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REPORT

2015.07.23

二度目の夏には「I-2 club」「I-3 club」がサプライズ登場!?『Wake Up, Girls!』2nd Live Tour「行ったり来たりしてごめんね!」が大阪で開幕!

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バースデーサプライズも!最高の滑り出しを見せたツアー初日

そしてここからはキャラクターソングメドレコーナー。トップバッターは吉岡の「ハジマル」だ。初のソロ曲でもあり、吉岡がなかなかライブのクオリティに納得がいかず、昨年秋の「京まふ」で何度もステージを重ねることでようやく納得できる何かがつかめた、という楽曲だ。ステージの吉岡からはどこか歌を「楽しむ」余裕を感じることができたのがまず目につく変化だろうか。彼女がこのツアーの間にどれぐらい「ハジマル」の完成度をさらに上げてくるのかも楽しみになった。

成長を感じさせたのは永野の「可笑しの国」もそうで、とつとつと歌うタイプだからこそ、ボーカルの安定から来る安心感が違う。高木の「WOO YEAH!」といえばキャラソン随一の盛り上げ曲で、今回も会場を熱く盛り上げた。高木はライブに向けてかなり身体を絞ったのか、コンディションもとても良さそうだ。奥野の「スキ キライ ナイト」は、「初日盛り上がるぞー!」と客席を楽しそうに煽っていく積極的な姿勢こそが『Wake Up, Girls!』に関わってからの一番の変化に違いない。

キャラソンの中でも一番しっかりとした「世界」をステージに作りあげるのが山下の「オオカミとピアノ」だが、この日は客席の個々の観客に対する意識が非常に印象的。昨年の幕張ライブなどの大会場に比べると、客席が近いライブハウスのキャパに合わせて、観客の一人一人を見ながらかわいさで「狙撃」している感じがする。投げキッスからスッと身を引きながらの流し目で客席がどわっとざわめく、流石は前日二十歳になった山下だった。

続いては「ステラ・ドライブ」で会場を星の海に変えるリーダー青山! 耳に心地良い歌声で客席を青山吉能の世界にぐいぐいと引き込んでいく。ライブ中に全力以上の全力を出し切ってしまいガス欠になったり、感情の波に飲まれてしまったりの起伏の大きさも青山らしい魅力ではあるのだが、今日の「ステラ・ドライブ」ではサビの一番気持ちいい、裏返せば一番キツいところでも1mmだけアクセルに余裕を残している感じで、自分でステージをコントロールしている感じに頼もしさを感じた。メドレーラストは田中の「歌と魚とハダシとわたし」。今日の田中は100%かわいい全開で、「プラチナサンライズ」でかっこよさを出した分、みにゃみのかわいさを表現しようとしたのかもしれない。「錦飾ろう〜」のフレーズで演歌風のコブシを回してギャップを見せるパートさえもいつもより軽めでかわいかったのが印象的だった。

ここでスクリーンに表示されたのは、『Wake Up, Girls!』世界で最強のアイドル集団「I-1 club」ゼネラルマネージャー白木の姿。そして会場には「I-1 club」のライブの始まりを告げる定番のovertureが流され、さらに雰囲気を高める。ここでステージに登場したのは、「I-1 club」の衣装を来た吉岡茉祐! もし島田真夢が「I-1 club」に今もいたら? という設定で、大阪の「I-1シアター」でのライブ風に「I-1 club」曲を歌うという趣向だ。最高に面白かったのは、一緒に歌うのが「Wake Up, Girls!」のメンバーではなく、彼女たちが考えた「I-2 club」「I-3 club」の架空のメンバーを演じる6人が歌うという仕掛けだ。

揃いの「I-1 club」衣装で登場した7人は「シャツとブラウス」へ。吉岡の「いくよ! せーの!」のかけ声の王道アイドル感がたまらない。客席に声をかけるコールなどは「I-3 club」の青山がガンガンやっていたのだが、体育会系縦社会の「I-1 club」で大丈夫なのだろうか。最後の「いくよっせーの!」はやりすぎなくらいにキュートな高木で、「Wake Up, Girls!」とはまた違うステージが楽しめた。

そして隊列を整えて、逆光の中シルエットになって歌い出したのは「I-1 club」はじまりの曲「リトルチャレンジャー」だ。原曲は4人曲のため大坪由佳、加藤英美里、津田美波らの個性の強いボーカルの印象が強いが、田中、高木、山下、奥野などの色の強い声質に別の誰かのボーカルを足すことでうまくふくらみを出している。「リトルチャレンジャー」といえば一番かわりが効かないのは、島田真夢こと吉岡の高潔さを漂わせるソロだが…と思うが、よく考えたら本人もステージにいる。結果としてかなり再現度の高い「リトルチャレンジャー」となった。

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そしてライブグッズ紹介映像を挟んだ後、ミリタリーっぽさがある新衣装で7人が登場し、「少女交響曲」初披露へ。強めのキックと優雅な弦と打ち込みの音が気持ちよく絡みあう音の構成はどこか「タチアガレ!」を思い出すし、サビから雰囲気もガラッと変えてくる。ささやくようなハモリや、「パッパラッパ」みたいな音はメンバー自身のボーカルだ。

ダンスも今までとは少し雰囲気が違い、いくつかある楽曲の音の要素をダンスに落としこんいる感じで、たとえば間奏で流麗な弦が強めなところではバレエ風の動きを取り込み高木や吉岡が輝く感じだ。曲中で印象的なパートを担当する田中と山下が歌いながら両手をつないで掲げてトンネルを作り、その間をメンバーがくぐっていく動きが楽しい。「タチアガレ!」が吉岡・青山の曲だとすれば「少女交響曲」は田中と山下が輝く印象も強く、「Wake Up, Girls!」の新しい代表曲になりそうだ。なお、「しょうじょきょうきょうきょく」を連発していた山下がツアー中に上手に「少女交響曲」が言えるようになるかも注目だ。

ここでステージでは続・劇場版前篇「Wake Up, Girls! 青春の影」が9月25日より全国で2週間限定上映されること、特典満載のシアター限定盤が発売されること、前篇・後篇の鑑賞券がセットになったブロマイド付限定前売券がツアーの福岡・東京・仙台の各会場で販売されることが発表された。ラス前のメンバーの言葉を紹介しよう。

高木「2ndツアー始まりました。新曲もたくさんあって、ちゃんと披露できるかな、みんな乗ってくれるかなって最初は緊張したんですけど、みんなのおかげで楽しかったです。大阪ありがとう!」

山下「私ですね、なんと二十歳になってしまったんですよ! 二十歳になって初日を皆さんとこうして過ごせて本当に良かったです。二十歳になった山下七海をよろしくお願いします!」

田中「とにかくすごく緊張したんだけど、少女交響曲で一列に並ぶ時にお客さんがあいちゃんの姿に浄化されてはぁ…ってなってるのを見て緊張がとけました! はじめて聴いた時からすごく気に入ってる曲です。みんなで話し合って準備してきたライブなので今はほっとしてます。これから突っ走ってくのでよろしくお願いします!」

吉岡「今日はうちの母親も来てるんです。久々の大阪で緊張するかと思ったら、このステージが楽しいって気持ちの方が強いのはここにいる皆さんのおかげだと思います。もうみんな暖かくて嬉しい、ありがとう! (開演前の)影ナレの内容を苦労して全部変えたので、次からも遅刻せず来てください」

永野「みんなに会いたかったよー! リハーサルでコールがない中踊るのって不安で緊張するので、ほんとに皆さんに会いたかったです。今回振付を担当した「地下鉄ラビリンス」が形になって良かったです。見所たくさんのツアーなので、いろんなところを見て楽しんでほしいと思います」

奥野「私もみんなに会いたかったよー、会いたかったよー。新曲たくさん披露して、「素顔でKISS ME」はみんな「えっ?えっ?」てなるかと思ったら、受け入れてもらってありがとうございます。」

青山「久々のライブだったんですが、今までにないぐらいリハーサルを重ねました。新曲3曲はこのライブのためだけに作りました。これから色々なところで披露したいと思うので、コールもよろしくお願いします!」

本編ラストは、永野が「最後はとっておきの曲を用意しているので、盛り上がれますよね!」と会場を煽っての「16歳のアガペー」。今回のライブでは振付などで大活躍した永野のイメージの曲で締めるのは今回のライブにふさわしい。永野が担当する落ちサビの甘やかなスタッカートも、いつも以上に気合が入っているように感じた。

アンコールがわりの大「Wake Up, Girls!」コールとイメージカラーの緑のライトが輝く中、幻想的な音と白いライトの逆光とともに、ライブツアーTシャツに着替えたメンバーが登場。TVアニメED「言の葉 青葉」をしっとりと披露する背景では、仙台の風景と混ざって、レッスン風景やショーケースイベントなどの、新人時代の懐かしい日々の映像が映しだされる。

アンコールの真ん中というちょっと意外な配置だったのは、アニメ『うぇいくあっぷがーるZOO!』主題歌「ワグ・ズーズー」。

そして田中が「最後まだ歌ってない曲あるじゃん!」と叫んだのは、もちろん劇場版『Wake Up, Girls! 七人のアイドル』の主題歌「タチアガレ!」だ。何度となく歌い込んできた楽曲だが、改めて見ると計算しつくされたポジション移動の妙や、ダンスと楽曲に散りばめられたメンバーの個性など、この曲こそが「Wake Up,Girls!」の原点であり宝であると実感させられたのだった。

昼の部のラストには、サプライズで山下のバースデー祝いも行なわれた。「こんなのリハーサル無かったよね!」と驚きながら山下がケーキのろうそくを吹き消すと、会場は大歓声に包まれた。最後の「いくぞー、がんばっぺ! Wake Up, Girls!」からの締めも、二十歳になった山下が担当。「手を出してください! セカンドライブツアーはじまります、ついてきてください! いくぞー、がんばっぺ、Wake Up, Girlsー!」の大合唱で、ツアーファーストは最高の滑り出しを見せたのだった。

Text by 中里キリ


●ライブ情報
Wake Up, Girls! 2nd Live Tour
「行ったり来たりしてごめんね!」
7月20日(月・祝)【大阪】なんばHatch
 昼の部 開場14:00 開演14:30
 夜の部 開場17:30 開演18:00
8月1日(土)【福岡】スカラエスパシオ
 昼の部 開場14:30 開演15:00
 夜の部 開場18:00 開演18:30
8月8日(土)【千葉】舞浜アンフィシアター ※昼・夜 完売
 昼の部 開場14:00 開演15:00
 夜の部 開場18:00 開演19:00
8月16日(日)【仙台】東京エレクトロンホール宮城 ※夜 完売
 昼の部 開場12:00 開演13:00
 夜の部 開場16:00 開演17:00

インフォメーション
「少女交響曲」MVついに完成!
こちらは7月28日(火)26:35~「わぐばん!」で一部を初解禁される。
ぜひこちらもチェック!

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