温かな楽曲と歌声の裏に隠された、強いこだわりに迫る。Tia「ニルバナ」リリース記念スペシャルインタビュー!

int-1511252000-c001

およそ1年ぶりとなるニューシングル「ニルバナ」を11月25日にリリースしたTia。『ノラガミ ARAGOTO』のEDテーマに起用されている表題曲は穏やかでちょっぴり切ないナンバーを、彼女の歌声がより活かす。彼女自身が語る制作におけるエピソードからは、ベストな作品完成させるための強いこだわりを感じることができた。

理想像に近づけるため、徹底的に歌い込んだ「ニルバナ」

――「ニルバナ」は『ノラガミ』シリーズのEDテーマとしては2作目となりますが、前回のEDテーマ「ハートリアライズ」とはまったく違ったテイストの曲になっています。Tiaさんは最初に曲を聴かれた際にどう感じられましたか?

Tia 曲をもらったときの第一印象は、和やかで温かい雰囲気の曲でした。今回のシングルのジャケットになっている朝焼けの景色のような、オレンジの光に包まれているイメージも浮かんできまして。なので、ビジュアルイメージは暗いほうから明るいほうへ進んでいくという感じにしていただきました。

――なるほど。ではその印象を歌声で表現する際に心がけられたことは?

Tia 歌っていくうちに、歌詞の内容をより深く考えていくようになったんです。曲調はすごく明るいんですけど、歌詞は明るさの中にちょっと影があるので、そのニュアンスをどう表現しよう? と思いながら歌っていきました。

――たしかに、サウンド自体は小太鼓やピッコロなど軽めの音が多くて、なにやらかわいい行進のようなイメージの浮かぶ明るさもあります。

Tia 特にDメロには、まさにそういう感じがあると思うんですよ。でも歌詞を見ていくと、真逆にちょっと切なめな部分もあるので……そういう意図が聴いてくださる皆さんに伝わっていれば、と思っています。

――ちなみに、ディレクションはsupercellのryoさんがやられたんですか?

Tia そうです。ただ、ディレクションというか……私もryoさんもたぶん、お互いに「こういうのがいちばん理想的」みたいなビジョンを持っていたので、それに向かってどう歌っていったらいいか? っていうのをすごく考えましたね。だから、今回のレコーディングは“歌”っていう部分もありつつ、ちょっと“楽器”のレコーディングみたいな部分もあったかもしれません。「どうやって声を出したら、思い描いた世界観を表せられるんだ?」といった感じで。

――そこをおふたりで話し合いながら詰めて、ベストなものをめざされていったんですね。

Tia そうなんです。だからすごく時間がかかっちゃって……200テイクくらい歌ったんですよ。

――え、200テイクですか!? それは1日で?

Tia だいたいいつも歌入れには3日間かけているので、そのトータルで、ですね。

――それにしても200テイクはすさまじい……関わった人すべてが納得いくように作り込んでいったんですね。

Tia 違う意味ですごいと言われました(笑)。たくさん歌って長いレコーディングだったんですけど、その分納得いくのができたので、よかったです。

――ちなみに今回のタイトル「ニルバナ」ですけれども、タイトルの意味はあらかじめ頭にあったうえで歌われたんですか?

Tia いや、曲が完成したあとに知ったんですよ。楽曲自体は「『ノラガミ』の神器の曲っぽいな」と思いながら歌っていたんですけど、完成した音源をもらったときにryoさんからちゃんとした意味を教えていただきました。ニルヴァーナは“煩悩がなくなった状態”という意味で、“花”を連想させるから長音を取った、ということでこのタイトルなんです。

――なるほど。 では一方で、完成した音源を聴いたときの印象もお伺いしたいのですが。

Tia かなり時間をかけたぶん、達成感がすごかったですね。制作過程を思い返して、音が鳴るたびに「あ…ここ良い感じに出来てる」って反省会的な(笑)。

――では、アニメのエンディングで絵と一緒に聴かれたときは?

Tia 雰囲気があってすごくきれいな絵で、自分が思っていた「ニルバナ」とはまた違った感じもしましたね。あと、1期の頃を連想させるような絵だったので、そこも個人的にうれしかったです!

――絵とTiaさんの歌声両方が1期との橋渡しをされていますよね。それも『ノラガミ』ファンにはうれしい点だと思うんですが、絵と合わさって繰り返し聴くとじんわり染みこんでいくタイプの曲に感じました。

Tia よく聴かないと、最初言った歌詞の中に隠された影のような部分もわからないじゃないですか?だから、アニメを観たあとに「あ、この歌詞!」みたいにリンクを感じてもらえたら、それもまたうれしいですね。

 int-1511252000-c003

曲調が次々変わるカップリング曲に、多彩な表情で応えた彼女

――そしてカップリング曲「好き好きびーむ」ですが、まずタイトルでびっくりしました。

Tia 私もびっくりしました(笑)。かなりインパクトがあるタイトルなんですけど、実は最初は“びーむ”は片仮名だったんですよ。

――タイトルもそうですが、曲自体もテンポ速めでインパクトの強いものです。こちらもTiaさんの第一印象をお聞きしたいのですが。

Tia 私が初めて聴いたときには曲がまだ未完成で、ryoさんが隣でピアノを弾いて私と一緒にメロディを作っていくような感じだったんです。そのときはまだ歌詞もない状態だったんですけど、すでにピアノがすごく遊んでる曲だったのでとっても楽しみにしていたら、思っていたとおりに楽しくて、すごくかわいい曲になりました。

――そのピアノが全体的に映える曲だと思うんですが、なかでもAメロとBメロの間のピアノが「ラブミーギミー」(2012年リリースのシングル)っぽいのが気になりました。

Tia そうなんですよ! キーは違うんですけどね。私自身もそこに気付いたときうれしくしくなっちゃって。聴いてくれた方にもぜひ気付いてもらえたらいいなって思います!

――一方、歌詞ではひとりの女の子の心情が描かれています。Tiaさんはこの子を、まず最初にどんな子だと思われましたか?

Tia 強気なんだけど、実はメンタル弱めな感じかな? と思いました。

――だからこそ、この「 |ω・`)」という顔文字での描写もなんともかわいくて。

Tia そうなんです。それ、びっくりしていちばん最初にryoさんに「これ、なんて読むんですか?」って聞いて。「チラッです。」って言われて思わず「かわいい!!」と言いました(笑)。

――直前の「、、、」が、本当に寂しい感が出ていますよね。

Tia そう、メールみたいなんですよね(笑)。

――そこにこのヒロインのかわいさが出ていると思います。歌詞はもちろん、曲調自体もテンポが落ちたり音が静かめになったりといろいろと変わっていくので、歌うときにポイントをつかむのは難しくはありませんでしたか?

Tia 難しかったです。楽器の数はすごく少ないんですけど、鳴ってる音は雰囲気がすごくはっきり“確実にこうなるべき”という感じに鳴っているので、それに合わせて歌声を切り替えられるように、かなり歌い込みました。

――では、逆にTiaさんからのアプローチとして、歌声にこだわった部分はどこでしょう?

Tia 中盤の“どうしようもない男――”からのちょっと落ちるところです。今までに歌った曲のなかではない感じの、大人っぽい雰囲気なんですよ。あと、普通に歌ってもあんまり面白くなかったので、全体的に「しゃべる感じで歌う」というところも意識しました。こうやって喋ると音が合わないとか、やり過ぎても違うとかもあって、いろいろ試しました。

――そうしていろいろと詰め込まれたこの曲ですが、歌われてみてどのような感想をお持ちですか?

Tia 楽しく歌えました。それも「自分じゃないから思いっきりやれる」みたいなところがあって。「もしこういうことを言うことになったら、どんな表情で言うのかな?」と想像しながらでしたね。この曲は聴いたときにストレートに音も歌詞も表情がわかりやすいのが特徴的で、思いっきり感情を振りきらせるのがとても似合う曲だと思います。

――その感情のスイッチという点だと、先ほどおっしゃった大人っぽい部分の直後に“Maybe blue――”とキュートなウィスパーが続くポイントのギャップは、特に男子目線ではたまらないところだと思います。

Tia ありがとうございます。ほかにもいろんなところにそういうポイントが隠されているので、ぜひ最後の最後まで聴き逃がずに楽しんでいただきたいです。発売前には流れていなかった、皆さんもタイトルだけしか知らない曲だと思うので……反応がすごく楽しみなんです。

――そんな今回のシングル2曲も含め、これまでTiaさんは様々な楽曲を歌われてきました。逆に、これから歌ってみたいジャンルはどのようなものなんでしょう?

Tia ジャンル的には……エレクトリックでしょうか。ノリノリな感じで、ネガティブな感じの歌詞を作ってみたりとか。あとR&Bのようなオシャレなサウンドの曲だったり、「好き好きびーむ」の静かになる部分で出たようなジャズっぽいサウンドも、もっと本格的なものを歌ってみたいです。

――ジャンルごとのTiaさんのあらたな歌声も、ますます楽しみなところですね。

Tia ジャンルもそうなんですけど、“私の声•歌い方で歌うと面白い”みたいな曲を作れたらいいな、っていちばん強く思っているんですよ。すごく真面目にやっているのに、それが面白い……というギャップのようなものを、自分でも見つけたいなと思っていて。「好き好きびーむ」で例えると、全体的には“かわいい”曲だと思うんですけど、ざっくり言うとその中には例えば“大人っぽい”もあって、その差が面白いみたいな……要するに、ギャップなんでしょうか(笑)。でもそういった新境地も、これからもどんどん開いていきたいです。

Interview & Text by 須永兼次


●リリース情報
TVアニメ『ノラガミ ARAGOTO』EDテーマ
「ニルバナ」
11月25日発売
【初回生産限定盤(CD+DVD)】
int-1511252000-c004

品番:EYCA-10628/B
価格:¥1,728(税込)
・優描き下ろしイラスト・デジパック仕様
・『ノラガミ ARAGOTO』オリジナル・ステッカー
【通常盤(CD)】
int-1511252000-c005

品番:EYCA-10629
価格:¥1,296(税込)
<CD>
01. ニルバナ
02. 好き好きびーむ
03. ニルバナ -Instrumental-
04. 好き好きびーむ -Instrumental-
<DVD>
01. 『ノラガミ ARAGOTO』ノンクレジット・エンディング映像
02. フルサイズ『ノラガミ ARAGOTO』スペシャル映像
※仕様は変更になる場合があります。

関連リンク

この記事を書いた人