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INTERVIEW

2026.02.27

にじさんじ所属の人気VTuber・叶、1stフルアルバム『藍』がリリース!「あ盤」クリエイターの制作秘話に迫る

にじさんじ所属の人気VTuber・叶、1stフルアルバム『藍』がリリース!「あ盤」クリエイターの制作秘話に迫る

このアルバムは2022年のアーティストデビュー以降音楽プロデュースを担当してきた和賀裕希が引き続きプロデュースを担当。豪華クリエイター陣を招き、ディスク1「あ盤」とディスク2「い盤」の2枚での外面と内面を表現するような作品になっている。
リスアニ!WEBでは全編のプロデュースと「ANEMONE (rework)」を担当した和賀裕希に加えて、「あ盤」に参加した2人のクリエイター、佐伯youthK(「アイ」担当)と水槽(「バッドニュース」担当)の3名による鼎談を実施。叶本人にもコメント形式でアルバムを振り返ってもらい、記念すべき1stアルバムの制作過程について聞いた。

INTERVIEW & TEXT BY 杉山仁

――叶さんの1stアルバム『藍』がリリースされました。デビュー当初から音楽プロデュースを担当してきた和賀さんは、アルバム制作に向けてどんなことを考えていましたか?

和賀裕希 まずは、1stフルアルバムとしてちゃんとしたもの作らなければいけないな、と思っていましたね。何でもそうですけど、1stってその人の名刺代わりになるものだと思うので、叶くん本人のことも、ファンの方たちのことも「ちゃんとわかってないといけないな」とすごく感じていました。自分も普段VTuberの配信をよく観るので、いつも観ている人の出したものに対して「ちょっと違うな」と思うのは嫌ですし。アルバムの発売が決まった時は「やったね!」という気持ちと同時に、「頑張らなきゃな」と思っていました。

――普段からVTuberを観ている人間としても、良い作品を作りたいと。

和賀 そうですね。「これが叶くんの1stアルバムだ!」と胸を張って言えるような作品にしたいと思っていました。最初に軽く打ち合わせをして、2回目の打ち合わせには企画書を持って行ったんですけど、その名前が(アルバム名『藍』に繋がる)「プロジェクトアイ」でした。この「アイ」は、当初は「藍」ではなく眼の「eye」でしたね。最初の打ち合わせの時に「一人称」「二人称」「三人称」のようなキーワードが出てきて、そこから派生して視覚や聴覚をテーマにしようと話が広がっていったんです。最終的には、ディスク1にあたる「あ盤」は「三人称」=「人から見られている叶くんの姿」がテーマになっていて、ディスク2の「い盤」は、叶くん発案で、聴覚は自分にしかわからないという意味で「一人称」=「叶くんの内面の姿」をイメージしたりしています。本来ディスク1枚に入る分量ではあるものの、あえてディスクを分けて、2つのテーマを表現することにしました。

――なるほど。「eye」から始まって、最終的に「藍」になったんですね。

和賀 そもそも、叶くんって、普段から配信やライブのMCなどで「愛」という単語をよく使っているなと思っていて。それもあって、僕らも「アイ」という響きを自然と連想した部分があったんだと思います。もちろん、最初はただの仮タイトルだったんですけど、叶くん本人 も含めて色々と話し合うなかで、「タイトルはやっぱり『アイ』だよね」という話になって。そこから、「じゃあ、どの表記の『アイ』にしよう?」と詰めていきました。

佐伯 カタカナの「アイ」は僕が曲のタイトルで使っちゃいましたし……。

和賀 そう(笑)。それで色々考えたんですけど、最終的に叶くんが『藍』という漢字を当てはめてくれました。「藍」の花言葉が「あなた次第」というもので、捉え方も人によって違うから、この文字がベストなんじゃないか、と。そうやって色々考えてみると、アルバムタイトルが『藍』で、「あ盤」が「eye」で「い盤」が「ear」で……ディスク1と2があいうえお順でもちょうど1、2で並んでいて。これはぴったりだという話になったんです。

――作品全体の音の方向性として意識したことはありましたか?

和賀 ライブのことは意識していましたね。あと、今回変な作り方をしていて、特にディスク1の「あ盤」では、曲を担当してもらった作家さんに「こういう曲を作ってほしい」というリファレンスを一切出さなかったんです。本当にひとつも出していなくて。

佐伯 「こういうのは違うよね」という軽い打ち合わせがあったくらいだよね。

和賀 そうそう。なので、僕がお願いする作家を選ぶ際に「この人ならこんな曲を作ってくれるだろう」とある程度の方向性を考えて依頼をして、後はそれぞれの作家さんに委ねるという方法をとりました。「あ盤」のコンセプトは「他人から見た姿」、つまり色々な作家さんが作る叶くんの「イメージソング集」で、「俺/私が思う叶くんはこう」というものを集めることで、モザイクアートみたいに叶くん像が出来上がるような構成にしています。だからこそ、あえてリファレンスを出さないほうが面白くなると思ったんです。

佐伯 作る側からすると、めちゃくちゃハードルが高いですけどね(笑)。

――依頼されたお2人はどんな気持ちで臨んでいったんでしょう?

佐伯 僕の場合、叶さんとはもちろんのこと、和賀ちゃんとも元々友達ではあったものの仕事をするのは初めてで、お話をいただけたこと自体が嬉しかったです。制作にあたっては「佐伯さんのやりたいことをやってください」と言ってもらったんですが、作家として打点を出したいという気持ちももちろんあったので、「制作チームが思い描いているのはこういうものかな」「こういうものではないだろうな」を擦り合わせる最低限のディスカッションをさせてもらって。その時に、「アイ」を使って言葉遊びをしようというアイデアが浮かんできました。曲名も「アイ」にするのはどうだろうと思いついたんですけど、アルバムのコンセプトに関わる単語でもあるので、最初は「使っていいなら使いますけど、ダメなら変えます!」と、結構ビクビクしながら提出したのを覚えていますね(笑)。

水槽 私は叶くんへの楽曲提供は2023年の「針音」以来で、あれは自分自身初めて人に楽曲提供をした経験だったんです。最初の依頼がいきなり大御所VTuberの方から来たのでめちゃくちゃ緊張したのを覚えています。ただ、当時は1stコンサートが既に決まっていて、「そのテーマソングを作ってほしい」という、テーマや方向性ががっちり決まった依頼だったので、今回の制作はそれとは真逆のものでした。「水槽さんが思う叶くんのイメージソングを作ってください」と言われたので、最初の打ち合わせで「ASMRのようなことがしたいです」と伝えました。にじさんじさんのボイス作品や乙女ゲームのボイスCDのようなものをイメージして、そういうものを曲にできたら面白いんじゃないかと思ったんです。実際、「バッドニュース」はダミーヘッドマイク(ASMRやボイス作品などで使われる人の顔の形をしたマイク)を使ってレコーディングしています。

――「アイ」も「バッドニュース」も、序盤の強烈なフックになっていますね。

和賀 まず「アイ」は、曲調的にも「キタキタ!」という感じでした。僕は佐伯さんのファンクがすごく好きなんですよ。

佐伯 ファンクのグルーヴを大事にした、「治安の悪い曲にしたい」と思っていましたね。

――いわゆる本格的なブラックミュージックの雰囲気を取り入れたい、と。

水槽 でも、治安の悪さもありつつアルバムの幕開け感もありますよね?

佐伯 そうですね。その両立がすごく難しくて。もっとファンクに寄せて悪くしすぎることも陽気にすることもできるんですけど、叶さんの曲としてどんなバランスが良いのかをディスカッションしながら作っていきました。

和賀 すごく良い形にしてくれたと思います。ただ、最初に聴いた時は、「なんて歌うのが難しい曲を作ってくれたんだ……!」とも思いました(笑)。この曲、サビの「アッアッアッアッアイ」と音を切るところも、すごく難しいんですよ。でも、叶くんはスルッと歌ってくれて。「歌上手いな!」と思いました。

佐伯 そうそう!この曲はいかに「アイ」で言葉遊びができるかを考えました。そこで、ノリを活かすために普段の作家としての仕事とは違ってあえて深いことを言いすぎないようにしています。これはそうしたほうが、僕が叶さんのイメージソングを作るうえではリアルだと思ったからなんです。僕の場合、オーダーをいただいた時点では、もちろん叶さんの存在は知っていましたけど、詳しい人となりやこれまでの楽曲については知らない状態で、それって今回の作家さんの顔ぶれの中でも実はいない立ち位置なんじゃないかと。そこで、普段は依頼をいただくと色々なものを読み込んで深堀りしていくところを、今回はあえて我慢して、アルバムの中での自分の役割として一番リアルな作家から見た叶さん像を目指しました。あえて浅いところから、俯瞰して曲を書くことにこだわったんです。

和賀 実際、佐伯さんは叶くんのことを知らない枠で呼んだので。基本は関係値のある方を呼びましたけど、それだけだとイメージソング集としては違うよな、と思ったんです。

――色んな立場から書いてくれる方がいたほうが、表現できる叶さん像が広がりますよね。

和賀 そうなんです。一方で「バッドニュース」は、水槽に頼んだ時点ではこんな曲が来ると思っていなくて、最初に聴いた時はびっくりしました。もっとお洒落な曲を想像していたら、「こういう曲が来るんだ!」と。でも、めちゃくちゃ良い曲ですよね。

水槽 最初の段階で参加される作家さんの顔ぶれを聞いた時に、「この中で自分にしかできないことって何だろう?」と考えたんです。2ステップを使った曲やジャズっぽいもの、金管楽器を使ったものは今までの叶くんの曲にもありますし、じゃあ自分はまた別のことをしたほうがいいのかな、と。そこで出てきたのが「ASMRみたいなことがしたい」というアイデアでした。にじさんじさんって色々なボイスを販売されていると思うんですけど、この曲は全編でそれをやっている、というイメージです。

――なるほど。「バッドニュース」は曲であり、ボイスでもあるんですね。

水槽 歌詞の語尾などもこだわっていて、ボイス作品のように、聴いている人が二人称になれるようなものを目指しました。例えばデートとかをテーマにしたシチュエーションボイスってあるじゃないですか。ああいう作品って、ずっと聞き手に語りかけてくれる形になっていると思うので、そういうイメージで全編を作っていきました。

佐伯 へー!面白いですね!真似したい。

――「バッドニュース」は、叶さんのセクシーな魅力が表現されているのも印象的です。

水槽 ファンの皆さんへのプレゼントのような曲になったらいいな、と思っていました。女の子のリスナーも男の子のリスナーも、みんな叶くんのこういうところが好きなんじゃないかと思うんですよ。叶くんってすごく優しくて思いやりのあるタイプの方だと思うんですけど、配信などを観ていると、それだけじゃない魅力を持っている方でもあるので。今回は、そこを最大限に出力して、極端な例を目指してみました。

――お話を聞いていると、和賀さんが作家さんのチョイスである程度方向性を定めた後に、依頼を受けた作家さんたちもそれぞれに作品の全体像を考えて曲を作っていますね。

水槽 みんな気を遣い合ってる(笑)。

佐伯 周りを見ながら……(笑)。

和賀 今回はそうやって作ってくれたものに、こちらからは基本的にはNGを出しませんでした。特に「あ盤」は、色々な人から見た叶くんのイメージソング集なので、それにNGを出すのは違うだろう、と。イメージソングってその人が誰かに持っているイメージを曲にしたものですからね。

――和賀さんが担当した「ANEMONE (rework)」はどうでしょう?この曲はイントロの部分から初期にリリースされていたオリジナル版と比べてかなり変化していますね。

和賀 アルバムに初期の曲が入っているのって良いな、エモいよな、と思うんですよ。叶くんの場合、入れるなら「ブロードキャストパレード」と「ANEMONE」の2曲だと思ったんですが、昔のものを今そのまま収録するのも違うよな、と。この2曲が出たのは2022年辺りでリリースから随分時間も経っていますし、あくまで今の温度感を作品にしたいと思っていました。実際、今の叶くんは当時と比べてめちゃくちゃ歌が上手くなっていますし、最初に曲を作った頃と比べて自分の叶くんやリスナーさんへの解像度も上がりましたし、VTuberを取り巻く環境も大きく変わりました。せっかくなら、そういうものをすべて曲に反映させたいと思っていました。それで作り始めた結果、気づいたら今回のアレンジになっていたという感じです。

佐伯 演奏も総とっかえしたの?

和賀 うん。基本的には総とっかえ。

水槽 アレンジも豪華ですし、最後にフェードアウトしていくのも良いですよね。

佐伯 確かに。アウトロでまた別の曲が始まっていくような感じで。

和賀 あれは単純に、最近フェードアウトする曲がないな、と思ったんですよ。実は今回のリワークを作り始めた時は、完成版よりもっと全編がクラブミュージックっぽい雰囲気のアレンジだったので、その要素をフェードアウト的な形でアウトロに加えました。アウトロが16小節なので(DJなどで曲を)繋ぎやすくなっていたりもします。

――叶さんのボーカルも雰囲気が大きく変わっていますね。

和賀 そうですね。本人の歌のグルーヴも出るようになっているというか。あと、今回はベース、ドラムとサックスが生演奏で、サックスもこっちで打ち込んだものを生楽器で吹き直してもらうという贅沢なことをしています。ベースとドラムは「アイ」と同じ日にレコーディングしていて、「アイ」のほうは二家本亮介さん に担当してもらったベースをめちゃくちゃ目立たせているんですけど、「ANEMONE」ではバランスをとってあまり出てこないようにしていたりします。この曲は髭白健さんによるドラムのグルーヴがより活きる感じになっていますね。

――皆さんが担当された3曲以外でも印象的だった曲はありますか?

佐伯 僕は最初、クレジットを見ずにアルバムを聴いたんですけど、まず気になったのは1曲目から3曲目までで、偶然今日集まっている3人が関わっている曲でした(笑)。2人の曲を聴いて「いいなぁ」「やるなぁ」と。あと、4曲目の春野さんが担当した「Voyage」も印象的でした。

和賀 春野さんは叶くんが好きだと言っていたので呼ぼうと思ったんですけど、この曲は少し変な作りになっていて。叶くんの曲にしては春野さんのコーラスをかなり大きく出しています。これは2人の声の違いが相性よく感じたので、むしろ一緒に歌っているような雰囲気の曲にしよう、ということになってこうなりました。

佐伯 倍テン(リズムのテンポを倍にしてノリを出す手法)になりそうでならない雰囲気も面白かったです。

和賀 そういうところも含めて4曲目っぽいですよね。

水槽 それで言うと「バッドニュース」は「なんで2曲目なんだろう?」と思いましたよ。

和賀 いやいや、「バッドニュース」は2曲目でしょう! 聴いてくれる人を驚かせたいと思ったので早めに入れたいと思っていましたね。アルバム全体の曲順で言うと、「Voyage」で一旦落ち着いて、次の「あわい」はちょっと速い2ステップのような曲になっていて。この曲を作ってくれた生活は忘れてさんは、以前『How Much I Love You』の3曲目「minority」を書いてもらったんですけど、その時に叶くんも含めて「すごく良い!」と盛り上がったので、今回もお願いしました。とはいえ、今回はこっちから具体的なオーダーを出さない特殊な依頼だったので、ご本人は「本当に大変でした」と言っていました(笑)。Galileo Galileiに担当してもらった「コモンピーポー」は、以前尾崎雄貴くんに書いてもらった「Kids」がめちゃくちゃ良かったので今回もお願いをしました。「Kidsとはちょっと違うロックな曲をお願いしたい」と伝えたら、急にフランツ・フェルディナンドみたいなダンサブルなロック曲が上がってきて「どうしたの!?」と(笑)。前回は尾崎雄貴として書いてもらいましたけど、今回はGalileo Galileiとして曲を作ってもらいました。それを叶くんが歌うと曲の印象がまた変わるのもすごく面白かったです。叶くんもレコーディング中、「この曲はなんなんだ?!」と言っていましたね(笑)。その雰囲気も含めて、すごく良い曲が録れたと思います。

――方向性をそれぞれの作家さんに委ねたことで、それぞれの作家さん自身の個性も詰まっていますし、本当に楽曲の幅が広がっていますね。

和賀 そういえば、今回新しく声をかけた人は、自分でもアーティスト活動をしている人ばかりかもしれないです。「ミッドナイトアジテーター」を作ってくれた烏屋茶房さんも、作家としてだけでなく、ボカロP・カラスヤサボウとして呼んでいる部分もあるので。

水槽 確かに、曲自体もすごく烏屋茶房さんの色が出ていますよね。ちょっと前の烏屋さんのイメージ。

和賀 そうそう。作家さんには僕がそれぞれの魅力を踏まえて声をかけているので、ある意味手癖で作ってほしかったんですよ。烏屋さんはにじさんじのオタクでもあるので、「叶さんはこうですよ!」と言いながら作ってくれて、本当に頼もしいオタクでした(笑)。

――最後の「ブロードキャストパレード(Re-recording)」は叶さんの歌を再レコーディングしていますが、アレンジについては変えていないんでしょうか?

和賀 ベースの部分は変わっていないんですけど、アレンジもキラキラの要素を抑えて、大人っぽくなった“今の「ブロードキャストパレード」”にしてもらいました。ストリングスがド派手だったものを変えてみたり、バンドサウンドでジャジーな音を入れたり、細かい部分だけを変えることで叶くんの歌の違いに焦点を当てていて、「同じ曲でも3~4年でこんなに変わったよ」と聴いてもらえるような曲を目指しました。

――改めて、叶さんの歌やボーカルの魅力というとどんなものを感じますか?

和賀 叶くんの歌って、良い意味で歌だけをやってない人ならではのものだと思っているんです。配信活動も含めて、普段からやっている色んな活動が歌にも乗っているのが面白いな、と。それに、ボーカルの表現の仕方も会うたびにどんどん進化していて、「すごいなこの人」と思います。元から良い声の持ち主でしたけど、今は歌に重みが乗ってきて、かっこいい歌をうたう人だと思うようになりました。唯一無二ですよね。

――声だけを聴くと、一見クールで優しい王子様タイプにも聞こえますが、それだけじゃない魅力があるというのも印象的ですね。

佐伯 それこそ、悪い要素を出してもらっても似合うというか。

水槽 そうですよね。声だけを聴くと、例えば「バッドニュース」の曲調も全然合ってないじゃんと思われるかもしれないですけど、配信も含めて色々と活動を見てもらうと、「なるほど、叶くんの曲だ」ってなってくれると思うので。例えば、語尾の“なのに?”とか“いい子にしてて!”とか、そういうフレーズもすごく似合いますよね。ちょっと台詞っぽい要素を歌いこなすのもすごく上手い人だと思います。

佐伯 「アイ」のラスサビで一発“アイ ”入るところも一発OKでした。

――今回の作品を経て、今後叶さんに「こんな曲も歌ってほしい」と思うことはありますか?

佐伯 気だるいものや優しいものは皆さんのイメージとしてあると思うんですけど、「アイ」を歌ってもらった時に、声を張った表現もすごく良いなと思ったので、僕はそういう上を張ったような曲や、ちょっとふざけてちょけた曲のような、ファンの人たちがまだあまり見たことないような曲も歌ってみてほしいな、と思ったりします。

水槽 自分は曲調じゃないですけど、女の子の視点とかもやってくれたら面白そうだな、と思いますね。

和賀 確かに。僕の場合は……昔ちょっと思ったのは、叶くんってたまに若い頃のチバユウスケ(THEE MICHELLE GUN ELEPHANTなど)さんみたいな声に聴こえる瞬間があって。佐伯さんのものに近いんですけど、そういうタイプの曲も聴いてみたいな、と思ったりはします。今回、豪華アーティストの皆さんに曲を書いていただいて、元の曲はそれぞれの作家さんの仮歌が入っているわけですけど、それがレコーディングを通して叶くんの声に変わっていく過程で、それをすごく上手に乗りこなしていくので、何を歌っても他人の曲ではなく叶くんの曲になる。それがすごく自然に行われるので、どんな曲を歌っても面白いと思いますし、バリバリのロックも聴いてみたいですね。

――皆さんにとって、今回の制作はどんなものになりましたか?

水槽 ここまで振り切った曲は自分も作ったことがなかったので、めちゃくちゃ楽しかったです。作ったものをそのまま採用していただいて、マイクもダミーヘッドマイクを用意していただいて。叶くんの素晴らしい声で曲を作らせていただけて最高でした。

佐伯 自分は曲を作るのが遅いほうなんですけど、それを急かさずに、「遅くてもいいので良いものを作ってほしい」と言ってくれていて、とても音楽愛のある現場だなと思いました。それに、自分が普段はやらない「解像度を上げない」ということに挑戦できたのもすごくいい経験になりました。

――様々な方々が叶さんに投影したイメージが集まって1つの偶像になっていくという今回のアルバムの仕組みそのものが、とてもVTuber的なもののように感じます。

和賀 せっかくの叶くんの作品なので、叶くんの存在や、そのコミュニティの魅力を反映できたらいいな、と思っていたんです。今回のアルバムは自分がこれまで関わった作品の中で一番制作期間の長い作品で、企画段階も含めると2年ほどずっと叶くんのことを考えている感覚でした。その間は、何か思いついたら「これも使えるかも」と常に作品のことを考えていて。そういう意味でもとても楽しい期間でしたし、1人の人やコンテンツに対してここまで時間をかけて考えることってなかなかないので、色んな勉強をさせてもらいました。自分が叶くんに対して今できることは全部やりましたし、本当に良い作品になったと思うので、ぜひ楽しんで聴いてくれると嬉しいです。


●リリース情報
叶 1st full album
『藍』
2026年2月25日発売

【初回限定盤】

価格:¥4,950(税込)
品番:LACA-39163~4

詳しくはこちら
https://lnk.to/LACA-39163

【通常盤】

価格:¥3,850(税込)
品番:LACA-19163~4

詳しくはこちら
https://lnk.to/LACA-19163

●関連リンク

叶 公式X
https://x.com/Kanae_2434

 

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