心地よい緊張と変化成長の実感。強い個性の持ち主が集った「LIVE THE@TER HARMONY 05&06」発売記念イベントレポート

int-141214-001-c001

『アイドルマスター ミリオンライブ!』のCD「LIVE THE@TER HARMONY 05&06」発売記念イベントが13日、都内で行なわれ、村川梨衣 (松田亜利沙役)、渡部恵子 (周防桃子役)、渡部優衣 (横山奈緒役)、上田麗奈 (高坂海美役)、桐谷蝶々 (宮尾美也役)、藤井ゆきよ (所恵美役)が登場した。

冒頭に「今日はぴょんころもちがいません!」が一大事な出来事として語られた通り、今回のイベントでは普段のライブやイベントで中心になる『ミリオンラジオ!』パーソナリティ陣が不在。そんな中、ただのオープニング挨拶でさえもちょこまかと動きながらべらぼうなエネルギーとかわいさとカオスを振りまく村川に、「自己紹介をするだけなのにすごい振り幅!」と動きを拾ってツッコんでいく渡部恵子の存在が頼もしい。ボケ、ツッコミ、天然は揃っているが進行役が心もとないLTH0506丸は、ひとまず渡部優衣がMCっぽい空気の中出港した。

int-141214-001-c006

オープニングトークでは、『ミリオンライブ!』イベント出演がまだあまりない桐谷蝶々が「この前の『ミリオンラジオ』でちょっちょさんとあだ名をつけてもらいました」と自己紹介すると、客席も「ちょっちょさん!」コール。桐谷は渡部に久しぶりに会って、(渡部恵子演じる)桃子が好きであることがようやく伝えられたと喜んでいた。渡部優衣と渡部恵子がW渡部コンビであることもお約束として語られていたが、渡部優衣がさらっと「恵子姉さん」と呼んでいたのが印象に残った。

「ハーモニーシアター」は、LTH05のユニット「リコッタ」とLTH06のユニット「灼熱少女(バーニングガール)」のチームに別れ、お題の解答を3人で揃えるゲーム。勝てばごほうびスイーツがもらえるとあって両チームとも真剣だ。イベント前は「りえしょんは(独創的すぎて)揃わないでしょ」とあきらめムードだったというリコッタチームだが、一問目の“今日いないメンバーも含めて、相手のユニットの中の人(キャスト)で一番教えるのがうまそうな人は?”というお題では、「種ちゃん!」と完璧に一致。田中琴葉役の種田梨沙の「教えるの巧そう感」がリコッタチームの自由さを上回った形だ。案の定リコッタは二問目の“自分たちのユニットが成長するために必要なものは?”というお題では3人バラバラ。しかし「家族」「色気」「リコッタの5人」と、なんとなくリコッタチームの仲の良さは伝わってくる。「色気」と答えた渡部恵子も、解答考え中には「今のリコッタが好き」と語っていた。一方の「灼熱少女」は上田と藤井が「頭脳」「頭の良さ」で一致。ユニットの傾向として足りないものが明確だったのが勝因だったかもしれない。

●新たな楽曲の色、新たな個性の引き出し。

int-141214-001-c002

ライブコーナーのトップバッターは、リコッタが誇る飛び道具・村川梨衣! 「Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!」は、村川によれば(前のソロ曲の)「チョー↑元気Showアイドルch@ng!」を受け継ぎつつ、宇宙的スペース感あふれる曲だそう。「Up!10sion♪」の声と共に右手でテンションをグイグイ持ち上げるような仕草や、ひらひらとしたハンドアクションからの指差し確認もかわいらしい。普段どんなに面白く個性的なキャラクターでも、ひとたび歌うとアイドルのかわいさに着地するのが村川のすごいところだ。村川の言うスペース感が一番出ていたのが「そらをとんでるみたい」のフレーズで、テンションアゲアゲの流れの中で不意にたゆたうようなゆったりした動きが挟まるのはたしかに無重力感を感じた。客席の圧倒的な「Up!10sion!」「A! R! I・S・A!」コールも、数百人規模の箱ならではのライブ感にあふれていた。イベント終わりには「とても緊張したけど、とっても楽しかったです!」と嬉しそうに語った村川。りえしょんもやはり緊張するのだった。

int-141214-001-c003

上田麗奈は全力ダッシュでステージに駆け出し、その勢いのまま「恋愛ロードランナー」へ。ステージでは海美をまとう上田は曲中に客席のあちこちをビシッと指差す動きの鋭さが印象的で、正面にいたプロデューサーはまさに射抜かれる思いだろう。疾走感のある楽曲に、上田の声がうわずるギリギリのところまで使った歌声が重なると抜群のライブ感だ。「心拍数上昇ー」の声と共にピースを高く突き上げ、「大好きー!」の叫び。ステージも客席も本当に心拍数が上がっている感じが抜群にいい。最後は汗だくになりながら渾身の「大好きー!」で締めた上田は「すごいね、ありがとう! みんなで楽しめる曲だなーと思って、よくわかんなくなっちゃったけど楽しくなればいいかなって!」と、やりきった顔をしていた。

渡部恵子の「MY STYLE! OUR STYLE!!!!」が始まると、客席は一面のオレンジの海へ。渡部も力いっぱい拳を突き上げて煽っていく。前山田健一作ならではのケレン味のある壮大なイントロだが、渡部の「未来へー!」のハイトーンの歌い上げの安定感と、そこからの「期待してなさい!」の説得力が味の濃い楽曲に一歩も負けていない。間奏も含めた曲中めいっぱい客席を盛り上げ続けた渡部は、想いを込めた「みんながいるから!」の声からラストの畳み掛けに流れ込み、最後は拳を振り上げ横ピースでキメ! 「リハーサルでは一回も歌いきれなかったのが、みんながパワーをくれるとこんなことができるんですね」とにっこり笑った渡部は、リコッタの物語の中での桃子の成長や、のり子と春香の言葉で涙を流したことが桃子の大きな一歩だったと語ると、「支えとして桃子の側に居てください!」と熱く語っていた。

楽曲としての一番の新機軸は、桐谷蝶々の「初恋バタフライ」だったかもしれない。情熱的な楽曲に合わせるように、腕を差し伸べ、耳元で手のひらを打ち合わせるようなフラメンコ調のダンスを見せる。「恋をしてる女の子」で小指をたてる手をくるりと回す仕草がかわいい。そんな桐谷のダンスだが、情熱的というよりは、どこか動きを確かめるような、少し固い感じが残る。だがそのダンスが味というか、情熱的な楽曲の中をゆったり泳ぐような、独特の良さを感じた。歌い終えた桐谷は様々な想いで胸いっぱいな様子で、「大人な美也ちゃんの初恋の曲です。でも歌詞はすごくかわいくて、さなぎが蝶に変わるまで見守ってくださいという歌詞が自分の名前に重なって感動しました」とせいいっぱいの一言を残してステージを下りた。しかしイベントのラストには「さなぎから蝶になってがんばるので応援よろしくお願いします!」と力強く宣言する姿が印象的だった。

渡部優衣の「Super Lover」は、狼男をイメージした曲だそう。登場した渡部はクールな表情で、ふっと浮かべた微笑みもどこか獰猛な感じだ。鞭のようにしならせた腕のふりと、デコレーションを施したグローブと飾りチェーンのきらめきが印象的。格好もダンスも非常にクールでかっこいいのと、渡部の天性のファニーボイスにギャップがあって刺激的だ。最後は妖艶に客席を指さしてフィニッシュ。これまで大会場でのライブ中心に出演していた渡部は「アットホームな感じがしました、あいかわらず緊張しいで手汗かくのでグローブしてきましたが、あんまり効果なかったです。「Super Lover」もっとよくできるように頑張ります!」と次を見据えたコメントをしていた。

int-141214-001-c005

ソロのラスト、「フローズン・ワード」で登場した藤井ゆきよは、まずは客席をじっと睥睨。クールな中に熱さを込めた歌唱で、「わけもなく、サビシイ…って」といった台詞っぽいフレーズに、生歌ならではのゆらぎが加わってなんともなまめかしい。ゆっくりと突き出した指で天を指す仕草にも何か雰囲気がある。声を張り、想いと情念を込め、ずっと走りっぱなしの曲だけに、歌っている側も相当しんどいだろう。それだけにラストの「フローズン・ワード」の伸びを全力で歌い切るボーカルからは伝わってくるものがあった。歌いあえた藤井は緊張と興奮のせいか少しトーンの高くなった声で、「初お披露目ですね。気持ちを入れると泣きそうになってしまうので…。恵美にこんな一面があるのかとキャラクターが深まったと思います。私はまだまだまだまだなんですが、こういうアットホームな会場もとても大事にしていきたいです、ありがとうございました!」と語っていた。
藤井の呼び込みに答えてメンバーが登場すると、最後は『ミリオンライブ!』のテーマソング的楽曲のひとつである「Welcome!!」を全員で披露。ソロとは違う振り付けを見ていて印象に残ったのは、センターポジションの渡部恵子の立ち姿と、すっと腕を掲げる姿勢の美しさだった。これは何かやっているかな、バレエではないな、日舞かな…と調べてみると、彼女の特技は競技かるたと華道だとのこと。藤井ゆきよの照明スタッフという経歴は有名だが、様々な道を歩いてきた年齢も様々な個性が一緒に頑張る姿は『ミリオンライブ!』の魅力かもしれない。個性といえばもちろん、「Welcome!!」の「ここまでこれたよ!」の一言の破壊力で全てを持っていった村川梨衣は強烈すぎる個性の塊なのだが、彼女の挙動に触れはじめるとその話ばかりになってしまうインパクトなので、今回は控えめにさせてもらった。中野でのファーストライブでは体調万全とは言えなかった村川だけに、今回元気いっぱいで天真爛漫な姿を見られたのはとて良かった。

『ミリオンライブ!』にはまだまだ面白い個性がいて、まだまだ面白くなるぞ…と思った一時間強だった。

Text by 中里キリ


12.14 「LIVE THE@TER HARMONY 05&06」発売記念イベント@都内
セットリスト

M01:Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!(村川)
M02:恋愛ロードランナー(上田)
M03:MY STYLE! OUR STYLE!!!!(渡部恵子)
M04:初恋バタフライ(桐谷)
M05:Super Lover(渡部優衣)
M06:フローズン・ワード(藤井)
M07:Welcome!!(全員)

関連リンク

この記事を書いた人