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INTERVIEW

2026.05.13

シャイトープ、TVアニメ『レプリカだって、恋をする。』ナオの心情をすくい取ったOPテーマ「リフレイン」の核心をメンバーが語る

シャイトープ、TVアニメ『レプリカだって、恋をする。』ナオの心情をすくい取ったOPテーマ「リフレイン」の核心をメンバーが語る

2023年、「ランデヴー」がバイラルヒットを記録し、一気に注目を集めた3ピースバンド、シャイトープ。2024年7月のメジャーデビュー以降、TVアニメ主題歌にも積極的に取り組んできた3人が、現在放送中のTVアニメ『レプリカだって、恋をする。』OPテーマ「リフレイン」をリリースした。作品に寄り添ったこの楽曲には、佐々木想(vo、g)が長年抱いてきた“サッドハッピー”の美学も色濃く宿っている。リスアニ!初登場となる佐々木 想、ふくながまさき(b)、タカトマンダ(ds)のメンバー3人に、音楽ルーツからアニメへの思い、楽曲制作の哲学まで、たっぷりと語ってもらった。

INTERVIEW & TEXT BY 阿部美香

シャイトープの武器は“歌”。メンバー3人の音楽ルーツとバンドの輪郭

――シャイトープは、リスアニ!にはインタビュー初登場となりますね。まずは、どんなバンドなのかを読者にも知っていただきたいので、皆さんの音楽ルーツから聞かせていただけますか?

ふくながまさき 僕が音楽というか、バンドに出会ったきっかけは、兄貴の影響で聴くようになったKEYTALKさんですね。中学くらいの頃かな?それまでも親の影響で昭和の歌謡曲だったり、スピッツさんやBUMP OF CHICKENさんなど音楽は色々聴いていたんですが、「バンド音楽っていうのはこういう編成で成り立ってるんだ」とか「バンドってこういうものなんだ」っていうのを初めて気づかされたという意味では、KEYTALKさんがルーツかなと思います。兄が2人いるんですけど、長男がドラム、次男がギターをやっていまして。空いていたのがベースだったので、僕がベースを始めたんです(笑)。

佐々木 想 僕は1つ挙げるとしたら、Mr.Childrenさんですね。元々父と兄が聴いていたんですけど……多分、一番の入口は自分の恋愛なんです。小学生の頃なんですけど(笑)。好きな子ができても、子供だから何もわからなくて上手くいかないことがたくさんあって。その時にMr.Childrenさんの恋を歌っている曲を聴いて、すごく共感して救われた感覚になったんです。アルバムでいうと『HOME』や『SUPERMARKET FANTASY』辺りからですね。それから僕はアコースティックギターを始めて、その後THE BLUE HEARTSさんにドハマりして、マーシー(真島昌利)さんのギターに憧れて、ギタリストになリたいって思って、とにかく練習をしてましたね。

タカトマンダ 僕の音楽ルーツは本当に色々あるんですけど、ピックアップするとしたら、姉が聴いていた東京事変さん、親父が大好きなレッド・ツェッペリンとか、その辺りのロックかなと。父に言われてドラムを最初に叩かされたのも、ツェッペリンの「ロックン・ロール」だったんで(笑)。自分で好きなバンドを聴くようになってからは、NICO Touches the Wallsさんからはたくさん影響を受けました。

――そんなルーツを持つ3人は、京都の大学の音楽サークルで出会ったそうですが、佐々木さんは大学時代、バンドよりもソロの弾き語りをするほうが多かったとか?

佐々木 はい、大学時代のほとんどはそうですね。部活ではみんなとコピーバンドをやったりしていたんですが、外ではオリジナル曲で、弾き語りでライブハウスに出演するみたいな。でも、やっぱりバンドもやりたかったので、悔いを残したくなくて、大学卒業後にこの2人を誘ってシャイトープを結成しました。

――そして2023年4月にリリースした「ランデヴー」が、SNSで拡散されてバイラルチャートの1位を獲得。大型フェスでも注目を集め、2024年7月にメジャーデビューしてからはアニメ主題歌も手掛けられています。「シャイトープってどんなバンドですか?」と聞かれたら、皆さんはどう答えます?

佐々木 間違いなく強いところは、やっぱり“歌”だと思います。曲を書いている僕だけじゃなく、2人も大事にしてくれていることだから、そこは1つのバンドの色だと思います。ただ“歌”は大事にしつつ、バンドとしての挑戦も色々やってきました。1枚のアルバムの中でも、同じような曲にはせずに、違うアプローチをしてみようとか。そういうのは、各々考えながらやってますね。

ふくなが 僕は、シャイトープの強みはやっぱり(佐々木の)ボーカルだと思ってます。だから自分がベースラインを作る時も、彼の声を活かせるようにというのを常に意識しますね。僕ら、切ない曲が多いんですけど、ここのベースのフレーズは、この音だとよりその切なさが伝わるだろうな、とかはずっと考えていて。ボーカルの邪魔はしたくないので、ベースも“歌える”ところは歌っていく。そこに、自分の好きなベースラインを採り入れます。

タカトマンダ 僕もシャイトープの一番の強みは、佐々木の歌だと思います。“歌”を聴かせるのが第一で、それに加えてライブでは、音源よりかなり骨太なサウンドを出している。そういうギャップも、僕らの強みだと思ってます。

――楽曲を聴いていると、佐々木さんのギターは生っぽいサウンドにもこだわっているのかなと。そもそもエフェクトも、クリーンとディストーションの効いた歪みの中間であるクランチサウンドが軸ですよね。

佐々木 そうですね。ほとんどクランチですね。特にメジャー以降は、MATCHLESSという、良いアンプをセールで手に入れたので(笑)、結果としてそういう音がバンドにも合っているだろうと。MATCHLESSのアンプは元々は奥田民生さんが使っていたものという噂を聞いたんです。僕も広島出身なので、憧れもありまして。生のライブでも、本当にめちゃめちゃ良い音がします。

――ふくながさんのベースアンプはOrangeなんですね。

ふくなが 音でビビッときて使ってます。Orangeのアンプって名前の通りほとんどはオレンジ色なんですけど、僕のはボディが黒いやつ。すごくかわいいんですよね(笑)。ステージ上の3人のバランスも良くて、良い買い物をしたなと思ってます。

――佐々木さんのメインギターはジャズマスターで、ふくながさんはジャズベース。2人ともフェンダー派なのが、シャイトープのサウンドにも合っているなと思いました。

佐々木 僕はジャズマスターを結局一番使っていて、あとテレキャスターも持っているんですけど……確かにフェンダーが多いですね(笑)。

――ドラムのタカトさんは国産のYAMAHA派。

タカトマンダ 元々憧れがあったのは、音が太くて重たいDW(Drum Workshop)で、そういうサウンドが好みではあったんですけど、日本のバンドとして、ギターやベースが弾きやすい、合わせやすい音が鳴るのはYAMAHAだなと。今回のシングル「リフレイン」は別のドラムを叩いているんですが、ライブだとすごくバンドに合った音が鳴ってくれて、すごく使い勝手がいいですね。

アニメと音楽の交差——思い出のアニソンとアニメタイアップへの向き合い方

――リスアニ!は、アニメ音楽に特化したメディアなので、ぜひ皆さんの思い出のアニメやアニメソングも教えてもらえますか?

ふくなが 僕は小さい頃からずっと観ている『名探偵コナン』シリーズが大好きです。今やっている映画(劇場版『名探偵コナン ハイウェイの堕天使』)も、公開初日に行きました。去年、行く前にネタバレを喰らってしまったので、今年こそはそうならないように(笑)。もちろん『コナン』以外もアニメは結構観るし、『銀魂』のアニソンCDを買って聴いていたくらい、アニメで好きな曲もたくさんあります。

タカトマンダ 結構幅広くアニメを観ているので、一番好きな作品を決められなくて悩みますね(苦笑)。『攻殻機動隊』シリーズも好きだし、『HUNTER×HUNTER』も大好きだし……あえて一番をつけるなら『もののけ姫』かな。アニメの曲も……今パッと浮かんだのは『デュラララ!!』第1期のオープニング。THEATRE BROOKさんの「裏切りの夕焼け」ですね。僕が小5くらいの時に姉が観てたんですけど、イントロがドラムから始まる、ズンズンタツ、ズンズンタツっていうのがすごくかっこ良くて、覚えていました。

佐々木 僕はこの2人ほどアニメを観てこなかったんですけど、そういえば……小学生の頃にものすごく楽しみにしていたのは『スポンジ・ボブ』!(笑)

ふくながタカトマンダ おお~(笑)。

佐々木 ぶっ飛んでいて、シュールな感じが好きでしたね。あとアニメソングで印象的なのは、やっぱり「残酷な天使のテーゼ」ですよね。ザ・アニソン!って感じが、すごく残ります。

――ではアニメ主題歌を作る側の立場として、ソングライターの佐々木さんは、自分たちの楽曲を作る時とアニメ主題歌では、アプローチや考え方に違いはありますか?

佐々木 だいぶありますね。アニメタイアップは原作を読んだうえで書くというのが、まず大きな違い。明確なインプットがあるので、作品の物語やキャラクターの心情を汲み取っていきます。あとアニメの主題歌は映像と一緒に流れるので、僕も画を想像してどういう曲調がいいのかな?と考えますし、アニメ側からもリクエストをいただきます。そういうところは、普通に曲を作るのとはやっぱり違いますね。

――逆に、自分たちの曲として作る場合は、佐々木さん自身の物語を曲にしている?

佐々木 昔は私小説が多かったんですけど、今はフィクションとノンフィクション半々ですね。実体験のことしか書きません!という人ではないので(笑)。自分の経験から出てくるものは当然あるので、全部が全部フィクションでもない。色んな作品を観たり、色んな人の人生を覗いてみたりして、ヒントを得ていますね。

――楽曲を受け取るお二人は、アニメ主題歌として作られた曲と、そうではない曲に違いを感じたりしますか?

ふくなが 歌詞は、作品を意識してるんだというのが、よくわかります。でもベースラインを作るうえでは、そこまで違いはなくて。大きな違いがあるとすれば、曲の長さですね。アニメで聴いてもらえるのは、ワンコーラスの89秒サイズ。普段なら、フルサイズの曲に対して展開を作っていて、“1番のこのベースフレーズを、後で伏線として出してみよう”みたいなことを考えたりするんです。89秒サイズでそれを表現するのは、やはり難しい。そういう意味では、アレンジを考えるのが難しい場合も、少しあります。

タカトマンダ 僕はアニメのオープニング、エンディングの画を勝手に想像して、それに合うか合わないかで聴く癖みたいなのが、無意識的につきました。佐々木の意図は別にしても、主題歌を受け取るたびに「すげぇ良いな!」って思うし、「やっぱ合うことやってるわ!」って勝手に思ってます(笑)。それでもシャイトープ感、佐々木想らしさは絶対失われていないから、ドラムのフレーズも構築しやすいです。

――ふくながさんのお話にもありましたが、佐々木さんご自身は、アニメサイズの89秒という制約はどうクリアしています?

佐々木 難しいですよね、89秒って。僕はギターの弾き語りの状態から曲を生み出すんですけど、初めから89秒という長さを意識しつつも、とにかく“良い歌、良いメロディ”を見つめながら書いていきますね。そのうえで、この2人がそれぞれの楽器でアレンジしてくれたり、アレンジャーさんが入ってくれたりして、全体を調整していきます。だから僕1人の力ではなくて、みんなの協力で成り立っている感じです。

次ページ:原作に共鳴して描かれたナオの想い——「リフレイン」が生まれるまで

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