YouTubeの公式チャンネルで展開するオーディションプロジェクト「VS AMBIVALENZ」からデビューの7人組ユニット・XlamV。彼らの2度目のワンマンライブ“XlamV 2nd LIVE -DUH-”のBlu-rayが発売。さらにメンバーのソロ楽曲が全7曲同時リリースに。コンテンツの誕生から4年を経た現在について、プロデューサーの毛利泰斗と音楽ディレクターの青山正太に聞く。
INTERVIEW & TEXT BY えびさわなち
――「VS AMBIVALENZ」(以下「ビバレン」)のオーディションのスタートが2021年9月でした。あれから4年を経た今、ここまでの時間を振り返るとどのような思いがありますか?立ち上げの頃からの気持ちの変遷や熱量についてもお聞かせください。
毛利泰斗 ちょうど先日、2022年3月のインタビュー記事を読み返していたのですが、当時の自分は「(作品が)ファンにとって2推し、3推しという位置にいる感覚」と答えていました。作品認知が徐々に広がってきた時期で、応援してくれる方はいるけれど、“1番の推し”にはなれていない、という危機感を持っていました。
当時「1番の推しになれるように頑張ります」と話していたのですが、スタートから4年が経った今、実際に「ビバレンが1番の推し」と言ってくださる方がたくさんいます。そのこと自体が本当に嬉しく、感慨深いですね。また、応援してくださるファンの方が増えただけでなく、「ビバレン」を一緒に作ってくれる仲間も増えました。最初期は私ひとりで動いていたことを思うと、今は何十人ものチームに支えてもらえていることも、当たり前ではなく恵まれた環境だと感謝しています。
青山正太 僕はXlamVのデビュータイミングから関わらせていただいたので、「ビバレン」の1stシーズンは視聴者の立場でした。ストーリーはもちろん追いかけていましたし、14人の中から7人を選ばなければいけない過酷さもありながら、ライバルであり仲間でもある彼らの背景や感情も含めて面白いコンテンツだなと感じていました。いよいよXlamVがデビューとなるわけですが、これだけ色々な経験をしてきたなかから選ばれた7人だからこそ、選んでくださったファンのためにも絶対に負けられないという思いでデビュー曲「From Me」の制作時はとても気合が入りました。グループの方向性や楽曲のジャンル、歌詞などどうしようかと話し合いを相当重ねましたし、振り返ってみても思い出が多いです。リリースの度にファンの皆さんから温かいコメントをたくさんいただいていて、本当に多くの方から支持していただけるグループになって良かったなと思っています。
――この7人のXlamVだからこそ出たのはどんなカラーですか?
青山 まず全員、歌唱力、表現力が素晴らしいです。しかも全員に明確な個性がある。高音のAUGURIがいて、低音の層にはISSEIやLIONがいて、中央にSUBARUやNAGOMUがいて、最年長の39YEAH↗がしっかり軸を支えてくれていますし、元気いっぱいのJINTAROもいて、歌声だけでなくキャラクターもバランスの取れた7人だなと改めて思ったことも記憶に新しいです。メンバーの個性が突出していることを「From Me」でしっかり出せたことが良かったと思います。
毛利 「From Me」は、長いオーディションを勝ち抜いた7人が歌う1曲目ということで、楽曲そのものが最初から大きなドラマを背負っている、唯一無二の作品です。
だからこそ、その物語性を最大限に生かさなければ意味がない。そう考えて、歌詞には徹底的にこだわりました。歌詞を含め、楽曲を構成するすべてにストーリーを乗せることを何より意識したと思います。
――「From Me」以降、バラエティに富んだ楽曲が出てきましたが、音楽によるそうした展開はどのように決めていかれたのでしょうか。
青山 グループの方向性を決める中でまず、アイドルコンテンツは様々にありますが、ダンスをストロングポイントにしているグループはあまりないのでは?というアイデアが出ました。ゆくゆく3DCGライブをしていきたいという話も挙がり、そこで「本格的なダンスをしながら7人が歌っていたらかっこいいよね」となり、ダンスで魅せる楽曲を作っていこうと決めていきました。XlamVは確かにバラエティに富んだ楽曲群ですが、全部に統一してあるのはダンサブルな楽曲であることとダンスの振り付けがかっこよくはまること。そこがブレなかったので、全然違うジャンルにトライしてもグループの色が出せているのだと思います。
毛利 XlamVは「挑戦する」というスタンスは、常に持ち続けています。
制作チームではよく、「こういう楽曲はXlamVでまだやっていないよね」とか「他のアイドルコンテンツでもあまり前例がないよね」といった議論を交わしています。そうした挑戦への姿勢は、単に楽曲のことだけではなく、グループとしてもプロジェクト全体としても、一貫して根底に流れているものだと思います。
――2024年4月開催の“XlamV 1st LIVE -To You-”から2025年5月開催の“XlamV 2nd LIVE -DUH-”に至るまで、彼らのライブはどのように育ってきたと感じますか?
毛利 XlamVは「ビバレン」の顔だと思っています。だからこそ、生半可なものは作れないという想いがあります。 もし彼らが妥協したパフォーマンスを見せれば、2ndシーズンやfun4re、illuvistaに影響を及ぼすかもしれない。7人はプロジェクト全体を牽引する存在として、そういった重圧を常に背負っているのだと思いますし、制作陣も同じ目線で取り組んでいます。
だからこそ繰り返すのではなく、想像を超えられるような挑戦を心がけています。「2回目のライブは、1回目を超えていなくてはいけない」という、危機感にも似たストイックな思考こそが、彼らの成長や2ndライブの大きな反響をもたらしているのではないかと思います。
青山 ハードルは毎回上がっていっていますよね。
毛利 確かにインフレしていますよね(笑)。
青山 ほかにやっていないジャンルはあるかなということを考えますが、それも毛利さんのおっしゃる「挑戦」だと思っていて、毎回僕らが新しいことに挑戦できる楽しみもあります。ハードルが上がっていること=生半可なものを見せられないという気持ちはあります。 振付師の皆さんが作ってくださったダンスやMC、曲中の合いの手もそうですが、特に今回はメドレーとダンスブレイクを新たに入れたのもダンスという機軸があるからこそのプログラムで、そうしたものが加わった結果、“XlamV 2nd LIVE -DUH-”に価値が出たということに達成感があります。チームが一丸となれたことがライブの成長を大きく見せられたことに繋がったのではないかと思います。
――そんな“XlamV 2nd LIVE -DUH-”がBlu-rayで発売されました。あの日のライブを思い出すと、今改めてどのようなことを感じますか?
毛利 1stライブの時は、ようやく目の前で歌って踊る彼らを見られたこと、その「存在」自体への感動や満足感が強かったんです。
一方で今回の“DUH”は、純粋にパフォーマンスでお客さんを魅了し、驚きを与えてくれた。アーティストとしての進化を見せつけられたことに、とても感動したのを覚えています。
正直、準備のハードルは1回目よりも遥かに上がっていましたが、彼らはその苦労を補って余りある結果を出してくれました。「かけた労力以上のものを必ず返してくれる」、XlamVはそういうグループなんだと改めて確信しましたね。
青山 お客さんの反応が何よりも嬉しかったです。僕は後ろで観ていたので最後列のお客さんまでリアクションを見ることができたのですが、最後のメンバーからの挨拶でペンラを振って涙する様子には1st LIVE以上にグッときました。“XlamV 1st LIVE -To You-”から“XlamV 2nd LIVE -DUH-”までの間、どんな驚きがあるのだろうかと楽しみにしてくれていたお客さんたちの期待をはるかに超えたパフォーマンスで、しっかりと結果に結びつけてくれたXlamVのメンバーはすごいですし、そんなお客さんの顔を見て「いいライブだったな」と感じました。
――“XlamV 2nd LIVE -DUH-”の準備から本番を迎えるまで、印象的だったことをお聞かせください。
毛利 やはりMCパートの制作ですかね。僕らとしても非常に大切にしている要素なので、今回は相当な熱量を注ぎました。1stライブに比べてトータルの尺を長くしただけでなく、2種類の公演でそれぞれユニークな楽しみを提供したくて、台本も別バージョンを用意しました。脚本作りから複数回の収録、タイミングなど細部に至る演出の調整まで……正直、かなり大変でしたね。
でも、その甲斐あって「MCが印象に残った」という声をたくさんいただきました。僕自身、ステージ上での7人のわちゃわちゃした絡みを見るのが大好きなので、大変ではありましたが、当日のクラリスの反応を見て報われた気持ちになりましたね。今後もさらに磨いていきたいポイントです。
青山 ライブ当日の話にはなりますが、ハモやコーラスを下げてメインをちゃんと上げるなどライブをより意識したボーカルバランスを心掛けました。それと後にBlu-rayにした際にお客さんの声はちゃんと拾いたい思いがあったので、会場全体の音量バランスなど細かいところには前回よりも気を配りました。あとは今回の映像商品のためにBlu-rayでしか観られないアングルも入れて、本当に彼らがそこに存在していると感じられる技術を新たに導入しました。技術チームの準備は本当に大変だったと思いますし、初めて映像を観た僕らも本当に驚いた記憶があります。Blu-rayを初めて観たお客さんも新たな感動を味わえることは間違いないと思います。スタッフ陣の苦労がそこで実を持って結ぶだろうと思うと、反応が非常に楽しみですね。
――ご自身が思うXlamVのライブの見どころと「推しポイント」を教えてください。
毛利 「メドレー」です。こちらも2ndライブで初めて取り入れました。
ライブ中に「あの曲、最高だったな」と感動しても、通常は一度聴いたら終わりですよね。でも、その高揚感が残っている中で、もう一度サビの部分だけでもおかわりできるというのは、すごく嬉しい体験だと思うんです。私自身も、実際にメドレーを見てライブの満足度がグッと上がりました。初めての試みでしたが、ライブ全体の構成をより分厚く、濃密にしてくれたと思います。
青山 確かにメドレーは印象的でした。メドレーの前SUBARUによる「最後の曲です」というMCを聞いて「あと1曲か…」となるところ、そこからメドレーが始まるという素晴らしいサプライズになったと思います。そしてもう1つ、ダンスブレイクです。やはりダンスが一番の見どころのグループですよ、ということをあのブロックを見せるだけで十分伝えられる。あれほど説得力のあるパフォーマンスはないですし、見事に曲と振り付けがはまって、本当にかっこいいですよね。ライブを観ていて鳥肌が立ったことを覚えています。
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