声優アーティストユニット・DIALOGUE+のニューシングル「夏に重ねて」が、7月8日にリリース。表題曲はTVアニメ『転校先の清楚可憐な美少女が、昔男子と思って一緒に遊んだ幼馴染だった件』のOPテーマに起用されており、青春感と、これから迎える夏の景色にぴったりな爽やかさを併せ持ったナンバーに仕上がっている。本稿ではそのリリースを前に、メンバーより内山悠里菜と緒方佑奈へのインタビューを敢行。本作収録曲の制作にまつわるエピソードに加え、8月2日に開催を控えるワンマンライブ“DIALOGUE LIVE 2026「Dear our Summer」”への想いなどの話題も含め、たっぷり語ってもらった。
INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次
――先日開催された“DIALOGUE+Festa!!”も、すさまじい盛り上がりのライブになりましたね。
内山悠里菜 とにかく楽しかったですし、「音楽には色んな形があるんだな」と感じられた1日にもなりました。ご一緒した方々には、ステージパフォーマンスのすごさを感じさせてくださった方もいれば、私たちとは違ったポップさを持たれていた方もいて……私たちは2公演とも皆さんの後の出番だったんですけど、もう会場が温まりすぎていて(笑)。おかげですごくやりやすかったですし、お客さんも楽しんでくれていることが伝わってきて、楽しんでライブができました。
――主催対バンでそんな空気のなかステージに向かえることに、嬉しさと安心感の両方があった。
内山 はい。それに、出演してくださった方々に対して「絶対に盛り上げてくださる」という信頼みたいなものもあったので、「私たちも最初からギアを上げていかないと、波に乗れなくなるな」という気持ちもありまして。“主催”でもあったからこそ、「皆さんが作ってくださったこの波に、最後まで乗るぞ!」みたいな変なプレッシャーみたいなものもあった気がしています。
緒方佑奈 ただ、その点で言うと私は、今回「自分、強くなったな」と思ったんですよ。昔の私だったら、それこそそういう波を前にした時に「ちゃんとイベントを締め括れるよう、コケないようにしなきゃ!」という不安のようなものを感じていた気がするんです。でも今回は、ちょっと違っていまして。
――どんな心情だったんですか?
緒方 袖で皆さんの音楽を観ながら、会場の空気がアーティストさんごとにどんどん変化していくさまを純粋に楽しく感じられたんです。だからポジティブに「私たちはこの波にどうやって乗ろう?」みたいな気持ちになれて、前向きな気持ちで自分たちの出番について組み立てることができました。でも本当に、「あれって1日の出来事ですか!?」と思っちゃうくらい濃厚な日でしたね。まるで映画を5本くらい観たような感覚というか……。
内山 あははは(笑)。わかる!
緒方 例えばパスピエさんが「誰かじゃないから」をカバーしてくださいましたけど、その1曲だけをとってみても「この曲って、こんな見せ方もあったんだ!」と衝撃を受けたり……曲ごとの見せ方も含めて、音楽の幅の広さを肌で感じられた、すごく勉強にもなったし楽しかった1日でした。
内山 勉強になったという意味だと、「私たちは私たちで、いつもやっているこの感じがもう“形”になっているのかも?」とわかった……というのもありました。私、色々な方々が集まるところでDIALOGUE+としてパフォーマンスをする時、自分たちの強みみたいなものがいまいちわからなかった時期が長かったんですね。でも“Festa!!”のステージで観られたものって、本当に各々の音楽だったじゃないですか?それを体感したことで、そう思えたんです。
緒方 私も本当に、そのとおりだと思います。「他者を知るから自分を知れる」と言いますか、こうやって色んなアーティストさんの音楽を知ることによって私たちの形を再認識できたんですね。なので前よりもそこに自信を持って、「これはDIALOGUE+が一番強いよね」と臨めるところもあったりするので……そういうところに、“Festa!!”の経験が生きているような気がします。
――さて、ここからはニューシングルについてお聞きしていきます。まずは表題曲となる「夏に重ねて」です。
内山 最初にタイトルから、夏の景色が浮かびました。青空を連想したといいますか……まさにアニメのティザービジュアル第1弾のような光景が思い浮かんだんですよ。
緒方 私もそうで、びっくりしました!私、最初に「晴れ渡る夏の空に大きな入道雲がもくもくしていて、地面には一面のひまわり」みたいなイメージが浮かんだんですね。そうしたら、アニメのティザービジュアル第1弾がそのとおりすぎて!もちろん歌詞の中にキーワードとなる言葉が含まれていたというのもあってのことかもしれませんが、それにしても「ここまで想像していた画が、ぴったりハマることってあるんだ!」と鳥肌が立ったのを覚えています。
内山 ただ、単に「元気!」という感じでもなく、「元気なんだけれど、内に秘めた何かがあるのかも?」みたいなという印象もありまして。それは恋心なのかなんなのか……でも色的には「黄色っぽいな」というイメージもすごく浮かびました。
――そうやってレコーディングに向けてイメージを膨らませていくなかで、歌う前から特にお気に入りだった部分はありましたか?
内山 私は、Bメロからサビにかけての部分の流れがすごく好きです。Bメロ最後の“祈りに代えてひまわりが咲く”でちょっと落とした後の“そうだよ!”から、なんだか背中を押すような感覚をすごく感じて、メンバーと歌うのがすごく楽しみにもなりました。というのも、私は最近レコーディングでは最初に先に録ったメンバーの歌を聴いたりして、たまに耳中にメンバーの声を返しながら歌ったりもするので、「ライブで歌った時、絶対に自分の中でこの曲の大切さがさらに変わるだろうな」という予感も感じたんです。
――逆にレコーディング段階から、ライブに近い状態で歌っていたというか。
内山 はい。私は「みんなと歌いたいから歌っている」という気持ちもあるので、ライブだとメンバーの声が返っていないと「歌いたくない!」みたいになっちゃうんです。だからみんなの声を聴いていないとすごく寂しくなっちゃって……(笑)。
緒方 えー!?愛だ!私は好きというより「解釈一致!」となった部分についてなのですが……最近、私は歌詞をいただいた時に「ここはこのメンバーが歌ったらハマりそうだな」みたいに、勝手に脳内で再生できるんです。例えばこの曲なら、私とゆりにゃ(内山)が担当しているサビ裏の“ねえ教えてsky blue”とうっすら流れているパートは、「こういう“空”みたいなその場の風景を描くのに、この2人の声ってぴったりじゃない?」と私は勝手に思っていて。
内山 あははは(笑)。
緒方 実際、最初からそこが私の担当になっていたので「そうだよね!」となりましたし……そういうイメージが実際の歌割り表にハマった時には、「よし、この方向のイメージでいこう!」みたいな気持ちでレコーディングに向かうんです。
――歌詞割りを想像することが、レコーディングの準備にそのまま繋がっているわけですね。
緒方 はい。それに、最近はオーディションも全員ではなくて「ここはこの3人で」みたいなことが増えたので、「この3人ということは、こういうふうに歌ってほしいっていうことかな?」みたいな解釈もできるんです。それも同じように、準備に役立てています。
――そんなオーディション部分のうち、お二人は今回どんな部分を取られたんですか?
緒方 私が担当している歌い出しの“夕立のあとの”のソロは、確かオーディションで……でもここは、さっきしたお話とは逆に、びっくりしたところでした。
――確かに。以前『DIALOGUE+2』リリース時には田淵さんが「場面が変わる時の歌の文字の表現が非常に上手なので、よく2-Aメロ担当になる」とおっしゃってもいましたからね。
緒方 そうなんです(笑)。でも、まゆ(飯塚麻結)からは「いや、あなたになると思ってたよ」みたいなことを言われて。その時「私、もうちょっと自信持っても良かったのかも」と思いましたし、他のメンバーがそう感じてくれていたと後から知って、なんだか嬉しいような恥ずかしいような気持ちになりました(笑)。
――緒方さんは、そこにはどういう要素が大事だと思って歌われたんでしょう?
緒方 歌始まりの曲なので、「1音目からちゃんと風景が見えるようにしたいな」と思っていました。なので私自身も、空をわーって見ている姿を想像しながら歌いまして。唐突ではなく、レンズが絞られて焦点が合うような光景を表現したかったんです。そうしたらMVの最初も、急にひゅーんって私たちにフォーカスが当たるようになっていて。「一緒かも!」と思えたのも嬉しかったですね。
内山 私はオーディション箇所だと……1番も2番もAメロの2行目でソロを担当しているんですが、そこはすごく歌いたかったところなんです。なので、どちらも私の担当になったと聞いた時すごく嬉しかったんです!
――歌う時にはどんなことを意識されたんですか?
内山 私、田淵さんに「内山の歌声にある幸せ成分はめちゃめちゃ強みだから」とよく言われているので、それを少し意識しながら歌ったんです。そしたら今回はその両方を担当することになったので、「この感じが合っていたんだ……!」みたいな答え合わせにもなりました。ただ、どちらも似たメロディなので、「ライブの時には何か変化をつけたほうがいいのかな?」と今から思ったりもしています。きっとその時の気持ちによって歌い方も変わると思うので、「どうやってこの曲をもっと自分に浸透させよう?」みたいなことも考えています。
――ライブといえば、この曲のダンスがどのようなものになっているのかも気になるところです。
内山 振り入れは最近したばかりですが、今回もすごいです!陣形もかなり動くものなので、きれいに揃っていないと絶対にバラバラに見えそうなところも多くて。それもあって、なんだか私たちのパワーソングみたいなものになる気がしているんです。それに、いざ披露となったらどういう解釈がされてどんな演出になるのかも楽しみですし、セットリストの中のどんなところに持っていかれるのかも今から気になっています。
緒方 曲の置きどころによっては、泣いちゃいそうな曲でもあるもんね。でもそのフォーメーションを含め、どんどん絵が変わっていくさまは観ていて絶対に楽しいと思います!……って胸を張って言えるくらいの動きもたくさんあるんですよ。
――例えば、どんなものが?
緒方 きっちりフリを固めるというよりも「気持ちを込めて、ある程度自由に踊る」というニュアンスを大事にした振付ですね。最近では「奇跡は起きない」もそうで、こういったものが増えてきまして。それは昔の私たちにはできなかったことで、振付師の沢口かなみ先生も「まだ早いかな」と封印していたみたいなんです。でもそれが最近、徐々にですけど解禁されてきているのを感じて……それも嬉しいよね。
内山 うん。嬉しい。
緒方 もちろん、気持ちが乗っていないと急に迫力なく見えてしまうような難しいものではあるんですけど、そういう振付も任せていただけるようになったことは嬉しいですし、それをしっかり表現したいと思っています。
内山 だから、がむしゃらだけだと通じなくなってきている感覚もありますね。「ここはパキッとしてほしいけど、この後すぐゆっくりして……」みたいに緩急が大事な部分も、かなり増えた気がしています。
――そして、こちらも先ほど少し話題に出たMVですが、今回はどういったものに?
緒方 今回は学校みたいなところで撮影しまして。そのうちダンスシーンを撮った場所が水を抜いたプールのド真ん中だったのもあって、まさに“夏”なMVになっています。
内山 しかも今回は、初めてドローンも使われているんだよね。
緒方 そう。すごく上空から私たちのダンスを撮影したり、表情を抜いたりしてくれて、これまでになかったような画で曲の疾走感や爽やかさをカメラワークからも表現してくれているんです。
内山 あと、暗闇で撮ったシーンもあったり……。
緒方 そうなんです。撮影は朝から夜までやったんですが……夜の学校って、ちょっと怖いじゃないですか?でも私が怖がっているのに、ゆりにゃが怖いところに連れて行くんですよ!(笑)。
内山 「ほらゆーな(緒方)、真っ暗だよぉ?」とか言ってね(笑)。それで、ゆーなのソロを教室の中で撮る時には「そこにいてよ!」って言われたのにみんなで「ばいばーい」って……。
緒方 本当にいなくなったんです!(笑)。でもそういう裏側も含めて“青春の1ページ”みたいな楽しさがあって……そんな雰囲気もきっと映像に乗っていると思います。それこそみんなで円になって歌うカットもあったりと、すごく青春を感じました。
内山 うん。……あれね、ちょっと恥ずかしかった。
緒方 えー!そうなの!?
内山 ライブだとあんなに円になって見合いながら、本気で「熱量を込めて歌いましょう」みたいなことってあんまりないでしょ?だから、なんだかちょっと恥ずかしかったよ。私は(笑)。
緒方 本当?私、気持ち良すぎて動きすぎちゃったくらいだったんだけど。
内山 あははは!(笑)。
SHARE