リスアニ!WEB – アニメ・アニメ音楽のポータルサイト

REPORT

2026.04.10

初めてのツアーで鍛えられた3人が予感させるバンドの大いなる未来! 【トゲナシトゲアリ Zepp Tour 2026 “拍動の未来”】千秋楽レポート

初めてのツアーで鍛えられた3人が予感させるバンドの大いなる未来! 【トゲナシトゲアリ Zepp Tour 2026 “拍動の未来”】千秋楽レポート

成長の先にあった強靱なプレイでブライトな未来を現出させる

ライブの折り返し地点を迎えたところで3人は、昨年テレビアニメの物語を総括する2つの総集編映画が公開されたことに触れつつ大ネタを3連発する。

まずは自身の言葉を引き受けて映画『劇場版総集編ガールズバンドクライ【前編】青春狂騒曲』のオープニング主題歌「もう何もいらない未来」とエンディング主題歌「命をくれよ」を連射。強烈な2ビートが聴く者を否が応にも盛り上げる「もう何もいらない未来」と、その曲とサウンドストラクチャは同じにしながらも、どこかクールなミディアムチューン「命をくれよ」という2つのメロコアナンバーで歓声を誘ってみせると、その声が鳴り止まぬなか、理名がアカペラで「名もなき何もかも」の冒頭を歌い出す。これにフロアが固唾を呑むや、バンドは怒濤の勢いでこのデビュー曲をパフォーマンス。ヘビーなリズム隊の上で軽やかに跳ね回るピアノとギター、そしてまくし立てるかのようにリリックを紡ぐ高速ボーカルという、その後のバンドのサウンドデザインを決定付けたアンサンブルでより一層の大歓声を巻き起こした。

 

ライブツアーは実は各地の名物に舌鼓を打つグルメツアーでもあったと、今回の旅の道のりを振り返りつつも、結局はアニメで重要なスポットとして描かれていた神奈川・川崎の吉野家で打ち上げをしようという話に花を咲かせたトゲトゲの面々は、ライブ後半戦、そんな庶民的なノリとは対照的なカラフルなセットリストを組み上げていた。

ピンスポットを浴びながらスラップやタッピング、コードストロークを織り交ぜたインプロビゼーションを披露する朱李の歪んだベースを背に言葉を畳みかける理名に、超高速での音符の駆け降り駆け上りから、往年の名ギタリストもかくやとばかりにワウを巧みに操るソロへと雪崩れ込む⼣莉など、聴きどころ盛りだくさんの「空白とカタルシス」へ。さらに続く朱李の絶妙なタイム感のスラップベースと⼣莉のドリーミーなアルペジオ、シンコペーションしまくる理名のボーカルで魅せるバンドのキラーチューン「爆ぜて咲く」ではオーディエンスと“爆ぜて咲いた”の大合唱を繰り広げた。そしてトリルするかのように高速で短い単音フレーズを繰り返す⼣莉と朱李に理名がダルで退廃的な歌声をかぶせて、まさに極彩色のサウンドスケープを描き出す「極私的極彩色アンサー」、“分からない”、“分かりたい”と畳みかけるリリックとバウンスする裏打ちのリズムでフロアを踊らせる「無知のち私」と4曲を一気にパフォーマンス。プレイヤーとしての実力とディスコグラフィの分厚さを存分に見せつけた。

テレキャスターを担いだ理名が「最後の力を振り絞って!」と笑顔を浮かべたところでライブ本編は最終盤。バンドはシャープな8ビートとダイナミックな四つ打ちが交錯する「渇く、憂う」、暴れまくる朱李のベースと、それに相反するかのような⼣莉と理名のドライなギターがスリリングな「声なき魚」、そしてそのメジャー進行のメロディライン、ソロを回し合うパフォーマンスが、この日の公演とツアーが無事終了を迎えんとする祝祭ムードを盛り上げるビートパンクチューン「運命の華」を一気にパフォーマンス。オーディエンスの歓喜の声と拍手のなか、トゲトゲの面々はひとまずステージをあとにした。

熱烈な声援に応えて、ツアーTシャツ姿で、サポートメンバーと共にステージに舞い戻ってきた理名、⼣莉、朱李はTVアニメ『ガールズバンドクライ』のエンディング主題歌であるミディアムナンバー「誰にもなれない私だから」をアンコール1曲目にチョイス。センチメンタルながらも優しい歌声と音色をZepp DiverCity(TOKYO)いっぱいに響かせてみせる。そして理名が「次が本当に最後の曲になります」という自身の言葉に「えー……」と残念がるオーディエンスに「それを待ってた」と笑顔を向けたところで、この日の公演と【トゲナシトゲアリ Zepp Tour 2026 “拍動の未来”】ツアーは本当に大団円。世を儚み、また照れやアイロニーを交えながらも、ブライトなメロディに乗せて夢や明日、そして未来に“禱り”を捧げる「最期の禱り」をプレイしてステージの幕を閉じた。

アンコール中、理名はZeppツアーという経験を通じて自身とバンドが成長していることが実感できたと語っていたが、この日のライブはまさにそれを証明する内容に。今のトゲトゲは国内のライブハウスでは最大級のキャパシティを誇るZeppシリーズのハコでも超満員のオーディエンスを余裕でロック。その言葉とサウンドで圧倒的な熱狂を生み出していた。これからはおそらくホール、アリーナ、ひいてはスタジアムクラスのバンドへとさらに成長していくことだろう。

だからこそ今回のツアーの客席、Zeppのアリーナで周りと肩をぶつけ合いながら暴れまくったファンはこれから自慢できるはず。

「オレ、ライブハウス時代のトゲトゲを観たことあるぜ」

この日のライブは目撃者たるオーディエンスにとって、そして当事者たるトゲナシトゲアリにとって大いなるエポックになることは間違いないだろう。

なおトゲトゲは本公演中に、ツアーのアンコール公演【トゲナシトゲアリ TOUR 2026 FINAL “拍動の未来 -ENCORE-”】を5月1日に東京ガーデンシアターで開催することをアナウンスした。チケット情報などの詳細は公式サイトや公式Xでチェックしよう。またこの日には、2024年の1stアルバム『棘アリ』と2ndアルバム『棘ナシ』の完全生産限定アナログレコード盤を8月19日に同時リリースすることも発表した。

トゲナシトゲアリ Zepp Tour 2026 “拍動の未来” 東京DAY2
2026年3月14日(土)Zepp DiverCity(TOKYO)

<セットリスト>
M01.雑踏、僕らの街
M02.ダレモ
M03.蜃気楼ニ問フ
M04.闇に溶けてく
M05.空の箱
M06.理想的パラドクスとは
M07.吹き消した灯火
M08.黎明を穿つ
M09.薄采ディスプレイ
M10.もう何もいらない未来
M11.命をくれよ
M12.名もなき何もかも
M13.空白とカタルシス
M14.爆ぜて咲く
M15.極私的極彩色アンサー
M16.無知のち私
M17.渇く、憂う
M18.声なき魚
M19.運命の華

EN01.誰にもなれない私だから
EN02.最期の禱り

関連リンク

ガールズバンドクライ公式サイト
https://girls-band-cry.com/

トゲナシトゲアリオフィシャルサイト
https://ageha.agehasprings.com/archives/artist/togenashitogeari

 

SHARE

RANKING
ランキング

もっと見る

PAGE TOP