったり割と熱い部分を後半演じたりしてるんですけれども、それも含めて出来上がっていた世界観を、舞台の中でうまい具合に調理しています。それに舞台オリジナルの部分も取り入れているので、原作ファンの方にもすごく楽しんでもらえる作品になっていると思います。それに2.5次元の舞台ですから、1回だけではなく、少なくとも2.5回は見てもらいたいですね!」と、洒落の効いたメッセージがファンに贈られた。それを受けて平野が「出演者全員が愛情と信念を役者としても持ってるメンバーたちですね。アンサンブルの歌もありますし、ひとりひとりがうまく混ざり合った、素晴らしい劇だと思います。ぜひ観ていただきたいです!」と興奮気味に締めくくった。

パリに生きた若き画家たちのように、稀代の画商テオドルス・ファン・ゴッホが仕掛けた一世一代の“魔法”を是非目撃してほしい。

Text by 師岡真那(セブンデイズウォー)


●公演情報
ミュージカル「さよならソルシエ」
3月17日(木)~3月21日(月・祝)
会場:Zeppブルーシアター六本木

【キャスト】
テオドルス・ファン・ゴッホ役:良知真次
フィンセント・ファン・ゴッホ役:平野良
アンリ・ド・トゥールーズ・ロートレック役:土屋シオン
エミール・ベルナール役:小野健斗 
ポール・シニャック役:吉田大輝
ポール・ゴーギャン役:Kimeru
ムッシュ・ボドリアール役:窪寺昭
ジャン・サントロ役:合田雅吏
ジャン・ジェローム役:泉見洋平

【アンサンブルキャスト】
下道純一
田極翼
穴沢裕介
青木一馬
酒井航
廣瀬真平
荒木栄人
前田大翔

●リリース情報
ミュージカル「さよならソルシエ」Blu-ray&DVD
2016年8月3日発売

【Blu-ray】
品番:BFZS-10017 価格:¥9,800+税

【DVD】
品番:DFZS-10017 価格:¥8,800+税

特典映像:稽古場、公演舞台裏などのバックステージ映像、千秋楽カーテンコール 等
封入特典:ブックレット
※仕様•デザイン•特典等、変更になる可能性がございます。

© 穂積/小学館フラワーコミックスα
© ミュージカル「さよならソルシエ」プロジェクト

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