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2014.02.23

分島花音が音楽のごちそうでお客さまをおもてなし!「The strange treat! ビタースパイスなエレクトロン」ライブレポート!

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1月18日に開催された分島花音のライブ「The strange treat! ビタースパイスなエレクトロン」。舞台をレストランに見立て、お客様をシェフ(=アーティスト)たちが音楽でおもてなしするというコンセプトライブ。3ヵ月連続で行われてきたこのライブ、ラスト公演は岸田教団&THE明星ロケッツichigoをゲストに迎えて行われた。

今回、フロアは至ってシンプルなつくりで、ステージ上もシンプルにバンド編成。しかし、その出で立ちはやはりコンセプトライブ。まず入場してきたバンドメンバー全員がシェフの衣装で登場すると、彼らが紡ぐインストにのせて、メイド風のウエイトレス姿でギターになぞらえてフライパンを手にした分島が登場。
まずはそのフライパンでクラップを煽り、ライブ名にもそのタイトルを冠した「The strange traet!」からスタート。観客もそれに応え、いきなりの盛り上がりを見せる。分島も1曲目から、彼女ならではのハイトーンボイスでファンを魅了し、「いらっしゃい」のひと言で場を盛り上げる。続く「平凡な僕」では、「ようこそ“The strange treat!”へ」とお客様をお出迎え。ゆったりジャジーな曲にあわせて、伸びやかなボーカルを披露していた。
「さんすくみ」でもクラップでの煽り。「手が下がってるよ?」と間奏で観客を煽るシーンも。表情をコロコロ変えながら、でも一環して楽しそうなその表情は、やはり「ライブを軸にした活動をしたい」という想いの表れなのだろう。

MCで「“The strange treat!”へようこそいらっしゃいました!」と改めて観客をお出迎えし、「音楽でお腹いっぱいになっていただこう」というこのライブのコンセプトも再度説明しつつ、「ナイチンゲール」へ。明るいMCから一転、マイナーなミドル・バラードへ。続く「サクラメイキュウ」ではチェロを手に抱えながら、ダークかつアグレッシブなナンバーを披露。イントロでの演奏にとどまらず、サビでは弾き語りも見せる。2コーラス目サビ明けの間奏でのソロも、また見どころだ。そして妖艶かつダークなナンバー「ザ ドールハウス!」を披露。

ここで、この日ノドのコンディションが万全ではなかった彼女は、突然「一瞬、怪獣を倒してきます」とステージをあとに。舞台上に残され戸惑いを見せるバンドメンバーだったが、順番を入れ替えてバンド曲「ろくでなしのブルース」を披露することに。バンドメンバー全員で持ち回りでボーカルを務めるこの曲、とにかくメンバーのエモーショナルな“叫び”がグッとくる。曲の最後には分島も登場し、冒頭でも手にしていたフライパンを手にはしゃぎ、このハプニングを切り抜けた。
ボーカルは再び分島が取り、ダークでジャジーなナンバー「Beauty & Stupid」へ。そのなかに映えるチェロというのも、レアな音楽体験といえるだろう。そしてまたもクラップ曲「恋愛のスゝメ」で、観客を魅了する。
曲明けのMCでは、改めて先ほどともにハプニングを乗り切ったバンドメンバーを紹介。また、直前に披露した「Beauty & Stupid」は自身が参加した『hide TRIBUTE Ⅵ -Female SPIRITS-』からの曲ということで、その曲を歌うにあたっての緊張などについても触れていた。

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さて、この日の“メインディッシュ=メインイベント”といえば、やはりゲスト。ここで、会場全体で「ichigoさーん!」とゲストを呼びこみ、ichigoが登場。彼女も、自身がイメージされたセクシー気味なウエイトレスの衣装を身にまとっていた。そしていきなり「岸田教団&THE明星ロケッツで女神やってます、ichigoです!」とかましてくれた。ここから、このふたりの噛み合うようで噛み合わないようなトークが展開される。今回はこのシリーズで恒例だった“コース選択”という名の分島からの質問がなく、逆に分島から「質問ある?」と聞かれる展開に。逆に、分島がチェロっぽく持っていたギターの持ち方にichigoが突っ込まなかったりと、独特の空気感が醸成されていた。

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だが、ひとたび曲が始まればムードは一変。岸田教団の楽曲「Colorful」ではパワフルなichigoのボーカルにギターでも参加する分島のコーラスが重なり、まさに至高のひとときを演出。この日だけのスペシャル・コラボレーションで、一気に空気はロック・ライブに。だが曲間では「弾けた?(ichigo)」「わかんない(分島)」とどこか抜けた雰囲気になるという空気感が絶妙で、癖になりそうだった。MCでの話題は、岸田教団&THE明星ロケッツのほかにichigoが参加しているバンド・JUDGEMENTへ。「こっちでは岸田教団とはまた違う、つややかなかっこいい曲をやりたい」と語る。続いての曲はそのJUGDEMENTの楽曲「ジュリエット」へ。ロック・ナンバーと、今度はチェロとのコラボレーション。これを体感できたのも、この日ならではの贅沢といったところだろうか。
MCでは、年始に駅伝を見ていた分島が「ペナントを作りたい」と発言。分島曰く「三角形なところに意味があるんです」とのことで、次のライブではもしかしたら他アーティストの旗とはまた違うペナントを見ることができるかもしれない。
次の曲は分島待望の「11月」。ピアノとチェロの映えるバラード曲で、ichigoのボーカルも押し引きがあり、この楽曲の確かな魅力のひとつとなっていた。このピアノとチェロの映え方は、ichigo自身もうれしいポイントと自画自賛。テンションが上がったのか「最高潮に盛り上がってこのあとやりづらくしてやる(笑)」と謎の宣言も飛び出した。
その宣言通り、会場全体をロックのノリで盛り上げにかかるichigo。このふたりが関わる共通のTVアニメ『ストライク・ザ・ブラッド』から、まずはichigoをメインボーカルに「ストライク・ザ・ブラッド」を披露。ichigoがイントロからフロアを煽り、さらにステージ上を縦横無尽に動きすべての客をノセようとする。そのバックで、チェロとコーラスでこの曲を下支えする分島花音の存在も忘れてはならない。なかでも注目したいのは、やはり間奏のチェロソロにより増した曲の濃厚さ。耳をつんざくような爽快感のあるギターももちろんいいが、チェロの重厚な音色が曲の要所でドスッと効果的な重しとなり、楽曲に新たな色を与えていた。これもこの場に足を運んだ者のみが味わえる、最上級の贅沢なのだろう。

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