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REPORT

2014.08.11

オペラハウス風ステージに流れたエンジェリック・ボイス!ELISA LIVE TOUR 2014 “AS LIFE”東京公演レポート

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2014年8月3日(日)ELISAのライブツアー“AS LIFE”の東京公演が、鶯谷の東京キネマ倶楽部にて開催された。会場はオペラハウスの佇まいを再現した、昭和レトロなグランドキャバレーの趣が残る空間。そんな豪奢でムーディーなステージで、ELISAは持ち前の圧倒的な歌唱力で、満員のファンを魅了した。

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ELISAの今回のライブツアーは、活動再開後初のアルバム『AS LIFE』をひっさげての公演になっている。“LIFEに寄り添う”というコンセプトの通り、聴く人の生活や人生をそっと彩るような、バリエーション豊かな楽曲が詰まったアルバムだ。その世界観を宿したこのライブもまた、訪れた観客の人生と調和するかのようなセットリストが組まれており、その曲順はELISAが自分で考えたとのこと。

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そんなライブの開幕を告げたのは、TVアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』2ndシーズンEDテーマの「REALISM」。非常に高度な歌唱力が要求される曲だが、ELISAの歌は盤の音源を再現するに留まらない。どんなに難しいフレーズが来ても崩れない歌声、間奏での力強いファルセット、そして楽曲のダイナミクスを全身で表現するパフォーマンスで、聴く者の心を瞬く間に掴みとり、飲み込んでいく。

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冒頭の1曲で圧倒されたのもつかの間、我々は「Awake」でパッと目を覚ました。この曲を歌う前に、ELISAは「お待たせ東京!」と言ったのだが、それはまさに目の覚めるひと言。『AS LIFE』を聴き込んだリスナーは、ここでELISAに会える日を待っていた。そして何より、この1日を楽しむためにやってきたのだ。続けて“風は何色?”という無垢な問いを投げかける「笑顔のままで」を披露し、ELISAの表現する“LIFE”の意味が深みを増していく。MCでは恒例の「えーりさー!」というELISAコールをはさみつつ、「今夜は絶対忘れられない時間にします!」と意気込みを見せた。

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「Awake」、「笑顔のままで」と来て、底抜けに明るい「TUNE IN PROMISE」や、神秘的な癒しの調べ「Shiny Mist」が続いていく様は、LIFEで言うところの“朝”にあたるのだろう。そして6曲目のTVアニメ『とある科学の超電磁砲』後期EDテーマ「Real force」からは雰囲気が一転し、客席からは赤いペンライトやUOのサイリウムが点灯。火が付いたような盛り上がりを見せる様は、猛暑日だったこの日の“昼”を物語るかのようだ。

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そんなパートを、夏の日の終わりを爽やかに歌う「忘れない記憶は、キミの物語」で締め括ったあとは、バンドメンバーがソウルフルなハード・ロックのInstrumentalを披露。熱い演奏でも客席を湧かせたところに、衣装直しを終えたELISAが再登場。純白のドレスをスタイリッシュに着こなす姿は、まさしく天使と呼ぶべきだろう。

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続くパートはクールな“夜”を表現していた。穏やかにヴェールを揺らしながら歌った「Shout my heart」の最後には鐘が鳴り、そこから間髪入れずに再びTVアニメ『革命機ヴァルヴレイヴ』のEDテーマ「そばにいるよ」を披露。さらに「Story of my love」で星空に思いを馳せたかと思えば、続く「瞬き」では、そんな日々が一瞬のうちに過ぎ去ってしまうことさえも暗示する。こうしてELISAが“LIFE”を色とりどりの歌で表現したところで、さらにライブは佳境に入っていく。

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ここまでのセットリストが、ある“1日”を描いたものであるとすれば、次なるパートはさしずめ“夢の中”だろうか。その開幕を告げたのは「God only knows~集積回路の夢旅人~」。TVアニメ『神のみぞ知るセカイ』第1期OPテーマとしておなじみのこの曲は、全6幕から構成されるオラトリオ。曲調やテンポが目まぐるしく移り変わる楽曲だが、ELISAはまるで水が流れるかのように、ナチュラルに歌いこなしてみせた。自ずと感動と笑みがあふれる客席に向かって「この笑顔に会うために、努力してきてよかったな」と語ったELISA。

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あさのますみ作詞の、自身も大好きだと語る曲「紙飛行機」、TVアニメ『魔法科高校の劣等生』前期EDテーマにして最新シングルの「ミレナリオ」が続き、とうとう楽しい時間が終わろうとしていることを感じさせられる。アルバム表題曲の「LIFE」では、バンドメンバーからも生の喜びを謳歌するようなエモーショナルなソロ演奏が披露され、完璧と言うほかにない構成でライブ本編が終了した。

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アンコールに応えたELISAは、赤色のライブTシャツにショートパンツというキュートなルックで再登場。これまでの雰囲気とは一転してくだけたトークを展開し、バンドメンバーには「私をイメージした音やメロディを鳴らしてください!」という無茶振りもして場内を和ませた。

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そして今年秋に公開予定の劇場アニメ『楽園追放』にシンガーとして参加することが決定したことを告げ、未来の展望を描きつつ、同時に過去に思いを馳せるかのような「HIKARI」「ebullient future」「euphoric field」を披露。最後にみんなでジャンプし、満面の笑みで「ありがとう!」と微笑んだELISA。その光景は彼女の“LIFE”、生命そのものが喜びの声を上げているかのようだった。

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Text by 山中貴幸

ELISA LIVE TOUR 2014 “AS LIFE”
2014.08.03@東京キネマ倶楽部

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