今年はデビュー15周年を記念する“LiSA LiVE is Smile Always~15~”ツアーを、春は日本、6月からはアジア各国、そして9月はヨーロッパ&UKと国内外で精力的に繰り広げ、10月中旬からは全国ホールツアー“LiVE is Smile Always~LACE UP~”がスタート……と、ライブで大忙しのLiSA。そんなアニバーサリーイヤー真っ只中のLiSAから、待望の最新デジタルシングル「ソフィリア」が届いた!スケール感のある心に沁みるこのバラードは、土屋太鳳主演、佐久間大介共演による映画『マッチング TRUE LOVE』の主題歌だ。映画に出演する土屋と佐久間が出演したことでも話題を呼んでいるMVの制作秘話を交えて、「ソフィリア」への想いを語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香
――今年はライブで大忙しのLiSAさんですが、新曲「ソフィリア」は、現在公開中の映画『マッチング TRUE LOVE』の主題歌。LiSAさんというとアニメ作品の楽曲のイメージが強いですけど、実写作品の主題歌も多いんですよね。「愛錠」や「HADASHi NO STEP」はドラマ主題歌でしたし、「BEAUTIFUL WORLD」や「サプライズ」「Another Great Day!!」は映画の主題歌でしたし。
LiSA リスアニ!さんで取材してもらうのに、アニメじゃなくてごめんなさい!(笑)。でもそうなんです、意外とたくさん歌わせていただいていて、ありがたいですね。
――そして今回の映画『マッチング TRUE LOVE』は、デスゲームで生き残りを賭ける超刺激的ラブサバイバル・スリラー。これまで携わった実写作品は心温まるお話が多かったイメージがあるんですけど、今回はかなり雰囲気が違いますね。
LiSA そう、実写で血が出るタイプは初めてです(笑)。この映画は2年ほど前に公開された映画『マッチング』の続編で。前作はマッチングアプリで出会ったカップルが連続殺人事件に巻き込まれていったんですけど、今回は、南の島での恋愛リアリティショーのようなマッチングツアーを舞台に、突然、その参加者たちがデスゲームに巻き込まれていくんです。前作は、主人公の唯島輪花(土屋太鳳)と永山吐夢(佐久間大介)の関係値が描かれていたんですが、今回は、犯人は誰だ?というサスペンスの中で、嘘と真実が入り乱れる。恋愛要素も、すごく複雑に交差しているんですよ。なので私も「ソフィリア」を作るにあたっては、前作『マッチング』はもちろん、『マッチング TRUE LOVE』制作途中の映像もいただいて、じっくり拝見しながら「真実の愛とは何か?」という、男女の恋愛だけじゃない“愛”を紐解きながら曲を作っていきました。
――ちなみに、LiSAさんが最も共感できた『マッチング TRUE LOVE』の見どころは?
LiSA スリラーだったりサスペンスだったりラブだったり、めちゃめちゃ見どころがたくさんある映画なんですけど、私は“サバイバルスリラー”の“サバイバル”の部分ですね!なんといってもアクションシーン。(土屋)太鳳さんも佐久間(大介)さんもアクションの素晴らしい俳優さんですし、映像も迫力がすごくあるので、そこもオススメです!
――そんな作品のために書き下ろされた「ソフィリア」ですが、タイトルがまず造語なんですね。
LiSA はい。ギリシャ語を参考にしました。「ソ」が“あなた”、「フィリア」が“愛着”を意味する言葉だったりするんです。それを「あなたを愛する」という意味で使うとしたら、本来は「フィリア・ソ」という文章になるらしいんですけど、タイトルはやっぱり名詞にしたかったので、順番を替えて「ソフィリア」という言葉を考えました。その時に私に中に思い浮かんだのが、「タラソフォビア」って言葉だったんです。“海洋恐怖症”っていう意味なんですけど、「フォビア」が恐怖症なら「フィリア」は “愛着のようなもの”。この曲の「ソフィリア」は、「あなたへの愛着症」みたいな意味ですね。
――どこから「タラソフォビア」=海洋恐怖症が浮かんできたんでしょう。
LiSA この映画で真実の愛について考えたと言いましたけど……真実の愛って、周りがどうとかじゃなくて、自分の心の中にあるものだと思うんですね。例えば、愛する人とどんな関係性だとか、どんな肩書きがあるとか、そういうのを全部取っ払った心の奥底にあるもの。その奥底が、私にとっては肉体のずっと奥にある……海の底、深海のような気がしたんです。深海って、重力や海水の流れさえ感じないような、何も気にしなくていい静かな場所というイメージがあって。そこに自分が信じたいもの、「真実の愛」があると思ったんです。そこから、深海=海洋恐怖症っていう言葉があるなと思い浮かびました。
――なるほど!ツアータイトルやアルバムタイトルでも思いますが、LiSAさんの発想力、いつも個性的で面白いです。
LiSA なんか、色々考えてたらそこに行き着いたんです(笑)。「ソフィリア」は歌詞を田中秀典さんと一緒に書かせてもらったんですけど、私1人で考えて辿り着いたわけじゃなくて。LiSAが感じる「真実の愛」とはどういうものなのか?というのを伝えて、“真実の愛論争”を田中秀典さんと2人でしながら、感覚を擦り合わせていった。「ソフィリア」という楽曲で自分たちが伝えたいこと、「こんな曲になるといいよね」というゴールを立てて、作り上げていきました。
――田中さんと歌詞を共作するのは「悪女のオキテ」以来になりますが、今回、田中さんにお願いしようと思ったのは?
LiSA 実写映画の主題歌だから、私の個人的な想いから深堀りしていくよりも、もっと色んな人が食べやすく、響きやすい言葉や表現で曲を包んだほうがいいなって思ったんですね。だったら、私の伝えたいことを翻訳してくれるプロの作詞家さんがいい。田中さんなりの器を作ったうえで、私の伝えたいことをそこに込めてくれるほうがいいなと思って、相談させてもらいました。「悪女のオキテ」の時もそうだったんですよ。あの曲は、多分、私一人で歌詞を書いてたら、ただずっと文句ばっかり言って終わっちゃったと思う(笑)。それをちゃんと作品として成り立たせてくれたのが、田中さんなんです。なので今回も、安心してお任せしました。
――そういう意味での共作だったんですね。作曲はher0ismさんとRyutoさんの共作ですが、曲調はとてもシンプルなバラードになりましたね。
LiSA はい。元々内田英治監督が、バラードをイメージされているということだったので。そういう楽曲をお願いしました。
――LiSAさんも、この映画にはバラードが相応しかったと。
LiSA そうですね。それこそ田中さんと2人で『マッチング TRUE LOVE』を観た時に……これはぜひ、前作も観て知っていただきたいんですけど、輪花と吐夢の2人の関係が『マッチング』で描かれているんですね。2人の間には複雑な事情があってからの『マッチング TRUE LOVE』なので、輪花の吐夢に対する気持ちに、すごく母性のような感情、愛情を私は感じたんです。そういう輪花の強さとか、優しさとか、母性みたいなものを表現するには、やっぱりバラードが相応しいし、歌詞でも私が感じた輪花の想いを伝えられたらいいなって思ったんです。輪花のスピンオフを作るような気持ちでした。
――とても幻想的な表現も曲には出てきますが、映画を観ることでより理解できるという。
LiSA そうだったらいいな。私、この映画を観て、誰も悪くないんだと思ったんですね。不運があって、関係がいびつになってしまっただけで、それは人格のせいじゃない。「ソフィリア」はそれを許してあげる歌。撫でてあげて、涙を拭って、不幸は決してあなたのせいじゃないよと、愛で抱きしめてあげられる曲にしたかったです。
――出羽良彰さんが手掛けられたアレンジも、この曲の魅力を際立たせていますよね。
LiSA そう思います。もう、イントロで「勝った!」と思いました(笑)。柔らかくて優しいエレピの音が。私が表現したかった深い海の中のイメージを出羽さんにもお伝えしたし、出羽さんも映画を観て、理解してくださったうえで、物語と一緒に楽曲を届けてくれました。もう私、イントロを聴くだけで涙出ちゃいます。
――出羽さんは、ストリングスアレンジにも定評のある方ですが。
LiSA そうなんですよ。ストリングスとバンドが途中から入ってくる辺りが、すごくいいんですよね。あとね、2番の終わりの“寝息の隙間で祈ってるの”のあとの間奏!きれいなストリングスが続いて、海の中を感じさせる効果音みたいなサウンドが入ってくる、あそこ、めっちゃいいですよね。私、ディズニーソングもすごく好きだから、『リトル・マーメイド』とか『アナと雪の女王』みたいな世界にも繋がる感覚がしました。
――美しいメロディとバンドサウンドとストリングスが、絶妙に融合してますよね。
LiSA そう!私、出羽さんと初めてご一緒した曲が「ブラックボックス」だったんですけど、「ブラックボックス」のアレンジも大好きなんですよね。
――ライブで早く聴きたいですね。
LiSA 私も楽しみですね。「ソフィリア」はバラードですけど、キーが高いところが、ちょっと苦労しそうかな(笑)。
――特に印象深いフレーズはどこですか?
LiSA 私、2番のBメロが好きです。
――“誰もがみんなワレモノなの”から始まる。
LiSA そう。“たとえどんな優しく磨かれた心も 小さな嘘を塗り重ねながら形を保ってる”ですね。この映画に登場する人物、全員がそうなんですけど、幸せに生きてきた人も、そうじゃない人も、大小はあるけど、それぞれの痛みや傷や外的なものによって、そこで生きていくために形を作っていく。映画の中でも“嘘”か“真実”かが問われますけど、それも、みんながなんとかして形を保つためのものなんだなって思うんです。
――みんな弱いから、必死で色んなものを守り続けている。それは、LiSAさんの今までの楽曲の中でも歌われてきた光景ですよね。「ソフィリア」は『マッチング TRUE LOVE』にとても寄り添っていますけど、LiSAナンバーとしても、とても響く楽曲になったと思います。
LiSA ありがとうございます。映画を離れて聴いた時にも、色々な愛について感じていただける曲になっていたら嬉しいですね。
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