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REPORT

2014.08.18

つないだ手と手の「M@ASTERPIECE」。“THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!”名古屋公演初日レポート(後編)

つないだ手と手の「M@ASTERPIECE」

 

全体的に非常に印象的だった名古屋公演のカバーコーナーだが、深い意味を感じたのが今井の「First Stage」中村の「魔法をかけて!」だ。なかでも「ヒッ!」とよくわからない声が出たのが「First Stage」だ。この曲はアーケード版から始まる『アイドルマスター1』における萩原雪歩の持ち歌。最後に歌われたのは2007年の“THE IDOLM@STER ALL STAR LIVE 2007”だろうか?前年の“1st ANNIVERSARY”でも歌った気がするが、いずれにしても雪歩役前任者の落合祐里香(現・長谷優里奈)時代のこと。浅倉がまだ歌っていない雪歩曲をカバーしちゃっていいのだろうか……と最初は思った、

しかし、『アイドルマスター2』のEDで、雪歩に「First Step」という専用ED曲が用意されたのは、「浅倉杏美の雪歩の持ち歌」としてだろう。そして、なんとなくタイミングを逃して埋もれさせるには、「First Stage」という楽曲はあまりに惜しい。

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そして今井が「First Stage」を歌い出してみると、そこに違和感はまったくない。初期のアイマスでは「持ち歌を歌うと補正がある」というメリットこそあったが、あくまでも9人のアイドルがすべての楽曲を歌うのが当時のアイマスの持ち味。ゲームセンターに通った千早担当Pなら、「First Stage」も何十回何百回と耳にした人も多いはずだ。そう考えれば「First Stage」をここでさらりと歌うのは妙手だなとうならされた。「First Stage」での今井のフラットですんなりした歌唱は、古いPなら涙がでるほど懐かしく、新しいPには新鮮に感じられたはずだ。

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この流れなら「蒼い鳥」もあるか?と思ったが、それは流石にお預けで、「Fate of the World」「眠り姫」「Snow White」という大阪二日目と共通のセットリスト。バックに弦楽四重奏とい、今井と千早のためにあるような翼を得て、伸び伸びと楽しそうに歌っているのが印象的だった。

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初期曲で寂しい思いをしてきた「First Stage」とは違い、中村がカバーした「魔法をかけて!」は、逆にあまりにも秋月律子と若林直美のイメージが強すぎる曲で、これぞカバー曲な感じ。だが中村がソロで「魔法をかけて」を歌っている姿を見て思ったのは、本当にうまくなった……ということ。これは単純に歌唱力だけではなく、歌い手として、パフォーマーとしての華や存在感も含めた話。中村が「Vault That Borderline!」のような難曲をトロッコ上でソロで歌いながら、1万人をパフォーマンスで魅了する姿を、誰が9年前に予想できただろうか。

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『アイドルマスター』には、関わった出演者や、関係者の数だけ物語がある。だがそれでも、この9年の「アイドルマスターとは何か」を考えた場合にいちばんしっくりくるのは、一生懸命さと頑張り、天性のキャラクターだけが武器だった中村繪里子が、天海春香とともに歩み、たくさんの後輩たちの誰もが憧れ、尊敬するような“アイマスの真ん中”の存在に成長した物語だと思う。

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『アイドルマスター』から初めてリリースされたCD「THE IDOLM@STER MASTERPIECE 01」に収録されたのが、天海春香、萩原雪歩、秋月律子による「魔法をかけて!」だった。この曲もまたすべての始まりの曲であると同時に、“今の中村繪里子”が、生まれて初めてライブでソロで歌った「魔法をかけて!」でもある。同じく「MASTERPIECE 01」に収録された「First Stage」が歌われたのも、過去と現在、今いるメンバーと参加していないメンバーに橋をかける今回のライブのコンセプトにふさわしい選曲だろう。

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だが、最後のソロ曲の前、中村が「カバーでもいろいろな時代の曲があって、いろいろな想いが詰まっていました。そして、今日のこの日にふさわしい楽曲をみんなと楽しみたいと思います」と語って歌った楽曲は「キラメキ進行形」だった。最後は敢えて最新の『ミリオンライブ!』楽曲で。これからも中村繪里子は天海春香と一緒に、現在進行形で進み続けていくという意思表示に感じた。

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かつて、ほとんど誰も『アイドルマスター』を知らなかった時代。池袋のアニメイベントで最初に「THE IDOLM@STER」を披露したのが中村と今井だった。それからラジオで、イベントで、常に支えあってきたふたり。ひとつの到達点であるアニメ化と横アリライブ、そして最大の祭典であるSSAライブを経て、ふとかつてのことを振り返る要素が含まれたライブを終えて、ふたりが何を思ったのかは本人たちにしかわからない。

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だがカーテンコールを終えて、最後に残ったふたりがステージの階段を登って行くとき。その背中と固く握られた手、振り返った二人の笑顔から、会場の1万人のプロデューサーに伝わったものがあったはずだ。そのつながりこそがきっと、『アイドルマスター』が今まで培ってきた“MASTERPIECE”なのだと思う。

Text by 中里キリ


THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!!
2014.08.16@日本ガイシホール
名古屋公演初日セットリスト

M01:THE IDOLM@STER(全員)
M02:ラムネ色 青春(中村、今井、原)
M03:自転車(平田)
M04:tear(平田)
M05:edeN(平田)
M06:Honey Heartbeat(下田)
M07:スタ→トスタ→(下田)
M08:おとなのはじまり(下田)
M09:ID:[OL](滝田)
M10:空(滝田)
M11:花(滝田)
M12:ふるふるフューチャー☆(原)
M13:ラ▼ブ▼リ▼(平田)
M14:ゲンキトリッパー(滝田)
M15:First Stage(今井)
M16:リゾラ(下田)
M17:Next Life(原)
M18:魔法をかけて!(中村)
M19:自分REST@RT(全員)
M20:待ち受けプリンス(滝田、下田、平田)
M21:START!!(中村)
M22:Vault That Borderline!(中村)
M23:キラメキ進行形(中村)
M24:Fate of the World(今井)
M25:眠り姫(今井)
M26:Snow White(今井)
M27:Princess Snow White(原)
M28:風花(原)
M29:恋花(原)
M30:M@STERPIECE(全員)
M31:ONLY MY NOTE(全員)
M32:READY!!(全員)

 

■CDリリース情報
『THE IDOLM@STER MASTER ARTIST 3 Prologue ONLY MY NOTE』
2014年8月27日発売
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価格:¥1,200+税
品番:COCC-16920
<収録内容>
Tr.1 ONLY MY NOTE(M@STER VERSION)
作詞:marhy 作曲・編曲:BNSI(内田哲也)  
歌:765PRO ALLSTARS
Tr.2 アクセルレーション(M@STER VERSION)
作詞:Selena Higa 作曲:BNGI(Toaki Usami) 編曲:tatsuo / Hideaki Ikawa
歌:玲音
Tr.3 アイドルマスターOFA・DLC2014年8月ソロ新曲メドレー
・ステキハピネス
作詞:mft 作曲・編曲:BNSI(kyo)
歌:天海春香
・全力アイドル
作詞・作曲・編曲:ササキトモコ
歌:水瀬伊織
・絶険、あるいは逃げられぬ恋
作詞:BNSI(Linda & Sgt.) 作曲・編曲:BNSI(LindaAI-CUE)
歌:菊地 真
・ふたつの月
作詞・作曲・編曲:BNSI(kyo)
歌:四条貴音
・コイ・ココロ
作詞・作曲・編曲:BNSI(トリ音)
歌:三浦あずさ
・Nostalgia
作詞・作曲・編曲:AJURIKA
歌:星井美希
・トリプルAngel
作詞・作曲・編曲:BNSI(佐藤貴文)
歌:双海亜美
・プラ・ソニック・ラブ!
作詞:後藤裕之 作曲・編曲:BNSI(川田宏行)
歌:高槻やよい
・Pon De Beach
作詞::BNSI(MC TC) 作曲・編曲:BNSI(Taku Inoue)
歌:我那覇 響
・あの日のナミダ
作詞:伊那村さちこ 作曲:BNSI(Yoshi) 編曲:石塚玲依
歌:萩原雪歩
・私だって女の子
作詞:佐々木宏人 作曲・編曲:BNSI(平井克明)
歌:秋月律子
・放課後ジャンプ
作詞・作曲・編曲:BNSI(佐藤貴文)
歌:双海真美
・細氷
作詞:貝田由里子 作曲・編曲:BNSI(椎名 豪)
歌:如月千早
Tr.4 ONLY MY NOTE(M@STER VERSION) オリジナル・カラオケ
Tr.5 アクセルレーション(M@STER VERSION) オリジナル・カラオケ

Starring by
天海春香(CV:中村繪里子)、星井美希(CV:長谷川明子)、如月千早(CV:今井麻美)、高槻やよい(CV:仁後真耶子)、萩原雪歩(CV:浅倉杏美)、菊地 真(CV:平田宏美)、双海亜美(CV:下田麻美)、双海真美(CV:下田麻美)、水瀬伊織(CV:釘宮理恵)、三浦あずさ(CV:たかはし智秋)、四条貴音(CV:原 由実)、我那覇 響(CV:沼倉愛美)、秋月律子(CV:若林直美)、玲音(CV:茅原実里)

 

■『アイドルマスター ワンフォーオール』情報
★カタログ第4号、8月26日より配信開始!
●追加ソロシナリオ配信開始!
あらすじ
アイドルエクストリーム(IE)を制覇した765プロのアイドルたちは、トップアイドルとしてのさらなる高みを目指して、日々自己研鑽に励む。果たして彼女たちはトップアイドルの限界を突破できるのか?
そんな彼女たちの前にアイドルランクの枠を超えた超トップアイドル玲音が再び立ちはだかる……。
●追加ソロシナリオ概要
アイドルエクストリーム(IE)を制覇したアイドルたちのその後の成長を描く全12話構成のストーリー。アイドル達が自己を見つめて、それぞれの高みを目指して成長していきます。 EPISODE1(1~4話)、 EPISODE2(5~8話)10月、 EPISODE3(9~12話)12月と全3回に分けて配信していく予定です。
EPISODE1「新たな曲」はトップアイドルになった765プロのアイドルたちが自分だけの新しい楽曲を生み出す物語!お話を進めていくと、それぞれのアイドルだけが歌う専用曲がついてきます。
※他のアイドルは歌うことはできません。
<ソロシナリオのプレイ条件>
※アイドル追加シナリオをプレイするには、プレイするアイドルのIEを制覇している必要があります。
※10月配信予定のEPISODE2をプレイするには、EPISODE1をクリアしている必要があります。
※12月配信予定のEPISODE3をプレイするには、EPISODE2をクリアしている必要があります。
●ソロシナリオは3つのパックで配信
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エピソード1に限り、専用楽曲付きで1,800円(税込)とお求めやすい価格設定にしました。アイドルたちの様々なエピソードと歌をお楽しみください!
●カタログ第4号、スペシャルゲストは双葉 杏!

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S4U!モードで、双葉 杏の「あんずのうた」を鑑賞できます。また、「お仕事」に専用のフェスのお仕事が追加され、双葉 杏に挑戦することができます。
専用曲:あんずのうた

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■劇場版『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』
【VideoM@ster 版】が9月19日より全国40館にて公開決定!
2014年1月25日の劇場公開以来、公開館数39館からのスタートにも関わらず、ロングラン上映&3月からの全国47都道府県での拡大公開を経て、観客動員数461,069人、興行収入675,977,600円の大ヒットを記録した劇場版アニメ『THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ!』。
「劇場版をもう一度スクリーンで観たい」「BD&DVD発売後に映画館で上映会を開催したい」――。
そんなプロデューサーさんたちの気持ちにお応えして、10月8日(水)に発売となるBlu-ray&DVDの完成映像(VideoM@ster版)を上映用に新たにマスター化し、9月19日(金)より全国40館にて劇場公開することが決定致しました!みんなで、輝きのさらに向こう側へ!
タイトル:THE IDOLM@STER MOVIE 輝きの向こう側へ! -VideoM@ster 版-
上映期間:9月19日(金)~10月10日(金)
<備考>
※各劇場により、上映終了日が異なる可能性があります。
※本年1月25日からの公開用に販売した、前回興行の特別鑑賞券も引き続きご使用いただけます。
※来場者特典実施予定。
※劇場販売新グッズ制作予定。
上映館情報等、詳しくはこちら!

(C)窪岡俊之 (C)BANDAI NAMCO Games Inc.
(C)BNGI/PROJECT iM@S

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