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INTERVIEW

2014.06.24

「ガンダム35周年」を祝うカバー・アルバム『NT GUNDAM COVER』発売記念スペシャル・インタビューその1・玉置成実編!

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6月25日『機動戦士ガンダム』シリーズ作品の楽曲をカバーしたアルバム『NT GUNDAM COVER』を発売する玉置成実。このアルバムは、今年で35周年を迎える『ガンダム』への、彼女からのお祝いでもあるという。『機動戦士ガンダムSEED』の主題歌でデビューし、『ガンダム』とともに歩んできた彼女が、このスペシャルなカバー・アルバムに込めた想いを語ってくれた。

 

――最初に今回『ガンダム』楽曲のカバー・アルバムを作ることになった経緯をお聞かせください。

玉置成実(以下:玉置) まず『ガンダム』35周年の記念作品として、オフィシャルでリリースできるのはとても意味があることだと思いまして。自分自身が『ガンダムSEED』でデビューしたこともあって、お祝いとして全力で作りたいなと。

――『ガンダム』を題材にしたカバー盤ということで、歌やサウンドなど一枚のアルバムとしての方向性はどのように模索されましたか?

玉置 まずは原曲ありきですが、歌に関してはもとをリスペクトしつつも、私なりに崩したりもしようと思いました。楽曲は『SEED』までのシリーズの中から選ばせていただいたんですが、幅広い層に聴いてほしかったので、極力年代が偏らないようにしました。百数十曲の原曲を聴いて、自分が歌っている姿が想像できる曲から、これを歌ったら驚かれるんじゃないかっていう曲も入れつつという感じで。

――曲を決めて、そこからアレンジャーさんを指名されたということですね。今回、岸 利至さんの起用に驚いたのですが、どのような経緯でご一緒することになったんですか?

玉置 以前から音は聴かせていただいていて、この方なら間違いないだろうということで、私のほうからオファーさせていただいたんです。カバーって原曲に忠実にやられる方も多くて、アレンジって賛否両論あると思うんですが、でも誰が聴いてもかっこいいと思える作品にしたくて。

――サウンドに関して事前に岸(利至)さんと打ち合わせをされたとのことですが、このときは玉置さんの方からなにか明確にイメージを伝えたんですか?

玉置 いえ、私が変にイメージを固めるよりも岸さんのオリジナリティを出していただきたかったので、ほとんどお任せ状態です。

――今回は3名のアレンジャーが参加していますが、Tom-H@ckさんとレフティーモンスターさんへのオファーの流れについてもお聞かせください。

玉置 私アニメが大好きなんですけど、Tom-H@ckさんは『僕は友達が少ない』のEDテーマを聴いて「なんじゃこりゃ!」って衝撃を受けたんです。それで岸さんとはまた違うカラーというか、面白いアレンジをしてくださるんじゃないかと思ってお願いしました。レフティーモンスターさんはボーカロイドっていうまた全然違うジャンルで活躍されている方なので、そこでまたひとつ新しい風を送り込んでくれそうだなと。

――では楽曲についてうかがっていきましょう。まず1曲目となる岸さんアレンジの「嵐の中で輝いて」。この曲からは初期の玉置さんのニュアンスが感じられて、“原点回帰”という印象を受けました。

玉置 歌い方や声は曲ごとに変えてるんですが、この曲はまさしく昔の自分というか、『SEED』の頃の声色で歌ったほうが合うんじゃないかと思いまして。選曲の話し合いで自分もスタッフさんも満場一致で、「この曲は玉置が歌ってる姿がイメージできる」っていう意見だったので選ばせていただきました。

――岸さんから上がってきたサウンドに合わせてみて、レコーディングのときはどんな気持ちでしたか?

玉置 もうノリノリでした(笑)。最初に音を聴いたときからテンションが上がって、楽しくなっちゃったままレコーディングしました。アルバムの中でも最初の段階で録ったので、その後への気合いも入りましたね。

――そうやって歌を入れたものがミキシングされて完成品になってみて、ご自身の感想としてはいかがでした?

玉置 ラフからミックス、トラックダウンまでにどんどん変わっていく音を聴くのが楽しくて、珍しく自分の歌を「なんてかっこよくなってるんだ!」って褒めながら今もリピートしてます(笑)。

――ちなみに「嵐の中で輝いて」という楽曲にはどういった印象をお持ちですか?

玉置 米倉千尋さんとイベントで何度かご一緒させていただいて、この曲を歌われているのを聴いていたんですけど、やっぱりみんな知っているというか、いわゆる“王道”の曲だなと感じます。

――岸さんアレンジの曲繋がりということで、次は9曲目の「Dreams」についてお聞きしたいと思います。

玉置 この曲もみんな知ってる“王道”というところで選びました。麻倉あきらさんとも何度かご一緒させていただいて、いつもライブを観ながら口ずさんでいた曲だったので、歌えるのであれば歌いたいなと思っていました。ご本人にカバーの話をしたら「隅々まで聴くわ!」って言われてちょっとドキドキしています(笑)。

――完成した音源を聴かせていただいて、二番以降の展開に驚かされたんですよ。「まさか」の展開の連続じゃないですか。クラブサウンド的なキックロールからギターソロが入るところとか。

玉置 踊れますしノリやすいし、ライブで絶対盛り上がりますよね。。そういう楽曲って大切だと思っていて、早く生で歌いたいです。

――歌いやすさでいうと率直なところはどうでしたか?

玉置 キーを自分に合わせていただいたのでかなり歌いやすかったです。音も自然とリズムに乗れるように作っていただきましたし。難しさで言うと、11曲どれも難しいんですけど、でも「暁の車」がいちばん難しかったです。いまだにそう思います(笑)。

――あの大幅なテンポの変化も含めて。

玉置 もちろん含めて(笑)。大好きなんですけど、やっぱり難しいですよね。それに挑戦する感じで楽しかったですけど。

――「暁の車」は『SEED』の劇中歌ということで、玉置さんはまさしくデビュー当時からの付き合いになりますしね。僕はアレンジを聴いてかなり驚いたんです。静かなところから始まって三番でガツンと来る構成は同じですが、音の内容がガラッと変わっていて「こう来るか!」って感じで。

玉置 めちゃくちゃかっこいいですよね。きっと聴いた人は鳥肌立つだろうなと思います。

――最初にサウンドが上がってきたときに、こう歌おうっていうプランはありましたか?

玉置 一番は声を張らずに、極力マイクに近く、優しくソフトに。ニ番は後半の展開が見えるような、スタートから助走ぐらいの力加減で。それ以降の三サビからはソフトさは捨てて、「ロックを歌おう」って気持ちで歌ったので、自分では1曲の中で全然別の2曲を録ったイメージです。

――三番から本当に急激に加速しますよね。

玉置 ワクワクしますよね。先日の先行試聴会で、ファンの皆さんに初めてこの楽曲を聴いてもらいまして。初披露でドキドキしてたんですが、「暁の車かっこよかったです!」って言っていただいて、うれしかったですね。

――岸さんは『ファーストガンダム』世代ということで、担当曲を決める際に「めぐりあい」を選ぼうか迷われていたそうです。

玉置 「めぐりあい」はすでに多くの方がカバーされていますし、選曲に入れるべきかを話し合ったんです。結局、女性でやってる人って聞いたことないなと思って採用しました。今回の収録曲って、年代ごとに歌詞のメロディーへのはめ方が全然違うじゃないですか。なのにどの曲もメロディーが素晴らしいのがすごいと思います。

――そして3曲目、『0083』のOPテーマ「MEN OF DESTINY」です。原曲ではMIQさんが非常にソウルフルなボーカルをされていますが、歌い方とかは意識されたんですか?

玉置 いやぁもう声が全然違うじゃないですか。私は元々MIQさんのようなハスキーな声に憧れてるんですけど、頑張っても出ないんですよ。だからせめて自分の中の極力太めな声で、このアルバムの中でいちばん太く歌おうって強く考えながらレコーディングしました。

――これはTom-H@ckさんによる編曲でダブっぽいところから始まって、『はがない』的なフックも絡めてちゃんと“らしさ”を出してきましたね。

玉置 この最初の3曲で3人の個性がバラバラに出ているのは、リスナーさんにも面白く聴いてもらえるかなと。

――レフティーモンスターさんがデジタル・メタル的なところを思い切り攻めて、岸さんがダンス・デジタルロック、そしてTom-H@ckさんがサーカス的な展開の繋ぎを見せるという、本当に3曲それぞれの色が出ていますね。そして4曲目の「Z・刻をこえて」。ここでは原曲リスペクト的な部分が見えましたね。

玉置 元々この曲がとても好きだったんです。特に鮎川麻弥さんの声が、聴いててホワッとなるというか、かわいらしいのにセクシーな感じもして大好きで。ライブでやったら、リズムもいつものダンス系とは違った感じが出せるだろうし、そもそも自分の楽曲にあまりないジャンルなのでぜひ歌いたいなと。英語の「Searching~」のところとか極力「ソフトにセクシーに」って自分に言い聞かせながら歌いました。

――サビ前のところがコブシが利いてて、とてもリスペクトを感じました。サビのシンセがたたみ掛けてくる展開もすごくドラマチックだなと。続く『ZZ』の「サイレント・ヴォイス」は速いアレンジですね。

玉置 これはめっちゃ速いですね。こういうメロディー好きなんですよ。この曲も最初の選曲会議で「アレンジが難しいかな……」って悩んでいたんですけど。メロディーがちょっと歌謡曲っぽい雰囲気で、これも自分の曲にはない要素なので挑戦してみたくて。

――そして「ETERNAL WIND~ほほえみは光る風の中~」。森口博子さんの名曲ですね。

玉置 すごく大きなチャレンジなんですけど、森口博子さんの曲は絶対に歌いたくて。原曲を聴き込んで、発声や発音なんかは元のボーカルを意識しました。この頃の森口さんは聴いてる人にスッと入る感じ、ストレートに響くピュアな感じで歌ってらしたので、そこは大切にしたいなと思いまして。

――これも「暁の車」とおなじく、だんだんと音が重なっていくアレンジですが、民族的なドラムが特徴的ですね。壮大に広がる音の中でフラットなボーカルが際立つというか。

玉置 私はいつも情景を想像をしながら歌うんですけど、この曲は広い草原で歌っているイメージでした。

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