社名を『Being』から変更し、新たなステージへと踏み出した『B ZONE』。その『B ZONE』主催の次世代アーティストを中心にしたイベントの第2回目『B All Light -Vol.2-』が7月22日、東京・unravel tokyoで開催された。RAKURA、all at once、宮川愛李といった、人気TVアニメ『名探偵コナン』やシリーズなどの楽曲を手がける3組に加え、Little Glee Monsterを卒業後、ソロで活躍するシンガーの荒井麻珠という注目の若手アーティスト4組が登場。それぞれのステージはもちろんのこと、声出しあり、コラボあり、最後にはプレゼント抽選会ありといったスペシャルな内容を展開。観客との一体感も抜群で、アットホームな空間になった。
トップバッターのRAKURAは、まずは『名探偵コナン ゼロの日常』のオープニングテーマ「Shooting Star」でご挨拶。ソウルフルなボーカルを聴かせて観客を圧倒した。出演者中最年少ということで「素敵な先輩方と一緒のステージに立てて嬉しい」とコメント。まだ今年二十歳になったばかりという初々しさを残しつつ、大人びた表現力も持ち合わせたパワフルな歌声で、クラブチューンの「Night haze」や「また夜になる前に」をノンストップで繰り出す。終盤はティーンならではの気持ちを明るいサウンドで歌った「Unforgiven」などを披露。上はキャップにミニスカート、足下は赤のピンヒールのブーツという甘辛コーデと同様、女の子の中にある、大人の女性の部分とまだ少女の部分の両面で観客を魅了した。
このイベントの見所の一つは出演者によるコラボステージ。RAKURAはall at onceのITSUKIとデュエットで、Alicia Keysの「If I Ain’t Got You」をカバー。2人とも洋楽のR&Bが好きで選曲されたとのこと。アナタさえいてくれれば他にはいらないといった大人のラブソングであることを説明し、まるで恋人のような距離感で向かい合って歌った2人。後のMCでは“付き合ってるんじゃね感”が裏テーマだったことも明かされ、20歳のRAKURAに翻弄される25歳のITSUKIの様子に、客席からは笑い声がこぼれていた。
all at onceは、ITSUKIのトークで会場を盛り上げながらステージを展開。少年のような真っ直ぐさでエモーショナルに歌うNARITO、ファルセットやフェイクを交えながらスキルフルに歌い上げるITSUKI。それぞれの個性もありながら巧みなハーモニーも聴かせ、歌いながら立ち位置を変えたり、ステップや動きを合わせるなどのステージングでも魅せた。まずは『名探偵コナン』エンディングテーマ「プレイメーカー feat.大野雄大(from Da-iCE)」を繰り出し、力強いボーカルとオシャレなビートで、会場には手拍子が広がる。中盤には多幸感溢れるポップナンバー「マカロン」を歌い、肩を組んだり、観客に手を振るなど温かいムード。また、『名探偵コナン』エンディングテーマとして話題を集め、MVの再生回数が300万回を超えたというミディアムバラード「星合」では、真っ直ぐ2人で並んで歌い上げ、会場をしっとりと切ないムードで包み込んだ。
NARITOは宮川愛李とのコラボで、緑黄色社会の「Mela!」をカバー。MCでは、開演前にNARITOのネイルを宮川が塗ってあげたというエピソードも飛び出す。「Mela!」は、明るい2人のキャラクターともマッチした選曲。観客も手を左右に振って一緒に歌って、猛暑を吹き飛ばした。
続いて宮川愛李は、歌は格好良くトークは笑いに全振りというギャップで、観客を魅了した。まずは1stシングル表題曲「Sissy Sky」を繰り出すと、アツく、しかし切なくエモーショナルな歌声に、会場には手拍子が広がった。同曲は『名探偵コナン』エンディングテーマで好評を得た経緯もあって、MCではもしもステージドリンクが毒にすり替えられたらという妄想トークに発展。勝手に犯人にされたDJの迷惑もよそに、宮川は「歓声が聞こえないライブが長く続いたことで忘れていた、ライブをやる喜びやお互いを感じる楽しさを、みんなと共有できていたらうれしい」と、ライブへの思いを語った。この日は他に、ハードなギターが鳴り響くソリッドなナンバー「Reboot」や、スタンドマイクを使って少し気怠く歌った「メランコリック」など。そして最後に『レベル1だけどユニークスキルで最強です』エンディングテーマとして好評の最新曲「タンバリンの鳴る丘」を披露。曲紹介で「最後の“きょきゅ”」と嚙むあたりが実に宮川らしかった。
そんな宮川はもう1曲、荒井麻珠とコラボを披露した。2人は以前に番組で共演した経験はあるものの、一緒に歌うのは初めてとのこと。2人はMy Little Loverの「Hello,Again〜昔からある場所〜」をカバーし、会場を尊くもノスタルジックなムードで包み込んだ。
ラストは荒井麻珠が、繊細で透明感に溢れながら、芯の強さを感じさせるボーカルでイベントを締めくくった。「久しぶりにみんなのお顔が見られてうれしい」と語った彼女は、まずはドラマ『親友は悪女』主題歌「計画的プラトニック」で、会場をガーリーでポップな世界へといざなう。続いて10月4日にリリースする2ndアルバム『縁』のリード曲「永劫回帰」をいち早く披露し、ラップ調の歌い回しが絶妙にリズムと絡み合った、新しい魅力を見せつけた。次の楽曲は、まさに癒しを感じさせるナンバー「Freesia」、そして青春の1ページを切り取ったかのような楽曲「KOE」と続く。最後は「Cheese」で会場のみんなと声を合わせ、チアソングの「ENJOY!」で、タオルを回して会場と一つに。彼女自身もタオルを回しながらジャンプし、「何回聞いても嬉しい!みんなの声!」と、短い時間ながら声出しOKのライブで会場を盛り上げた。
イベントの最後には、出演者全員がお揃いのTシャツを着て登壇。全員のサイン入りTシャツのプレゼント抽選会を行った。「みなさんがとても温かく、みんなの声が聞けて嬉しかった」と荒井。「今日はたくさんの人が来てくれて、なかなかご一緒できない人とコラボさせてもらえて、忘れられない日になりました」と宮川。ラストは全員で、milet,Aimer,幾田りらの「おもかげ」を歌った。ハモったりソロで歌ったり、お互い感じ尊重し合いながら、5人5様の歌声と個性で聴かせた同曲。まるでずっと前からの友達のような仲の良さと息の合い方は、きっとそれぞれが同じ夢や目標を持って頑張っているからだろう。
ちょっとしたフェスのような豪華な内容で、アットホームな温かい雰囲気。出演者も観客も、全員が「楽しかった」と口を揃えたこのイベント。次回は誰と誰がどんなコラボを繰り広げるのか、第3回が楽しみになった。
文:榑林史章
撮影:小境勝巳
■『B All Light Vol.02』 セットリスト
<RAKURA>
M1.Shooting Star
M2.We Fallin’
M3.Night haze
M4.また夜になる前に
M5.Unforiven
M6.Weekend Dance
RAKURA×ITSUKI(all at once)コラボ曲
If I Ain’t Got You / Alicia Keysカバー
<all at once>
M1.プレイメーカー
M2.もういんじゃない
M3.RIVALS
M4.マカロン
M5.星合
M6.The Greatest Day
宮川愛李×NARITO(all at once)コラボ曲
Mela! / 緑黄色社会カバー
<宮川愛李>
M1.Sissy Sky
M2.Reboot
M3.メランコリック
M4.思案ブルー
M5.タンバリンの鳴る丘
宮川愛李×荒井麻珠コラボ曲
Hello,Again / My Little Loverカバー
<荒井麻珠>
M1.計画的プラトニック
M2.永劫回帰
M3.Freesia
M4.KOE
M5.Cheese
M6.ENJOY!
全員歌唱
おもかげ / milet,Aimer,幾田りらカバー
RAKURA 公式サイト
https://rakura-official.com
all at once 公式サイト
https://aao.bzone.co.jp
宮川愛李 公式サイト
https://mykwai.net
荒井麻珠 公式サイト
https://araimaju.com
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