「今日のセットリストを完璧に予想できた人はいないはず」と、KEIGOとKOHSHIは超満員のフロアに向けて不敵な笑みで告げた。2026年は26(フロウ=FLOW)の年。100年に1度のFLOWイヤーを記念したツアー「FLOW 26TH ANNIVERSARY TOUR 2026 “ALL TIME 26” 26曲ライブ」が開催。12枚のオリジナルアルバムに1枚のカップリング集という計13枚のアルバムから2曲ずつを選曲した“ALL TIME 26”として予測不能のセットリスト全 26曲を轟かせ、FLOWは“歴史”という熱を全国ツアーで刻み付けた。今回は、初日となった4月10日東京・恵比寿LIQUIDROOMでの熱狂の一夜をレポートする。
PHOTOGRAPHY BY “SUGI” Yuya Sugiura
TEXT BY えびさわなち
フロアの照明が消えて開演を前に歓声が起きるなか、これまで発売されたアルバムのタイトルがアナウンスされていくと、ステージに現れたのはそれぞれに拡声器を手にしたFLOWの5人。ダイナミックなヒップホップビートのパーティチューン「Fun Time Delivery 2009」からライブはスタート。IWASAKIをセンターに、久々復帰のGOT’Sも体を揺らしてラップを響かせれば、オーディエンスも彼らと共に「ヘイホー!ヘイヘイホー!」と声をあげ、右へ左へと手を揺らして楽しむ。そんな1曲に続いた「Fiesta」の跳ねるビートで会場を揺らすFLOW。2009年リリースの『カップリングコレクション』から立て続けに聴かせて26年変わらない彼らの“ライブの日々”を感じさせた。2003年リリースの『SPLASH!!!~遥かなる自主制作BEST~』の収録曲「プラネットウォーク」が鳴り出す。観客は高く腕を上げてジャンプして轟く音に応え、会場はヒートアップ。更に伸びやかな歌声を放つ「SUNSHINE 60」では、大きな歌声がフロアから沸き上がる。FLOWにとって初期衝動を刻んだ1stアルバムに収録されたミクスチャーロックの勢いにオーディエンスからは歓喜の声が。息をつく隙も与えないライブ序盤。2016年発売の『#10』収録の「Steppin’ out」では足を上げながらギターを弾くTAKEに煽られるように、更にテンションを加速させたファンが「オイ!オイ!」という歓声と共にタオルを回し、会場を揺らした。
病気療養をしていたGOT’Sも含め、5人が揃ったFLOW。その様に拍手が起きる。「改めまして。僕らがFLOWです!」とKEIGO。2000年に結成して、活動を続けてきたことが2026年へと繋がり、記念すべき年を迎えたことを高らかに告げ、観客と共に「2026年はFLOWの年!」と声をあげると「今日は26曲やります!」と宣言し、ライブは2019年発表の『TRIBALYTHM』収録の「Smells Like 40 Spirit」へ。ヘビーに轟くベースラインに軽快なギターのカッティング、ソウルを感じさせる歌声を聴かせ、続いたのは「PULSE」。2009年の始まりを飾った5thアルバム『#5』収録のナンバーだ。疾走するギターに伸びやかなボーカルが乗り、ドラムのビートと共に押し寄せるとオーディエンスも歌声を重ねていく。赤い照明に染められたステージに同アルバム収録の「赤いサイレン」が轟く。時を経ても色褪せない音楽への衝動を会場に叩きつけると、続けて鳴り響いたのは「Red Hot Riot」。2013年リリースの『FLOW THE MAX!!!』収録のメロディックロックがフロアを席捲すると、ファンのチャントの声もクラップのビートも大きくなっていく。そのグルーヴで一体となったフロアに畳みかけるように放たれたのはエモーショナルな「ATMOSPHERE」だ。2010年リリースの『MICROCOSM』に収録されたFLOWの“反戦の歌”。言葉の1つ1つを差し出すように歌い上げるKEIGOとKOHSHIのボーカルが会場に広がっていくのを感じた。フロアに上がる無数の腕は、その熱を受け取るようにまっすぐにステージへと向けられ、情感たっぷりに掻き鳴らされた音からガラリと空気を変えた重低音。アルバム『#10』から「JOY TO THE WORLD」がラウドに幕を開けると、妖しく光を放つ面姿のキバオブアキバ(KEIGO)のデスボイスが、ライブの勢いを加速させていった。
10ヵ月ぶりのワンマンライブ出演となったGOT’Sが「もう元気」と笑顔で報告すると、大きな拍手が沸いた会場。そしてライブは中盤に突入。「やっちゃおうぜ!」のKEIGOの掛け声と同時に2008年リリースの『アイル』収録の「Answer」へ。オーディエンスと溶け合うように躍動するGOT’SのベースとIWASAKIのビートにフロアが大きく揺れる。ドラマチックな1曲に続いたのは『FLOW THE MAX!!!』から4つ打ちのビートとエレクトロの融合で響くダンスロック「TOY MACHINE」だ。会場は一気にダンスフロアの様相へと変貌を遂げると、クラップのビートが響き、声をあげてステップを踏み腕を振る観客に笑顔になるメンバーたち。2014年発売『26 a Go Go!!!』収録のブギウギロックンロール「ラブ☆セラ」へと繋がると、クラップは一層大きな音に。一筋縄ではいかないジャンルレスでカラフルな音楽性を存分に放った。同アルバムからまさに青春の色が滲むメロディックなサウンドが印象的な爽快応援歌「Smile Smile Smile」が続くと、ステージとフロアの歌声が重なり、大きな歌の塊となっていくのを感じさせた。続けて爽やかに駆けのぼるギターのリフが刻む「アイオライト」。『TRIBALYTHM』収録のシンガロングな1曲で会場が心を1つにしていくと、ライブは『アイル』収録曲であり、スペシフィックで伸びやかな音が紡ぐ「Around the world」へ。ジャンプしながらビートを掴むオーディエンスの歌声とKEIGO、KOHSHIの声が重なっていく。「やっぱ、いいね。『アイル』って」とKEIGO。「世の中は便利になって、CDじゃなく手元で音楽が聴けるし、ライブは配信もあって、会場に行かなくても観られる時代だけど、ここで感じられる熱量が僕らの力で、それはここでしか感じられないものだから。ライブだけは絶対に変わらないです」と言うと、2023年リリースの最新アルバム『Voy☆☆☆』収録の「United Sparrows」が響く。時を超越するように繋がっていくセットリストと一体感は、彼らがどれだけの楽曲を生み、どれだけライブをしてきたのか。その26年という道程を感じさせた。
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