“見つけてくれた”方々へ、全力で感謝のおもてなし!分島花音“The strange treat! X’mas Special”レポート

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2014年12月22日、渋谷WWWにて分島花音The strange treat! X’mas Special”が開催。“音楽のごちそうでお客様をおもてなしする”というコンセプトライブ・シリーズとして開催された今回のライブ。定番曲から普段とは違うアレンジの楽曲まで、今回も大満足のフルコースを提供してくれた。

開演時間、照明が落とされまずはバンドメンバーが登場。まずは前菜として「The strange treat! prologue」でお客様をおもてなし。客席からもクラップが起き、十分にムードも出来たところで主役・分島花音の登場。改めて「The strange treat!」を披露する。ミドルテンポなこの曲、ジャジーなアレンジに乗せた彼女の伸びのある歌声、やはりいい。ボーカルのみならず、各パートのソロも交えて改めてお客様へのご挨拶を済ませたら、雰囲気そのままに「ファールプレーにくらり」をJazzバージョンで披露。音盤では歌劇のようなめまぐるしくも華やかな展開を見せるこの曲も、この日はゆったりとお届け。だからだろうか、よりメロディの深み・完成度の高さをじんわりと味わえた。もちろん元バージョンにも存在するコール部分でのお客様との掛け合いや間奏のチェロソロも活かしつつ、クラップでゆるりと盛り上がる。そんな冬の日ならではのバージョンも、なかなかオツなものである。「平凡な僕」ではそれを引き継ぎ、分島自身もステージ上を歩き、ゆったりとクラップを煽る。そんななか彼女は“表情豊か”というよりも“表情で歌っている”という表現がしっくり来るほどの歌声を届けてくれる。それはこの日のライブの成功を、早くもこの瞬間に確信できるほどだった。さらに少しテンポが上がり、「さんすくみ」ではよりノリノリに。分島自身、頭サビ明けにお客様を思いっきり煽るというひと幕も。

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曲が終わり大きく一礼したのち、まずは来場してくれたお客様への感謝の言葉を述べる。くしゃっと笑ったその顔からは、隠し切れないうれしさがこぼれていた。自らのワンマン・ライブとしてはもっとも大きな会場での公演であり、さらにバンドメンバーに管楽器が加わり、史上最大にゴキゲンなライブとなることを予感せずにはいられなかったのだから、当然だろう。現に、前半のジャジーな雰囲気は、彼らあってこそのものだったのだから。

さて続いては、目前に迫りタイトルにも冠したクリスマスにちなんで「忙しい人のための」と称したクリスマスメドレーを披露。楽曲前にメンバーはサンタ帽(一部トナカイやもみの木も)をかぶり、演奏スタート。始まりを飾った「きよしこの夜」では神々しく、続く「恋人たちのクリスマス」以降はポップに変幻自在の歌声を届けてくれた。気づけば照明も、赤と緑のクリスマスカラーに。このメドレーにバンドメンバー曲「ろくでなしのブルース」が織り込まれているのは、“華やかなイベントの裏の、縁の下の力持ち”を想起させてくれてそれもまた休日の狭間の平日であったこの日には沁みる。
続けて「ここからは盛り上がっていきますよ!」との宣言とともにまず歌われたのは「ザ ドールハウス!」。ダークかつのびのびとステージ上でパフォーマンスを見せる彼女、間奏のチェロの引弾きっぷりもよりダイナミックに。一転「芸術家のかわいい想像たち」ではボーカルオンリーに徹し、他パートのソロを際立たせる。歌声のみならず、ちょっとセクシーさも漂わせた間奏のフリも魅力的だ。ボーカルの響きがより魅力的に聴こえてきたのは続く「sing sing sing」も同様で、こちらは特にAメロの中音域がたまらなく心を鷲掴んでくる。かと思えば、中盤のトランペットとのアドリブ合戦ではなんと3オクターブもの声幅を響かせる。“魅力”というレベルではもはや語れない高音のすさまじさをお客様に提示しながらも、そのアドリブのやりとりもどこか楽しそうだった。音域のみならずその守備範囲の広さを提示したのが続く2曲。あやしさの中に切なさをトッピングした「黒猫とピアニストのタンゴ」や、「ナイチンゲール」の2曲で一旦しっとりさせる。この多彩な楽曲と歌声は、まさにフルコースだろう。また、再び盛り上がった「無重力」では、間奏で分島が取り出したマトリョミンの不思議な音色がポイントに。残響も含めてタイトル通り“無重力感”がバッチリ漂っていた。

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