REPORT
2026.09.10
アロマキャンドルをキャンドルウォーマーにセットして、次に披露する楽曲の世界観を高めると、最新EP収録のしっとりとしたバラード「Heart Note」へ。アップライトベースやピアノが織り成すロマンチックなサウンドに乗せて、雨宮はソファに腰掛けたまましっとりとした歌声を会場いっぱいに広げていく。“ベルガモットのパフューム 香っては”といったフレーズが会場の雰囲気とリンクして、うっとりするようなひと時が作り上げられた。そして彼女が初めて自ら作詞・作曲した楽曲「火花」。荒幡のピアノのみをバックにした繊細にしてしとやかな立ち上がりから、バンドが加わってジャジーに色づいていく展開と、気だるい微熱と情念が糸を引くような歌唱表現は絶品の一言。終盤での情熱的なフェイクとガットギターがぶつかり合う哀愁のスパークに、会場にいる誰もが酔いしれていた。
その歌謡的な世界観から一転、最新EPから届けられた新曲「白線」の都会的で洗練されたグルーヴが景色を塗り替える。バンドの張り詰めた演奏に背を押されるように、時に憂いを纏って、時に焦燥感に追われるように歌を紡いでいく雨宮。各楽曲ごと、それぞれのフレーズごとに様々な声音やニュアンスを使い分けて表現する彼女は、やはり役者であり、だからこそシンガーとしても超一級の才覚をもっていることが改めて実感できる。白線のように走るライトや逆光を含め、本楽曲ならではの演出が光る場面だった。
「ヤバいね、楽しい!」と素直な感想を漏らした雨宮は、ここからロックな“青宮曲”を畳みかけていく。まずはオリエンタルなミディアムバラード「フリイジア」(TVアニメ『天官賜福』EDテーマ)を、なんとアニソンロックアレンジでお届け。原曲の壮大なスケール感はそのままに、テンポアップしてパワフルかつ昂揚感たっぷりに生まれ変わった“青いフリイジア”が咲き乱れる。雨宮もマイクスタンドに身を預けるようにして力強く歌い上げ、客席は青いペンライトを振りながら「オイ!オイ!」と盛り上がる。既存曲においてもライブならではの新たな可能性を追求する、挑戦の精神に満ちた1曲となっていた。
そこから間髪入れず「永遠のAria」(TVアニメ『七つの大罪 憤怒の審判』第2クールオープニングテーマ)に繋げ、誇り高き女神のような神々しさと共に真っ直ぐな歌声を届けると、続くMCパートでは、いつもとは違うアプローチでの「火花」や「フリイジア」を届けられたことに対する興奮が収まらないのか「音楽楽しい!」と笑顔いっぱいに語り始める雨宮。彼女のファンであればご存知だと思うが、青き民に向けて語る時の彼女は本当に無邪気で心から楽しそうな表情になる。それは10年以上を共に歩んできた信頼関係の証でもある。
雨宮が「社会科見学コーナー」と呼ぶ、バンドメンバーへの質問コーナーでは、ギターの宮永に彼女が気になっていたことを質問。足元のエフェクターボードでどんなふうにギターの音色を変えているのか、1つ1つ説明を受けながら1つ1つ感心する。特にワウペダルには興味津々で「踏んじゃダメですか?」とお願いして、自らペダルを踏んでギターの音が変わっていく様子を楽しんでいた。
その後、ライブグッズの紹介や自身がブランドディレクターを務めるアクセサリーブランド「genuine blue」の第2弾アイテム発売決定の告知などを行い、自分でデザインしていることをデザイン画を見せながらアピールすると、ライブは遂にラストスパートへ。「みんなのご機嫌なサウンド聴かせてくれー!」と呼びかけて煽ると、自ら作詞・作曲したワイルドなロックナンバー「BLUE BLUES」を投下。常よりもはすっぱな歌い口で“ハートエンジン”を吹かして最高の時間を駆け抜けていく。雨宮の「じろっちー!」との声に宮永が前方に進み出てギターソロを披露するなど、もはやロックンロールレビューといった趣きのステージングだ。
そして最後は、最新EPよりラグタイム風の軽快なナンバー「マイブランケット」を歌唱。この楽曲は雨宮が親友のこと思って書いたとEPのリリースインタビュー時に語っていたが、“きみがいるから 世界はもっと膨らむ”という歌詞はライブで聴くと、彼女と青き民との関係性とも重ねることができる。雨宮はステージ上を隈なく練り歩きながら客席に向けて大きく手を振り、親愛なる青き民に素直なメッセージを届けていく。ラストは“ずっと一緒だよ ずっと大好きさ”とにこやかに歌い、みんなでジャンプしてライブを締め括った。
“部屋”をイメージしたステージ作りと演出、ライブとトークを交えた構成など、始まりから終わりまでステージと客席の距離を感じさせない親密な空間が作り上げられていた今回の“Room Theory”。きっとこんな時間がいつまでも続くであろうことを感じずにはいられない、ブランケットのように温かなライブイベントだった。
LAWSON presents 雨宮天 Live Event 2026 -Room Theory-
2026.8.1@Shibuya LOVEZ
〈セットリスト〉
M01. ノンシナリオ・エチュード
M02. PARADOX
M03. irodori
M04. Catharsis
M05. TOXIC♡
M06. Heart Note
M07. 火花
M08. 白線
M09. フリイジア
M10. 永遠のAria
M11. BLUE BLUES
M12. マイブランケット
雨宮天 オフィシャルサイト
https://www.amamiyasora.jp/
雨宮天 オフィシャルX
https://x.com/Amamiyastaff
雨宮天 オフィシャルYouTubeチャネル
https://www.youtube.com/@Sora-Amamiya
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