“佐咲紗花 5th Anniversary Live 2010-2015 ~Genesis~”レポート!

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2月14日、shibuya duo MUSIC EXCHANGEにて開催された、アニソンシンガー・佐咲紗花のデビュー5周年記念ライブ“佐咲紗花 5th Anniversary Live 2010-2015 ~Genesis~”。デビュー時の名曲から最近のキラー・チューン、そして思わぬサプライズまでもが飛び出す、“Anniversary”にふさわしい宝箱のようなライブだった。

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まずは彼女がデビューへの切符を掴んだ“第3回全日本アニソングランプリ”の優勝シーンから、これまでの歩みをOPENING映像として上映。グッと会場のアニバーサリー感を高める。そんな“はじまり”を予感させるライブは、諦めずに歩を進め続ける彼女自身を象徴するかのような「Daybreaker」の独唱から幕を開ける。そこからデビュー曲「星彩のRipieno」への流れは、彼女を追い続けたものには感涙必至。リリースから今までの5年でアップデイトされ、より力強さを増したステージングや歌声自体もたまらない。キメで拳を振り下ろす姿からは、たどり着いた彼女なりのロックを感じた。

MCで「会いたかったよみんなー!」と喜びを爆発させる佐咲。再び「長ーく見守ってくれた方も、最近私を知ったという方まで、一緒に楽しめる演出になっています」と語る彼女。そして「一緒に5年間をたどってくれますか?」と続けられた彼女の言葉に、応える大歓声。楽しむ準備は、万全すぎるほどもうバッチリだ。そんな観客への「思いやりを持って、一緒に楽しみましょう!」との呼びかけにより、“一緒に”という言葉の説得力がより増すのだが、それも今思い返すと、このあとのアツさを予告するひと言にもなっていた。

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その言葉通り、ここからはキラー・チューン続きのブロックに。公式扇子を手にしたお祭り曲「Lucky☆Racer」でフロアをアゲる。フロアはもちろん、間奏で「おーどーれー!」と煽る佐咲自身が誰よりもこの曲を楽しんでいたのかもしれない。続くヘヴィなロックチューン「Heaven’s gate」では、そのサウンドに呼応したかのようにフロアのペンライトの大多数は突き上げられる拳へと姿を変える。そしてシンセの音色が印象的な「universal sky」へ。

ここで一旦ライブ映像でクールダウン。ただそれも漠然と流されるわけではなく、初めての“ANIMAX MUSIX”“Animelo Summer Live”の模様を上映し、「ZZZ(Acappella Ver)」への流れを作る。人気作の主題歌であり、脚光を浴びるもうひとつのきっかけとなったこの曲。そこに辿り着くまでの流れを振り返ったうえでの彼女の優しい歌声なんて、また泣けるではないか。キュートさでいっぱいの女の子像を表現する彼女は、先ほどまでとは違う色合いのゆるふわ空間を作り上げていた。歌声から感じられるキャラクターも明快で、コロコロ変わる表情から彼女の表現幅の広さを改めて感じた曲だ。
そしてかわいらしい初恋の曲に続いては、今度は届かなかった初恋の曲を2作連続で。「恋花」では切なすぎる1曲をしっとりと歌い上げる。自らの思い出を投影したこの曲、落ちサビのメロディの取り方と声の震え方に、理性と感情のギリギリのバランスを見た。続けて同じモチーフの「snow ring」へ。先ほど感極まりつまらせかけた声も、このミドル・ポップでは再び伸びやかなものに。思いの込めるベクトルの、微細な違いも聴きどころである。落ちサビ前、胸に手を当て客席に背を向けていた彼女。高まる想いは、ラスサビで見事に爆発し、観客の胸を打った。
「こっから激しくいきますよー!」の言葉と同時に、赤く染まるステージ。1stアルバムのリード曲「sympathetic world」だ。頭サビ明けのコール・アンド・レスポンスでフロアのテンションを引き上げ、再び生き生きと躍動する姿を見せてくれた。ラスサビでは、ステージセンターのお立ち台に上がり、自らコールを煽る。

ここから少々長めの映像企画。『佐咲紗花 3人の巨匠たち』と題されたこのVTRでは、“歌の巨匠・影山ヒロノブ”“トークの巨匠・鷲崎 健”“仲良しの巨匠・黒崎真音”の3名によるコメントをたっぷりお届け。影山からの第一印象や、黒崎から見た佐咲の女子力の高さなどが語られる一方、鷲崎からは「こじらせてる!」と思ったポイントが語られるなど、笑いも随所に交えた映像に。最後にそれぞれ、“アーティスト・ひとりの女性としての魅力”やメッセージを語り、エールを送ってくれた。

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そんなVTRを受けて、歌詞通り“ひとつに”なったのが映像明けの「Reason why XXX」。この曲も鉄板ナンバーらしい盛り上がりを存分にもたらしてくれる。もちろんそれを引き出したのは、パワフルな彼女のボーカルワークでありパフォーマンスなのだけれども。かと思えば壮麗な「ワールドエンド」ではそこにゾクゾクするような色気までも加わってくる。
その先2曲は最高潮ゾーン。まずは「Break your world」で、フロアを紅に染める。ここまで見せてきた力強さに、さらにキレや鋭さが加わるこの曲。頭も振り乱し腕も振り上ながらも、声が全然ブレずバテないのには改めて驚かされる。それでいて「もっと!」とさらにフロアを煽るから、たまげた。そして最新ナンバー「CHIASTOLITE」で最高潮を迎える。ヘビメタ並みの重さと速さを兼ね備えたサウンドを切り裂く、佐咲紗花の歌声。フロアには、ペンライトではなく自然と手が挙がっていた。VTR内で影山が語ったように、彼女はまさしくロッカーだった。

MCでは初となる映像有りのライブについての感想、さらにはバンドメンバーも含めてこの5年間での数々の経験についてトークに花が咲く。
さて、この5年の経験といえば、積み上げられてきた彼女の持ち歌もそのひとつ。とりわけ、美少女ゲーム楽曲を歌い始めてから飛躍的に曲数が増加した彼女は、その楽曲数もあって「時間が足りなくてセットリストに入れられない曲がいっぱい」と残念そうな表情を見せる。
……が、そこでただでは終わらないのが今の佐咲紗花。フルバージョンでの歌唱はかなわなかったものの、メドレー形式でこれらの楽曲をレア曲含めてメドレー形式で次々と披露することに。いずれも王道主題歌らしさ満点のポップスでありながら、独自の色を持った曲たち。キュートさ強めな歌声も入り混じり、シングル曲と違う顔も見せる。アニソンとゲーソン、今の佐咲紗花を形作るこのふたつを連れてきてくれたおかげで、“Anniversary”という言葉の重みがより増したはずだ。

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と、ここで映し出された映像は、佐咲が“誰か”へ宛てて手紙を書き始める模様。映像が終わり、再び登場した佐咲の手には、その手紙が。読み上げられたそのタイトルは、「いつも見守ってくれるみんなへ」。彼女の中にある素直な気持ちを、一点のみを見るわけでなく、この場にいる全員へその想いが届くようにと、視線を移しながら語りかける。そしてそんな彼女を、観客はじっと見つめる。
そんな彼女は、先頃シンガーの先輩・奥井雅美との会話を通して自分のひとつの気持ちに気づく。それは「本当は、誰よりもみんなに選ばれたかった」ということ。だから、これからは胸を張って想いを届けて、「一番好きなのは佐咲紗花」って選んでほしい――という、決意が届けられた。自ら語った“もがき続けた5年間”があったからこその、この決意。そして続ける。「私が『叶わない夢なんか無い』って証明していくから、その背中を見ていてほしい」と。

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そして、その言葉がもっとも響く2曲が本編のフィナーレを飾る。まずは、このライブ冒頭でもアカペラで歌われた「Daybreaker」を再度バンド編成で。手紙であふれんばかりに高まった想いを込めた、“このときにしか歌えないうた”だ。その響きを聴き、この場でこの曲は新たな翼を得たかのように感じた。これまである種彼女自身を鼓舞してきたこの曲が、自らがファンを引っ張っていける曲へ成長したように。続くラスト・ナンバーは、手紙の最後に語られた彼女のメッセージがそのまま織り込まれた「Starting Again」。アニメのワードや世界を伴いつつ、合わせてそこに込められた彼女の想いは、何かに必死に頑張る人の心を、必ず打つ。「叶わない夢なんて無いと証明しよう」と、そのメッセージを“一緒に”作り上げたこの曲は、もう無敵のナンバーだ。そう希望だけを感じさせたながら、ライブ本編は幕を下ろした。

「佐咲!(男性)」「紗花!(女性)」の声に応えて、まずはこれまでの歩みを振り返るスライドが流れ、続けて佐咲が再登場。「1曲、ある人に届けたい歌があるんです」と、秋田の大事な仲間に宛てた曲「流星ボイス」をピアノ弾き語りでしっとりと歌い上げる。ここまでのロッキンなものから一変した、シンプルなサウンドに乗る歌声もまた抜群に映えるもので、それも彼女が伝えたい想いが明確だからこそ、なのかもしれない。

弾き語り披露後、突如流れた映像に会場からは驚愕の声が上がる。3月にリリースされるカバー・アルバム『SAYAKAVER.』に収録される「JUST COMMUNICATION」のMVが突如上映されたのだ。しかもそれだけでは終わらない。1コーラス分の上映が終わった直後、今度はバンドアレンジでの初披露!レジェンド曲カバーのサプライズ披露に、フロアのテンションは再びMAXに。ダンスを含んだパフォーマンスも、見事のひと言だ。
披露後に改めて『SAYAKAVER.』の全収録曲とその選曲理由を告げる彼女。海外でのイベントに呼ばれる機会の増えた彼女が、現地のトークイベントの中での「どういう曲を歌ってほしい?」という質問や、「アメリカで初めて放送されたガンダムは『ガンダムW』なんです」という会話を通して、日本はもちろん海外の方にも楽しんでもらえるような楽曲を選んだ、とのこと。これも、今までとこれからの両方を見据えた、彼女のあらたなる挑戦だ。さらに、それを引っさげたライブを6月に開催することも発表し、再び会場は驚喜の大歓声に包まれた。

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そして「みんなといっしょに歩みたい」との語りからスタートしたのが「Real Star☆」。この曲の冒頭の言葉は「トップつかもうよ」。先ほど語られた彼女の想いは、もう揺るがない。それは、ステージの端から端まで行き、観客と視線を交わし、落ちサビを合唱したことからも感じ取ることができた。
「みんながいてくれたから歩んでこれました。最後に私と一緒に、タオル振ってくれますか?」との呼びかけから、タオル練習とコール・アンド・レスポンスを繰り返し、「今日の全力を全部ここに置いていけ!」とのシャウトからオーラス曲「Super Shiny Sensation!!!」がスタート。決意を見せたあとは、最後にブチ上がり定番曲で超絶楽しく。誰もが全力ではしゃぎまくっていた。
こうしてすべてを出し切った佐咲は、長く、そして深い一礼。さらにこの日はバレンタイン当日ということもありチョコ撒きを行い、さらに写真撮影も行われた。最後に佐咲からひと言。
「伝え足りない気持ちでいっぱいですが、これからみんなに次に会えるときにも、次に次に会えるときにも、もっともっとこういうふうに自分の気持ちを伝えていって、みんなについていきたいと思ってもらえるアーティストになれるように一生懸命頑張りますので、これからもよろしくお願いします!」
最後にスタッフ・ファン、そして家族への感謝の気持ちを改めて叫び、彼女はステージを降りた。

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デビュー当時から、圧倒的な歌唱力を誇っていた佐咲紗花。そんな彼女も5年にわたる活動のなかで励まし励まされ、変わった。自身の言葉を借りるならば、どこか自信がなかった彼女は「選ばれたい」と思うようになり、しかもそれをファンに素直にさらけ出してさえくれた。だからこそ、彼女の言葉が、歌声が、より胸を打つようになった。今回のライブTシャツにしたためた“5で刻むな!”という言葉のように、この想いを曲げずに、5年10年と歌い続けていってほしいと切に願う。そうしていくうちに、きっと今より多くの人がこう口にするようになることだろう。「いちばん好きなシンガーは、佐咲紗花」と。

Text by 須永兼次


佐咲紗花 5th Anniversary Live 2010-2015 ~Genesis~
2015.02.14@shibuya duo MUSIC EXCHANGE
【SET LIST】
<OP映像>
M1.Daybreaker
M2.星彩のRipieno

M3.Lucky☆Racer
M4.Heaven’s gate
M5.universal sky
<過去ライブ映像>
M6.Zzz(Acappella Ver)
M7.恋花
M8.snow ring
M9.sympathetic world
<『佐咲紗花 3人の巨匠たち』VTR>
M10.Reason why XXX
M11.ワールドエンド
M12.Break your world
M13.CHIASTOLITE

M14.メドレー(「泣き虫Baby・弱虫Baby」「Shooting the future」「Fortune Love」「恋さくミライ」「マリンブルーに沿って」)
<映像→MC>
M15.Daybreaker
M16.Starting Again

<映像(スライド)>
EN1.流星ボイス
<「JUST COMMUNICATION」PV>
EN2.JUST COMMUNICATION

EN3.Real Star☆
EN4.Super Shiny Sensation!!!

<INFORMATION>
カバー・アルバム
SAYAKAVER.
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発売中
品番:LACA-15484
価格:¥3,000+税

1.The Biggest Dreamer(TVアニメ『デジモンテイマーズ』OP主題歌)
2.IN MY DREAM(TVアニメ『ブレンパワード』OP主題歌)
3.コネクト(TVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』OP主題歌)
4.sakura(TVアニメ『交響詩篇エウレカセブン』OP主題歌)
5.DISCOTHEQUE(TVアニメ『ロザリオとバンパイア CAPU2』OP主題歌)
6.プラチナ(TVアニメ『カードキャプターさくら』第3期OP主題歌)
7.Snow halation(TVアニメ『ラブライブ!』第2期挿入歌)
8.炎のたからもの(劇場版アニメ『ルパン三世カリオストロの城』主題歌)
9.特捜エクシードラフト(TV特撮『特捜エクシードラフト』OP主題歌)
10.Anything Goes!(TV特撮『仮面ライダーオーズ/OOO』OP主題歌)
11.Can Do(TVアニメ『黒子のバスケ』第1期1クール目OP主題歌)
12.LEVEL5-judgelight-(TVアニメ『とある科学の超電磁砲』OP主題歌)
13.JUST COMMUNICATION(TVアニメ『新機動戦記ガンダムW』OP主題歌)

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