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REPORT

2026.10.09

青い炎のように熱く燃え上がった最高潮の夜!熱狂と歓喜に包まれた青木陽菜ワンマンライブ「Blazing Pit」完全レポート

青い炎のように熱く燃え上がった最高潮の夜!熱狂と歓喜に包まれた青木陽菜ワンマンライブ「Blazing Pit」完全レポート

9月26日、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で開催された青木陽菜のワンマンライブ“青木陽菜 LIVE 2026「Blazing Pit」”は、偉大な先達たちが築いてきた声優アーティスト像をいい意味で拡張し、シーンに新しい風を吹き込んでくれるようなライブだった。彼女が愛するバンドサウンドをベースに置きつつ、そのイメージに終始しない自由で風通しの良い音楽。技量と熱量が高次元で拮抗した抜群の安定感を誇るパフォーマンスと、誰もがカジュアルに楽しめる空間。今夏にMini Album『BLAZE』をリリースし、ソロアーティストとしてものすごい勢いでステップを駆け上がって行く青木陽菜の現在地をレポートする。

TEXT BY 北野 創
PHOTOGRAPHY BY Jun Tsuneda

ロックからポップ、抒情バラードまで変幻自在に歌いこなす!

今年5月から7月にかけて行われた全国ツアー“青木陽菜 LIVE TOUR 2026「衝動ROCK」”以来のワンマンとなったこの日の公演。その間にも音楽フェス“LuckyFes’26”への出演や自身が所属する音楽レーベル・BM-ECHOESの主催イベント“BM-ECHOES FESTIVAL 2026”への出演などがあり、この夏は頻繁にステージに立ってきたわけだが、やはりワンマンとなると観客の熱気もひと味異なる。オールスタンディングとなった会場1階のフロアは立ち見客でぎっしり、2階席も埋まり、会場は開演前からアツアツの状態だ。

そんななか照明が暗転すると、オープニングSEに合わせて青木のライブをサポートするバックバンド・HINAPIYOBANDの面々が登壇。メンバーは、YOUSAY(Gt)、藤本ひかり(Ba)、矢尾拓也(Dr)に加えて、本公演で初参加となった、やまもとゆきこ(Key)の4人。そして主役の青木がステージ中央まで進み出てくると、印象的なギターイントロのフレーズと共にライブの幕を開けたのは『BLAZE』収録の「Ephemeral」。青木が古寺ユズ役で出演するTVアニメ『魔法少女リリカルなのは EXCEEDS Gun Blaze Vengeance』のEDテーマでもある、青い炎のように情熱的なナンバーだ。静かに揺らぐような導入から、サビにかけて激しく燃え上がっていくような展開がエモーショナルで、オーディエンスも「オイ!オイ!」と声を上げて熱狂する。

そこからテンポを一気に上げて「ワールズエンドトリガー」になだれ込み、レーザー演出と共にアクティブに盛り上げると、青木自身もギターを手にして「燃え上がる準備できていますか!Zepp、燃やしていい?」とアッパーなロックチューン「Howling」を投下。ステージにスモークが噴出されるばかりでなく、YOUSAYがステージ上手の台に上がって演奏しているギターをクルッと回転させる軽業を披露するなど、派手なパフォーマンスで会場のボルテージをさらに上昇させていく。“Blazing Pit”という公演名に相応しい熱い3曲での立ち上がりとなった。

ソロでのZeppワンマンは初めてということで「すごい景色だわ」と喜ぶ青木。ライブタイトルの“Blazing Pit”について、“Blazing”はMini Album『BLAZE』とも重なる青く燃える炎、“Pit”はライブハウスに由来して名付けたことを説明すると、「今日はZeppを燃やしにきました」「ひなぴよ自身が青い炎になってみんなを焼いちゃうよ!」と宣言する。そしてここからは、ただ熱いだけではなく、みんなで楽しく盛り上がれるナンバーを続々と披露。まずは『BLAZE』よりネクライトーキーの朝日が楽曲提供した「恥ずかしながら踊らせていただきます」。青木はギターを弾きながら歌っていたため、MVで披露していたダンスは残念ながらお預けとなったが、シンセの音を交えた賑やかなアンサンブルや「せーの」「いえー!」という掛け声が陽気な気分を高めていく。ミラーボールが星屑のような光を投げかけるなか、青木がキラキラに装飾された星形のタンバリンを手にして明るくチアフルな歌声を降り注いだ「メグリメグル」を挿み、「ここからは新曲のお時間です」と告知して完全初披露の新曲「wagamamania」をプレゼントする嬉しいサプライズ。早口のフレーズと畳みかけるような曲展開のため、一度聴いただけでは脳の処理能力が追い付かない程の情報量だが、どこかユーモラスでファニーな雰囲気を纏ったポップチューンで、合い間で見せるキュートな振る舞いを含め、アーティスト・青木陽菜の新機軸を感じさせる濃密な一曲だった。

ここでピアノの切ないフレーズを皮切りにHINAPIYOBANDのインターバル的な演奏が会場の空気感を一新すると、アコースティックギターを手にした青木が歌い始めたのは「最大幸福度」。LONGMANのHIROYA HIRAIや作曲したエモーショナルなロックバラードだ。今ある幸福を最大限に噛み締めるような、ひとつひとつの言葉を大切に紡ぐ歌声、そして本楽曲のMVを想起させるオレンジのライトを用いた照明演出も相まって、観客は心を奪われたように聞き入る。続いてキーボードのやまもとにスポットが当たり優しいタッチで前奏を奏でると青木が作曲した「旅路」へ。導入はピアノのみをバックに優しく歌い上げ、バンドの骨太ながらも情感豊かな演奏が加わってからは一層ドリーミーに。セピア色の世界をゆったりとたゆたうような、心地良い時間が旅路のように過ぎ去っていく。ラスサビの“光の中でわたしはぽつりと 心に耳を澄ませた”というフレーズで一拍置き、そこからバックライトが一気に発光してまばゆい光に包まれながら最後の一節を歌う演出もまた楽曲のドラマ性を高めていた。さらにバンドの抒情的な前奏を経て、いななくギターと共に始まったのは「mirror」。青木自身が作詞・作曲を手掛けた『BLAZE』収録曲だ。どこか青さを纏ったインディーロック感溢れるバンドサウンドと、飾らない言葉で綴られた歌詞と素直な歌声が心を揺らす。“目まぐるしく毎日は巡りゆくけど ゆっくり奏でていこう そのままで”。それは彼女自身が心がけていることであり、みんなに伝えたいことでもあるのだろう。楽曲の世界観やそこに込められたメッセージを丁寧に伝えていく、歌心に満ちた3曲が並ぶブロックとなった。

ここまで、会場を派手に沸かせた3曲としっとり聴かせる3曲、温度差の激しい6曲を立て続けに届けたがゆえか、歌い終えて「温度感どんな感じ?」と観客にお伺いを立てる青木。ステージと客席の距離を感じさせない気さくなMCもまた彼女らしい魅力のひとつだ。また、先ほど披露した新曲「wagamamania」は、かめがいあやことかわむらによる音楽ユニット、ポップしなないでに楽曲提供してもらったことを報告。青木が以前から同ユニットのことを「めっちゃ好き」だったのでお願いしたところ実現したという(ちなみにかめがいは声優としても活動している)。さらに「mirror」はライブ初披露だったこと、後半3曲はこの流れで聴かせたかったこだわりの曲順だったこと。「ピアノあるといい感じだよね」とライブでのアレンジや見せ方の幅が広がったことを嬉しそうに語る。ちなみにキーボードのやまもとはHINAPIYOBAND初となる青木より年下のメンバーで、なおかつ同じ2000年生まれということで「チームミレニアムベイビー」という異名があるらしい。

次ページ:青木陽菜が見せたライブアーティストとしての真価

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