DayRe:の2年目の活動を追いかけながら彼女たちの魅力を伝えていく特集の4回目は、橘 美來のソロインタビューをお届け。5人揃ってのインタビューではなかなか掘り下げることがなかったオーディション当時のエピソードから現在の心境まで、1人ずつじっくり話を聞いていきます。
INTERVIEW BY 逆井マリ
TEXT BY 編集部
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――2017年に開催された「第3回ミュージックレイン スーパー声優オーディション」に合格して声優としての活動を始められたわけですが、応募に至る流れはどういったものだったんですか?
橘 美來 幼少期から何か表現する人になりたいとずっと思っていて、最初に好きになったのはモーニング娘。さんで、「モーニング娘。さんみたいなアイドルになりたい」と思っていました。そこから成長するにつれてアニメが好きになって、声優という存在を意識するようになって、声優さんも、私が好きなアイドルと同じように歌ったり踊ったりしていることをスフィアさんで知りました。『夏色キセキ』というアニメで4人が主演で、オープニングもエンディングもスフィアさんが歌っていたのが印象的で、「声優さんってすごいな」って思って、そこからお芝居にも興味が湧いて、いつしか歌って踊れる声優になりたいと思うようになりました。
それを両親に打ち明けたのは中学3年生の時で、声優のことを学べる学校に行きたいと相談しました。でも、高校は普通科に行ってほしいと親から説得されて、高校は普通の学校に行ったんですが、高校3年生の時にもう一度進路を考えたとき、やっぱり声優を諦められなかったんです。3年間、演劇同好会でお芝居をして、お芝居って楽しいなと思っていたし、何か表現する人になりたいという気持ちはずっと持っていたので、声優の専門学校に行くことに決めました。試験も無事終わって、入学の手続きをしていたとき、スフィアさんが所属しているミュージックレインのオーディションがあることを知って。声優に憧れた最初のきっかけでもあり、一番憧れているスフィアさんがいる事務所ですし、受けてみたい気持ちもありつつ、ファンとしてスフィアさんのイベントに通っていた私なんかは場違いなのかな?とか、自分なんかが応募していいのかな……と思ったりして、躊躇していました。そうしたら、私がスフィアさんを好きで、声優になりたいと思っていることを知っている友人が「受けないの?」と背中を押してくれて、オーディションの締め切りの日に、エントリーシートを送ることができました。オーディションのページはずっと見ており、必要なものは頭に入っていたので、写真は母にお願いして、一気に音声データも録音して「行けっ!!!」って送信したのを覚えています。
――そこから2次審査、3次審査と進んでいくわけですが、そこでの心境はいかがでしたか?
橘 書類審査が通るとも思っていなかったんですが、どこか期待している自分もいて、通過の通知は郵便で届くので、「入ってるかな?」って郵便受けをチェックする毎日でした。
――最終審査は合宿タイプのオーディションでした。
橘 最後は「とにかく楽しむぞ!」と思っていました。皆さんに“楽しい”を届ける仕事なので、まずは自分が楽しむところから始めようかなって。もちろんそこまでの準備はしっかりして、当日はとにかく楽しむことを目標にしました。4日間だったと思うんですが、みんなから刺激をもらいながら過ごしました。今はいい思い出なんですけど、当時はもうとにかく必死で。1日の終わりに、今日あったことや感じたことを提出するシートを渡されるんですが、とにかく思ったことをびっしり全部書いて、全然寝れなくて(笑)。
――以前、終わったらそれぞれ別れてしまうかもしれないから、オーディション期間中は他のメンバーに深入りしないようにしていたと話されていましたよね。
橘 全員が受かるわけではないよと言われていたので、同世代の女の子だし仲良くしたいけど、別れる時に寂しくなっちゃうからという気持ちはありました。でも、4日間で短いけど、今までこんなにギュッと何かに取り組んだことはなかったので、レッスンやレコーディングとか、共に戦った感覚ですごく愛着が生まれて、別れたくないなって最終日に思ったことは今でも覚えています。
――合格したとき、背中を押してくれたお友達はどういう反応をしてくれました?
橘 「おめでとう」って言ってくれて、今でも応援してくれています。
――親御さんもすごく喜んだじゃないですか?
橘 そうですね。でも、いざ契約となると、私は未成年なので親のサインも必要だったので、(親が)契約書を読んで「ちゃんとした事務所なのか」「この文言はどういうことなのか」みたいなことをすごく詳しく事務所に確認するので、私は「これからお世話になるんだから、そんなにつつかないでよ」って思ったりしたんですけど、応援しているからこそ心配だっただろうし、ありがたいなと思います。
――そこからコロナ禍も経て、DayRe:に至るまで色々な表現者としての活動を続けていくわけですが、その期間を振り返ってみるといかがですか?
橘 本当に思い上がりなんですけど、最初は何でもできると思い込んでいました(苦笑)。お芝居も歌もダンスも何でもできるって思っていたんですけど、やっぱり現実はそうではなくて。週に何度かレッスンをさせていただくなかで、「辞めようかな」「向いていないのかもしれない」って思うことが何度もありました。でも、やっぱり憧れは捨てられなくて、今もですけど、必死にしがみついて。
――アイドルや、表現者への憧れは今も変わらず?
橘 そうですね。アイドルさんがパフォーマンスする動画を観る時、昔のようにただ憧れとか楽しいだけでは観れなくなっていて、「こういう表現の仕方があるんだ」って、表現者の視点で見るようにはなっているんですけど、やっぱりステージで輝いている姿を見ると元気がもらえるし、私も頑張ろうっていう気持ちになります。形は少し違うかもしれないけど、私も同じように会いに来てくださるファンの方に元気になってもらえたり、頑張ろうって思えるきっかけになれていたらいいなと思います。
――2025年5月5日のDayRe:お披露目に至るまで、橘さんを支えたのは、表現の楽しさと、アイドルや先輩声優への憧れとそこから得られる元気だったんですね。DayRe:のデビューが決まった時はどんな心境でしたか?
橘 グループ活動はしないよと言われていたので、ソロとして音楽活動できるのかなと思いながら頑張っていたんですけど、スフィアさんがいて、TrySailさんがいて、その下で同期とグループ活動することに憧れはあったので、素直に嬉しかったです。レッスンで一緒になったり、作品で共演もする同期ですし、それぞれの魅力を間近で感じていたので、この子たちとグループ活動できることが嬉しかったし、頑張りたいなと思いました。

LAWSON presents ミュージックレイン3期生 ユニット名&デビュー曲お披露目会
2025年5月5日@ヒューリックホール東京
――DayRe:という名前は宮沢小春さんの案でしたが、聞いた時いかがでしたか?
橘 それまでも、3期生として活動するなかで、彼女から出てくる言葉はすごく考え込まれていたり、ワクワクする言葉が多かったんです。DayRe:という名前は、最初に文字だけを見たときは、これが自分たちの名前になる実感はあまりなかったんですけど、「日々に寄り添う」というテーマや、返信の意味の「Re:」が入っていると聞いて素敵だなと思いました。やっぱり彼女の言葉は今もすごく惹かれているし、いいなって思います。
――そしてデビューからの約1年はあっという間だったのではないかと思いますが、これまでの色々な活動を振り返っていかがですか?
橘 ありがたいことに、新しいことをさせていただくことも多くて、目の前のことを自分の中に落とし込むことに必死でした。詰めが甘い部分もあったなと振り返って思うことも多いです。私は音で解釈を進めてしまうことが多くて、それも大事だとは思うんですが、1st EP(『ReFraction』)で5曲レコーディングしたときのことを振り返ると、歌詞も大切に解釈を進めてレコーディングに臨めていればと思ったりもします。
――橘さんはラップやセリフを担当している印象もあるんですが、いかがですか?
橘 ラップはリズムを取るのが難しくて、克服したい課題です。
――自信があるものだと何になりますか?
橘 自信があるもの……何だろう……ロングトーンの声の伸びは褒めていただけることが多いので、息が続かなかったりするところは改善したいとは思っているんですが、そこは強みなのかなと思います。あと、2nd EP(『刹那的ロマンティック』)を経て、ただ張るだけじゃなく歌えるようになったり、少し表現の幅は出てきたかなと思っています。お芝居の部分でも考えていることなのですが、もっともっと幅を広げていきたいです。1つ覚えると、それをブームみたいに繰り返し使ってしまったりして、一辺倒に聞こえることもあるので、DayRe:のメンバーの歌声にもそれぞれ個性があるので、盗めるところは盗んで、表現の引き出しを増やしたいです。ダンスは「すごくいいかも」っていう時期と「あれ、ダメかも……」っていう時期が波のように来るタイプなんですが、今はどちらかというとできてない時期で、声を大にしては言えないです。でも、手足は長いほうなので、そこは武器かもしれないと思っています。線が細いのもあって、少しぶれるだけでなよっとした印象になってしまうんですが、デビュー当時に比べると、パッと伸び切りたい時に伸び切れるようになったりとか、少し成長できているかもしれないです。少しの意識で変わることなので、これからもそこは大切にしていきたいですし、ちょっとネガティブな部分というか、自分ができてないなって気づけることも楽しんで、自分をどんどんアップデートしていけたらいいなって思います。
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