リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2026.08.06

またいつか会えると信じて……“イロドリミドリ FINAL LIVE 最終話 ~Get Our MIRAI!!!!!!!!!!!!!!~”10年の活動を経てファイナルを迎える本公演をレポート

またいつか会えると信じて……“イロドリミドリ FINAL LIVE 最終話 ~Get Our MIRAI!!!!!!!!!!!!!!~”10年の活動を経てファイナルを迎える本公演をレポート

アーケード音楽ゲーム「CHUNITHM(チュウニズム)」から生まれたメディアミックスコンテンツのイロドリミドリが“イロドリミドリ FINAL LIVE 最終話 ~Get Our MIRAI!!!!!!!!!!!!!!~”を開催。公式サイトのマンガ動画などで音楽に熱い情熱を抱く「舞ヶ原音楽大学附属舞ヶ原高等学校」の女子高生たちが紡ぐストーリーを展開し、オリジナル楽曲をリリースしてきた。2017年からはライブイベントも開催。毎回イロドリミドリならではのライブで観客を魅了している。

10年の活動で生み出し、6月6日の戸田文化会館にて「FINAL」の名を冠したライブで我々の魂に刻みつけたものとは?

PHOTOGRAPHY BY  たくあん(明井 巧)、石丸大貴
TEXT BY 清水耕司

ファイナルにふさわしいメドレーの連発

開演前、記念すべきファイナルライブの影アナウンスを担当したのはHaNaMiNaの小野美苗(CV:伊藤美来)……が飼っている柴犬のポチ。諸注意に続き、無線制御型オリジナルペンライトのテストを行い、「小野ポチでした、ワン!」と締める。イロドリミドリ楽曲がBGMとして流れ、集ったファンたちは開演を待つ。そして訪れる暗転、始まるボイスドラマ。ステージバックにはスクリーンがあり、イロドリミドリメンバーの発言に合わせてキャラクターカラーのオレンジ、青、紫、黄、ピンク、緑が揺らぐ。これまでのライブではアルバムタイトルや開催地を「ゲットしたい!」をテーマに掲げてきたが、この日は月鈴白奈(CV:高野麻里佳)の「初心忘れるべからず!」という提案からバンド「イロドリミドリ」の結成のきっかけであり、1stアルバムタイトルと同じ「単位」がテーマに決まると、待ちに待ったファイナルライブに突入する。

まずはスクリーンに全キャラクターの紹介ムービーが。担当声優名と共にキャラクターが映し出されていく。明坂芹菜(CV:新田 恵海)、御形アリシアナ(CV:福原綾香)、天王洲なずな(CV:山本彩乃)、小仏 凪(CV:佐倉 薫)、箱部なる(CV:M・A・O)、月鈴白奈(CV:高野麻里佳)、月鈴那知、五十嵐撫子(CV:花井美春)、萩原七々瀬(CV:東城日沙子)、小野美苗(CV:伊藤美来)、葛城華(CV:丸岡和佳奈)、芒崎奏(CV:立花理香)、藤堂陽南袴(CV:八島さらら)、桔梗小夜曲(CV:原田彩楓)、そして「10、9、8、7、6……」とカウントダウンが始まり、イロドリミドリのメンバーが登場するのがシルエットでわかる。ライトが照らされ、ステージ上でポージングする6人が目に映る。これまでのライブで着用していた制服衣装ではなく、ライブのキービジュアルイラストでのキャラクターの装いがモチーフの新衣装で登場。イロドリミドリのメンバーは、各キャラクターカラーの格子模様をあしらったスカートに胸元のコサージュが印象的な姿。6人は円陣から「イ・ロ・ド・リ・ミ・ド・リ!単位を~ゲットー!!!!!!!」と元気良く手を掲げると一列に。1曲目は「Change Our MIRAI!」。バックスクリーンにMVも流れていくが、ワンコーラス歌いきると「Change Our MIRAI! (Our 7 Lights)」へ急速展開。6人が立ち位置を入れ代わりながら次々とボーカルをパスしていき、サビでは客席から大きく「オイ!オイ!」の声で後押し。熱気に包まれたロケットスタートが決まった。

 

最初のMCで新田が挨拶と自己紹介を進めるが、会場のそこかしこから鳴き声が聞こえ、山本も「ペンペンの声が!」と反応する。これは「CHUNITHM」のキャラクター「チュウニペンギン」が鳴らす音で、コロナ禍での声出し禁止のなかで握って鳴らすライブグッズとして発売されたもの。思わずステージの上下が共に過去を思い出す瞬間となった後、改めて新田、福原、山本、M・A・O、佐倉と自己紹介が進んでいく。高野は挨拶の際に赤く塗られた爪を客席に向け、「ネイルはお姉ちゃん色」と見せてくれた。赤は、白奈の姉である(月鈴)那知のキャラクターカラー。演じていた今村(彩夏)は声優引退に伴ってプロジェクトを離れたが、一緒にファイナルのステージに立つ想いの現れだった。その高野が、次から始まるソロコーナーのトップバッター。新田からの「最初は……白奈ちゃん!」と指名を受け、「はーい!」と高野は元気に返事。ステージを去るメンバーから「がんばってねー!」の声援を受けると「それでは盛り上がっていきましょう、聴いてください……My Dearest Song」の途端に歓声が。ストリングスの効いたロックは会場を盛り上げ、高野も間奏で掛け声をリード、客席を引っ張っていった。

歌い終えた高野が去ると代わって現れたのは佐倉。聴こえてきた“Sha la la la, Sha la la la,”の歌声。「私の中の幻想的世界観及びその顕現を想起させたある現実での出来事に関する一考察」というタイトルとの絶妙なマッチ感も心をくすぐる、お洒落でキュートなピアノポップスを経た次は琴のイントロ、そして“ニャーーーッ!!!”の声。「猫祭り」の登場に一気に会場は興奮のるつぼと化す。“ニャンニャンニャニャン”を連呼するサビは素早い転調を見せ、狂喜が生み出す合いの手と混じり合う。M・A・Oが両手で頭の上に猫耳を作る振付も興奮を加速させる。最後もかわいくポーズを決めたM・A・Oが上手へ消えると暗いなかで山本が登場し、「ポルカドット」を披露した。「私の中の幻想的世界観及びその顕現を想起させたある現実での出来事に関する一考察」、「猫祭り」、「ポルカドット」の流れで互いの魅力を増幅させる構成だ。上手を向き、下手を向き、スカートをつまみながら山本が華麗に歌いきると、暗転してから「The Greatest Night」に突入。一転してロックの空気感をまとった楽曲では福原が“Oh Oh, Ooh Oh…”の声を会場と合わせながら駆け抜けた。最後のソロは「Rhythmic Ride」“いつだって High Tension”の歌始まりから新田が芹菜をステージに降臨させていた。

イロドリミドリのステージが終わると、ボイスドラマが始まった。「久しぶりの先輩とのライブに緊張する」という撫子の声にHaNaMiNaのターンとわかる会場。ドラマの舞台はライブハウスが想定されており、会場の雰囲気も変わっていく。ライブ前の緊張を吹き飛ばすように撫子は「よーっし!久しぶりの4人のステージ、しまって行くッスよー!」と声を挙げた。ステージ上にはHaNaMiNaの4人が登場しており、制服ベースの衣装から打って変わり、エナメルや網タイツなどのロックスタイルへと一新している。そして最新曲「カモンゴー!」からスタート。コロナ禍の影響で活動が制限されてしまったHaNaMiNaのライブに対する渇望と喜びを爆発させる。続くMCでは伊藤が「みんな、久しぶりに楽器を持ってそれぞれ練習して集まりましたね」とファイナルライブにいつも以上の気合いが入っていたことを教えてくれ、花井も「曲数がたっぷり、練習の成果を見せつけてやりたいなと思います」と期待値を上げる。そして、続くソロ曲メドレーはその言葉にたがわないものだった。「単位がない!」では花井が、観客の「オイ!オイ!」を浴びながらギターソロパフォーマンスを楽しむと、東城は「Future Refrain」で七々瀬らしく雰囲気のあるロックで会場を落ち着かせる。丸岡は勝気な気持ちそのままに「ソウルのピース」をかき鳴らした。ここまでのソロ曲すべてに新たにバンドアレンジがなされており、メドレーが続いていく。
「当たり前田の小野美苗」で伊藤はボーカルを取りながらもドラムからDJブースに移動、更には“当たり前 当たり前”と歌いながらステージ中央に。メンバー3人も楽器を置いて手を振り上げるシーンもあった。

メドレーを終えると伊藤が「皆さんと楽しめる時間というのは当たり前じゃないですから!当たり前、当たり前と言ってましたけども」とMCでも会場の心を掴んだ後、花井から「HaNaMiNaのロックを、想いを、言葉に乗せていくっすよ!」と宣言が飛び出し、メンバーと観客全員が「アイジャストロック」で“Woh oh oh…”と気持ちを合わせる。続く「コトバウタ」は歌唱後に手を振って去りゆく姿まで観客を楽しませた。

次に登場するのは S.S.L. -舞ヶ原シンセ研究会- (以下、シンセ研)。「今日はなんだか気合いがみなぎりますねえ……」という小夜らしからぬ言葉から始まったボイスドラマを経て、原田がDJブースに立つと会場内にサイレンが響き、電子の海をたゆたうような効果音が流れ、フロアはクラブシーンへと一変する。スクリーンには「S.S.L.」の文字が。立花は登場時にステージ中央でフロアへ投げキッスしてから鍵盤の位置に進み、最後に登場した八島はクラップでフロアを煽った。3分近くの間、このライブのために新たに再構成されたイントロの中で、メンバーそれぞれが存在感を見せた後、3人は各ポジションからスクリーンに向け腕を伸ばして「We don’t need tears!」がスタート。立花のボーカルで口火を切り、原田がループするBメロを担うと、サビは3人で溶け合ったボーカルを聴かせる。ラップをかます八島の後ろでDJの原田が支えるコーラスはいつでもシンセ研の大きな魅力の1つ。その余韻が残るなか、八島が「ハーハッハッハッハ!」と高らかな笑い声を重ねて、ソロ曲「Burn!!!」を繰り出していく。「イロドリミドリ」のなかで技量と情熱を積み重ねてきたラップはグルーヴと圧力で聴く者を圧倒し、会場を湧かせる。歌い終えても途切れることなくメロディは続き、「Hardsync」へとシフト。キュートなメロディにノイジーなサウンドが中毒性を生む楽曲は会場を飛び交うレーザーの海をかき分けていた。メドレーの最後を締めるのは「ソレイユ」。立花は歌始まりからリフレインを響かせ、ステージ中央ではダンスソロも披露。フロアを魅了して視線を独占した。

また、シンセ研もこの夜に合わせて新衣装。各メンバーが持ち場を離れてステージ中央に集合して、新衣装を観客の目に焼き付けた。八島はトレードマークのツインテールは忘れず、だがキャップを被り、エナメルな衣装でクールを演出するイノベーション。原田はフードにネコ耳がついたパーカーという安心の愛らしさ。そして八島が「気になっているところがありまして」と言及したのが立花のレザーパンツ。太ももにあるジッパーを八島の願いで立花が下ろすも……布地が現れて地肌は見えない仕様。メンバーも観客も手玉に取った立花は思わず「たーのしーいー♪」という言葉を残した。シンセ研のラストソングは「戸田の幼稚園児たちー、まだまだいけるでしょうね」という八島の煽りから原田が楽曲をスタート、立花が「ここまでのアクトはシンセ研、最後まで頼むぞおまえらー!」という檄を飛ばして、佐高陵平が作詞、作曲、編曲を手掛け、IOSYS TRAXにより更に凶悪にリミックスされた「We Are Us(IOSYS TRAX Remix) 」へ。ロングバージョンリミックスの中、ボイスドラマで奏が言い放った「遠慮なく残してやろう、私たちの爪痕ってやつをね!」の言葉通り、シンセ研の魅力を思う存分見せつけた。

熱せられたフロアに続いて流れ出したのは芹菜のモノローグ。「楽しいことがある前の晩はワクワクして、それが終わると少し寂しいような気にはなるけど、あれをこうすればもっと楽しくなるかも?って思いついたりして」そんな自省から最後は決意表明のように「楽しいこと、みんなでずーっと追いかけるんだ!それがきっと私たち、イロドリミドリ!」と声を挙げた芹菜。続けて、卒業後の彼女たちを捉えた24話(最終話)が上映された。ライブ後にYouTube公式チャンネルでも公開された動画では「在学生のモチベ向上を促す」ために藤堂生徒会長がOB諸氏の協力を得て、「舞ヶ原同窓生ステージ」を開催するというもの。2人構成のシンセ研、イロドリミドリから箱部なるがサポートに入ったHaNaMiNaなど、舞ヶ原の未来に想いを馳せられるものだった。ただ、鑑賞する会場が動揺、そして大きな歓声を上げたのは、イロドリミドリのステージに間に合わせようと誰かが車で学校に乗り付けるシーン。結果的には、上映後のステージへ現れたメンバーは6人であり、那知の登場を予想してどよめいた会場の興奮は収束した。だがライブ冒頭に高野も言及したように、那知の存在はイロドリミドリと共にあり、そのことはファイナルライブのラストまで変わらない。

24話の上映から流れ込んだライブパートではイロドリミドリのメンバーが2人ずつ背中合わせで立って「Here the our MIRAI!」をスタート。前回のライブではかなわなかった6人そろったパフォーマンスで、ステージ上を舞踏会のように、立ち位置を入れ替わるフォーメーションを見せながら1曲を歌い上げると、新田が「また会いましょうー、バイバーイ!」と会場に声をかけ、6人はステージを離れた。会場からは「ありがとう」の声が飛ぶなか、スクリーンにはエンドロールが流れ、新曲の「Re:Still」がかかる。イロドリミドリが7人体制となった際に作られた「Still」をリアレンジしたインストゥルメンタル曲で、白奈と那知をフィーチャリングする箇所もあり、ファイナルライブというふさわしい場で、ただしファイナルを感じさせないアグレッシブな楽曲での再生となった。エンドロールにはDiscographyとしてイロドリミドリ全楽曲名と制作者のテロップが次々と共に流れていくのを眺め、観客たちの脳裏には10年というひと時代で築かれた想い出が多数蘇る。エンドロールの最後に「10年間、ありがとう」の文字も現れ、本編ライブは終了を迎えた。

次ページ:アンコールを含めた構成と演出はイロドリミドリならでは

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP