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INTERVIEW

2026.04.04

DIALOGUE+主催音楽フェス“DIALOGUE+Festa!! DAY stage -Collaboration with リスアニ!-”開催記念 短期連載![第4回目 田淵智也×飯塚麻結 対談インタビュー]

DIALOGUE+主催音楽フェス“DIALOGUE+Festa!! DAY stage -Collaboration with リスアニ!-”開催記念 短期連載![第4回目 田淵智也×飯塚麻結 対談インタビュー]

DIALOGUE+初となる主催音楽フェス“DIALOGUE+Festa!!”。昼の部「DAY stage」は“DIALOGUE+Festa!! DAY stage -Collaboration with リスアニ!-”と題し、リスアニ!が全面協力し、KOTOKO、青木陽菜をゲストに迎えたステージとなる。
そんな記念すべきDIALOGUE+の初主催音楽フェスの開催に合わせた短期連載、第4回目はDIALOGUE+の総合プロデューサー・田淵智也とDIALOGUE+メンバー・飯塚麻結による対談インタビューを敢行。そのなかで、田淵が対談相手に指名した飯塚が、今回の対談テーマである“ライブ作り”で今どんな役割を担っているのかも明かされる。そしてそんな田淵から提示される、DIALOGUE+のライブ作りにおける次なる課題とは……?今回も普段触れないような話題までじっくり語られた、必読のインタビューだ。

INTERVIEW & TEXT BY 須永兼次

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【連載】DIALOGUE+主催音楽フェス“DIALOGUE+Festa!! DAY stage -Collaboration with リスアニ!-”開催記念 短期連載!

DIALOGUE+がもう一段階進むために、飯塚麻結に託された役割とは

――今回は“ライブ作り”がテーマの対談となりますが、なぜお相手に飯塚さんを選ばれたのでしょう?

田淵智也 実は今回は、ライブ作りやリハーサルの進行を通じて「今のDIALOGUE+というユニットをどういう目標に持っていくか?」という時に、飯塚が果たしている役割についてしっかり言語化したくて。実は現在DIALOGUE+は飯塚に明確にリーダーという役割を担ってもらっています。

――それは、明確に?

田淵 はい。1年半くらい前だったよね?「リハの進行や準備を飯塚さんに仕切ってもらうから、そのメニューに従ってほしい」ってメンバー全員に伝えました。

飯塚麻結 そうですね。たしかそれくらい前だったと思います。

田淵 だから、今は僕がすべてを決めているわけではないんですよ。

――なぜそのタイミングで、リーダーを決められたんですか?

田淵 まず僕が“総合プロデューサー”という立場になった頃は、全員が健やかにユニット活動を行えるよう、1年くらいかけてメンタルケアも含めて1つずつ立て直していかなければいけなかった時期で。だから1人1人のモチベーションの上がり下がりとかを心配しながらのプロデュースだったんですね。

――丁寧に時間をかけながら。

田淵 そうです。なので、そのなかで悩んだ末に僕が決断して、ルールを決めていくのもプロデューサーの務めかな……と思っていたんですが、それはそれで悩む時間というのがかなりかかってきます。ただ、僕が大事だと考えていることは「良いライブをやってくれること」なので、そろそろメンバーにできることについては任せてもいい時期なんじゃないかな、と思ったんです。そこで、メンバーの中からリーダーを設定して、方向を決めてみんなで「良いライブ」に向けて突き進んでくれという距離感にしようと思い、飯塚に依頼しました。そうすることで、僕が思い悩むのに費やしていた時間を使って、例えば1年後の計画を立てたり1曲作ったりもできるようになるので。

――かねてから、リーダーを任せられるタイミングというのは見計らっていたんですか?

田淵 僕自身は元々リーダーを決めたほうがいいという考えだったんですが、以前は前任のプロデューサーは「リーダーを決めない」という意向があったので、それに従っていたんです。確かにこのタイプの声優ユニットで考えると、特に活動初期に誰か1人をリーダーに指名することで、「何よあの子!」みたいな変なやっかみが生まれる可能性もあるかも、とかリスクを考えると急いでやる必要はなかったなと思いますけど。

――では、なぜ飯塚さんを選ばれたのでしょう?

田淵 クリエイティブな面での“頭脳”みたいなものを持っているからです。これは振付の沢口かなみ先生も言っているんですけど、飯塚にはどうやら「踊っている時に、すべてのメンバーがどういう動きをしているのか」が見えているらしくて。それを持っていることで、例えば「さっきこの子の動きが間違っていたから、ここをこう修正をしないといけない」みたいなことがわかるというのは大きい。ただ、飯塚はもちろん他のメンバーも「飯塚の指示をとりあえず聞く」ということに慣れるまで時間がかかるので、まずは実際に取り組んでもらうことで実績として積み上げていってもらおうと考えました。やっていくうちに他のメンバーにも「飯塚の言うことは聞いておこう」という納得感も生まれる確信があったというか、そんなんで乱れるんだったらそもそも音楽ユニットとしていかんやろと思ったので、最初は彼女がそれに向いているかどうかの、ある種のテストも兼ねて任せていました。

――飯塚さんは最初にリーダーを打診された時、どう思われました?

飯塚 そもそもリーダーになるならないという話って、活動する中で2~3回ありましたよね?

田淵 あ、そうだったっけ(笑)。

飯塚 そうですよ(笑)。ただ、前は「リーダーがいたら良いこともあるけど、いなくていい気“も”する」と思っていたんです。そういう考えだった頃は、リハのメニューやスケジュールを誰がどう決めていたのかさえも知らなくて。今ではリハで1つのライブの流れを考える時にも、私たちから田淵さんに色々な質問をしますし、「それならピークはここに持ってきたほうがいいんじゃないですか?」みたいな意見を出すようにもなりました。昔はそれも誰もやっていなかったんです。でも今では、さっき言ったようにみんな各々の得意分野でそういうことをやるようになっているので、色々と気にすることがないといいますか。

――メンバーそれぞれの“分業”の一環、みたいなイメージ?

飯塚 まさにそうです。だからすんなり「あ、やります。必要ですよね」と思ってお受けしました。そもそもそういう立場になる前から都度都度意見を出すようなことはあったので、それをやりやすくなったな……という感じもありました。だから私がリーダーになったからといって、みんな特に「麻結が偉い!」みたいにはまったく思わないでしょうし、役割が明確になったことで進む方向というか頑張り方についても、より見え方がクリアになったような感じがしています。

――では、実際に飯塚さんはライブ制作のなかで、今どんなことをされているんですか?

飯塚 セットリストが確定前する前から、田淵さんから「多分これとこれが、何ヵ月後のライブで必要になると思うから」みたいに必要なことや事前に準備しておきたいことを伝えていただいていまして。その他のライブのリハや振り入れも踏まえて、それに向けたスケジュールを考えるのが、まず最初にやることですね。

――なるほど。披露のための準備は、完全にセットリストが固まる前から始まっている。

飯塚 そうなんです。最近だと、宮原颯希が活動を制限したことでダンス編成を7人バージョンにする必要もあって。それがまだ全部の曲ではできていないので、それにかかる時間も考えて、より前もって準備するようにしています。

――そういった役割を担われてから、今に至るまで苦労された部分も多々あるのでは?

飯塚 うーん、そうですね……「想像していたよりも、気にすることが多いな」とは思いました。私自身はあまり細かいことが気にならない性格ですが、さっき田淵さんがおっしゃっていたように、メンバーによっては「Aを先にやってBを後にやるほうがいい」子も、「Bを先にやってからAを後にやるのがいい」子もいたりと、本当にそれぞれ違うなと感じていて。だから今まで気にしていなかったことを気にするべきだし、「気にしたい」とも思っているんです。ただ、みんなで取り組む以上はタイムリミットもあるし、「ここはこうです」と明確に示して「みんなで頑張りましょう!」と意見を通す必要もあるので、そのバランスの大切さや難しさを感じています。

田淵 傍から見ていても、やっぱり悩んでいそうだなと感じてはいるんですけど、同時に「これは経験しないとわからないことだろうな」とも思う。ただ、僕もそれを“ドンと構えて放っておく”ことができていたかというと、怪しいんですよ。普通にずっと心配で、ハラハラしてました(笑)。

飯塚 ふふふ……(笑)。

田淵 多分今でも色々悩みながらなところもあるでしょうし、きっとムッとすることもあると思うんです。でもそこでコミュニケーションに不機嫌さを出さずに「チームを上手くまとめる」ために飯塚がちゃんと立ち回ることによって本人も成長するし、結果的に他のメンバーも納得いくようになってくるはず。逆にそうなっていかないと、そもそもユニットは長続きしないだろうとも思います。

メンバーとも対話しながら、整理されてきたライブ準備の仕方

――逆に、飯塚さんがリーダーとしての動きに慣れてきたような面はありますか?

飯塚 はい。慣れてきてもいますし……私は途中でキャパオーバー気味になった時にちょっと対応ができなくなるんですけど、それに気付けるようにもなりましたし、任せられるようになったんですよね。

――それは先ほどおっしゃられていた、得意分野に合致するメンバーに?

飯塚 はい。最初の頃はやっぱりみんな何が得意なのかもわかっていなかったんですが、それを探す目を持とうと意識してたくさん見てきたことで、今では「誰が何が得意か」がわかるようになってきました。それは「任せられるメンバーが増えた」というよりも、「私が、任せられることや任せたいことをわかるようになった」ような感じがしています。私自身は「やれるなら全部自分でやったほうが早い」と思ってしまうタイプなんですが、みんな本当に得意なことがそれぞれにたくさんあるんですよ。例えば、私はなんとなく全体を見ることが得意で、そのなかで見えた問題を解決することがすごく得意なメンバーもいて。しかも、任せたメンバーも、それに取り組んだら更に得意になったり復習になったりもするんです。

――任せることで、成長しているのも感じる?

飯塚 そういうところもあるかもしれません。だから場合によっては、この子に任せれば100%で終わると思ったことを、70%くらい得意なんだよなという子に任せることもあって。それを通じてやれたことへの達成感というか嬉しさというか……なんて言ったらいいんでしょう?

田淵 なんだろう?“使命感”かな?

飯塚 確かに。昔は言われたことをやるだけだった私たちですが、そうすることで、より自分たちで作っている意識みたいなものも芽生える気がして。

――ただ、慣れてきてはいるとはいえ、やはり複数のライブの準備を行なうのは大変そうに思います。

飯塚 私たちって、例えば3ヵ月先のライブなども含めて色々と同時並行で取り組んでいて、最近はそれにメンバー自体も慣れてきた部分がありまして。それぞれのライブに対して、集中すべきタイミングを掴むことが上手くなってきた気がしています。

田淵 そうだね。それはあるかも。

飯塚 例えば、AとBとCとDという4つのライブのリハを同時進行しているという状態があって、その準備期間が「懐かしい曲を思い出したり、7人編成の形にする」「繋ぎを決める」「ライブの流れや見せ場を決めて、それを実際にやってみる」みたいな三段階に分かれていたとして……4つのライブ全部で最初の段階からものすごく注力しようとしても、人間ってそこまで集中できないんです。だから最近ではみんな、「一段階目の時は、そこまで全部覚えようとしなくていいんだ」と捉えられるようになってきて。逆に三段階目が来たら一気に集中する……みたいな進め方をできるようになってきているんです。

田淵 なるほど……。

――仕上げるタイミングが来たところで、徹底的にやる。

飯塚 はい。そういう脳の仕分けみたいなことができるようになってきた気がしますし、少しずつそれを前提にリハを組めるようにもなってきました。ただ、やっぱりそれぞれに得意・不得意があって。その一段階目についても、リハ時間の最初にやりたい子もいれば最後にやりたい子もいるんです。なのでそういう話もできるだけ聞きながら、スケジュールを組んでいます。

田淵 今話を聞いていて「良いな」と思ったのは、飯塚だけじゃなくて全体が「どのようなペースでやったら、健康的にできるのか?」というのを体感として掴んできていること。これは長く続けるうえで、「ライブでちゃんと稼ぐ」というユニットには結構大事なことだと思うんです。逆に準備に不安があってわたわたしたり、ネガティブな感情が出てしまうような状態で練習やライブが続いてしまうと、チームの結束力は上がらない。だから僕も、総合プロデューサーになってから3年くらい「健康的にライブの準備をできるリハの進め方」は細かく試行錯誤してきましたし、今でもそれは大枠の段階から考えるようにしています。その完成度がより上がってくると、良いユニットになるような気がするんですよね。

――まさに今、それに主体性を持って取り組まれているところなわけですね。

田淵 そうですね。ただ、今の7人がそれをちゃんと乗り越えるためには、まずメンバーから代表して1人考える人がいることが必要で。で、その人の影響を受けてちゃんとみんながそこについていくことで、結果として僕がそんなに心配しなくてもいいようなサイクルができていくはずなんです。そんなふうに、長くユニット活動が続くために必要なサイクルが生まれそうな兆しが見えているというのは、良いなぁと思いながら話を聞いていました。

――そういう変な引っ掛かりや不安がないというのは、クオリティアップなどの前向きなサイクルに時間を使えるわけですからね。

田淵 そうなんです。やっぱり我々はエンターテインメントとして他の人にできないことをやらなければいけないので、「歌って踊れてすごいね!」のその先に行かないといけない。ライブを観た時に「DIALOGUE+だからこそ出るパワー」をちゃんと感じてもらえるような内容にしなければ、次のチケットは買ってもらえないわけですから。となると、やっぱり最優先でやらなきゃいけないことは、クオリティを上げることになるんですよね。

――そういった整理がなされていくなかで、飯塚さんから田淵さんに何か相談されたりしたんですか?

飯塚 しました。でもその前に、すごく色んなことを言ってくださって……多分、心配だったんですよね?(笑)。

田淵 全然任せられてないよなぁ(笑)。さっきも言ったように本当はドンと構えておくべきなんですけど、そこは単純に僕の覚悟の足らなさもあったし……僕も僕なりに「人に任せるやり方」を一緒に勉強してきたようなところもあります。

飯塚 田淵さん、基本的には「これはこうだけど、大丈夫かな?」みたいに言葉をかけてくださるんです。でも私って、自分がいっぱいいっぱいになっているのに気付かないというか……そうなっていてもあまり気にしないタイプで。だからさっきもチラッと触れましたけど、自分がキャパオーバーしたことに気付かなかった時があって、その時はそれを指摘してくださったんですよね。

田淵 それっていつだったっけ?

飯塚 1年以上前です。でもそのおかげで「確かに!」って本気で思いましたし、それからは自分自身のキャパの具合にも気付けるようになりました。

――そういう経験があったからこそ、人に任せたり渡せるという方向に舵を切れたようなところも?

飯塚 ありました。その時、確か緒方(佑奈)だったかな?「いっぱいいっぱいになった時とか、リーダー業務って大丈夫なの?」みたいに言ってくれて。やっぱり、私が指示を出したり質問したり物事を決めたりしているのを見ると、「飯塚は今、これやってるんだ」みたいなことがわかるわけじゃないですか?それで、ずっと心配してくれるんです(笑)。ただ、それに「いや、キャパオーバーになったら単純にやらなきゃいけないことが漏れてるだけだから大丈夫だよ」と答えたことがあって……冷静に考えたら、全然大丈夫じゃないですよね(笑)。

――確かに(笑)。

飯塚 確かに心の面では大丈夫だったんですけど(笑)、そのタイミングでそう言ってくれたことで「あ、本当だ」って気付くことができました。

次のページ:対談を通じて田淵が感じた、DIALOGUE+のライブ作りにおける次なる課題とは

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