REPORT
2026.07.10
ヒット曲満載、大興奮のセットリストと最高のパフォーマンス! 初のベストアルバム『i BEST -Singles Collection-』と最新シングル「君のせいで愛してる」を引っ提げた、CHiCO with HoneyWorks夏の全国ツアー“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks i BEST tour 2026 -STAY WITH YOU-”がスタートした。1曲1曲に大歓声が響いた熱量たっぷりのツアー初日、2026年7月3日、東京・EX THEATER ROPPONGI公演の模様をレポート!
※本記事はセットリストのネタバレがございます
PHOTOGRAPHY BY 江藤はんな(SHERPA+)
TEXT BY 阿部美香
今年3月、ベストアルバム『i BEST -Singles Collection-』のリリースを記念し、リスアニ!で行ったCHiCO×チコハニバンド座談会で、CHiCOはライブにおける今年のCHiCO with HoneyWorks(以下、チコハニ)を、「“再始動後のチコハニは、もっと強くなる、強くなれるぞ!”と思いました」と語っていた。そして6月の「君のせいで愛してる」リリースインタビューでは、“去年、チコハニが再始動してから、バンドメンバーとしっかりセットリストを組むようになった”と言い、多数のフェス出演によって「“チコハニのこの楽曲なら、新しいアレンジも挑戦できそう”みたいな新しい発見もある」、それを夏のツアーに活かしたいと、意気込みを語っていた。
再始動を経てますますバンドとの結束が強くなり、ライブへの情熱が上昇したという言葉のとおり、7月3日の“LAWSON presents CHiCO with HoneyWorks i BEST tour 2026 -STAY WITH YOU-”の東京公演は、過去最高ともいえる、ツアー初日とは思えない完成度の高さと熱量の高さで、オープニングからアンコールまでファンの心をがっしりと掴んで離さなかった。
パンパンに膨らんだフロアを前に、ステージには赤い緞帳が降ろされている。開演時間の19時過ぎ、緞帳が開く。ステージ一面を覆い尽くす紗幕に、デビューからのチコハニのヒストリーが写真とムービーで綴られていく。まだ幼い顔をしたCHiCOの初レコーディングの風景、2016年の渋谷WWWでの初ワンマンライブライブ、ライブハウスツアー、ホールツアー、日比谷野外音楽堂、初の日本武道館、初のアリーナライブ、コロナ禍に無観客で行われた日本武道館、活動休止を宣言したZeppツアー、そして再始動した“『HELLO!!』ツアー”まで、ステージ裏のスナップなどレアなショットを交ぜながら、歴史をなぞる映像が次々移り変わるたびに歓声が湧き上がり、懐かしさだけでは収まらない熱い思いがこみ上げてくる。
映像の最後はライブ前に声を上げて気合いを入れるメンバーたちの姿と“-STAY WITH YOU-ツアー”のロゴ。次の瞬間、紗幕に後ろからライトに照らされたCHiCOのシルエットが映り、アカペラで歌い出したのは「ヒカリ証明論」だ! Oji(g)、中西(g)、Hiroki169(b)、AtsuyuK!(ds)、宇都圭輝(key)、そして舞台上手袖でPCを操るあすきー(mani)、お馴染みのチコハニバンドの演奏が合流すると同時に紗幕が落ち、鮮やかな光を浴びたCHiCOが「さぁ、お前ら!初日東京、ぶっ飛ばして行くぞ!」と声を出す。リズムにのって赤いペンライトを振るオーディエンス。大きな声で「Hi!Hi!」の掛け声が飛ぶ。飛び交うレーザー、躍動するCHiCOとバンド。幕開けから派手に“ぶっ飛ばして”いくステージは、続くCHiCOのロングトーンから始まる「戦場の華」でさらに加速し、Hiroki169が「かかってこい!」と叫んだ「プライド革命」で、最大熱量を放射する。それぞれの曲のイントロが聴こえるたびに「オオーッ!!」という雄叫びが起こった“チコハニROCK”の3連発! 客席と大声で掛け合い、CHiCOとバンドがステージを駆け回り、ここでもうライブが終わってしまうんじゃないか?と思うほどのクライマックス感が押し寄せる。
満足そうに客席を見て「元気してますか?」と挨拶して、ツアータイトルをコール。ツアー初日を迎えられたことを喜び、パンパンの客席に向かって「最後までライブをみんなと一緒に走りきりたい」から、体調に気をつけて「一緒に助け合っていきましょう!」と呼びかける。わちゃわちゃと会話を弾ませながら、メンバー1人ずつの自己紹介タイムを挟んで次のゾーンへ。
曲名を告げて始まったのは、MVと共に届けた最新シングル「君のせいで愛してる」。軽やかなサウンドにのせたファルセット混じりの柔らかなボーカル。“ねぇねぇ「愛してる」って 君を見て言って困らせていい?”と歌いながら、CHiCOが客席を指さす。優しい時間を過ごした後、CHiCOが「次は一緒に、踊って、飛び跳ねて楽しんでいきましょう!」と告げた曲は「ラブホイッスル」。宇都圭輝がショルダーキーボードを抱えてステージ前に降り、Ojiが首から下げたホイッスルを吹き鳴らすと、オーディエンスも力強い笛の音で応える。バンドが演奏しながらぴょんぴょんと跳ね、CHiCOもくるくるとターン。楽しいチコハニ流のお祭り騒ぎは、まだ終わらない。「もっと飛ばしていきましょう!名前だけでも……覚えってってくださーい!」とCHiCOが叫ぶと、次の曲を察した客席から喜びの声が挙がる。スタートしたのはアップビートな「私、アイドル宣言」。フリをつけながらキュートに歌うCHiCOに、大きな“You’re my angel !”の声が飛ぶ。バンドの後ろに設けられたLEDビジョンには紙吹雪が舞い、賑やかなステージが繰り広げられた。
そんな華やかな余韻の中で、宇都がゆっくりとピアノを弾き始め、景色を変える。スポットを浴びて静かなストリングスとコーラスが重なるイントロが示した曲は、島唄風の節回しも魅力の「鬼ノ森」だ。ゆったりと深みのあるメロディを憂いを帯びて歌い上げるCHiCO。舞台上手と下手から吹き出したスモークが床を覆い隠し、真っ赤なライティングと共に幻想的な風景を作り上げた。静寂の中で拍手が巻き起こり、今度は薄い青に染まるステージ。CHiCOが優しく続けたのは、初期の切ないバラードナンバー「Love Letter」。泣き出しそうな、語りかけるような歌声が、EX THEATER ROPPONGIに染み渡る。
華やかなポップナンバーからバラードへとシームレスに繋がる構成は、これまでのチコハニライブではあまりなかった展開。それゆえより強い印象を残し、インタビューでも語っていた、セットリストをメンバー全員で練り上げたというCHiCOの言葉が、思い出される。そして『i BEST -Singles Collection-』でも思った、チコハニナンバーが紡ぐ音楽の幅の広さとチコハニのライブバンドとしての成長を、このブロックが改めて感じさせてくれた。
バラードの余韻が残る静かな声で「次の楽曲は、スペシャルバージョンでお届けします」と告げ、CHiCOがアコースティックギターを弾き始めた中西と向き合い、歌い始めた曲はチコハニの出発点「世界は恋に落ちている」。アコースティックバージョンでの「セカコイ」を聴く機会はあったが、このスペシャルバージョンは途中からバンドが合流し、原曲とはまったく違う新しいアレンジに。ボーカルも演奏も大人っぽい雰囲気が漂う、とても新鮮なひとときを届けてくれた。そしてCHiCOがお茶目な表情で「次はタオル曲、準備してきました」とタオルを持ち、「満開の桜を咲かせましょう!」と言って「今日もサクラ舞う暁に」へ。待ってましたとばかりにタオルを回し、大声でコールし合うオーディエンス。元気いっぱいに、お互いにちょっかいを出し合いながら演奏するバンド。笑顔で跳ね回って歌うCHiCO。LEDビジョンいっぱいに舞った桜の花びらが、眩しいほどに輝いた。
「ノンストップでお届けしてますが、大丈夫?」と、あまりの盛り上がりにギュウギュウ詰めになったフロアを一度落ち着かせ、愉快にトークを繰り広げるCHiCOとメンバーたち。改めて、「1月に活動再開のライブをしてあっという間に半年。こうしてベストアルバムを引っ提げて、みんなとまた夏のツアーができるのは、来てくれたファンの皆さん、CDを買ってくれたり、応援してくれる皆さんのおかげです」と、CHiCOが深くお辞儀する。しかし、チコハニが10年以上の活動を続ける中でも、ファンやスタッフとお別れをしなくてはならないタイミングはやっぱりあった。でもそんなみんなが、その時々でチコハニの隣を歩いて背中を押してくれたから今がある、とCHiCOは語る。
「次の楽曲は、そんな“仲間たち”に恥じない、色んな仲間の思いを背負って全力でみんなにぶつけていきます。覚悟はいい?」。そう言ってスタートしたのは、最新のチコハニロック「背負う者」。みんなの思いを“背負う者”としてのチコハニの覚悟と、何かに夢中になる人にエールを贈るこの曲。「歌え!」と煽るCHiCOに届く“Say wow wow”のシンガロングが、どこまでも力強く響いた。さらに続くロックナンバーは「我武者羅」!レーザーが飛び交うなかで、CHiCOがもっと食らいついてこい!という顔で煽り、「もっともっと声出してください、いけるよな?」と言って客席の声と掛け合い、パワフルな歌声でオーディエンスを導いていく。ロックナンバーをただ激しく演奏し、歌うのではなく、緩急のある展開でドラマチックに聴かせられているのも、ライブ巧者となったチコハニの成長の証だ。
そして続く「BGM」。「背負う者」でアーティストとしての覚悟を知らしめ、その道をこれからも「我武者羅」に突き進むんだ!と宣言したチコハニは、彼らの音楽がファンにとっての人生の「BGM」になれたらいいと願い歌う。『i BEST -Singles Collection-』がチコハニの歴史をなぞっていたように、「BGM」が紡ぐのはデビューしてからのCHiCOのヒストリーと、だからこそ今伝えたい感謝の思いだ。軽やかに優しさを込めたCHiCOの歌声が、胸に迫った。
そんなストーリーを込めたセットリスト。今日演奏した「世界は恋に落ちている」とデビュー当時を振り返りながら、CHiCOは言葉を添える。デビュー当時、歌がうたえるだけで良かったと思っていた彼女が、ファンからパワーをもらい、もっと自分の声を誰かに届けたいと思うようになったこと。みんなのおかげで、少しずつ自分の歌声やパフォーマンスに自信を持てるようになったこと。そして「みんなのおかげで今の私がいます、ありがとう」と頭を下げる。「みんなが背中を押してくれたぶん、私もみんなの背中を押していきたい、支えていきたいって、心から思えるようになりました。そんな日々頑張っているみんなへの応援歌をお届けします」と言って「行くぞ!」と次に届けたのは「決戦スピリット」。激しくアクションしながら、気合いの乗ったプレイをぶつけるチコハニバント。「歌え!」「もっと!」とオーディエンスを鼓舞し、バンドメンバーと楽しそうに遊びながら、歌声を突き刺すCHiCO。会場を揺らすような大きなシンガロング。曲が終わった瞬間、客席のあちこちから「最高―!」の声が飛ぶ。
そして再び、CHiCOが話し出す。「今回のツアータイトルは、ベストアルバムにGomさんが書いてくれた曲『STAY WITH YOU』と同じです。あなたと共に。私がデビューしてこれまで、今も含めてみんながCHiCO with HoneyWorksが側にいてくれて良かったって言ってくれるように、私もずっとみんなが側にいてくれて、良かったって思ってます」。客席のファンの泣き顔を見てCHiCOも少し涙ぐみながら、活動休止中に考えていたことを振り返り、「これからももっともっと活動を続けて、(チコハニ)懐かしいね!っていう人たちにもまた会いに行きたい。そういう思いを込めて、“STAY WITH YOU”というツアータイトルにしました。これからも、付いてきてくれると嬉しいです」と笑顔になる。そして「また会えますように。これからもよろしくね!」と言葉を添えて届けた曲は、もちろん「STAY WITH YOU」!会場の全員が、これからもチコハニと共に!の思いを込めて大合唱。その声と湧き上がるクラップをCHiCOはしっかりと受け止め、“あなたにまたここで会えますように”とオーディエンスに手を伸ばす。みんなのシンガロングが気持ちを1つにし、軽やかなジャンプで本編を締め括った。
SHARE